マレーシア不動産投資を徹底解説!利回りやリスク、おすすめ投資法は?

東南アジアの中でも有名リゾート地として知られるマレーシア。ロングステイ財団が公表する「日本人がロングステイしたい希望国アンケート」では12年連続で1位を維持するなどその人気は不動のものとなっています。また、経済成長率では1990年以降は年6%と「東南アジアの優等生」ともいわれています。

そこで今回は、2020年に先進国の仲間入りが期待されるマレーシアの不動産投資事情について詳しくご紹介していきたいと思います。

  1. なぜ人気?マレーシア不動産投資事情
    1. 近年のマレーシア経済
    2. 割安な不動産価格水準と今後の期待
    3. 外国人がマレーシア不動産を購入するための条件
    4. マレーシア不動産の購入・売却にかかる費用
    5. マレーシアのおすすめエリア紹介
  2. マレーシアでの不動産投資の利回り
    1. マレーシアとアジア諸国との利回り比較
    2. マレーシアのエリア別利回り
    3. 今後の利回り予測
  3. マレーシアで注意したい投資リスクは?
  4. マレーシア不動産のおすすめ投資法
    1. 賃貸需要のあるエリア・物件を選ぶ
    2. 実績のあるデベロッパーを選ぶ
    3. マレーシアに支社があるエージェントに依頼する

1 なぜ人気?マレーシア不動産投資事情

マレーシアの年間平均気温は26~27℃と温暖な気候であり、「物価の安さ」「治安の良さ」などから移住地としても人気です。一般財団法人ロングステイ財団によると2006年から2017年まで連続して日本人のロングステイ希望国のトップに選ばれています。

国家主導により経済発展を続けるマレーシアは、2020年に先進国入りすることを政策目標に掲げており、今後の経済発展性や若年層の人口構成比が高いことから、不動産投資においても人気があります。そこでまずは、マレーシアの不動産投資の周辺情報を整理してみましょう。

1-1 近年のマレーシア経済

マレーシアの住宅価格は2000年以降、年間5%ほどの上昇を続けています(Global Property Guideより)。特に2008年のリーマンショック後、銀行とタッグを組んだデベロッパーの不動産購入促進施策により、多くの海外不動産投資家がマレーシア市場に参入したこともあり、マレーシア経済はV字回復を見せました。

2014年からは不動産価格の高騰を懸念した政府の規制により、住宅ローン申請の厳格化や外国人最低購入価格の増額を行いました。さらに2015年後半からの原油価格急落を受け、石油産出国であるマレーシアの経済減速が鮮明となり、不動産市場は下落を始めます。

1-2 割安な不動産価格水準と今後の期待

現在のマレーシアの不動産価格は、他のアジア諸国と比較すると比較的安い相場となっています。次の表は2017年の各アジアの1㎡あたりのコンドミニアム価格です(出典:Global Property Guide 単位:千円)

国名 ㎡あたりのコンドミニアム価格(千円)
香港 2,974
インド 1,754
シンガポール 1,553
台湾 803
フィリピン 446
タイ 446
マレーシア 388
カンボジア 329
インドネシア 326

マレーシアの不動産相場に対する投資家の期待感は続いています。阪急阪神不動産株式会社は今年4月、ベッドタウンとして開発が進むニライ地区で、マンション分譲プロジェクトに参画することを表明しました。すでに不動産開発においては過熱感があるとも言われるマレーシアですが、エリアを絞ることで魅力的な物件を購入するチャンスを伺うことができます。

1-3 外国人がマレーシア不動産を購入するための条件

それではマレーシアで不動産を購入するための条件をご紹介します。まず外国人が購入できる不動産は100万リンギット(RM)、日本円で2700万円以上の物件となります(※2018年は1月~5月においてRM1=27円~28円ほどで推移)。さらに購入する物件の州によって規制する法律が異なります。

例えばジョホール州では、2000万リンギット以上の不動産購入にはマレーシア経済企画庁の許可が必要となります。ただし最長10年の長期滞在ビザ(MM2H)を取得していれば、最低価格が安くなる州もあります。さらにMM2Hビザを取得していれば、現地での住宅ローンが組みやすくなります。

なお、外国人が不動産を取得するには、どの州でも物件が所在する州政府からの許可が必要になります。許可は、現地の弁護士に頼んで申請を行い、2~3ヶ月で取得できます。

1-4 マレーシア不動産の購入・売却にかかる費用

マレーシアで不動産を購入するさい、発生する費用についてみていきます。
まず購入時に発生するのが登記に必要な印紙税です。一般的に物件引き渡しのあと2~3年後に請求されます。印紙税額は不動残購入価格と登記時の評価額とを比較し、高い方に対して価格により1~3%となっています。

次に売買契約書作成には弁護士依頼費用がかかります。こちらは不動産購入価格の0.4~1%ですが、新築物件の場合には不要となるケースもあります。なお、売買契約書は英語で作成することができるので、マレーシア語に堪能でなくても安心です。このほか、住宅ローン申請費用や州政府合意取得費用なども必要になります。

一方、不動産を売却する場合はキャピタルゲイン税が発生します。所有期間が5年超なら5%、5年未満なら30%となります。もちろん日本でも納税は必要なので二重課税とならないように外国税額控除ができます。ただし全額控除できるわけではないので、詳しくは税理士などの専門家に聞いておくとよいでしょう。

ところで、マレーシアは英国式税制度を採用しているので基本的に減価償却費を計上できません。そのため、家賃収入に対しての現地での課税額が大きくなるので注意が必要です。もちろん日本での所得税申告では減価償却することができます。

1-5 マレーシアのおすすめエリア紹介

マレーシアでの物件選びでは、どのエリアを選ぶのかも大事なポイントです。ここでは人気エリアの「モントキアラ」「KLCC、ブキッ・ビンタン」「アンバン」「ミッドバレー」「ブキジャリル、スリペタリン」をご紹介します。

まず、高層コンドミニアムが多く高級住宅街として日本人にも人気があるのがモントキアラです。クアラルンプールの中心部から車で20分ほどにある場所で、多くの日本人や欧米人が住んでいます。複数のショッピングモールや日本食を扱うスーパーも多いのが特徴です。


次に、クアラルンプールの商業地でありビジネス街となるのが、KLCCとブキッ・ビンタンです。オフィスやホテルなどの高層ビルが多く立ち並びます。シンボルとなるペトロナスツインタワーの周辺には高層コンドミニアムが集中し、相場価格はクアラルンプールでもトップクラスとなります。


そして、KLCCの隣に位置する閑静な高級住宅街となるのがアンバンです。新築の高層コンドミニアムが多く建設されており、邸宅タイプの高級住宅も多いエリアとなります。


多くの日本人が住むコンドミニアムがあるエリアがミッドバレーです。マレーシア最大のショッピングモールもあり、伊勢丹やイオンのほかダイソーやユニクロといった日系の百貨店およびショップが多く進出しているエリアです。


このほか、ブキジャリルとスリペタリンはコンドミニアム建設が相次ぐ郊外エリアです。国立競技場やゴルフリゾートなど緑豊かな環境が特徴です。

2 マレーシアでの不動産投資の利回り

それではマレーシアの不動産投資では、どの程度の利回りが期待できるのかを見ていきましょう。

2-1 マレーシアとアジア諸国との利回り比較

アジア圏は高い経済成長と人口増加から不動産価格の上昇が見込まれ、不動産投資利回りに魅力があるとされます。それでは実際に、マレーシアは他国と比べるとどのくらいの利回りが期待できるのでしょうか。Global Property Guideによる2017年の平均利回りは、次のようになります。

国名 表面利回り
インドネシア 8.6%
フィリピン 6.1%
カンボジア 5.3%
タイ 5.1%
マレーシア 3.7%
日本 2.7%
香港 2.6%
シンガポール 2.5%

アジア各国のなかでは、マレーシアの利回りはそれほど高くないことがわかります。不動産価格の上昇に加えてコンドミニアムなどの開発ラッシュにより、供給過剰となるエリアがあることなどが一因です。

2-2 マレーシアのエリア別利回り

それでは、マレーシアのエリア別利回りをご紹介します。Global Property Guideの2017年11月時点でのデータによると、次のようになります。なお全てベッドルームが1つの部屋での表面利回り比較になります。

マレーシアの主要エリア 表面利回り
TTDI(Taman Tun Dr Ismail) 5.52%
モントキアラ 5.14%
スリハマス 5.11%
バンサー 4.50%
アンバン 4.24%
KLCC(Kuala Lumpur City Centre) 3.67%
ケニーヒルズ 3.53%
ダマンサラハイツ 2.90%

TTDIはパンサーの西側に位置し、昨年、大量高速輸送システム1号線(MRT)が開通したばかりです。スリハマスはモントキアラの南側にあるエリアで、バンサーは高級住宅地・コンドミニアムが多いのが特徴です。ケニーヒルズはモントキアラの東に位置するエリアで、ダマンサラハイツは一戸建てが多い高級住宅地です。

マレーシアのビバリーヒルズと呼ばれるダマンサラハイツやKLCCは物件価格の上昇により利回りは低くなっています。利回りの低いエリアではキャピタルゲインを狙い、利回りの高いエリアではインカムゲインを狙う方針で投資を始めるのも良いでしょう。

2-3 今後の利回り予測

今後のマレーシアの不動産利回りを考えるために、いくつかのデータをみていきましょう

まず人口増加率について日本を除く上記のアジア7か国・地域のうち、トップのカンボジア1.56%(2016年)に対して、マレーシアは3位(1.5%)となっています。雇用者1人あたりのGDPはトップのシンガポール141,226ドルに対して3位の56,083ドル、GDP成長率はトップのフィリピン6.92%に対して4位の4.24%です。そしてインフレ率はトップのインドネシア3.53%に対して4位の2.13%となっています(出典:グーグル「世界開発指標」)。

これらを見ると、7か国の中でも経済成長力は十分に高く、開発が進む不動産に対して賃貸需要も不足なく増えることが予想できます。2016年12月時点でのマレーシアにおける日系企業は1396社と、その経済成長への期待の高さがうかがえます。

ただし地域によってはすでに不動産相場はかなり高騰しています。例えば首都クアラルンプールは約95万リンギット、最大のリゾート地ペナンは約100万リンギットと、イスカンダル計画と呼ばれる大規模都市開発が進むジョホール・バルの倍ほどの価格相場となっています(出典:SEKAI PROPERTY).

また、シンガポールの不動産情報サイト大手のプロパティーグル・グループの報告によれば、2017年第四半期での不動産相場は下落が続きました。一部地域での供給過剰が投資家の購入能力を上回った結果と見られています。一方で、不動産価格が調整局面に入ったことにより、利回りの回復も見込まれます。マレーシア経済は変わらず強さを見せているので、ポジティブな要因と見ることができるでしょう。

3 マレーシアで注意したい投資リスクは?

外国での不動産投資はリスクも考えなければいけません。マレーシアは原油産出国なので世界のオイルマネーの流れによっては経済的な影響を大きく受けます。

また未完成時に購入するプレビルド物件の場合は、竣工の遅れにも注意が必要です。たとえばマレーシアのコンドミニアムは、30階建てのケースで1棟建設するのに3年ほどかかりますが、長期計画となるため竣工が遅れることもあり、場合によっては開発が中止となるというリスクがあります。

これまでは完成前に購入したコンドミニアムを完成後に高値で売却するケースもありましたが、今後は、現在の供給量の多さや未完成となるリスクを考慮することが大切なポイントです。デベロッパーの資金量などチェックできることは調べておきましょう。

このほか、2~3年間など短期間で家賃保証をつける物件もあります。この場合、家賃保証終了後も賃貸需要が見込めるかを十分に検討することも大事です。都市部のクアラルンプールでも、実際には賃借人をつけるのに苦労する物件が見受けられます。買い物などの住環境もチェックして、利便性の高い物件を選ぶなどの工夫も必要です。

さらに、売却時のリスクとしては、為替差損に気をつける必要があります。インフレによりマレーシアの通貨リンギットが円に対して上昇すれば、物件を売却して得られる日本円は少なくなるので、売却のタイミングが重要となります。

4 マレーシア不動産のおすすめ投資法

最後に、マレーシア不動産に投資する上でのポイントをいくつかご紹介したいと思います。以下、詳しく見ていくことにしましょう。

  • 賃貸需要のあるエリア・物件を選ぶ
  • 実績のあるデベロッパーを選ぶ
  • マレーシアに支社があるエージェントに依頼する

4-1 賃貸需要のあるエリア・物件を選ぶ

現在、マレーシアの外国人向けのコンドミニアムは賃貸需要を超えた現在過剰供給にあるといえます。多額の現金を投入してキャピタルゲインのみを狙うのであれば別ですが、インカムゲインによる収益を考えるなら地元の賃借人がつきやすい物件を選ぶのが無難でしょう。

開発エリアの人口の増加率などをチェックし、賃貸需要がどの程度見込めるのかを確認するようにしましょう。例えばイスカンダル開発計画が進むジョホール州のイスカンダル地区は、政府試算では190万人(2017年)から2025年までに300万人増えるとされています。しかし、住宅物件は投機目的で購入されたケースが多く、物件価格は上昇しているものの人口は少なく、シンガポールからの移住も増えていないのが現状です(参照:ジェトロ)。一方でペナンは3%台の利回りですが物件価格も賃貸需要も安定して推移しています。インカムゲインを狙うのであれば、このようなエリアを狙うのもよいでしょう。

4-2 実績のあるデベロッパーを選ぶ

また大手デベロッパーが開発する物件を選ぶことも大切です。日本企業も開発に参入しており、開発が滞りなく遂行される物件を選ぶようにしましょう。現地で実績豊富なデベロッパーには、以下のような企業があります。

  • E&O Properties ペナンE&Oホテルのオーナー企業であり高品質が人気
  • Ecoworld 商業施設を含む複合開発に定評がある
  • Ireka Corporation モントキアラ地域での開発が多い建設会社
  • Pavilion (Molton) パビリオンノールのオーナー企業でありコンドミニアム開発で躍進
  • Sp Setia マレーシア最大手のデベロッパー

実績のあるデベロッパーであれば、銀行からの借入比率を高めることができる可能性も上がりますので、現金の出費を極力抑えたいという方におすすめです。

4-3 マレーシアに支社があるエージェントに依頼する

信頼できるエージェントを探すことも非常に重要です。どのエリア・どの物件に投資をしたほうが良いか、現地のニーズ、価格や利回りの相場、マレーシアの税制や法律、出口戦略などについて、専門的なアドバイスをくれるパートナーがいるかどうかは、投資の成否に大きく関わってきます。HEDGE GUIDEに掲載している会社の中で、マレーシアの投資に特に強いのがビヨンドボーダーズです。

本社は国内にありますが、マレーシアに支社を持っているため、現地でのネットワークはもちろん、リアルタイムで現地の最新情報やお得な物件情報の仕入れを実現することができています。無料のマレーシア投資ガイドやマレーシア投資に関する無料のセミナーなどもありますので、「何から始めていいか分からない」「他の国との比較をした上で投資をしたい」「1000万円以下でおすすめの物件を購入したい」などの方は、まずは情報収集から始めてみると良いでしょう。

The following two tabs change content below.

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」