カンボジア不動産投資のリスクは?法整備の状況や不動産会社の選び方も

経済や人口などの面で成長著しい東南アジアの中でも、カンボジアは大きく発展する可能性を持っています。カンボジアは経済成長や米ドルが流通していることなどから、不動産投資の対象国として注目されている国の一つと言えます。

しかし、歴史的な背景を原因として、カンボジア不動産投資にはリスクもあります。リスクを軽減するためには、不動産会社の見極めや、物件所有権の登記に関する確認などが重要です。カンボジア不動産投資のリスクと対策について解説します。

目次

  1. 不動産会社に関するリスク
    1-1.不動産会社の販売資格取得のハードルが低い
    1-2.仲介手数料のみが目的の不動産会社も存在する
    1-3.供託制度がない
    1-4.竣工リスクがある
    1-5.物件の面積表示に注意
  2. 物件の賃貸運用に関するリスク
    2-1.空室リスクがある
    2-2.入居者の属性に注意
  3. 物件の所有権登記に関するリスク
    3-1.ハードタイトルとソフトタイトルの違いに注意
    3-2.カンボジアでは登記制度が整っていない
  4. まとめ

1.不動産会社に関するリスク

カンボジアでは不動産関連の法整備が道半ばにあり、日本と比較して不動産取引のリスクの大きい国です。これらのリスクを回避して不動産取引を進めるためには、信頼性の高い不動産会社を見極めることが重要です。

以下、不動産会社に関するリスクと見極め方について解説します。

1-1.不動産会社の販売資格取得のハードルが低い

カンボジアでは1991年まで内戦が続いていた経緯があります。この内戦の間に法律関連の文書などが処分されてしまったことから、カンボジアでは不動産関係の法律があまり整っていません。2020年12月時点、日本もカンボジアに対して法整備の支援を行なっている状況です。

カンボジアでは内戦に伴う歴史的な背景から、特に免許などを持たずに不動産を販売している会社も存在しています。また、外国企業も比較的容易に不動産市場へ参加可能であり、何か問題が起きるとカンボジアから撤退してしまうことも考えられます。

カンボジア不動産を購入する場合は、売主や仲介会社などの背景を事前に確認する必要があります。

1-2.仲介手数料のみが目的の不動産会社も存在する

カンボジアでは、会社と物件を紹介するだけで、特に取引に関する業務を行わず、仲介手数料を請求してくる会社もいます。

仲介手数料だけが目的の不動産会社は不動産売買に関する実務を特に行わず、売主との交渉やアフターサービスなども期待できないので要注意です。

カンボジア不動産を購入する時には、各会社が何の業務を行う予定としているのか、事前に確認することが重要です。

1-3.供託制度がない

供託とは、不動産の買主を保護するための制度です。不動産会社は、あらかじめ供託所へ営業保証金を預け入れておきます。例えば、不動産売買のトラブルによって買主が規定期間内に売買契約を解除したものの、手付金を取り戻せない場合などは、供託所から買主にお金が支払われます。

日本の不動産会社は、供託所へ供託することで買主のリスクヘッジを図っています。しかし、カンボジアには供託制度がありません。買主から見ると、取引に際して問題が起きた時に、お金が戻ってこないリスクがあります。

日本では、不動産取引に際して供託の有無について重要事項説明で説明することが不動産会社に義務付けられています。このような義務付けがないことから、不動産取引に関するリスクの高さが分かります。

1-4.竣工リスクがある

カンボジアでは外国人投資家向けにプレビルドのコンドミニアムが多数販売されています。プレビルドとは建設工事途中にある物件のことです。また、プレビルドの物件を購入する時には、購入資金を複数回に分けて支払います。

しかし、プレビルドのコンドミニアムは、物件の売れ行きが良くないと工事が途中でストップしてしまうリスクがあります。新興国では買主から受け取った資金をそのまま工事費用に充当する自転車操業状態のプロジェクトも見られます。

自転車操業状態のプロジェクトでは、物件の売れ行きが良くないと、途中で資金が不足して工事がストップする可能性もあるので要注意です。カンボジアでプレビルドの物件を購入する場合は、物件の発売時期と売れ行きの確認が重要です。

1-5.物件の面積表示に注意

カンボジアでは、コンドミニアムのユニットについて、面積の表記が統一されていません。面積の表記には「グロス面積」と「ネット面積」という2つの表示方法があります。

ネット面積は、日本で言うところの専有面積のことを指します。住戸内の面積とバルコニーの面積との合計がネット面積です。その一方で、グロス面積とは、建物の延床面積を戸数で割り戻して計算されます。

建物の延床面積には、共用廊下や階段なども含まれているため、実際の住戸面積を表すには不適切であり、グロス面積と実際の住戸面積とは乖離していることも考えられます。カンボジア不動産を購入する時には、住戸のネット面積を確認することが必要です。

2.物件の賃貸運用に関するリスク

カンボジア不動産の賃貸運用を進める上では、賃貸需要の見極めと入居者トラブルに要注意です。

2-1.空室リスクがある

特にカンボジアの首都プノンペンでは、投資用物件として高級高層コンドミニアムも多数販売されています。高級な物件では、入居者ターゲットは現地の富裕層か外国人駐在員などに限定されます。家賃も高額に設定しないと、利回りを確保できないためです。

しかし、カンボジアは東南アジアの周辺国と比較して、それほど経済的に豊かなわけではありません。例えば1人当たりGDPを比較すると、カンボジアはまだ低い部類に入ります。

※引用:IMF「GDP per capita, current prices

カンボジアでは、高級コンドミニアムに入居できる現地人は少ないと言えるでしょう。入居者募集に関するしっかりとした戦略がない限り、カンボジア不動産投資では空室リスクに要注意です。

2-2.入居者の属性に注意

カンボジア不動産投資では現地人の所得が低いことから、入居者の収入が安定せずに家賃滞納のリスクもあるので注意が必要です。入居者を選別するためには、入居前のスクリーニングが重要になります。

3.物件の所有権登記に関するリスク

日本では、登記済証を入手することで不動産の所有権を主張できます。しかし、カンボジアでは、歴史的な背景から物件の所有権登記にリスクがあるので要注意です。

3-1.ハードタイトルとソフトタイトルの違いに注意

カンボジア不動産の所有権登記には、「ハードタイトル」と「ソフトタイトル」という2種類の登記済証があります。

日本で言うところの登記済証に該当するのは、ハードタイトルです。その一方で、ソフトタイトルは、不動産所有権の証明ではなく「不動産売買が行われたことの証明」として機能します。

このため、ソフトタイトルの証明書を所有しているだけでは、物件の所有権を法的に主張できません。また、2020年現在では、ソフトタイトルのみを用いた不動産売買は法的に禁止されています。カンボジア不動産を購入するときは、ハードタイトルを入手することが重要です。

3-2.カンボジアでは登記制度が整っていない

すでに解説したとおり、カンボジアでは過去に内戦が発生した時に、法律関係の書類などが大量に処分されました。また、不動産の所有権に関するものも処分されており、1979年以前の不動産所有権が無効となっています。

内戦が終了してから少しずつ登記が進められているものの、2017年9月末時点で国土の約65%がまだ未登記の状態です。また、登記簿は手書きで作成されており、データベース化されていません。日本と比較すると、カンボジアでは不動産の所有権登記に不安があります。(法務省「カンボジア王国における不動産登記制度と実情」を参照)

確実に所有権登記を完了させるためには、不動産会社のサポートが重要です。カンボジア不動産の取引を進めるためには、多くの取引実績を持った不動産業者を探すことが必要になります。

ビヨンドボーダーズ

ビヨンドボーダーズは、日本最大級の海外不動産情報サイト「SEKAI PROPERTY」を運営する不動産投資会社です。社内には英語・中国語のネイティブスピーカーも在籍しており、カンボジアを含む海外不動産の購入時には物件選びから賃貸付け・管理・売却までワンストップで依頼をすることが可能です。

また、初心者向けに海外不動産セミナーやオンライン内覧会なども開催していますので、海外不動産に関して情報収集をしたい方や購入を検討している方は、ぜひ一度相談されてみると良いでしょう。

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まとめ

カンボジア不動産投資は、物件所有権の登記や不動産取引の制度が未整備なことなどから、不動産会社の適切なサポートを受けることが重要です。不動産会社を選ぶにあたっては、実績を持った日本の不動産会社を選ぶのが良いでしょう。

また、カンボジアでは、クメール語という現地の言語が公用語になっていることからも、投資家が直接現地の不動産会社とコミュニケーションを取るのは困難です。売主とのコミュニケーションを、日本人業者に取り持ってもらうことが重要になります。

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