投資用マンションの運営は10〜20年以上といった長期間に及びます。また、初めて不動産投資を検討している初心者の方や、物件数を増やしていきたい方にとっては、マンション投資会社のアフターフォローの内容によって管理の手間や運用時のリスクに大きな違いが出てくるでしょう。
そこで今回のコラムでは、マンション投資会社7社のアフターフォローについて比較しやすいように特徴を紹介していきます。
目次
- アフターフォローが手厚いマンション投資会社
1-1.湘建
1-2.プロパティエージェント
1-3.インヴァランス
1-4.エイマックス(A-MAX)
1-5.トーシンパートナーズ
1-6.FJネクスト
1-7.グローバル・リンク・マネジメント - まとめ
1 アフターフォローが手厚いマンション投資会社7社の比較
マンション投資会社のアフターフォローを比較検討する際は、購入後の管理システムの内容がポイントです。どのような管理体制が構築されているかによって、投資用マンション運用に関わるオーナーの負担が異なってきます。
管理システムの内容も、借上システムやサブリースシステム、設備保証システムなどが導入されていると、オーナーの時間的・経済的負担を軽減する選択肢も増えます。さらに、入居者向けの相談窓口だけではなく、オーナー向けの相談窓口が設けられていると運営による不安や戸惑いも払拭されやすくなるでしょう。
その他、税理士による経理や確定申告に関する相談・アドバイス、多彩な特典が用意されているオーナークラブの提供、専門スタッフによる出口戦略の提案など、マンション投資会社によってさまざまなアフターフォロー体制が築かれています。
下記、マンション投資会社7社のアフターフォローの内容についてまとめた表です。
マンション投資会社 | アフターフォローの特徴 |
---|---|
湘建 | 設備保証サービス |
プロパティエージェント | 設備保証サービス、確定申告相談会、オーナー謝恩パーティ、買取・買い替えの相談受付 |
インヴァランス | サブリースシステム、オーナーズクラブ、コンサルタントによる相談 |
エイマックス | 設備保証サービス |
トーシンパートナーズ | 借上システム、設備保証サービス、オーナーズクラブ |
FJネクスト | サポートセンター、買取専門部署 |
グローバル・リンク・マネジメント | サブリースシステム、入居者相談窓口 |
次の項目からは、各マンション投資会社について、アフターフォローの特徴を中心に詳しく解説していきます。
1-1 湘建
湘建は、東京と横浜エリアでワンルームを中心とした投資用マンションの販売を行っているマンション投資会社です。新築物件と中古物件のどちらも取り扱っていますが、高い事業性や融資の獲得しやすさから最寄り駅から徒歩8分以内を基準としています。
複数の金融機関と提携しており、融資に強いのも同社の特徴の一つです。そのためオーナーの85%が頭金10万円以内でスタートしています。またオーナーの属性によっては、1%台前半の優遇金利が適用になることもあります。
アフターフォローの特徴
湘建では、物件を購入した後に利用できる賃貸管理サービスを2つ用意しています。そのうち入居者募集からクレーム対応、リフォームの手配などの業務を担当するのが「集金代行システム」(月額3,000円)です。一方、「家賃保証システム」(査定賃貸料金の10%)では、入居者募集からクレーム対応、リフォームの手配などの管理業務に加えて家賃保証を利用することができます。
また、設備保証サービスが利用できるのも特徴です。設備にトラブルが発生した場合の費用や入退去時にかかる原状回復費用は、すべて湘建が負担してくれます。
下記は、設備保証サービスの主な対象です。
- エアコン関係…修理メンテナンス(5年)、寿命目安(10年)
- 洗浄器付き便座…修理メンテナンス(5年)、寿命目安(10年)
- フローリング…修理メンテナンス(5年)、寿命目安(10年)
- 給湯器…修理メンテナンス(5年)、寿命目安(10年)
- ユニットバス…修理メンテナンス(7年)
- キッチン…修理メンテナンス(5年)
- クロス、…修理メンテナンス(5年)、など
同社では、35年間のマンション運用でかかる設備修繕費用を約320万円と想定しており、これらの費用を同社が負担することでマンション経営をサポートしています。
1-2 プロパティエージェント
プロパティエージェントは、東京23区と横浜エリアでマンションの開発および販売を手掛けているマンション投資会社です。創業以来、20期連続で増収増益を達成しており、2023年3月期の売上高は372億円となっています。取り扱い物件は、新築マンションと中古マンションの両方です。
提携している金融機関が10社以上あるのが特徴で、物件の担保能力の高さから、フルローンで融資を獲得した実績も豊富にあります。
アフターフォローの特徴
賃貸管理では、入居者募集から賃貸契約手続き、 家賃の集金、クレーム対応、メンテナンス手配まであらゆる業務を代行する体制が整っています。 また条件によっては、管理手数料が無料になることもあります。
手厚い設備保証サービスを用意しており、「プランA」(月額1,480円)は6品目が対象で、「プランB」(月額4,980円)は13品目が対象になっています。同社が開発した新築物件のほか、同社から購入した中古物件(他社ブランド含む)すべてが対象になっています。
名称 | 設備保証サービス |
保証料 | 月額1,480円、月額4,980円 |
内容 | 「プランA」はルームエアコン、給湯器などの6品目、「プランB」は「プランA」の6品目にインターホン、ガラスなどの6品目がプラスされます。 |
補償内容は、1回の修理代が10万円まで(修理回数は無制限)となっています。
そのほか、税理士による確定申告無料相談会、オーナー謝恩パーティなど、オーナー経営をサポートするサービスが充実しています。また物件運用の再プランニングや、投資用不動産の売買仲介・買取・買い替えなどに対しても、専門知識が豊富なスタッフがサポートを行っています。
【関連記事】プロパティエージェントの不動産投資セミナーの内容は?体験レポート・講師インタビュー1-3 インヴァランス
インヴァランスは、東京23区内でマンションを開発・販売するマンション投資会社です。「CREVISTA」「LUXUDEAR」という投資用マンションブランドを持ち、これまでに100棟以上を供給しています。2017グッドデザイン賞を受賞した「LUXUDEAR(ラグディア)高輪」など、デザイン性と機能性を兼ね備えた物件が特徴的です。最近は最先端のIoTを物件に導入しており、差別化および入居者満足度の向上につなげています。
10社以上の金融機関と提携し、無理のない投資プランを提供しているため、オーナーが用意する頭金は10万円からとなっているのも特徴です。
アフターフォローの特徴
賃貸管理業務は専門の賃貸管理部門が担当し、「入居前」「入居中」「退去時」のあらゆるシーンでトータルにサポートしています。5年更新のサブリースシステムも導入しており、空室に対する不安を感じることなくマンションを運営することができます。建物の維持管理や修繕のほか、管理組合の運営代行・補助も担うことで、オーナーを手厚くサポートしています。
オーナーが利用できる多彩な特典が用意されたオーナーズクラブ「Benefit One」を提供しているのも特徴です。ローンの繰り上げ返済、借り換え、物件の売却など経営に関わるあらゆる相談に対しては、経験豊富なコンサルタントが応じています。
1-4 エイマックス(A-MAX)
エイマックスは、資産(Asset)の最大化(MAX)を社名・理念として掲げているマンション投資会社です。東京23区にエリアを限定し、投資用マンションの仕入れ・販売を行っています。代表は日本でトップの不動産販売実績(※)を有する天田浩平氏です。(※投資用マンション部門 天田代表の個人取引実績 年間最高売上高83.9億円)
立地条件や物件の資産価値、建物管理の状況などを厳格な基準で見極めており、毎月2,000件以上の表に出ない中古マンションの中から実際に紹介しているのは数十件のみとなっています。オーナーのリピート率が74%、紹介率が39%(いずれも2020年10月集計)ということからも顧客満足度の高さが窺えます。
アフターフォローの特徴
エイマックスの賃貸管理で代表的なサービスがサポートシステムです。月額1室2,200円(税込)でさまざまな管理業務を代行しており、家賃保証と設備保証の両方がセットされているのが特徴です。
名称 | サポートシステム |
保証料 | 月額2,200円(税込) |
内容 | 物件購入後、5年間利用できる、空室時の家賃保証と設備保証がセットされている管理業務プランです。設備交換および内装工事費は物件購入後、何度でも無料です。家賃保証は空室発生60日経過後から入居決定までの期間、査定家賃の80%が保証されます。 |
1-5 トーシンパートナーズ
トーシンパートナーズは、「フェニックス」や「ZOOM」という2種類のブランドマンションを供給するマンション投資会社です。「SAFETY(安全で、安心する)」「SENSE(センスが刺激される)」「PRACTICAL(実用的で使いやすい)」という3つの価値を追求して、物件を開発するのが特徴です。
2014年~2022年までの9年連続でグッドデザイン賞を受賞していますが、デザイン性だけでなく立地の良さを重視している点も特徴的です。東京都心部・横浜・川崎エリアを中心に、最寄り駅徒歩10分圏内を条件として入念なマーケットリサーチを行うことで、入居率の高い物件を供給してます。
アフターフォローの特徴
物件購入後は、グループ企業のトーシンコミュニティーが管理業務を代行しています。長期間の空室が不安な場合は、査定家賃の90%で借り上げる「借上システム」も利用することができます。退去時の原状回復費用も同社が負担することになっています。
設備に対しては無償サービス「ZOOMメンテナンスプラス」が利用できます。給湯器とエアコンには10年間の保証がついているほか、対象外の設備費用や内装費用が発生した際に利用できる「おうちポイント」の進呈も行っています。
また同社の物件を購入すると、「トーシンオーナーズクラブ」に加盟することができます。主な内容は下記になっています。
- 季刊情報誌「TOHSHIN SYNAPSE」の定期配布
- 専用WEBサイト
- 各種イベント・セミナーへの招待
- 確定申告書作成サポート
このような多彩なサポートサービスによって、オーナーのマンション運営をアシストしています。
1-6 FJネクスト
FJネクストは、東京都内を中心に新築マンションを供給するマンション投資会社です。「ガーラ」シリーズという高品質なマンションブランドを展開しており、マンション供給実績は業界トップクラスの346棟(2023年3月末時点)です。
特徴的なのは、投資用マンションにとって有利な条件である駅近を多くの物件で実現していることです。2020年9月時点で供給した物件のうち82.4%が最寄り駅から徒歩7分以内、98.8%が徒歩10分以内となっています。
アフターフォローの特徴
管理業務はグループ会社のFJコミュニティが担当していますが、管理員を自社で採用および教育している点は特筆に値します。そのためきめ細かな建物管理と密な連絡体制が確立されており、資産管理を強力にサポートしています。
また確定申告のサポートセンターを設置しており、書類作成などの事務的なサポートをしています。本業を持っている方でも無理なく経理業務ができ、時間的かつ経済的な負担を軽減させることができます。売却を希望する場合は、買取専門部署が対応するため、物件を手放す際のサポートを期待できる点も特徴です。
1-7 グローバル・リンク・マネジメント
<グローバル・リンク・マネジメントは、東京23区や川崎市などを中心に「アルテシモ」というデザイナーズマンションブランドを供給しているマンション投資会社です。マンション開発のコンセプトは、「都心からチカイ(近い)」 + 「駅からチカイ(近い)」 + 「高いチカ(地価)」という3つの〝チカ〟としています。
サステナブルな不動産開発にも注力しており、「ZEH-M Oriented」や「BELS」4つ星以上などの基準を満たした物件を供給しているのも特徴です。「サステナブルな不動産事業モデル」として先進的な取り組みを行っている点も高い評価を得ているポイントとなっています。
【関連記事】不動産×脱炭素の「ZEHマンション」に投資するには?ZEHデベロッパーも
アフターフォローの特徴
管理に関して特徴的なのは、業界最長の7年更新のサブリースシステムを提供していることです。長期間にわたって家賃が保証されるほか、更新時の家賃下落幅は5%程度に抑えられているため、家賃下落リスクや資産下落リスクを軽減することが可能です。管理業務は「サブリース」のほか、家賃集金や退去時の立ち会いなどを代行する「集金代行」も提供しています。
入居者向けの相談窓口として、24時間365日対応の「緊急サポート24」を提供しています。電気設備や鍵、水回りなどのトラブルのほか、健康相談や育児相談、生活相談などの健康医療情報サービスなども提供しています。入居者に快適な暮らしをしてもらうことで、オーナーのマンション経営をサポートしています。
まとめ
マンション投資では、物件の購入後に適切に管理・運用する必要があります。その際、物件を供給するマンション投資会社、または管理を担う管理会社によるサポート内容によって、オーナーの手間や運用時のリスクも異なってきます。
今回のコラムでは、アフターフォローが手厚いマンション投資会社7社を紹介しました。各マンション投資会社では物件の特徴を解説したり、収支シミュレーションなどを行うセミナーや個人面談を定期的に開催しています。実際に話を聞いてみることで、マンション投資をより具体的にイメージすることにもつながるでしょう。
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倉岡 明広
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