不動産売却の依頼前に確認したい「業者名簿」の取得方法は?見るべきポイントも

不動産を売却する際は、自分で購入希望者を探すことは困難なので、不動産の専門家である不動産業者に仲介を依頼します。依頼前に信頼できる不動産業者か確認しておきたいと考えている人も多いのではないでしょうか?

そんな時、不動産会社の情報が確認できる業者名簿は信頼できる不動産業者かどうかを判断できる資料の1つです。この記事では、業者名簿の取得方法、チェックポイントを解説します。

目次

  1. 業者名簿とは
    1-1.業者名簿の確認場所
    1-2.基本情報はインターネットでも閲覧可能
  2. 業者名簿のチェックポイント
    2-1.免許
    2-2.業者の現況
    2-3.業者の経歴
    2-4.営業保証金
  3. まとめ

1.業者名簿とは

業者名簿とは、宅地建物取引業法第8条に定められている宅地建物取引業者名簿です。国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けた宅地建物取引業者が業者名簿に登録する主な事項として以下の7つが挙げられます。

  • 免許証番号および免許の年月日
  • 商号または名称
  • 法人の場合は役員や政令で定める使用人の氏名
  • 個人の場合はその者や政令で定める使用人の氏名
  • 事務所の名称および所在地
  • 事務所ごとに置かれる宅地建物取引士の氏名
  • その他国土交通省令で定める事項

宅地建物取引業法第10条は名簿を一般の閲覧に供しなければならないと定めているため、誰でも希望すれば業者名簿を閲覧できます。

1-1.業者名簿の確認場所

業者名簿は各不動産業者に備え付けられているわけではなく、都道府県知事免許の宅地建物取引業者の場合は免許証を交付した都道府県庁内の不動産業管轄部署で閲覧できます。

一方、国土交通大臣免許の場合は、本店を管轄する都道府県庁または管轄地域の国土交通省地方整備局のどちらでも閲覧可能です。

業者名簿を閲覧できる時間や曜日は、国土交通大臣免許なのかによって異なります。また、閲覧にお金がかかるケースもあるので事前に確認しておきましょう。

1-2.基本情報はインターネットでも閲覧可能

閲覧場所が遠方にある、仕事の都合で受付時間内に閲覧できないケースでも、不動産業者の基本情報についてはインターネットでも閲覧可能です。

国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」では、以下のような情報を入手できます。

  • 商号
  • 所在地
  • 代表者氏名
  • 免許証番号
  • 免許証の有効期間
  • 行政処分歴

無免許または行政処分を受けたことがあるかどうかなどの情報が確認でき、信頼できる不動産業者かどうかを判断する際の参考とすることができます。

2.業者名簿のチェックポイント

業者名簿には多くの情報が登録されているため、どこを確認すればいいか分からない人も多いと思います。業者名簿を確認する際に、重視しておきたいチェックポイントは以下の4つです。

  • 免許
  • 業者の現況
  • 業者の経歴
  • 営業保証金

それぞれのチェックポイントについて詳しく説明していきます。

2-1.免許

免許申請書の第1面には、免許証番号と有効期限が記載されています。申請時の免許証番号と現在の免許証番号の2種類が記載されているので、申請時の免許証番号を現在の免許証番号と間違わないように注意しましょう。

新規に免許を取得した不動産業者は免許証番号に(1)と記載されており、免許更新のたびに(2)~(3)と数字が増えていきます。

数字の大きな業者は業歴が長いという証明となります、ただし、業歴の長い業者が必ずしも実務経験豊富であり、問題が無いとは限らないので、実際の仲介実績もあわせて確認しましょう。

2-2.業者の現況

免許申請書の第1面~第4面には、商号、名称、事務所、代表者、役員の氏名、専任の宅地建物取引士などの情報が記載されています。

経営状況や運営に問題のない企業であれば、基本的に商号が変わったり、代表者や役員が入れ替わることは少なくなります。商号が頻繁に変わっている、短期間で代表者または役員が入れ替わっている不動産業者は注意が必要です。

また、従事者名簿では、従事者の氏名と勤務開始年月日を確認できます。従業者の入れ替わりは代表者や役員の入れ替わりほど珍しくありません。

しかし、従業者が頻繁に入れ替わっていることを確認できた場合、引き継ぎミスによるトラブルに発展する、問題を多く抱えている業者の可能性がある、という見方もできるでしょう。

2-3.業者の経歴

宅地建物取引業経歴書では免許申請前の5年間の取引実績を確認できます。1枚目は代理・媒介(仲介)、2枚目は売買・交換が記載されています。

免許の更新回数と宅地建物取引業経歴書をあわせて確認すれば、実務経験豊富かどうかを見抜くことが可能です。ただし、免許更新を一度もしていない業者の場合は、取引実績に関する記載がありません。

他にも、決算書を確認すれば免許申請1年前の資産状況、納税証明書を確認すれば同じく免許申請1年前の法人税(個人業者は所得税)の納税状況を確認できます。

また、行政処分の記録では、過去5年間に処分歴のある業者の場合はその記録が確認できます。ただし、記載されているのはあくまでも行政処分を受けた場合のみです。指導や注意などは記載されていません。

行政処分の記録に何も記載されていない不動産業者でも、消費者からの苦情やトラブルの多い業者の可能性もあるため、注意しましょう。

2-4.営業保証金

不動産業者の何らかの不備でトラブルに発展した場合、十分な資力がなければ納得できる保証を受けられない可能性があります。そこで重要なのが営業保証金です。

不動産業者は免許を取得した後、営業を開始する前に法務局に営業保証金を供託もしくは保証協会に入会して弁済業務保証金分担金を納付します。

通常は営業保証金によって十分な保証を受けられる体制が整っていますが、弁済によって営業保証金がない、保証協会から除名された業者は営業保証金から弁済が受けられません。

そのような十分な保証が受けられる状態でない不動産業者については、業者名簿の表紙に営業保証金からの弁済が受けられない旨が記載されています。表紙にそのような表示がないか確認しておきましょう。

まとめ

不動産を売却する際は不動産業者に仲介を依頼します。業者によって査定結果、営業力に差があるため、信頼できる業者に依頼することが大切です。

このような時、業者名簿は信頼できる不動産業者かどうかの判断材料となります。重要なポイントだけでも、事前に確認しておくと良いでしょう。

なお、不動産会社の事務所や担当者の雰囲気は実際に足を運んでみないと分かりません。業者名簿で得られた情報だけでなく、口コミや実際に足を運んだ感想などを踏まえながら信頼できる不動産業者を探していくことも大切なポイントです。

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矢野翔一

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。