不動産投資ローンを契約して不動産投資に取り組んでいる人の中には、ローンの借り換えによって月々の返済金の負担を減らせないか検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、金利が低い不動産投資ローンに借り換えれば返済負担の軽減が期待できますが、必ずしも借り換えがプラスの効果をもたらすとは限らない点に注意が必要です。
この記事では、不動産投資ローンの借り換えに失敗する主な原因や対策などを解説します。
目次
- 不動産投資ローンの借り換えに失敗する主な原因
1-1.手数料や諸費用を想定していなかった
1-2.返済期間が短くなって月々の返済負担が大きくなった - 借り換えの失敗を未然に防ぐための対策
2-1.キャッシュフローの改善が見込めるか確認する
2-2.借り換えではなく金利交渉を進める - 不動産投資ローンの借り換えを検討しやすい人の特徴
3-1.残りの返済期間が10年以上
3-2.直近の売却を予定していない - まとめ
1.不動産投資ローンの借り換えに失敗する主な原因
不動産投資ローンの借り換えに失敗する主な原因として、以下の2つが挙げられます。
- 手数料や諸費用を想定していなかった
- 返済期間が短くなって月々の返済負担が大きくなった
それぞれの原因について詳しく説明していきます。
1-1.手数料や諸費用を想定していなかった
例えば、不動産投資ローンを金利2%(変動金利)で契約したものの、数年後金利が3%に上昇した事例で考えます。
借入金額が大きいことを踏まえると金利の1%上昇は大きな問題なので、固定金利や金利の低い金融機関への借り換えを検討する人も多いと思います。しかし、借り換え時には以下のような費用がかかります。
- 一括繰り上げ返済手数料
- 抵当権抹消登記費用
- 抵当権設定登記費用
- 融資手数料
- 保証料
- 印紙代
- 団体信用生命保険料
手数料の金額は金融機関ごとに異なりますが、金利変動による差が小さい場合はローンを借り換えても得をしていないケースもあるので注意してください。
1-2.返済期間が短くなって月々の返済負担が大きくなった
不動産投資ローンを契約する際は、契約当時の賃貸物件の築年数や入居率などに基づいて融資条件を決定します。借り換える際は、築年数の経過によって残りの耐用年数が短くなっているため、融資条件が以前よりも厳しくなる可能性があります。
例えば、借り換えによって金利を下げることができても、返済期間が数年短くなった場合、月々の返済負担が大きくなることによりキャッシュフローが悪化する可能性があります。空室が増えると返済の継続が困難になるおそれもあるので注意しましょう。
2.借り換えの失敗を未然に防ぐための対策
不動産投資ローンの借り換えの失敗を未然に防ぐためには、あらかじめ対策を練った上で借り換えに臨むことが重要です。借り換えの失敗を未然に防ぐための対策として、以下の2つが挙げられます。
- キャッシュフローの改善が見込めるか確認する
- 借り換えではなく金利交渉を進める
それぞれの対策について詳しく解説していきます。
2-1.キャッシュフローの改善が見込めるか確認する
金利の変動が生じたといっても、変動幅が小さいケースでは手数料や諸費用を反映すると得をしていないということも珍しくありません。
また、借り換えにより返済期間が短くなると返済負担が大きくなることで、逆に返済計画に支障が生じる可能性もあります。
単にローン金利が下がったから借り換えるのではなく、手数料や諸費用、返済期間の短縮を反映したシミュレーションを行い、キャッシュフローの改善が見込めるか確認することが重要です。
インベースでシミュレーションしてみる
不動産投資ローンの借り換えシミュレーションをするなら、インベースの利用を検討してみましょう。インベースなら無料でWeb診断でき、以下の情報が盛り込まれた提案書をもらえます。
- 毎月の利息削減額
- 借り換えで得する金額の総額
- 借り換え時にかかる諸費用
またインベースは、借り換え時に必要な「審査書類の取得」なども代行してくれ、融資の承認までサポートしてくれます。
2-2.借り換えではなく金利交渉を進める
月々のキャッシュフローを改善する方法として、借り換えだけが選択肢ではありません。例えば、現在の契約先と金利交渉を進めるのも選択肢の1つです。
現在の契約先からすれば、借り換えによって一括返済されると、返済後は利息による収入が得られなくなります。そのため、借り換えを検討している旨を伝えた場合には、金利の引き下げを提案してくれる可能性があります。
必ず金利交渉に応じてくれるというわけではありませんが、金利交渉に応じてもらえれば無駄な手数料や諸費用をかけずに済むため、効率良く返済負担を軽減できるでしょう。
3.不動産投資ローンの借り換えを検討しやすい人の特徴
不動産投資ローンの借り換えを検討しやすい人の特徴として、以下の2つが挙げられます。
- 残りの返済期間が10年以上
- 直近の売却を予定していない
それぞれの特徴に付いて詳しく説明していきます。
3-1.残りの返済期間が10年以上
残りの返済期間が短い人は、借り換えてもその恩恵をあまり受けることができません。例えば、残りの返済期間が10年以上残っている場合などであれば、少しの金利差によって大きな金額の削減につながる可能性が高いと言えるでしょう。
ただし、借り換えたことにより元の契約先との良好な関係が崩れた場合、次に物件を購入したいと思っていても、サポートしてもらえないおそれがあります。金融機関と良好な関係性を築くことは、不動産投資で収益を増やしていく上でも重要なポイントとなります。目先の利益だけでなく、中長期的な目線での判断をおこなってみましょう。
3-2.直近の売却を予定していない
不動産投資では、家賃収入(インカムゲイン)を得るだけでなく、適切なタイミングで売却して売却益(キャピタルゲイン)を得るのも選択肢の1つです。
長期的な保有を考えており、場合によって建て替えも想定しているような場合には、借り換えによるメリットが大きいと考えられます。
しかし、不動産投資ローンを近々売却する予定の場合には、借り換えによるメリットが少ないと言えるでしょう。このように、借り換えのタイミングは不動産の出口戦略によっても変わってきます。
4.まとめ
不動産投資で伴うリスクの1つに金利変動リスクがあります。金利変動リスクはローンの借り換えを行うことにより対策することが可能ですが、必ずしも借り換えが適した選択とは限りません。
また、借り換えによって金利の引き下げに成功しても、金融機関との関係悪化によって今後の資金計画に影響がでる可能性もあります。借り換えによるメリットがあるのかどうか、まずは確認をしたうえで、慎重に検討してみると良いでしょう。
矢野翔一
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