投資用マンションの売却期間が長引いてしまう原因と対策は?売り時や価格設定のコツも

不動産投資を行ううえで出口戦略は重要なポイントです。しかし、投資用マンションをいざ売却しようとしても、計画通りの価格やスケジュールではなかなか売れないことがあります。この場合、原因を探り、適切な対策を取らないと、売却期間がさらに長引いてしまうことにもつながります。

そこで今回のコラムでは、投資用マンションの売却期間が長引いてしまう3つの原因と、長引いてしまったときの対策法について解説していきます。

目次

  1. 投資用マンションの売却期間が長引いてしまう3つの原因
    1-1.「販売価格」「利回り」の設定が適切ではない
    1-2.引き渡し条件がネックになっている
    1-3.不動産会社の売却活動・販売力に問題がある
  2. 投資用マンションの売却期間が長引いてしまったときの4つの対策法
    2-1.マンションの売出価格を見直す
    2-2.売却のタイミングを図る
    2-3.リフォームや設備の充実
    2-4.不動産会社との媒介契約を見直す
  3. まとめ

1 投資用マンションの売却期間が長引いてしまう3つの原因

不動産はいつまでも市場で売られていると、購入検討者へ売れ残っている物件の印象を与えてしまい、希望者がさらに現れにくくなることがあります。そのため市場に情報を出してから早期に売却することが望ましいと言えます。

投資用マンションの売却期間が長引いてしまう理由には、居住用マンションとは異なる特有の原因である可能性あります。そこでここの項目では、投資用マンションが売れない代表的な3つの原因を解説していきます。

1-1 「販売価格」「利回り」の設定が適切ではない

投資用マンションの場合、買主の判断材料は販売価格だけではなく、利回りも重要な要素になります。これは居住用マンションとは異なる点で、そのため販売価格の設定はより慎重に行う必要があるのです。

つまり投資用マンションの場合、「販売価格」と「利回り」の二つの面から見られるため、「価格も利回りも妥当」という判断がされないとなかなか売却に至らないケースがあるのです。例えば、1年間の家賃収入が120万円の物件を売り出す場合、販売価格によって利回りが下記のように変化します。

  • 販売価格を2,000万円にした場合の表面利回り:6%
  • 販売価格を1,500万円にした場合の表面利回り:8%

売主が売却したい価格と、買主候補が購入したい価格と利回りが一致しなければ、売買は成立しません。そのため投資用マンションの価格設定は、収益面も踏まえた価格設定にて行うことがポイントとなってきます。

1-2 引き渡し条件がネックになっている

投資用マンションの中にはサブリース契約をしている物件があります。サブリース契約は一定の収益を見込みやすい点がメリットですが、管理委託費用が高くなる点や設定家賃が必ずしも保証されていないデメリットがあります。

買主候補が物件を探す際に、サブリース契約をしている物件を候補にしないことがあります。サブリース契約を引き継いだまま売却するのであれば、このような点に注意が必要です。

投資用マンションでは、物件だけではなく管理体制や入居者の属性なども判断材料となることがあります。それらがネックとなって売却が決まらないケースに注意しましょう。

1-3 不動産会社の売却活動・販売力に問題がある

投資用マンションの売却は、不動産情報システム「レインズ」や不動産ポータルサイトに不動産会社が物件情報を掲載して購入希望者を募るのが通例です。そのほか不動産会社が行う売却活動は、下記のものが考えられます。

  • 自社サイトに物件情報を掲載する
  • 新聞や折り込みチラシなどに物件情報を掲載する
  • 不動産情報誌に物件情報を掲載する
  • 近隣住宅などにチラシを配布する
  • 自社の顧客に物件情報を伝える

投資用マンションは、居住用マンションに比べて購入者のターゲットが限られてしまう特徴があります。また不動産会社の収入源は、不動産の売買が成立したときの仲介手数料です。売買価格が高い物件の方が仲介手数料が多くもらえるため、それぞれの担当者によって売却活動に力を入れる物件に優先順位を設けているケースがあります。

つまり、媒介契約を締結しても担当者によっては売却活動を積極的に行ってくれない可能性があります。売却依頼をした後、定期的に活動内容の報告を受けるなどして、売却状況を把握しておくことが大切です。

2 投資用マンションの売却期間が長引いてしまったときの4つの対策法

次に投資用マンションの売却期間が長引いてしまったときに解決する方法にはどのようなものがあるか、この項目で見ていきましょう。

2-1 マンションの売出価格を見直す

投資用マンションの売却が思うようにいかない場合は、もう一度価格を見直してみましょう。不動産会社では媒介契約を結んで欲しいために、査定時の売出価格を高くつけていることもあります。そのため売主としても、不動産取引情報提供サイト「レインズ」や不動産ポータルサイトなどで相場価格を調べ直すなどして、適正な価格を設定しましょう。

不動産ポータルサイトで価格を調査する際は、周辺の利回り相場についても確認しておくと良いでしょう。ただし、ポータルサイトに掲載されている物件には長期間売却に至っていない物件も含まれているため、早期売却を目指す場合には相場よりもやや低めの設定にする必要があるケースもあります。

2-2 売却のタイミングを図る

不動産には売却しやすい時期とそうではない時期があります。例えば、居住用のマンションであれば、引っ越しシーズンの2月や3月が一年中で最も成約件数が多く、売買契約が成立しやすくなる傾向があります。

投資用マンションにはそうしたシーズンのタイミングはありませんが、物件ごとに成約しやすいタイミングはあります。下記を参考にしてください。

大規模修繕工事のあと

マンションの美観が改善されるため、入居者の確保につながります。また、マンションの管理組合に支払う修繕積立金の額が安くなる可能性もあります。

入居者がいるとき

オーナーチェンジ物件は新しいオーナーが入居者を探さなくてもいいので、利益を出せるようになるまでの期間が短いというメリットがあります。

地価が上昇しているとき

地価が上昇しているときは物件価格も上昇する可能性があり、資産形成のために不動産を購入する人が増えることが考えられます。

築年数が20年経ったとき

マンションは築年数が20年以上経つと価格が下落するペースが落ち、資産価値の減少が抑えらえる傾向があります。そのため不動産の資産価値下落を避けたい購入希望者が現れる可能性があります。

ただし、築年数が経過した物件は空室率が上昇しているリスクがあり入居者確保にはマイナスになることもあります。エリアの特性や入居者ターゲットなどを適切に判断しましょう。

2-3 リフォームや設備の充実

投資用マンションの資産価値を高めることで、売却活動をしやすくすることができます。空室であればリフォームを行ったり、設備機器の更新や新規導入などを検討してみましょう。

物件のタイプによりますが、単身者向けの投資用マンションであればモニター付きインターフォンやエアコン、空気清浄機、シャワートイレなどの設備を導入することで入居者の確保が期待できます。

ただし、リフォームや設備改善には追加の費用が必要となります。追加費用を売却価格に上乗せすることができず、結果的に費用倒れになってしまう可能性がある点に注意が必要です。売却を依頼している仲介会社にも相談しながら、慎重に検討したいポイントと言えます。

2-4 不動産会社との媒介契約を見直す

投資用マンションの売却活動がスムーズにいかない場合、売却活動の見直しとともに不動産会社との媒介契約の見直しも検討しましょう。不動産会社の売却活動は、媒介契約の内容によって異なるからです。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数の不動産会社への依頼 × ×
自分で見つけた買主との単独契約 ×
指定流通機構への登録義務
販売活動の報告義務
契約期間 規制は無し 3ヵ月以内 3ヵ月以内

一般媒介契約を締結している場合には特に注意が必要です。複数社に売却依頼ができる点は一般媒介契約のメリットですが、レインズの登録義務がなく、複数社が競合してしまうことで売却の優先順位が下がるリスクがあるというデメリットがあるためです。一般媒介契約でなかなか売却が進まない場合には、専任・専属専任媒介契約への切り替えを検討してみると良いでしょう。

【関連記事】不動産売却の途中で媒介契約を解約する方法は?手順や注意点を解説

それでも売却活動がスムーズに進まない場合は、不動産会社の変更を考えてみましょう。不動産会社の担当者自身が売却がうまくいかない原因をわかっていないようであれば、不動産会社を変更することで売却活動がスムーズにいく可能性があります。

投資用マンションの売却に強い不動産会社を探すには、複数社の不動産会社へ査定を依頼し、査定価格だけでなく査定の根拠、営業マンの対応力など多角的な視点で見極めることが重要です。複数社へ同時査定依頼ができる「不動産一括査定サイト」を活用するなどして、効率的に不動産会社探しを進めてみましょう。

下記の表は、主な不動産一括査定サイトをまとめたものです。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
すまいValue 不動産仲介大手6社による共同運営 査定は業界をリードする6社のみ。全国900店舗。利用者の96.7%が「トラブルなく安心・安全に取引できた」と回答
SUUMO(スーモ)不動産売却 株式会社リクルート 大手から中小企業まで約2,000の店舗と提携。独自の審査基準で悪質な不動産会社を排除。60秒で入力が終了し、無料査定がスタートできる。
リガイド(RE-Guide) 株式会社ウェイブダッシュ 16年目の老舗サイト。登録会社数800社、最大10社から査定を受け取れる。収益物件情報を掲載する姉妹サイトも運営、他サイトと比べて投資用マンションや投資用アパートの売却に強みあり
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス 株式会社LIFULL 全国3694社以上の不動産会社に依頼できる。匿名での依頼も可能
HOME4U 株式会社NTTデータ スマートソーシング 全国1800社から6社まで依頼可能。独自審査で悪徳会社を排除

【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

不動産会社を選ぶ際は、どのような実績があるか、どのような物件の売却が得意か、などを確認してください。中には投資用マンションの売却に関する実績が少ないケースもあります。その場合は、投資用物件を探している顧客の数も少ない上に、売却活動が的確に行われないことも考えられます。

絞り込みの際には、広告戦略を含めて具体的な売却活動の内容も提示してもらうといいでしょう。新しい戦略によって、これまでなかなか売れなかった投資用マンションを早期に売却できる可能性もあります。

まとめ

不動産を売却する際はできればスムーズに進めたいものですが、そうはいかないケースもあります。特に投資用マンションの場合、「住む」のではなく「貸す」ことが前提となるため、ターゲットを絞り込みにくいといった特有の事情があります。

売却が進まない原因はいくつかありますが、今回は代表的な3つの原因について解説しました。早期に売却するための対策法を4つ紹介しましたので、ぜひ参考にしてください。

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倉岡 明広

倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。