FX、裁量取引と自動売買取引の違いは?メリット・デメリット、手数料比較や会社紹介も

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FXのトレードには裁量取引と自動売買取引があります。どちらを利用するか迷っている方のなかには、「FXの裁量取引と自動売買取引の違いは何だろう?」「自動売買取引できる会社を知りたい。」と考えている方も多いのではないしょうか。どちらの取引にもメリット・デメリットはあり、自分に合った方法で取引をすることが大切です。

今回は、裁量取引と自動売買取引の違いや、それぞれのメリット・デメリットを解説し、さらに自動売買取引ができる会社も紹介していきます。

(※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。)

目次

  1. 裁量取引と自動取引の違い
  2. 裁量取引の2つのメリット
    2-1.臨機応変な取引が可能
    2-2.FXや投資を学ぶことができる
  3. 裁量取引の2つのデメリット
    3-1.感情に左右されることがある
    3-2.時間に拘束される場合がある
  4. 自動売買取引の2つのメリット
    4-1.専門的な知識は必要ない
    4-2.24時間収益チャンスを逃さない
  5. 自動売買取引の2つのデメリット
    5-1.投資スキルを身につけにくい
    5-2.手数料がかかる場合がある
  6. 自動売買取引ができる会社紹介
    6-1.インヴァスト証券(トライオートFX)
    6-2.マネースクエア(トラリピ)
    6-3.アイネット証券(ループイフダン)
    6-4.外為オンライン(iサイクル2取引)
  7. 自動売買取引の手数料比較
  8. まとめ

1.裁量取引と自動売買取引の違い

裁量取引と自動売買取引の違いは、「取引を自分でするか、システムに任せるか」です。

裁量取引とは、「自らの投資判断で売買を行うFX」のこと。つまり、経済ニュースやチャートの形、ファンダメンタルズなどを参考に、いつ・どれくらい売買するべきかを全て自分で考えながら取引をします。

一方、自動売買取引とは、「自動売買システムがFX売買をする」取引のこと。始めに売買ロジック(売買ルールのこと)の設定さえ自分ですれば、あとはシステムが自動で取引をしてくれます。

2.裁量取引の2つのメリット

裁量取引のメリットは何でしょうか。ここでは以下2つのメリットを解説します。

  1. 臨機応変な取引が可能
  2. FXや投資を学ぶことができる

順に見ていきましょう。

2-1.臨機応変な取引が可能

裁量取引ではいつ・どれくらい売買するか、全て自分で投資判断を行います。そのため、システムが売買を繰り返す自動売買取引に比べ、臨機応変な運用が可能です。

例えば、市場予想から乖離した経験指標が発表され、値動きが激しくなった場合に、「これは収益チャンス」と普段より大きな数量で取引することもできるでしょう。また、大きく値下がりしたら、一旦決済して様子見もできます。一方、自動売買取引では最初に設定した売買ロジックにより売買が行われるため、柔軟な取引はなかなか難しいです。

2-2.FXや投資を学ぶことができる

裁量取引をすると、FXや投資を学ぶことができます。自ら売買タイミングや数量を決める裁量取引の場合、チャートや各種経済ニュース、ファンダメンタルズなどが、どのように為替に影響するのか勉強する必要があるからです。

自動売買取引の場合、FX会社が自動売買取引のサービス提供を止めてしまうリスクもあります。もし投資スキルがなく、特定の自動売買取引のサービスに依存していると、そのサービスが終わってしまった場合、どう取引をすれば良いのか分からなくなるかもしれません。

一方、裁量取引でFXや投資を勉強すれば極端な話、どのFX会社でも自分の力で取引することができます。

3.裁量取引の2つのデメリット

続いて、裁量取引のデメリットを2つ見ていきましょう。

  1. 感情に左右されることがある
  2. 時間に拘束される場合もある

順番に解説します。

3-1.感情に左右されることがある

感情は裁量取引の投資判断へ大きな影響を及ぼします。

例えば、これまでの取引で損失が拡大している場合、「早く損を取り戻したい」と焦り、自分の資産状況とは見合わない大きな金額で取引してしまうかもしれません。また、逆に大きく利益を出している時には、気持ちが大きくなり、投資判断がゆるくなる可能性もあるでしょう。

このように、裁量取引ではその時々の相場環境や資産状況により、感情的になってしまい、それが思わぬ損に繋がるリスクがあるのです。

3-2.時間に拘束される場合もある

裁量取引は、時間に拘束される場合があります。相場は自分が思ったとおりに動くとは限りません。

そのため、例えば「この価格まで上がったら決済しよう」と思っても、なかなか思ったとおりに上がらず、画面にずっと張り付かなければならない、という状況になるのも珍しくありません。なるべく拘束時間を減らすためには、指値注文や逆指値注文を活用すると良いでしょう。

4.自動売買取引の2つのメリット

自動売買取引の以下2つのメリットを解説します。

  1. 専門的な知識は必要ない
  2. 24時間収益チャンスを逃さない

4-1.専門的な知識は必要ない

自動売買取引は、FXに関する専門的な知識は必要ありません。売買システムが自分に代わって取引をしてくれるため、投資家自身が難しい分析をして、投資判断をする必要がないからです。

ただし、始めに売買ロジックの設定(「買い」か「売り」か、注文を出す値幅などの基本的な設定のこと)を行うため、大まかな相場観や自分の投資スタイルなどは把握しておいた方が良いでしょう。

4-2.24時間収益チャンスを逃さない

外国為替市場は原則平日・祝日の24時間開いています。そのため、取引画面を見られない時間帯にも大きな値動きが生じる可能性があります。

自動売買取引は、24時間自動で取引を行うため、たとえば仕事で忙しい時や寝ている時といった取引ができないタイミングの収益チャンスを、逃さずに取引をしてくれます。

5.自動売買取引の2つのデメリット

続いて、自動売買取引の以下2つのデメリットを解説していきます。

  1. 投資スキルは伸びづらい
  2. 手数料がかかる場合がある

順に見ていきましょう。

5-1.投資スキルを身につけにくい

自動売買取引は、専門的な知識がなくても利用でき、かつ売買はシステムが代わりに行ってくれるため、裁量取引に比べて投資スキルは伸びにくいでしょう。投資スキルに乏しいと、売買ロジック(自動売買取引における売買ルール)の設定が分からなくなる、などの影響が出るかもしれません。

取引を任せられる点が自動売買取引のメリットではありますが、過度に依存しすぎるのではなく、勉強を忘れないことも大切です。

5-2.手数料がかかる場合がある

自動売買取引はスプレッドの他に、手数料がかかる場合があるため、裁量取引に比べて、自動売買取引は取引コストが大きくなる傾向があります。

例えば、インヴァスト証券が提供している「トライオートFX」は取引数量により手数料が異なり、手数料が掛かる場合は1,000通貨あたり片道5円(対外貨は0.05外貨)~の手数料が掛かります。

また、外為オンラインの「iサイクル2取引」の手数料は、miniコースの場合は通常1,000通貨あたり片道40円です。

ただ、なかにはマネースクエアの「トラリピ」やアイネット証券の「ループイフダン」のように、手数料が掛からないものもあります。取引コストをなるべく抑えたい人は、手数料無料の自動売買システムを検討してみましょう。

6.自動売買取引ができる会社紹介

自動売買取引とひとくちに言っても、各社サービスによって特徴が異なります。ここでは自動売買取引をしたいと考えている人へ、自動売買取引ができる会社を3社紹介します。

6-1.インヴァスト証券(トライオートFX)

インヴァスト証券では、自動売買取引サービス「トライオートFX」を提供しています。トライオートFXでは「自動売買セレクト」と「ビルダー」の2つの方法で自動売買取引を始められます。

自動売買セレクト

「自動売買セレクト」では、通貨ペアと自動売買ロジック(売買ルールのこと)を選択して、自動売買取引を始めます。自動売買ロジックは「コアレンジャー」、「ハーフ」、「スワッパー」、「ハイブレッド」、「トライグルトレ」の5つのロジックの中から選択します。

例えば、「ハーフ」は想定レンジの下半分では「買い」、上半分では「売り」だけを行う自動売買ロジックです。


参考:インヴァスト証券「トライオートFX」

この「ハーフ」は一定の価格帯を行き来するレンジ相場で利益を積み上げていくことを想定しています。そのため、レンジ相場になりそうな通貨ペアと相性が良いです。「自動売買セレクト」は通貨ペアと自動売買ロジックを1つ選択するだけで自動売買取引ができるのが特徴です。

「自動売買セレクト」について、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にしてください。
参考記事:トライオートFXの評判は?

ビルダー

「ビルダー」を利用すれば、オリジナルの自動売買ロジックを作成し、自動売買取引を行えます。「ビルダー」には「マルチカスタム(複数作成)」と「シングルカスタム(単体作成)」の2つの機能があります。

「マルチカスタム(複数作成)」は、設定の異なる複数の自動売買注文を一度に作成・稼働できる機能。先述した自動売買セレクトで搭載されている「ハーフ」のような売買ロジックも作成可能です。

一方、「シングルカスタム(単体作成)」は、自動売買注文を上限100本まで1つ1つ作成する機能。「マルチカスタム」より自由度の高い売買ロジックを作成できるため、自分だけのオリジナルの自動売買ロジックを作成できます。

このように「ビルダー」は自分で売買ロジックを作成するため、中~上級者向けの機能と言えるでしょう。

6-2.マネースクエア(トラリピ)

マネースクエアは、自動売買取引サービス「トラリピ」を提供しています。「トラリピ」では、為替が下がっていくときにコツコツ買っていき、為替が上がったときに買ったものを売る仕組みにより、取引を積み重ねていきます。

参考:マネースクエア

「トラリピ」では、通貨ペアや売買(「買い」か「売り」かどちらで仕掛けるか)、注文を出す範囲、注文1本あたりの注文量などを設定して、注文を出します。

「トラリピ」についてより詳しく知りたい人は下記の記事を参考にしてください。
参考記事:マネースクエア「トラリピ」の評判は?

6-3.アイネット証券(ループイフダン)

アイネット証券が提供している自動売買取引サービス「ループイフダン」は、値動きに合わせ売買を繰り返します。シンプルにいうと、「安く買って高く売る」もしくは「高く売って安く買う」取引を「ループイフダン」では繰り返し行うのです。

「ループイフダン」は、通貨ペアや売買タイプ(「買い」か「売り」どちらで仕掛けるか)、損切り設定などを事前に設定し、注文を出します。

参考:アイネット証券

上記の図では「ループイフダン」は、99.85円で「買い」→100.00円で「売り」、99.70円で「買い」→99.85円で「売り」と自動で売買しています。

このように「ループイフダン」は、一定の値幅内で細かく新規注文→新規決済を繰り返すというシンプルな仕組みなため、FX初心者であってもとっつきやすいでしょう。

より詳しく「ループイフダン」について知りたい人は下記の記事を読んでください。
参考記事:アイネット証券「ループイフダン」の評判は?

6-4.外為オンライン(iサイクル2取引)

外為オンラインでは自動売買システム「iサイクル2取引」を提供しています。「iサイクル2取引」は、一定の値幅内で新規注文と決済を繰り返すというシンプルな仕組みです。

例えば、「10pips毎に新規買い注文→決済」という設定の場合、買いエントリーから10pips上がったら決済注文と同時に新規買い注文が出され、また10pips上がると決済注文と同時に新たな買いエントリーがされる…という仕組みになります。

参考:外為オンライン
また、最初に設定した値幅が予想と外れた場合も、設定した変動幅が自動で相場に追従し、取引を続けてくれるロジックもあるため、FX初心者でも利用しやすいでしょう。

もし、外為オンラインについてより詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:外為オンラインの評判は?

7.自動売買取引の手数料比較

トライオートFX・トラリピ・ループイフダンの手数料は以下のとおりです。

  • インヴァスト証券(トライオートFX)
  • 取引数量 新規 決済 1,000通貨あたり
    1万通貨未満 2.0 pips 2.0 pips 片道20円(対外貨は0.2外貨)
    1万通貨以上10万通貨未満 1.0 pips 1.0 pips 片道10円(対外貨は0.1外貨)
    10万通貨以上50万通貨未満 0.5 pips 0.5 pips 片道5円(対外貨は0.05外貨)
    50万通貨以上 無料
  • 外為オンライン(iサイクル2取引)
  • コース 手数料
    miniコース(1,000通貨あたり※1) 新規手数料20円+決済手数料20円=合計40円
    通常コース(10,000通貨あたり※2)] 新規手数料200円+決済手数料200円=合計400円

    ※ iサイクル2取引 決済手数料無料実施中(2022年3月31日まで)
    ※1 南アフリカランド/円は10,000通貨あたり
    ※2 南アフリカランド/円、ノルウェークローネ/円、スウェーデンクローナ/円、香港ドル/円は100,000万通貨あたり

    ・マネースクエア(トラリピ):無料
    ・アイネット証券(ループイフダン):無料

    「トライオートFX」は50万通貨未満を取引する場合には手数料が発生し、「iサイクル2取引」も手数料が掛かります。手数料だけ見ると「トラリピ」や「ループイフダン」の方が良いと思うかもしれませんが、手数料に加えサービス内容をしっかり把握した上で、どのサービスを利用するか検討しましょう。
    (情報は全て2022年1月20日時点現在)

    8.まとめ

    裁量取引と自動売買取引にはそれぞれメリット・デメリットがあります。自分の投資目的や投資に充てられる時間などを考え、どちらの取引方法で資産運用をするのか決めることが大切です。

    例えば、長期保有をする場合は、自動売買取引ではなく、柔軟な運用が可能な裁量取引が適しています。「時間はないけど投資をしたい」という場合は自動売買取引の方が相性は良いでしょう。

    また、投資目的に合わせて、裁量取引と自動売買取引を併用しても良いでしょう。自動売買取引は各社特徴のあるサービスを展開しています。自動売買取引に興味があれば、今回紹介した会社のサービスから検討を始めてみてはいかがでしょうか。

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    庄子 鮎

    証券会社および求人広告会社を経て、2019年よりフリーライターに。証券会社時代では営業職に従事し、主に株式や投資信託、債券の販売を経験。また現在、投資家でもあり、FX・日本株・米国株などへ投資をしている。"どういう表現でどこまで説明すれば、より分かりやすくなるか"を意識し、解説していきます。