海外不動産投資には、コンドミニアムなど住宅の投資に加えて、ホテルコンドミニアムという物件に投資する方法もあります。
ホテルコンドミニアムと通常のコンドミニアムは何が違うのか、ホテルコンドミニアムはどんなエリアにあるのかなど、疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
この記事では、ホテルコンドミニアム投資の特徴とともに、ホテルコンドミニアムに投資できるエリアについてその特徴を比較します。
目次
- 海外ホテルコンドミニアム投資の特徴
1-1.宿泊客から得られる宿泊料が主な収入源
1-2.大きな収益を期待できるが、運用結果が景気動向に左右されやすい
1-3.宿泊予約がなければ物件オーナーが利用できる - ホテルコンドミニアムに投資できる国の特徴
2-1.ハワイのホテルコンドミニアム
2-2.マレーシアのホテルコンドミニアム
2-3.タイのホテルコンドミニアム - まとめ
1.海外ホテルコンドミニアム投資の特徴
ホテルコンドミニアム投資が通常のコンドミニアム投資と異なる点について解説します。最大の違いは、宿泊客から得られる宿泊料が主な収入源となっていることです。
1-1.宿泊客から得られる宿泊料が主な収入源
ホテルコンドミニアムが通常のコンドミニアムと最も異なっているポイントは、家賃収入ではなく宿泊料が主な収入源であることです。
通常のコンドミニアムでは、入居者と数ヶ月~1年以上など、長期の賃貸借契約を締結して家賃収入を得ます。しかし、ホテルコンドミニアムは物件をホテルとして運用するので、数日単位の短期滞在者が主なターゲットです。
また、ホテルコンドミニアムの投資では、物件の賃貸管理をする管理会社ではなく、ホテル運用の会社が宿泊客の募集活動を行います。
1-2.大きな収益を期待できるが、運用結果が景気動向に左右されやすい
ホテルコンドミニアムの投資では、観光客の宿泊による宿泊料を主な収入源とするため、宿泊者が減れば収入も減ってしまいます。観光地を訪れる観光客の数は景気動向に左右されることが多く、一定の賃料収入が見込みやすい住宅と比較してハイリスクになります。
例えばハワイでは世界中から観光客が集まってきます。このような観光客が多いエリアでは、通常のコンドミニアムに投資するよりも、ホテルコンドミニアムに投資する方が大きい利益を上げられる可能性があります。観光客が多ければホテルに滞在する人も増えるからです。
観光地であればどこでも良いということはなく、ホテルコンドミニアムに投資する場合も、立地を重視して物件を選ぶことが重要になります。
観光客がホテルを選ぶときは、公共交通機関やショッピングモールからの距離を見て選ぶことも多いものです。交通利便性が高いエリアに立地しているほど観光客を呼び込める可能性が高くなるため、バス停や駅などからの距離を比較しながら物件を選ぶ必要があります。
なお、上記のようなメリットがある一方で、ホテルコンドミニアム投資では一定の収益が見込みづらいという点がデメリットとなります。
例えば、世界的に不景気の時期には前述したハワイのような観光地を訪れる観光客も減少します。また、2020年2月に問題が顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大の影響などもあり、2021年12月時点、未だ観光事業のリスクは高まっている状況と言えるでしょう。
通常のコンドミニアム投資では、1度入居者が入れば契約期間に応じて長期的に収入を見込みやすい一方で、ホテルコンドミニアムの投資では、時期によって収入の不安定性が強くなる点に要注意です。
1-3.宿泊予約がなければ物件オーナーが利用できる
ホテルコンドミニアムは、ハワイやタイのパタヤなど観光地に建設されていることが多いものです。宿泊予約がない場合は、あらかじめホテル運用の会社にコンタクトすることで、物件オーナーが所有する住戸をホテルとして利用できます。
海外旅行を頻繁にする人であれば、気に入っている観光地のホテルコンドミニアムを所有することで、旅行する時の宿泊先として利用可能です。
ただし、宿泊予約がなければいつでも利用できるというわけではなく、ホテルごとに宿泊できる日数の上限が決められています。また、夏休みや年末年始などの繁忙期は宿泊予約が優先されるため、オーナーが利用できない場合も多いので要注意です。
2.ホテルコンドミニアムに投資できる国の特徴
ホテルコンドミニアムに投資できるエリアとして、ハワイ・マレーシア・タイの3つについてその特徴を解説します。
2-1.ハワイのホテルコンドミニアム
ハワイは日本だけではなく世界的に有名なリゾートエリアであり、時期を問わず、アメリカ国内はもとより世界中から観光客が集まってきます。特に州都のホノルルでは都市開発が進んでおり、バスなどの公共交通を含むインフラが整っている点が特徴的です。
エリアごとの比較では、ホノルルのホテルコンドミニアムに投資すれば、多くの宿泊客を集められると考えられます。
また、ハワイの不動産市場では長期継続的に住宅価格が上昇を続けている点も特徴的です。ホノルルの不動産協会が発表しているデータによると、1985年以降のオアフ島の不動産市場では、コンドミニアムの価格は長期の上昇傾向にあります。
リーマンショックの影響が強かった2009年にも、対前年比で約10%値下がりするにとどまっています。なお、コロナの影響が強かった2020年は対前年比で3.2%値下がりしている状況です。(※参照:ホノルル不動産協会「Oahu Historical Data」)
他のアメリカのエリアと比較して不動産価格の上昇傾向が強いのがハワイ不動産市場の特徴と言えます。
【関連記事】ハワイの別荘を活用、ホテルコンドミニアム投資のメリット・デメリットは?
2-2.マレーシアのホテルコンドミニアム
マレーシア不動産投資というと首都のクアラルンプールに目が行きがちですが、観光地のホテルコンドミニアム投資も有効です。マレーシアには、北西部のペナンやリアウ諸島のラナイ、南西部のマラッカなどの観光地があります。
ペナンやラナイはビーチリゾートとして発展してきた観光地です。その一方で、貿易都市として発展してきた背景から、マラッカでは歴史的建造物などが主な観光資源となっています。2008年にはマラッカの街並みが世界遺産として登録されており、マラッカが持つ観光資源の価値の高さが伺えます。
そのほか、マラッカには「M-WEZ」という経済特区構想が持ち上がっており、将来的に大きく発展する可能性を持っています。マラッカのホテルコンドミニアムに投資すれば、経済的な発展を背景として、キャピタルゲインを得られる可能性もあるでしょう。
【関連記事】マレーシア不動産投資の利回りやリスクは?エリアや物件の選び方も
2-3.タイのホテルコンドミニアム
タイの首都バンコクの南側にあるパタヤもアジアの中では有名な観光地です。タイは近隣諸国の人だけではなく欧米人などにも人気があるため、パタヤにも様々な国から観光客が集まってきます。
パタヤのホテルコンドミニアムは、ハワイやマレーシアなどと比較すると価格が安い点が特徴的です。ハワイ不動産は世界的に見ても高価な部類に入っており、2020年におけるオアフ島のコンドミニアム価格中央値は$435,000となっています。(※参照:ホノルル不動産協会「Oahu Historical Data」)
また、マレーシアでは外国人に対する不動産の最低購入価格規制がある点に要注意です。日本人を含む外国人は、2021年時点でRM100万(約2,700万円:RM1=27円換算)以下の不動産を購入できません。
しかし、タイ不動産はハワイ不動産ほど高くはなく、外国人に対する最低購入価格規制などもないため、イニシャルコストを抑えて投資を開始できる点がメリットです。
【関連記事】パタヤ不動産投資のメリット・デメリットは?リスクや注意点も
【関連記事】タイ不動産投資、物件を購入する手順や流れは?リスクや注意点も
まとめ
ホテルコンドミニアム投資は、観光地のホテルを運用して宿泊料収入を得るという収益構造になっているため、観光客が多いエリアでは大きな利益を期待できます。
その一方で、不景気の時などは宿泊客が減る可能性も高く、通常のコンドミニアム投資と比較して一定の収益を見込みづらくなる点に要注意です。
ホテルコンドミニアムに投資できるエリアとしてはハワイ・マレーシア・タイなど様々なエリアがあり、エリアごとに特徴が異なるため、市場環境を比較しながらエリアを選ぶことが重要になります。
【関連記事】海外不動産投資、国別のメリット・デメリットを比較
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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