海外不動産投資をするなら、日本人に馴染みの深いハワイの不動産に投資してみたいと考える人も多いのではないでしょうか。ハワイ不動産投資には、値下がりのリスクが低くローンなどの面でメリットがある一方、物件選びや修繕費用に関するリスクもあります。
そこで本記事では、ハワイ不動産投資の特徴について、データも用いて具体的に解説します。ハワイ不動産投資を検討している方はご参考下さい。
目次
- ハワイ不動産投資のメリット
1-1.日本人の不動産エージェントを見つけやすい
1-2.ハワイの不動産市場は上昇傾向にある
1-3.比較的ローンを利用しやすい - ハワイ不動産投資のデメリット
2-1.物件価格が比較的高い
2-2.減価償却費の計上による損益通算ができない
2-3.経済が観光産業に左右される - ハワイ不動産投資のリスク
3-1.物件によっては空室リスクに要注意
3-2.築古物件の修繕費には要注意 - まとめ
1.ハワイ不動産投資のメリット
ハワイ不動産投資の主なメリットは、ローンを利用しやすいことや、不動産市場の動きが少ないことなどです。また、現地には日本人の不動産エージェントも多く、初心者でも検討しやすい点はメリットと言えるでしょう。
1-1.日本人の不動産エージェントを見つけやすい
ハワイには多くの日本人が住んでおり、現地で不動産業を営む日本人も少なくありません。インターネットで検索すれば、複数の現地日系不動産会社を見つけることができます。
不動産エージェントとのコミュニケーションは、海外不動産投資における課題の1つです。外国人の不動産エージェントとやりとりする場合は、言語の壁や商習慣の違いなどの問題があります。
日本人の不動産エージェントであれば、日本語でコミュニケーションを取れる上に商習慣の大きな違いもありません。現地の外国人エージェントと比較すれば、日本人が不安に思う点をカバーしてくれるようなサービスを受けられる可能性も上がります。
日本人の不動産エージェントを見つけやすく、現地で日本語が通じる場所も多いことは、ハワイ不動産投資が持つ大きなメリットです。
1-2.ハワイの不動産市場は上昇傾向にある
住宅価格が上昇傾向にある点は、ハワイの不動産市場が持つ特徴の1つです。不動産ポータルサイトのRedfinの統計によると、ハワイ州の住宅価格は長期的に右肩上がりで推移しています。(※参照:Redfin「a national real estate brokerage」)
2012年1月以降のRedfinの統計推移を見ると、上昇と下落を繰り返しながら、長期的には不動産価格が上昇傾向にあることが分かります。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は2022年5月頃に約22年ぶりの0.50%の利上げ(0.75%~1.00%)を行っており、金利の上昇に伴ってアメリカの不動産価格は一時的に値を下げており、ハワイの不動産価格も下落に転じています。2023年1月時点、反発し上昇に転じていますが、インフレや金利動向については注意しておきたいポイントと言えるでしょう。
1-3.比較的ローンを利用しやすい
海外で他のエリアと比較すると、比較的ローンを利用しやすい点もハワイ不動産投資のメリットです。例えば東京スター銀行やSBJ銀行など、ハワイ不動産投資用のローン商品を用意している金融機関は複数あります。
また、ハワイ不動産投資では、日本国内に担保不動産がなくても、購入する不動産を担保に入れられます。このため、日本国内で不動産を所有していなくてもローンを利用可能です。
借入金利も2.8%からと低い点はメリットですが、東京スター銀行の場合は返済期間が5年と短い点に要注意です。返済期間が短いと毎月の返済額が大きくなるため、不動産投資のキャッシュフローを圧迫します。
ハワイ不動産投資でローンを利用する場合は、キャッシュフローを残せるか、事前に検証することが必要です。
2.ハワイ不動産投資のデメリット
ハワイ不動産投資のデメリットは、アメリカの中でも物件価格が高いことや、個人の損益通算に対する税改正が行われたことなどです。物件価格が高いと必要な自己資金も多くなります。
2-1.物件価格が比較的高い
ハワイ不動産投資が持つ代表的なデメリットの1つは、他のエリアと比較すると物件価格が高いことです。
アメリカ国内でハワイ・テキサス・オハイオ・アラバマ各州の比較で見ると、2023年1月時点、ハワイの住宅価格は60万ドルを超えている一方で、他の州は20万ドル〜30万ドル前後となっています。(※参照:Redfin「a national real estate brokerage」)
また、ハワイ不動産投資ではローンを利用できる一方で、日本国内の金融機関のローンを活用する場合は融資限度額が低いことに要注意です。融資している場合でも、物件評価額の50%を限度額としている金融機関が少なくありません。
仮に60万ドルの物件に投資する場合は、ローンを利用するとしても、3,000万円前後の自己資金が必要です。ハワイ不動産投資では、ローンを利用できても、日本国内の不動産投資ほどは融資比率が上がらない点がデメリットと言えるでしょう。
なお、ハワイを含むアメリカ不動産の販売・管理・売却などで国内トップクラスの実績がある不動産会社「オープンハウス」では、物件の購入時にはグループ会社のアイビーネットの融資プランを活用することで、購入する不動産を担保として最大で70%まで融資を受けられるサービスがあります。
オープンハウスでは、初心者向けにアメリカ不動産の基礎がわかる「不動産投資セミナー」を定期的に開催しています。アメリカ不動産と日本の不動産の違い、税効果などだけでなく、アメリカ不動産のリスクや起こりうるトラブルなどについても解説しているため、きちんと理解を深めてから投資を始めたい、メリットとデメリットを慎重に検討したい、という方は検討してみましょう。
【関連記事】オープンハウス(アメリカ不動産投資)の評判・概要
2-2.減価償却費の計上による損益通算ができない
税制改正によって、2022年に実施する確定申告から海外不動産投資による個人投資家の減価償却費は計上できなくなっています。
減価償却費を計上できなくなったことで、今後はハワイ不動産投資も家賃収入によるインカムゲインや物件の売却によるキャピタルゲインを狙ったものが主流になります。利益を上げるためには、入念な物件の見極めが重要です。
2-3.経済が観光産業に左右される
ハワイは世界的なリゾートエリアであり、ハワイの経済を支えているのは観光産業です。このため、観光産業が落ち込むとハワイ全体の経済も落ち込みます。
また、観光産業は世界の景気に左右されやすい側面を持っています。世界的に景気が落ち込む時期には、ハワイの経済も落ち込みやすい点に要注意です。
ハワイには、リゾート暮らしをしている富裕層と、都心部のホテル・商業施設・ゴルフ場などで働く労働者層とが混在しています。例えばオアフ島であれば、南西部のエリアには労働者層も多く住んでおり、労働者層の状況は経済に影響されやすいものです。
ハワイ不動産投資でも、物件のエリアや入居者のターゲットによっては、経済動向による空室リスクも出てくる点に要注意です。
3.ハワイ不動産投資のリスク
不動産市場が上昇傾向にあるハワイですが、物件の精査を怠ると、空室や修繕に悩まされるリスクもあります。
3-1.物件によっては空室リスクに要注意
ハワイ不動産投資の物件選びでは、交通利便性に要注意です。例えばオアフ島では、アラモアナなど南部の都心と山沿いの住宅街とで交通利便性が大きく異なります。2023年1月時点、オアフ島では車が主な交通手段です。車を持っていない人は、バスを利用することが多くなります。
例えば山沿いのバス停から遠いエリアに立地する物件では、入居者のターゲットが車を持っている人に限定される点に要注意です。交通利便性を検証せずに物件を購入すると、空室期間が長期化する可能性もあります。
空室期間が長期化すると、物件の売却成否にも影響しかねません。入居者が入っていない物件は指値交渉に発展しやすいものです。最終的な物件売却も考慮すると、交通利便性の低い物件を避ける視点も重要になります。
ハワイの高速鉄道・HART
ハワイ・オアフ島では、空港からホノルル中心部などの観光スポットを経由する鉄道、HARTの建設中です。資金問題などの要因によって度重なる開通時期の延期を経ていましたが、2023年に一部線路の運行開始予定となっています。鉄道の運行状況によってはハワイの交通利便性にも変化が出てくる可能性もあり、今後も注視していきたいポイントとなっています。
3-2.築古物件の修繕費には要注意
アメリカの住宅市場では、日本と違って中古住宅がその大半を占めています。ハワイも例外ではなく、築50年を超えている物件もめずらしくありません。また、戸建住宅やアパートの場合は木造住宅が多くなります。
築古の物件では、修繕が発生する頻度も高い点に要注意です。特に排水管や電気関係など、設備の交換には多額の修繕費がかかります。修繕費が収支を圧迫することもあるので、物件選びの時点で物件の状態を確認することが重要です。
アメリカ不動産投資では、物件の引き渡しを受ける前に、買主はインスペクションを入れます。インスペクションとは、物件の劣化状況をチェックする調査診断のことです。インスペクションで要修繕の指摘が上がっていないか確認し、指摘が上がっている場合は、修繕の実施について売主と交渉する必要があります。
まとめ
ハワイ不動産投資は不動産市場が上昇傾向にある点などにメリットがあるものの、高額な物件価格や融資比率などの関係から、人によって向き不向きが分かれます。投資を検討するのであれば、自らの投資目的と不動産市場の特徴が合致するか確認が必要です。
また、ハワイは比較的低リスクの投資先の一つと言えますが、交通利便性の低い物件を選ぶと空室リスクが上がります。そのほか物件の劣化状況にも要注意です。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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