海外不動産に投資できるクラウドファンディングサービスは?5社を比較

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海外の不動産に投資するための方法の1つが、クラウドファンディングサービスの利用です。

2022年6月時点、さまざまなクラウドファンディングサービスが提供されていますが、海外不動産や海外で不動産事業を行う企業を投資対象にした案件も増加してきています。

今回は海外不動産に投資できるクラウドファンディングサービスを5つ紹介します。記事の最後には5つのサービスを比較していますので、投資を行う際の参考にしてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は2022年6月時点の情報をもとに執筆されています。

目次

  1. 海外不動産に投資できるクラウドファンディングの種類
  2. 海外不動産に投資できるクラウドファンディングサービス
    2-1.TECROWD(テクラウド)
    2-2.Crowd Bank(クラウドバンク)
    2-3.FUELオンラインファンド
    2-4.OwnersBook(オーナーズブック)
    2-5.クラウドクレジット
  3. 海外不動産へ投資できる5社、各サービスの比較
  4. まとめ

1.クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の人から資金を集める行為、または資金提供を募る仕組み・サービスのことをいいます。投資型と非投資型に分類でき、投資型にはファンド型、融資型(ソーシャルレンディング)、株式型の3種類があります。

1-1.海外不動産に投資できるクラウドファンディングの種類

海外不動産に投資できるのは不動産投資型(ファンド型)と融資型の2つです。

投資対象を不動産に特化したクラウドファンディングを「不動産投資型クラウドファンディング」といいます。投資家は各プラットフォームに会員登録ののち、不動産ファンドを選択して投資します。現物不動産投資と異なり、少額からさまざまな不動産に投資できるのが特徴です。

また、資金調達を求める企業に対して資金の貸付を行うのが融資型クラウドファンディング(=ソーシャルレンディング)です。融資先の企業が不動産運用などの事業を行う企業である場合、間接的に不動産に投資することになります。

2.海外不動産に投資できるクラウドファンディングサービス

海外不動産に投資できるクラウドファンディングサービスは下記の通りです。

  • TECROWD(テクラウド)
  • Crowd Bank(クラウドバンク)
  • FUELオンラインファンド
  • OwnersBook(オーナーズブック)
  • クラウドクレジット

それぞれのサービスについて紹介します。

2-1.TECROWD(テクラウド)

TECROWD(テクラウド)TECROWD(テクラウド)は、日本の建設会社「TECRA株式会社」が運営する不動産投資型クラウドファンディングサービスで、国内・海外の不動産に少額から投資できます。

主に中央アジアなど経済発展著しい新興国のオフィスビルやレジデンスなどに投資可能です。また、自社建設・監修を行う不動産をメインに紹介しているのが特徴で、日本の建築技術が生かされた海外の不動産物件に投資できます。

2022年6月時点で30件のファンドを募集しており、投資対象はモンゴル・カザフスタンのオフィスビル・レジデンスや、日本の障がい者向けグループホームやレジデンスなどとなっています。また、想定利回りは8.0%と高めの水準となっています。

1口10万円からの投資が可能で、優先劣後構造による投資家を保護する体制や、投資家から集めた資金について透明性を保って管理するための分別管理体制などが整っているのも特徴です。

また、海外資産への投資に伴う為替変動リスクに対応するために、現地金融機関と提携して日本円での投資・償還を実施しています。

2-2.Crowd Bank(クラウドバンク)

クラウドバンクCrowd Bank(クラウドバンク)はさまざまなファンドを通じてプロの融資による資産運用に参加できるソーシャルレンディングです。

すべてのファンドで保全性を考慮した融資による運用が実施されており、出資をした後は償還されるまで何も行う必要がありません。

同サービスではカナダ・米国、オーストラリアの不動産ローンファンドに投資可能です。各地域の不動産ローンファンドは外貨建て投資タイプと円建て投資タイプがあり、好みによって選択可能です。

最低投資額は1万円と少額から投資ができるほか、実績平均利回りは6.8%(2021年3月末までの1年間に運用終了した税引前のファンド実績値)となっています。

2-3.FUELオンラインファンド

FUELオンラインファンドFUELオンラインファンドは上場企業が参画する不動産ファンドに投資できる不動産投資クラウドファンディングです。

参画企業は下記の通りです。

  • 高島屋フィナンシャル・パートナーズ
  • 株式会社シノケンオーナーズファンディング
  • 株式会社シーアールイー(東証プライム上場)
  • 株式会社ディア・ライフ(東証プライム上場)
  • 株式会社さくらさくプラス(東証マザーズ上場)
  • 株式会社エー・ディー・ワークス(東証プライム上場)
  • 日本商業開発株式会社(東証プライム上場)

上場企業や同等の信頼度を持つ企業の案件のうち、独自の審査で事業性などが適正と認められた案件のみを投資家に紹介しています。また、不動産・関連事業者・事業内容などの詳細の情報を開示して透明性を確保しているのも特徴です。

不正防止体制・セキュリティ強化体制を構築しているほか、資金が本来の目的通りに使用されているか定期的にモニタリングを実施するなど、投資リスクを軽減するための取組にも注力しています。

募集利回りは2.0%~5.0%程度となっています。最低投資額は1万円以上1円単位と少額から投資ができるほか、これまでの正常償還率は100%となっているのもポイントです。

2-4.OwnersBook(オーナーズブック)

オーナーズブックの利回りOwnersBook(オーナーズブック)は不動産のプロが厳選したファンドに投資できる不動産投資型クラウドファンディングサービスです。

東証マザーズ上場企業「ロードスターキャピタル株式会社」の100%子会社が運営しており、20年以上のキャリアを持つ不動産業界経験者や不動産鑑定士などの関連資格取得者によって厳選された不動産に投資できるのが特徴です。

貸付型とエクイティ型の2つのファンドタイプがあり、エクイティ型の「US非上場eREITファンド」に投資をすれば、米国不動産へ投資できます。第一号ファンドの実績は想定利回り4.6%、運用期間は62ヶ月となっています。

投資対象の非上場eREITは、米国有数の不動産クラウドファンディング事業者「Fundrise,LLC」がすでに米国内で実績を重ねている投資商品で、2024年末の償還結果が待たれているところです。

2-5.クラウドクレジット

クラウドクレジットクラウドクレジットは、さまざまな国の人や企業への融資を行い、投資家の資産形成と世界の成長を繋ぐことをコンセプトにしたソーシャルレンディングサービスです。

販売しているファンド数が非常に多く、これまでに1,600件以上の個別ファンドと80件以上のパッケージファンド(複数案件を組み合わせたファンド)を提供しています。また、個人向けローンや農業事業者向けローン、不動産担保ローンなど、融資の種類も多彩であることがクラウドクレジットの特徴です。

ファンドのなかには、不動産事業を行う北欧・ヨーロッパ企業への融資案件があり、間接的に海外不動産に投資できます。

最低投資額は1万円からと少額投資が可能なほか、想定利回りは4.0%~9.3%(2022年6月時点)となっています。累計出資金額439億円以上(2022年6月時点)と実績のあるソーシャルレンディングサービスです。

3.海外不動産へ投資できる5社、各サービスの比較(※2022年6月時点)

今回紹介した5つのサービスのファンド数や募集頻度、手数料などを比較してみましょう。

利回り目安 手数料コスト
TECROWD 8.0% 投資資金の入金時、分配金・償還金払戻時の投資家口座への振込手数料
Crowd Bank 6.8% 米ドル出金時の実費手数料(1,500~6,500円)※1
FUELオンラインファンド 2.0~5.0% 投資資金の入金時、分配金・償還金払戻時の投資家口座への振込手数料 ※2
OwnersBook 4.6% 投資資金の入金時、分配金・償還金払戻時の投資家口座への振込手数料 ※3
クラウドクレジット 4.0~9.3% 投資資金の入金時、分配金・償還金払戻時の投資家口座への振込手数料 ※4

※1 Crowd Bankでは利用金融機関により、外貨受取時に別途手数料発生の可能性あり
※2 FUELオンラインファンドでは出金先口座がGMOあおぞらネット銀行以外なら一律145円の手数料発生
※3 OwnersBookでの分配金等の払戻手数料は330円
※4 クラウドクレジットでは払戻手数料は月1回まで無料、同月2回目以降は756円の事務手数料発生

海外不動産に投資できるファンド数ではCrowd Bankが最も多いファンド本数を提供しています。

利回りの目安で比較した場合は、TECROWDの約8.0%が最も高く、次にCrowd Bankの約6.8%が続きます。

クラウドクレジットではユーロでの利回りは良いものの、円換算した場合の為替差損により、運用利回りの実績がマイナスになるファンドもありました。

募集頻度ではCrowd Bankが月に10本程度の新しいファンドの募集を行っています。TECROWDでも月平均2~3本のファンド募集があり、新しい案件を見つけやすいといえます。

手数料コストについては、すべてのサービスで投資資金を指定の預託金口座に入金する際と、分配金・償還金を投資家の口座に振り込む際に振込手数料が発生します。

また、Crowd Bankでは米ドルでの出金時に実費手数料(1,500円~6,500円)が発生しますので注意しましょう。

まとめ

今回は海外不動産に投資できるクラウドファンディングサービス5つを紹介・比較しました。

取り扱うファンドの性質や特徴、数、募集頻度などは、各サービスによって異なります。本記事を参考に、利用しやすいクラウドファンディングサービスを探してみるといいでしょう。

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山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。