入居率の高いアパート経営のエリアは?人口や地価推移から賃貸需要を検証

※ このページには広告・PRが含まれています

アパートを長期的に運営して家賃収入を得るアパート経営では、現在の入居率だけでなく将来の入居率についても慎重に検討することが大切です。

アパートの築年数が経ち、現在よりも見栄えや設備が悪くなっても入居率を高く保つことができるかどうかは、一棟アパートの不動産投資をおこなう上で重要なポイントとなります。

アパートの入居率を左右する賃貸需要は、立地するエリアに大きな影響を受けるといえます。本記事では、エリア別の賃貸住宅空き室率と人口、地価の統計データから、それらの関係性について検証します。

目次

  1. 入居率の高いアパートのエリアを4つのデータから検証
    1-1.賃貸住宅空き室率
    1-2.人口増減率
    1-3.単身者世帯比率
    1-4.地価上昇率
  2. 入居率の高いアパートのエリアの検証結果
  3. まとめ

1.入居率の高いアパートのエリアを4つのデータから検証

築年数が経ってもアパートの入居率を高く保つには、独自の設備や内装のユニークさ、あるいはターゲットを絞ったマーケティングなどで可能になることがあります。

しかし、周辺エリアの人口が減少して賃貸需要が少なくなってしまっている場合は、これらの対策が効果的でないケースも少なくありません。

ここでは、築古になっても高い入居率を維持するために、アパートの立地エリアが入居率にもたらす影響をそのエリアの人口や地価から検証していきます。今回、検証に利用するのは下記4つのデータです。

  • 賃貸住宅空き室率
  • 人口増減率
  • 単身者世帯比率
  • 地価上昇率

それぞれ詳しく見て行きましょう。

1-1.賃貸住宅空き室率

国土交通省「平成30年住宅・土地統計調査」のデータをみると、全国平均の空き室率21.4%と比較して際立って低い地域(都道府県)は、次の4つです。

  • 東京都17.1%
  • 愛知県18.3%
  • 福岡県17.9%
  • 沖縄県13.4%

その他、島根県も低い数値となりますが、総戸数が際立って少なく、住宅供給が少ないことが理由と考えられます。

1-2.人口増減率

国立社会保障・人口問題研究所発表の人口統計から、「平成30年の都道府県別人口増減率」のデータをみてみます。

47都道府県のうち、人口が増加しているのは、埼玉県0.28%増、千葉県0.16%増、東京都0.73%増、神奈川県0.15%増、愛知県0.24%増、福岡県0.04%増、沖縄県0.26%増の7都道府県です。

賃貸住宅空き室率の低い都道府県4つがすべて人口増加地域であることが分かります。

1-3.単身者世帯比率

次に、国立社会保障・人口問題研究所発表の人口統計から、「平成27年の都道府県別単独世帯率」のデータをみてみましょう。

全国平均の男性単独世帯率が15.52%であるのに対して、東京都25.25%、愛知県16.05%、福岡県16.25%、沖縄県13.39%となっており、沖縄県以外の地域は、男性の単独世帯率が比較的高い地域であるといえます。

一方、女性単独世帯率は全国平均13.51%に対して、東京都21.63%、福岡県15.94%となっています。

アパートなどの賃貸住宅はワンルームや1DKなどの間取りも多く、単身者の需要をターゲットにした物件も少なくありません。必ずしも賃貸住宅空き室率との相関性が明確ではないものの男性の単独世帯率との相関性を考慮し、こちらも参考にしてみましょう。

1-4.地価上昇率

国土交通省令和2年発表の「令和2年公示地価変動率(住宅地)」によると、全国平均0.8%上昇に対して、東京都は2.8%上昇、愛知県は1.1%上昇、福岡県は3.5%上昇、沖縄県は9.5%上昇しています。

賃貸住宅空き室率の低い都道府県4つは、すべて地価変動率が全国平均よりも明らかに高い地域であることが分かります。

2.入居率の高いアパートのエリアの検証結果

賃貸住宅の空き室率は、その立地している地域の人口増減率、地価上昇率と相関関係がみられます。具体的には、東京都、愛知県、福岡県、沖縄県が人口増加率・地価上昇率ともに高く、空き室率も低い地域です。

また、単身者用アパートの入居率の観点からは、単身者世帯比率の統計も考慮することが重要です。単身者世帯比率は、東京都、愛知県、福岡県の3県が全国平均と比較して高く、入居率を高めに維持しやすい地域であると予測されます。

ただし、これらの同一県内でも人口増加・地価上昇の傾向があるエリアは細かく分かれており、実際にアパート経営を検討する際はより詳細なデータから検証することが重要です。「東京都は人口増加しているから将来の入居率も良い」と安易にとらえず、慎重に検討していきましょう。

例えば、アパート造りの基準を物件選びの目線が厳しい社会人女性に絞って、入居率99.7%(2021年12月時点)の実績を実現している「アイケンジャパン」は、土地選びにおいても主要駅10分圏内(首都圏は15分圏内)のエリアにこだわっており、入居者の利便性と土地の価値を重視しているアパート経営会社です。

アイケンジャパンでは提案時の設定家賃に対しても、10年以上経っても98%以上の収益率を達成できています。資料請求やセミナー参加で同社のアパート経営ノウハウが詰まった詳細資料とアパート経営に関する書籍のPDFを無料プレゼントしてもらえますので、まずは情報収集からという方は検討してみるのも良いでしょう。

まとめ

賃貸住宅の空き室率、人口増加率、地価上昇率の統計データを検証したところ、賃貸住宅の空き室率の低い地域と、人口増加率の高い地域、地価上昇率の高い地域には、相関関係がみられました。

また、アパートの入居率と立地地域の人口統計との関係性では、単身者世帯比率のデータも重要性の高い指標といえるでしょう。

これらの検証から、エリアの観点からは築年数を経過してもアパートの入居率を高めに維持しやすいのは、東京都、愛知県、福岡県と考えられますが、入居率はより狭いエリアでの賃貸需要にも左右されることがあります。

アパートの購入地域を検証する際には、地域の賃貸需要を生む企業や学校などの存在を詳しく調査することも検討してみましょう。

The following two tabs change content below.

佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。