築浅物件を高く売却する方法は?手順や注意点、オーバーローンの対策も

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物件の売却価格は築年数によって上下するため、築浅物件(築5年以内)は比較的高い価格で売却される傾向があります。

しかし、新築物件を購入した時以上の価格で売却することは難しく、物件の売却価格よりローンの残債が大きい「オーバーローン物件」となってしまう可能性もあります。

そこでこの記事では、築浅物件を高く売却する方法について解説していきます。また、売却の手順や注意点、オーバーローンになったときの対策も解説するため、築浅物件の売却を検討している人は参考にしてください。

目次

  1. 築浅物件を高く売却する方法
    1-1.売却理由をきちんと伝える
    1-2.内見前の準備をしっかり行う
    1-3.早めに売却する
    1-4.複数社へ査定依頼する
  2. 築浅物件を売却する手順
  3. 築浅物件を売却する際の注意点
    3-1.売却時は住宅ローンを完済する
    3-2.譲渡所得税率が高くなる
  4. まとめ

1.築浅物件を高く売却する方法

築浅物件を高く売却する方法として、今回は以下の3つのポイントをご紹介します。

  • 売却理由をきちんと伝える
  • 内見前の準備をしっかり行う
  • 早めに売却する
  • 複数社へ査定依頼する

それぞれ詳しく解説します。

1-1.売却理由をきちんと伝える

築浅物件を高く売却する1つ目の方法は、売却理由をきちんと伝えることです。

購入検討者は、「築浅なのに物件を手放すということはデメリットやリスクがあるのでは?」と思う可能性があります。そのため、マイナス面も含めて購入検討者に理由を伝えて、購入検討者が抱えている不安点を解消することが重要です。

1-2.内見前の準備をしっかり行う

築浅物件を高く売却する2つ目の方法は、内見前の準備をしっかり行うことです。築浅物件の購入検討者は、同じような築年数の浅い物件や新築物件と並行して検討することが多くなります。

特に新築物件と並行して検討している人は、築浅とはいえ室内や共用部の劣化は気になるものです。共用部を自力できれいにすることは難しいため、その代わり内装はきれいにしておきましょう。

具体的には、フローリング・クロス・水まわりなど、内見の予約が入るたびに自分で清掃することが重要です。内見のたびに清掃するのは大変な作業ですが、新築と比較された時にデメリットとならないように出来るだけ準備しておきましょう。

1-3.早めに売却する

築浅物件を高く売却する3つ目の方法は、なるべく早めに売却することです。

中古物件を探している人が利用する多くの不動産ポータルサイトでは、築年数の検索条件を3年・5年・7年・10年(以降は5年ごと)で設定しています。

このように築浅物件ほど築年数の節目の間隔が短く、早めに売らないと検索に引っかからなくなる可能性があります。特に「後数か月で築年数の節目を超える」物件は注意しましょう。

仮に現在築3年以内の物件でも、売却活動中に築3年を超えてしまった場合、不動産ポータルサイトで「築年数3年以内」に設定した購入希望者の検索画面に出てこなくなります。築浅物件を希望している買主の集客力が大きく下がるため、築年数の節目にも注意しておきましょう。

1-4.複数の不動産会社へ不動産査定を依頼する

築浅物件を高く売却する4つ目の方法は、複数社へ査定依頼することであり、その理由は以下の点です。

  • 不動産会社によって得意分野が異なるから
  • 営業担当者の対応力が異なるから

詳しく解説します。

不動産会社によって得意分野が異なるから

不動産会社によって、「マンションの売却が得意」「一戸建ての売却が得意」「○区周辺の売却が得意」など、不動産種類とエリアの得意・不得意が異なります。

特にエリアによる得意・不得意は大きく、たとえば東京都練馬区周辺でマンション売却の実績が豊富であれば、そのエリアで検討客を抱えていることがあります。また、そのエリアの強みを知り、検討客へアピールすることに長けている可能性もあるでしょう。

このような、売却予定の物件タイプに適した不動産会社を探すのであれば、複数の不動産会社へ査定依頼して、不動産種類とエリアの得意分野が合致する不動産会社を選定することが効率的です。

下記、複数の不動産会社へ同時に査定依頼が出来る「不動産一括査定サイト」の一覧です。不動産一括査定サイトは1社ずつに問い合わせることなく、物件情報を一度登録するだけで、サイトに提携している不動産会社の査定を受けることが可能です。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
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【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

不動産査定サイトによって、提携している不動産会社は異なります。どのサイトも登録は無料で行えるため、より多くの不動産会社へのアプローチを検討している方は複数サイトへの登録を検討してみましょう。

営業担当者の対応力が異なるから

不動産会社によって営業担当者の対応力も大きく異なるため、複数社へ査定依頼して担当者を比較しましょう。査定を担当する人の多くはそのまま営業担当者になるケ-スが多く、営業担当者の対応力を測ることにもつながるためです。

また、注意しておきたいのは、営業担当者の対応内容が悪かった場合、物件購入検討者へも同じ対応をしている可能性がある点です。物件が良くとも営業担当者の対応が悪いために購入に至らないケースもあるため、慎重に検証しましょう。

複数社の担当者を比較して、対応の丁寧さ・正確さ・迅速さを比べ、対応力の高い担当者がいる不動産会社への売却依頼を検討してみましょう。

2.築浅物件を売却する手順

築浅物件を売却する手順は、以下の通りです。

  1. 査定依頼
  2. 不動産会社の選定
  3. 媒介契約の締結
  4. 売却活動
  5. 申込み&売買契約
  6. 物件の引渡し(決済)

築年数が何年でも、売却の大まかな流れは同じです。上記のように、査定依頼をした後に不動産会社を選定し、媒介契約を締結します。媒介契約を締結すると、不動産会社が広告活動をして検討者を集客し、内見案内などの売却活動を行う流れとなります。

売却価格や引渡し日などを検討者と合意できれば、売買契約の締結をして引渡しするという流れです。

【関連記事】はじめての不動産売却、手順や流れは?不動産会社の選び方も

3.築浅物件を売却する際の注意点

築浅物件を売却する際の注意点は以下の通りです。

  • 売却時は住宅ローンを完済する
  • オーバーローン
  • 譲渡所得税率が高くなる

詳しく解説します。

3-1.住宅ローンの残債を確認する

2つ目の注意点は、住宅ローンの残債を確認することです。住宅ローンを組むと金融機関が抵当権を設定するため、原則は住宅ローンを完済して抵当権を抹消しないと物件の売却はできません。

物件の売却益を住宅ローンの返済に充てることが多いものの、住宅ローンの残債が売却益を上回るケースもあります。その状態を「オーバーローン」と呼び、対策は以下の通りです。

  • 手持ち資金で完済する
  • 任意売却する

売却益を充てても足りなかった分を手持ち資金で完済する以外には、任意売却という方法があります。任意売却は、売却後に住宅ローンが残ってしまうことを金融機関に了承したもらった上で、物件を売却することです。

任意売却は住宅ローンを完済していない状態で、金融機関へ「抵当権の抹消」を依頼する売却方法となり、完済できなかった住宅ローンはその後も借金として残ることになります。

なお任意売却についての金融機関との交渉は、売却の依頼を予定している不動産会社に行ってもらうことも検討出来ます。任意売却を検討するなら一度不動産会社に相談すると良いでしょう。

【関連記事】不動産の任意売却とは?メリット・デメリットや売却手順を解説

3-2.譲渡所得税率が高くなる

3つ目の注意点は、築5年以内の築浅物件は譲渡所得税率が高くなる点です。以下のように、譲渡所得税率は保有期間によって異なります。

  • 短期譲渡所得:所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%=39.63%
  • 長期譲渡所得:所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%=20.315%

保有期間は物件を売却した時点でカウントするのではなく、物件を売却した年の1月1日時点でカウントされるため注意しましょう。

なお、自宅の売却なら「3,000万円の特別控除」を利用できるケースが多く、この特例を利用できれば譲渡所得(≒売却益)を3,000万円控除できます。築浅物件を売却するときは、特例を利用できるかどうかも含め、譲渡所得税額を確認しておきましょう。

【関連記事】自宅を売ったら確定申告が必要?確認のポイントと手順を解説

まとめ

築浅物件を高く売却するためには「売却理由を伝える」「内見前の準備」「早めに売却する」「複数社への査定依頼」という点が重要です。

一方で、住宅ローンの残債や譲渡所得税率に関する点に注意しながら、慎重に売却を進めて行きましょう。特に、売却を依頼する不動産会社選びは重要なポイントとなるため、複数社へ査定依頼して、より適した不動産会社を探してみましょう。

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中村 昌弘

都内の大学を卒業後にマンションディベローパーに就職。マンションディベロッパーでは、新築マンションの販売や中古不動産の仲介業務に従事する。 2016年に独立して、不動産関係の記事を中心としたライター業務としても活動。自身のマンションを売却した経験もあるため、プロの視点・一般消費者の視点と、両方の視点を持った記事が執筆できる点が強み。