はじめての不動産売却、手順や流れは?不動産会社の選び方も

マンションや戸建てなどの不動産を初めて売却する場合、「何から始めればいいの?」「希望通りに売れるの?」「不動産会社はどうやって選ぶの?」などの不安点が多く、お困りの方は多いのではないでしょうか。

不動産の売却をスムーズに進めるためには、売却の流れや仕組みを理解してから売買仲介会社に依頼することが大切です

この記事では、不動産売却が初めての方でもわかるように不動産売却の手順・流れ、売却する際のポイント、不動産会社の選び方について詳しくご紹介するので、参考にしてみてください。

目次

  1. 不動産売却の手順・流れ
    1-1.不動産の売却相場を調べる
    1-2.複数の不動産会社に不動産査定を依頼する
    1-3.不動産会社と媒介契約を結ぶ
    1-4.不動産の売却活動を行う
    1-5.不動産売買契約と引渡しを行う
  2. 不動産売却を成功させるポイント
    2-1.不動産の査定依頼は複数の不動産会社に出す
    2-2.基本は「仲介」、急いでいる場合は「買取」
    2-3.「市況が好調なとき」「人の移動が多い時期」に売る
    2-4.不動産売却にかかる税金と特例
    2-5.買い手が付きやすい状態にする
  3. 不動産売却に強い会社の選び方
    3-1.不動産査定額の根拠を説明してもらう
    3-2.不動産会社の売却実績・専門分野を確認する
    3-3.営業担当の実績や取り組む姿勢等を確認する
  4. はじめての不動産売却で注意しておきたい6つのこと
    4-1.瑕疵(かし・欠陥)をできる限り解決・改善しておく
    4-2.相場価格を把握して売却戦略を練る
    4-3.物件の種類に応じて売却に強い不動産会社を選ぶ
    4-4.不動産会社の販売活動を注視する
    4-5.買い手候補には迅速・丁寧に対応する
    4-6.契約不適合責任に注意する
  5. 不動産を売却した時の確定申告の手順
    5-1.必要書類・環境を整える
    5-2.所得税の確定申告書を作成・提出する
    5-3.所得税・住民税を納税する
  6. まとめ

1.不動産売却の手順・流れ

不動産を売却するには、はじめに売却計画を立てることが大切です。「いつ始めていつまでに売るか(売却スケジュール)」「いくらで売るか(目標売却価格)」などの大まかな指針を決めておき、次のような売却手順に従って進めましょう。

不動産売却の手順は大きく分けて下記の5つです。

  1. 不動産の売却相場を調べる
  2. 物件の査定をしてもらう
  3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  4. 売却活動を行う
  5. 売買契約と引渡しを行う

それぞれを詳しく見ていきましょう。

1-1.不動産の売却相場を調べる

不動産会社に連絡をとる前に、似たような物件がいくらで売りに出されているかの相場を不動産検索サイトなどで調べてみましょう。

近隣エリアで売り出されている物件の築年数・広さ・最寄り駅からの距離・建物構造などの条件を参考に販売価格を確認します。周辺地域に類似した売出し物件がなければ、他の地域で条件が似た物件の販売価格を調べることもできます。

ある程度の売却相場を身に付けておくと、査定の依頼時やその後の不動産会社とのやり取りがスムーズに進むこともあるので、事前の相場調査は大切です。

1-2.複数の不動産会社に不動産査定を依頼する

不動産売却の流れを理解し、ある程度の相場知識を身に付けた上で、不動産会社に物件を査定してもらいます。査定とは、売却を予定している不動産にどの程度の価値があるかを専門会社に評価してもらうことです。

売却査定は、1社だけでなく複数の業者に依頼し、その中から最も適切な査定額を選別するのがポイントです。

なお、「一括査定サイト」を利用すると複数の不動産会社に一度に査定を依頼できるので便利です。物件の種類や所在地などの必要事項を入力するだけで、複数の業者に査定してもらえます。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
すまいValue 不動産仲介大手6社による共同運営 査定は業界をリードする6社のみ。全国900店舗。利用者の96.3%が「安心感がある」と回答
SUUMO(スーモ)不動産売却 株式会社リクルート 大手から中小企業まで約2,000の店舗と提携。独自の審査基準で悪質な不動産会社を排除。60秒で入力が終了し、無料査定がスタートできる。
リガイド(RE-Guide) 株式会社ウェイブダッシュ 16年目の老舗サイト。登録会社数800社、最大10社から査定を受け取れる。収益物件情報を掲載する姉妹サイトも運営、他サイトと比べて投資用マンションや投資用アパートの売却に強みあり
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス 株式会社LIFULL 全国3694社以上の不動産会社に依頼できる。匿名での依頼も可能
HOME4U 株式会社NTTデータ スマートソーシング 全国1800社から6社まで依頼可能。独自審査で悪徳会社を排除

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不動産一括査定サイトによってそれぞれ登録されている不動産会社が異なります。登録は無料で行えるため、売却予定の不動産の種類や該当エリアに合わせて複数サイト登録すると良いでしょう。

登録を終えたら、一括査定で査定額を提示してきた業者の査定価格の根拠や対応内容を比較し、その中から信頼できそうな2~3社程度に訪問査定を依頼してみましょう。

一括査定は業者が物件を見ないで査定する「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。より正確な査定結果を知るためには、その後で実際に物件を見て判断する「訪問査定」を受けることとなります。

なお、査定業社の中には相場よりも高い査定額を出して依頼を受けようとする会社もあるので注意が必要です。提示された査定価格が適切かどうか、周辺エリアの売却相場を調べたり、その他の不動産会社の提示してくる査定額と比較するなどで判断していきましょう。

1-3.不動産会社と媒介契約を結ぶ

訪問査定が終わった後は、不動産の売却を仲介してもらう「媒介契約」を結びます。媒介契約の種類には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つがあり、それぞれの特徴は以下の通りです。

比較項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
依頼できる会社数 複数社に依頼可能 1社のみ 1社のみ
買い手を自分で見つけてくることができるか 可能 可能 不可能
契約が有効な期間 無制限 3ヶ月以内 3ヶ月以内
レインズへの登録義務 任意 あり あり
報告義務 なし 2週間に1回以上、文書で報告 1週間に1回以上、文書で報告

(*レインズとは、不動産会社間でリアルタイムの情報交換ができ、売却物件を広く周知することが可能なネットワークシステムで、国土交通省指定の「不動産流通機構」が運営しています)

一般媒介契約のメリット・デメリット

一般媒介契約は、複数業者に売買仲介を依頼することができる契約形態のことで、「物件を広い範囲に周知できる」「複数業者間で営業を競わせることができる」などのメリットがあります。

ただし、不動産会社からすると競合他社に先取りされてしまう可能性があるため、営業活動に力を入れづらいなどの側面もあります。

また、レインズへの登録義務はないため、物件の早期売却の機会を失う可能性などもあります(*売主がレインズに登録するよう依頼すれば、登録してもらえます)。

専任媒介契約、専属専任媒介契約のメリット・デメリット

専任媒介契約・専属専任媒介契約は、その会社にしか売買仲介を依頼できない契約形態です。不動産会社からしても契約期間中は契約を他社に奪われる心配がなく、優先的に売却活動が行われる可能性が高まります。

ただし、1社のみとの契約になるため、物件の周知範囲が狭くなるほか、他社経由の照会や申し込みを断られるなどの可能性があることを留意しておきましょう。

どの契約タイプがおすすめ?

一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約のそれぞれにメリット、デメリットがあります。どの契約タイプを選ぶのかは売却物件の条件や売主の売却方針で異なります。

例えば、購入希望者を可能な限り広い範囲から探したい、じっくり時間をかけて売却活動をしてくれる不動産会社を探したいなどの場合は、一般媒介契約が向いています。

一方、なるべく早く売却したい、すでに懇意にしている不動産会社があるなどの場合は専任媒介契約や専属専任媒介契約が向いているでしょう。

なお、専任媒介契約では売主自身で買主を見つけることは可能ですが、専属専任媒介契約ではできません。さらに売主への活動報告義務の頻度も専属専任媒介契約より少なくなるなどの違いがあります。

1-4.不動産の売却活動を行う

不動産会社と媒介契約を結んだ後は、売却活動を開始します。売り出し価格の設定は、査定額を参考にして、業者のアドバイスを受けながら決める必要があります。基本的には売却費用や住宅ローンを完済した後でも現金が残るように設定するケースが多いですが、相場と比べて高過ぎる売却価格を設定しても売れづらくなります。

なお、売却費用には、ローンの残債額、物件の修繕・リフォーム費用、不動産会社の仲介手数料、抵当権抹消費用、司法書士手数料などがあります。仮住まいが必要な場合は、家賃・引越し費用などの必要経費も洗い出す必要があります。

中古物件の場合、購入希望者から値引きを要請されて当初の売却価格より下げて売却するケースもあるので、あらかじめ値引き分を上乗せしておくかどうかも検討する余地があります。

価格交渉で買主側の値引き希望額と売主側の許容額に差がある場合、交渉は粘り強く行い、できるだけ妥協点を見つけ出せるよう努めることが大切です。

物件の内覧対応のポイント

売却活動では内覧対応が重要なポイントになります。売主側の対応次第で相手側の購入意欲が左右されることもあるので、十分に準備してから臨むことが重要です。

内覧時のポイントは次の通りです。

ポイント 具体的な対応
破損箇所の修繕 ・床や壁の目立つ傷など破損箇所は、事前に修繕する
荷物の整理 ・最も目立ちやすい玄関前は、物を片づける
・室内の荷物、廊下の段ボール箱などを片づける
室内を広く見せる キッチンや洗面所回りの生活用品を収納する
室内の清掃・消臭 ・室内全般を掃除する
・キッチン・バス・トイレ・洗面所などの水回りは、洗剤・カビ取り・水垢取りなどで磨く
・消臭剤で生活臭を消す
買主からの質問にすぐに答えられるように準備しておく ・物件の修繕履歴、塗装履歴
・付帯設備の使用年数・交換時期
・最寄り駅までの所要時間や交通手段、近隣の学校・スーパーマーケット・病院・役所・銀行・駐車料金の相場等

値下げする際の注意点

物件がなかなか売却できない場合は、売出価格の値下げも検討しなければなりません。この時、ローンの残債がどの程度残っているか、住み替え新居の購入資金があるかどうかによっても値下げ幅は違ってきます。

ローンの残債があまり残っておらず、住み替え新居の購入資金が十分な場合は、ある程度値下げする余地があると言えるでしょう。

しかし、そのような余裕がない場合、簡単に値下げするのは難しくなります。当初の売り出し価格で売却活動を継続するか、値下げしても資金的に困らないように資金調達を別途検討しなければいけません。

このほか、売買仲介会社の活動内容や姿勢などが不十分な場合、変更することも考えなければならないでしょう。

1-5.不動産売買契約と引渡しを行う

買主が決まった後は、売買契約の締結と物件の引き渡しを行います。以下の通り、売買契約時の必要書類は多肢に渡るため、仲介業者に教えてもらいながら漏れがないよう準備することが大切です。

  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • 登記済権利書
  • マンションの管理規約
  • 管理費や修繕積立金に関する書類
  • 耐震診断報告書
  • 固定資産税納税通知書
  • ローンに関する書類等

契約時には買主から手付金が支払われ、契約締結後に買主の都合で契約を取り止める場合は、その手付金が違約金になります。

また、契約締結後に売主の都合でキャンセルする場合は、手付金を買主に返還した上で、手付金と同額の違約金を支払うことになります。

物件の引き渡し日に売買残金の決済を同時に行います。その手順は次のようになります。

物件引き渡しの流れ 具体的な対応
①売却の決済 買主から手付金を除いた売却代金の残額を受け取り、物件を引き渡します。買主に鍵を渡さなければならないため、その日までに引越しや後片づけが終わるよう、日程を組む必要があります。
②ローン残債の返済 売却代金をローン残債に充てる場合は、受け取った売却代金を金融機関に振り込みます。
③抵当権抹消書類の受取り 金融機関から抵当権抹消書類の交付を受けます。
④抵当権抹消の登記 司法書士に抵当権抹消の登記をしてもらいます。同時に、物件の所有権移転登記もされます。

以上で、不動産売却の手順および手続きは完了となります。

2.不動産売却を成功させるポイント

不動産の売却をスムーズに進めるためのポイントや注意点をご紹介します。

2-1.不動産の査定依頼は複数の不動産会社に出す

不動産の売却査定は、売却手続きの最初のステップです。査定額は業者間で差があるため、1社のみの査定では客観的な価格を把握できない場合があります。

そのため、複数の会社に査定依頼を出すことで査定額の平均値がわかり、自分の物件のおおよその相場が把握できるようになります。また、複数会社に査定を依頼することで、査定結果や査定時の対応が仲介会社選びの判断基準にもなります。

なお、訪問査定は依頼し過ぎると、対応が手間になることもあります。査定額から納得できる2~3社程度を選ぶと良いでしょう。

【関連記事】不動産一括査定サイトのおすすめは?大手の一括査定サイト4社を比較

一方、「あまり多くの不動産会社へ情報を知られたくない」「まずは大手不動産会社へ査定を依頼してみたい」という場合には、不動産一括査定サイトだけでなく不動産売却の実績が豊富な不動産会社へ査定依頼してみるのも良いでしょう。

例えば、三井グループの不動産会社の三井不動産リアルティが運営する「三井のリハウス」では、2020年度まで36年連続で全国売買仲介取扱件数1位の実績となっており、累積取扱件数は100万件を突破しています。

2-2.基本は「仲介」、急いでいる場合は「買取」

不動産を売却する方法には「買取」と「仲介」の2種類があります。仲介は不動産会社に依頼して買主を探してもらう方法であるのに対して、買取は不動産を不動産会社に直接売却する方法です。

買取は、不動産会社が査定して迅速に買い取ってくれるのがメリットです。仲介に比べてより迅速に不動産を現金化できる可能性があります。

しかし、相場より2~3割程安い価格で売却することになる点はデメリットと言えるでしょう。安くなる理由は、買取業者が不動産を買い取った後にあらためて売りに出す際、整地やリフォームを行うための費用、不動産登記費用などの諸経費が差し引かれるためです。

一方、仲介では、不動産会社が多少時間をかけてでも、高く買ってくれる買主を探してくれるため、買取に比べて高く売却できる可能性があります。

そのため買取は、早急に売却資金が必要な事情がある場合、事業用地として売却する場合など、特殊な事情がある場合に検討すると良いでしょう。

2-3.「市況が好調なとき」「人の移動が多い時期」に売る

不動産の売却は、不動産市況が好調で相場が上昇している時期に合わせるようにしましょう。不動産市況が好調で相場が上昇している時期は、経済・景気動向が良好で賃金も上昇し、人々の不動産購入需要が高まります。

逆に、世の中の景気が悪くなるとリストラや失業が増えて賃金も上がらず、不動産購入需要は低調になります。このような不況時に不動産を売ろうとしても、高く売るのは難しくなります。

景気や不動産市況が良好な時期にタイミング良く売却するのは簡単ではありませんが、特別に急ぐ事情がなければ、不動産市況を監視しながら不動産が高く売れる好況時のタイミングを待つことも重要です。

あるいは1年の中で人の移動が集中する時期に合わせて売るという方法もあります。特に春は、学校の入学・卒業、企業の入社・転勤・退職などが集中するため、新居を必要とする人が増えます。

タイミング良く不動産を高く売るためには、定期的に不動産の査定を受けておいたり、時期に合わせて周辺相場をチェックしておくなど、事前に売却準備を始めておくことも大切です。

2-4.不動産売却にかかる税金と特例

不動産の売却で利益が出ることを譲渡所得といい、これが課税対象になります。譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間が5年超か5年以内かで以下のように大きく異なります。

不動産の所有期間 譲渡所得の種類 税率
5年超 長期譲渡所得 20.315%
(内訳:所得税15.315%、住民税5%)
5年以下 短期譲渡所得 39.63%
(内訳:所得税30.63%、住民税9%)

(注)税率には、復興特別所得税が加わっています。
参照:国税庁「譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

なお、不動産の所有期間は、不動産を売却する年の1月1日時点で計算されます。

例えば、2017年4月1日に購入した土地を2022年5月1日に売却する場合は、実質では5年1か月間所有していますが、売却する2022年の1月1日時点で所有期間が計算されることから、4年9か月間の所有とみなされ、所有期間が5年以下の短期譲渡所得として高い税率が適用されます。

この場合、長期譲渡所得の適用を受けるには、翌年の2023年1月1日まで待たなければなりません。早期売却をしなければならない事情がなければ、長期譲渡所得の適用を受けられるよう5年超の所有後に売却すると良いでしょう。

また、不動産の売却では以下の通り税制上の様々な特例が定められているため、条件に該当する場合は最大限に活用することが大切です。

マイホームを売ったときの特例

個人がマイホームを売却した場合に、一定の要件を満たせば、所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円までが控除されます。(※参照:国税庁「マイホームを売ったときの特例」)

マイホームを売ったときの軽減税率の特例

所有期間が10年超のマイホームを売却した場合、一定の要件を満たせば、3,000万円の特別控除の特例を適用した後の譲渡所得に対して、長期譲渡所得の税率よりも低い軽減税率が適用されます。(※参照:国税庁「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」)

事業用の資産を買い替えたときの特例

個人が、土地・建物などの事業用不動産を譲渡して、一定期間内に特定の地域内にある不動産を取得し、その取得の日から1年以内に不動産を事業用として利用したときは、一定の要件を満たせば、譲渡益の一部に対する課税を将来に繰り延べることができます。(※参照:国税庁「事業用の資産を買い換えたときの特例」)

その他、不動産売却による税制上の特例について詳しく知りたい方は、下記の記事もご参考下さい。

【関連記事】マイホームの買い替え・住み替え時の税金と適用したい特例は?
【関連記事】投資用マンションの売却でかかる税金は?計算方法や課税額を抑える4つの対策も

2-5.買い手が付きやすい状態にする

不動産を早く・高く売るには、買い手が付きやすい土地や物件にすることも重要です。それぞれ確認してみましょう。

適切な広さの更地にする

更地とは、建築物や工作物が建っていない状態の土地です。更地にするには、家屋、物置、カーポート、外構などをすべて取り払う必要があります。購入者にとっては残置物を撤去する費用・手間がかからず、また、住宅用地や他の自由な用途に利用できるため、買い手が付きやすい土地になります。

このほか、土地面積が狭過ぎると住宅を建てづらく、逆に広過ぎると価格が高くなります。そのため、狭小地の場合、資金に余裕があれば隣地を買い増し、適切な面積にしておくことで買い手が付きやすくなりなることもあります。

逆に面積が広過ぎる場合は、全体を一括で売るのではなく、住宅地として適切な面積に分割して売却することも検討できます。

ただし、解体費用を売却価格に上乗せして売却することができなければ費用倒れになる可能性もあります。まずは売却を依頼している不動産会社に相談するなどして、追加費用の回収が可能であるかどうか、またニーズが見込めるかどうか慎重に検証することが大切です。

なお、家屋を解体して更地にする手間をかけるのであれば、土地を売却せずに運用する「土地活用」も検討し、売却した場合と比較してみるのも良いでしょう。

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【関連記事】HOME4U(土地活用)の評判・口コミ

修繕工事を済ませる

売却予定の不動産に破損箇所などがあれば買い手が付きづらい上、売却後のトラブルに発展しかねません。そのため、売却活動に入る前に、修繕しておく必要があります。

戸建てやマンションの場合、床や壁の目立つ傷などの修理が難しいときは専門業者に依頼・修繕すると良いでしょう。内装の破損や目立つ傷を放置しておくと、内覧時に買主の印象が悪くなることがあります。また、給湯器・浴槽・洗面化粧台・キッチンなどの付帯設備は、正常に作動するかも確認しておきましょう。

外装については、屋根や外壁に破損や塗装の剥がれがある場合は、劣化の程度にもよりますが、目立つ破損・劣化個所は修繕が必要となります。

しかし、解体費用と同じく、追加費用を改修できないリスクもあります。発生してしまう費用によっては修繕せずに買主に任せ、その分値引きして売るという方法もあるので、決断するのが難しいときは不動産会社に相談してみましょう。

3.不動産売却に強い会社の選び方

不動産の売却を上手に進めるためには、販売力があり売却活動にも熱心な不動産会社を選ぶことが重要です。以下ではその見極めるポイントをご紹介します。

3-1.不動産査定額の根拠を説明してもらう

不動産の査定価格はあくまで「これくらいで売れそう」という予想価格で、各社で算出根拠が異なります。基本的には土地の公示価格・道路の路線価や、近隣地域にある類似物件の相場価格、物件の状態などを加味して計算されます。

しかし、上述した通り会社によっては顧客獲得を目的に、相場よりも不自然に高い査定額を提示してくるところがあるので注意しなければなりません

信頼できる不動産会社かどうかは、提示された査定価格にしっかりとした根拠があるかどうかで見極めることができます。

例えば、土地の地価額や建物の再調達価格、金融機関の住宅ローン融資実績、過去の取引事例のデータから周辺相場など、どのような根拠やデータから査定額を出しているのか確認をしましょう。複数社に査定を依頼している場合、不動産会社からの説明に根拠があるのかどうか他社へ確認をとることで判断もしやすくなります。

単に「査定額が高いから」という理由だけで不動産会社を決めると、営業活動をほとんどせずに売却価格の値下げを勧められ、当初の予定以上に安い価格で手放す結果になるケースもあります。査定価格だけを鵜呑みにするのではなく、査定の根拠までしっかりと確認しておくことが大切です。

3-2.不動産会社の売却実績・専門分野を確認する

不動産会社の実績や専門性に基づいて判断することも重要です。不動産会社には全国的に展開している大手企業から地元密着型の中小企業、家族経営している街の不動産屋まで様々あり、専門分野も戸建て・マンション・商業ビルなどそれぞれ異なります。

不動産会社の規模については、それぞれ長所・短所があるため一概にどれが良いとは言えませんが、以下のポイントを参考に選ぶことが大切です。

  • 近隣エリアの土地や物件相場に詳しい
  • そのエリアの売却物件情報が乏しくても地域を広げて広範囲な情報収集ができる
  • 販売物件の情報を広範囲にPRできる強力なネットワークを持っている
  • 営業担当の質が良く、教育が行き届いている
  • 事務手続きがしっかりしている

大手不動産会社は豊富な資金力を武器に全国的なネットワークを持っており、チラシ配布やオープンルーム等の営業力や営業担当の質にもムラがない傾向があります。

一方、地域密着型の中小や街角の小さな不動産屋などは、セールスプロモーション力では大手に敵わないですが、その地域に根ざした人脈や情報などが強みと言えるでしょう。

不動産会社の実績や専門分野についてはコーポレートサイト等で確認できるほか、営業担当に頼めば会社の概要や実績をまとめた資料・パンフレットを持ってきてくれることもあります。加えて、ネットで不動産会社の口コミや評判を検索してみるのも良いでしょう。

また、不動産会社の実績や専門性を調査する際は、以下のようなポイントを参考に判断しましょう。

不動産会社の強み・得意ジャンル

不動産の売却を得意としている会社は、ホームページや売却サイト等でその実績をPRしていることがあります。

売却予定の物件が戸建ての場合は戸建てが得意な会社に、マンションの場合はマンションが専門の会社に、商業店舗や投資用物件の場合はその分野に強い会社に依頼すると良いでしょう。

周辺エリアの不動産情報に精通しているか

売却物件近隣の土地や不動産情報に精通している会社は、地場に根差した不動産投資家や地主と独自のネットワークを築いていることがあります。そのため、近隣エリアで最近売り出された類似物件の販売価格など、その地域の不動産情報をいち早く掴むことがあります。

周辺エリアの不動産情報に精通している不動産会社は、その地域に根ざした人脈や情報などを強みに、大手不動産会社ではアプローチできない買主への積極的な販売活動が期待できると言えます。

物件の細かな特徴も評価してくれる

中古不動産は、他の物件にない優れた特徴やその物件固有の価値を持っている場合があります。

例えば、売却価格は築年数・広さ・立地条件等以外にもその地域の独特の事情やブランド力なども影響するため、様々な要素を総合的に評価して価格を設定する必要があります。

机上査定では気づけないような細かい特徴を評価してくれる会社は、売却活動にも期待が持てるでしょう。

3-3.営業担当の実績や取り組む姿勢等を確認する

営業担当の資質も不動産会社選びで重要なポイントの一つです。不動産の売却活動は、営業担当の経験値や熱意・誠意に支えられる部分も多いため、会社自体がいかに優れていても、希望通りの結果になるとは限りません。

不動産会社の営業担当には売却に関する専門知識や営業スキルのほか、売主と一緒になって売却活動に取り組んでくれるという真摯な姿勢も重要です。売主の提案や意見を全く聞かなかったり、メールや電話の返事が遅かったりする場合は再検討する必要もあるでしょう。

一方、物件の良いところだけでなく、欠点を正直に教えてくれる営業担当は好感を持てます。日当たりが悪い場合や、立地が良くなければ査定額にも影響してくるので、営業担当の誠実さを知るという意味でも色々と質問することが大切です。

4.はじめての不動産売却で注意しておきたい6つのこと

これまで説明してきた不動産会社の査定価格を適切に利用して売却戦略を練ることも重要です。また、売却前に、土地と建物に関する問題を確認し、できる限り解決しておくようにしましょう。

4-1.瑕疵(かし・欠陥)をできる限り解決・改善しておく

不動産を売却する際に、悪影響を及ぼす瑕疵(かし・欠陥)をできる限り解決・改善しておくようにしましょう。

戸建てや一棟物の場合、土地の境界に関する問題、土地が接する道路が私道の場合は私道の権利問題などが発生している可能性があります。その他、建物や設備に大きな瑕疵がある場合、売却価格を引き下げる要因になることもあるでしょう。

このような物件の問題点については、できる限り修繕をして解決しておくようにしましょう。ただし、修繕については、大規模な修繕をおこなってもその費用を売却価格に上乗せできない可能性もあるので、不動産会社と相談のうえ慎重におこなうようにしましょう。

4-2.相場価格を把握して売却戦略を練る

売却活動を成功させるためには、相場価格に応じて適切な売却戦略を立てることが大切です。

適正な相場価格で売り出すことは売却戦略の基本です。例えば、相場価格とかけ離れて高い価格で売り出してしまうと、買い手候補の間口を狭めることになってしまいます。不動産会社の査定価格を鵜呑みにするのではなく、ポータルサイトや積算法などを利用して自分で売却相場を調べておくと良いでしょう。

ただし、出来るだけ良い条件で売るためには、相場価格よりも少し高めの価格で売り出すことも検討してみましょう。値下げの余地を残しておくことで、後の条件交渉の際に役立つためです。

4-3.物件の種類に応じて売却に強い不動産会社を選ぶ

売却の成否には、一戸建てやマンションなど、物件の種類に応じて売却に強い不動産会社に依頼することが重要になります。

その物件の種類の売却に強いかどうかは、査定価格の根拠に説得力があるか、具体的な売却方法の提案、条件の近い物件の売却実績、売却を担当する営業マンの営業力などによって判断しましょう。

特に、具体的な売却方法の提案は売却戦略に関わる最も重要な部分になります。売出し価格や買い手候補となるターゲットへのアプローチ方法など、提案に具体性があるほどその物件の売却に強い可能性が高いといえるでしょう。

4-4.不動産会社の販売活動を注視する

悪質な不動産会社の中には、取扱い物件の「囲い込み」を行うケースがあることが指摘されています。囲い込みとは、売主・買主の双方から仲介手数料を得ることを目的として、他の業者への物権の紹介を拒否する行為のことです。

販売活動の仲介を依頼された不動産会社には、媒介契約の形式に基づいて不動産取引情報システムであるレインズへの登録義務や定期的な業務状況の報告義務があります。(専属・専任媒介契約のみ)

売却を依頼したら、売主は定期的に業務報告を確認したり、インターネットの不動産取引ポータルサイトの情報を確認したりするなどして、不動産会社の販売活動が適切に行われているかどうかを注視するようにしましょう。

4-5.買い手候補には迅速・丁寧に対応する

買い手候補が現れたら、迅速かつ丁寧に対応しましょう。内覧の際には、できる限り清掃や整理整頓をおこない、清潔な印象を保つことも大切です。照明を明るいものに変えたり、換気や消臭剤で臭いを消したりするなど、印象アップを心がけましょう。

空き家の場合、モデルルームのような演出をするホームステージングが効果的なこともあります。ターゲットとなる入居者の属性に合わせて、検討してみると良いでしょう。

一方、買い手候補が買い付けにあたり要望事項を出してくることがあります。土地や建物の問題解決や測量など、予想できる事項については、あらかじめ対応策を考えておくようにしましょう。また、値引きの要望についても応じられる限度額を決めておき、担当者に伝えておくと交渉がスムーズに進みます。

成約のチャンスを逃さないためにも、応じられる項目と応じられない項目を明確にして、なるべく早く返事をするようにしましょう。内覧があったのに買い付けに至らなかった場合は、その理由をヒアリングして、できる限り改善するように努めましょう。

4-6.契約不適合責任に注意する

売主は、不動産の種類、品質、数量について、売買契約に適合する状態で引き渡す義務があります。すなわち、売買契約の内容と引き渡した不動産の状態が一致していない場合、売主は原則として契約不適合責任を負います。

売却後に契約不適合が発見されたとき、買主は、売主に対して、追完(補修や代替物)請求、代金減額請求、契約解除、損害賠償請求ができることになります。

契約不適合責任を問われてしまうことのないよう、売却時には、瑕疵(欠陥)がないかあらためて確認し、買主に通知することが大切です。また、欠陥が見つかった場合には売買契約書に契約不適合責任の範囲について明記し、後のトラブルに備えておくと良いでしょう。

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5.不動産を売却した時の確定申告の手順

不動産を売却した時の確定申告は、次のような手順でおこないます。

  • 必要書類・環境を整える
  • 所得税の確定申告書を作成・提出する
  • 所得税・住民税を納税する

以下で詳しく見ていきましょう。

5-1.必要書類・環境を整える

確定申告書B様式 税務署で入手できます。この確定申告書の様式は、すべての所得の申告に適用できる書類です。なお、確定申告書A様式の場合は給与所得、配当所得、一時所得、雑所得のある人の確定申告にしか使えないため、不動産の売却によって利益が生じた場合の確定申告には使用できません。
分離課税申告書 給与所得や事業所得とは異なり、土地・建物など不動産の売却にかかる所得は、別枠で税金計算するために分離課税用申告書を提出する必要があります。分離課税申告書も税務署からもらうことができます。
譲渡所得の内訳書 売却した不動産に関する住所、土地面積、売却金額その他の情報を記載する書類で、税務署で手に入れることができます。
購入時・売却時の不動産売買契約書 不動産の購入時、売却時には通常、売買契約書を交わします。確定申告の際にはそのコピーを添付する必要があります。売買契約書に記載してある売却価格や購入価格などを確認して譲渡所得の額や適用する税率が決まります。

また、譲渡所得の内訳書を記入する際は、売買契約書に基づいて正確に記載する必要があります。税務署も売買契約書のデータを確認して、計算が合っているかどうか、内訳書の記載事項と合っているかなどを確認します。

仲介手数料など購入、売却にかかった経費の領収書 不動産の購入時や売却時に不動産仲介会社へ支払った仲介手数料などの領収書、固定資産税の清算書、登記費用などのコピーも添付する必要があります。

税額計算上、これらを経費として算入するかしないかで税額に大きな差が生じることになるため、紛失しないよう大切に保管します。

まず、確定申告に必要な書類を整えます。不動産売却をして確定申告をおこなう場合、確定申告書(B様式)と譲渡所得の内訳書を提出することになります。これらの書類を作成するために必要な書類を整えます。

確定申告書の作成を自分でおこなうのであれば、パソコンとネット環境が必要です。国税庁のホームページの「確定申告書作成コーナー」で作成すると、税務署に提出する書類まで一通り作成することが可能です。

その他、出来るだけ申告書作成の手間を省きたい方は、税理士への依頼を検討されてみるのも良いでしょう。不動産売却に強い税理士へ相談することで、確定申告書の作成や提出だけでなく、不動産売却に使える特例なども適用してもらえる可能性があります。

税理士を探すには、税理士業界に精通したエージェントが分野ごとに顧客のニーズに合った税理士を登録税理士の中からピックアップして紹介してくれる「税理士紹介エージェント」や、相見積もりを取り料金交渉のサポートまで行ってくれる「税理士ドットコム」のような無料のエージェントサービスが便利です。

売却に関する書類の準備

譲渡所得の売却価格や売却費用を計算する際に必要な、売却に関する書類を揃えましょう。不動産の売却時の売買契約書や、売却費用として計上する仲介手数料等の領収証を準備しましょう。

取得価格や取得費に関する書類の準備

譲渡所得の取得価格や取得費の計算する際に必要な書類を揃えましょう。取得価格の分かる、不動産の購入時の売買契約書や、取得の際要した費用の領収証を準備しましょう。取得後の改良を加えている場合、改良時の領収証なども用意しましょう。

特別控除や他の所得、所得税の控除に関する書類の収集

譲渡所得の特別控除や特例を利用する場合は、それぞれ所定の書類を添付する必要がありますので、収集しましょう。

その他、所得税の確定申告書(B様式)を作成するために、給与所得の源泉徴収票などの譲渡所得以外の収入明細が必要です。また、所得控除に関する書類として、医療費の領収書や寄附金の領収書などが必要になります。なお、社会保険料や生命保険料、地震保険料も控除対象になりますが、給与所得しかないサラリーマンであれば年末調整で調整済なので、源泉徴収票を用意すれば充分です。

5-2.所得税の確定申告書を作成・提出する

書類の収集やパソコン・ネット環境などの準備が終わったら、所得税の確定申告書(B様式)、譲渡所得の内訳書を作成します。

確定申告書は、譲渡所得の金額や給与所得の金額を集計し、社会保険料控除、医療費控除などの各種控除の金額を控除して、所得税のかかる所得を算定し、実際の所得税額の計算をおこなう書類です。

すべての書類を作成したら、管轄の税務署に提出します。提出方法は、直接持参するか、郵送、あるいは電子申告であればインターネットで送信することによって提出します。所得税の確定申告書等の提出は、翌年の2月16日から3月15日までにおこないます。

5-3.所得税・住民税を納税する

書類の提出と納税は別々におこないます。所得税は、納税の期限が3月15日になっており、確定申告書等の提出期限と同じです。現金で支払う場合は、納付書を用いて金融機関等で納めます。口座振替の手続きをすれば、口座振替も可能です。そのほか、クレジットカード納付やコンビニ納付などもできます。

住民税は、確定申告の情報を下にそれぞれの市区町村が税額を計算し、6月以降に納付書が送られてきます。

まとめ

不動産の売却経験が豊富にある方は多くありません。しかし、たとえ初めての不動産売却でも不動産売却の流れや手順を事前に知っておけば焦ることなく売却活動を進めることができるでしょう。

特に、売買仲介を任せる不動産会社は重要なパートナーになります。売却実績や強み・得意分野などを確認するほか、顧客の立場に立って営業してくれる会社を選ぶことが大切です。

不動産を初めて売却する方はまず売却計画をしっかり立て、一つ一つ手順を進めていきましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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