手は届く?利益は出せる?港区、中央区、千代田区の区分マンション投資事情

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マンション投資では立地がとても重要です。東京であれば、港区、中央区、千代田区の都心三区と呼ばれるエリアは、好立地とされるエリアとして知られています。

これからマンション投資をされる方の中には、都心三区は価格帯が高すぎたり、良い物件が無かったりするイメージが先に立ち、最初から検討をしないという人もいるでしょう。しかし、本当に都心三区のマンション投資はなかなか手が届かないものなのでしょうか?

この記事では港区、中央区、千代田区の特徴を確認した上で、都心三区のマンション投資事情についてご紹介します。

目次

  1. 都心三区とは
  2. 都心三区でのマンション投資のメリット
    2-1.物件が古くなっても立地が良ければ賃貸ニーズは高い
    2-2.都心はどこに住んでも立地が良い?
    2-3.空室リスクが抑えられる
    2-4.融資条件が良い可能性が高い
    2-5.家賃が高い
  3. 都心三区でマンション投資をした場合のシミュレーション
    3-1.港区のマンション投資シミュレーション
    3-2.中央区のマンション投資シミュレーション
    3-3.千代田区のマンション投資シミュレーション
  4. まとめ

1.都心三区とは

東京都の港区、中央区、千代田区を総称して、一般に「都心三区」と言います。この三区に渋谷区と新宿区を足して都心五区、さらに文京区を足して都心六区という言葉も使われています。

これらの言葉は不動産業界で特に良く使われる言葉ですが、一般的にも使われています。都心三区には大企業の本社や政府、金融機関が集中し、日本の政治・産業の中心地として知られています。

このエリアには住居も多く建てられており、高級住宅街としても知られています。そのため、「都心三区に建っているマンション」というだけでも、人々が持つイメージは良いのではないでしょうか。

都心三区はオフィスビルやマンションが建ち並んでいるだけではありません。利便性が良く、また大使館なども多く設置されており、海外との交流が積極的に行われていたりする街です。

2.都心三区でのマンション投資のメリット

立地が良いと言われる都心三区でマンション投資を行うメリットについて見てみましょう。

2-1.物件が古くなっても立地が良ければ賃貸ニーズが高い

新築のマンションであっても、時間の経過とともに古くなり、劣化したり損壊したりするようになります。郊外の交通の便が悪い場所のマンションであれば、古くなると賃貸ニーズの低下に直結しますが、都心では会社に近かったり、駅から近かったりする可能性が高くなり、古くても賃貸ニーズが下がる可能性は低くなります。

そのため、都心三区では長期的に家賃収入が発生し、マンション投資で効率的な資産運用が期待できるということが言えます。

2-2.都心はどこに住んでも立地が良い?

「立地が良い」とは、企業が集中する都心部に近かったり、駅からの距離が近かったりする場合を総称して言います。また、マンションの周辺にスーパーや金融機関のATMといった生活に必要なものが整備されていることも立地を見る面では大切な要素です。

都心三区の場合、各所にオフィスビルが建ち並んでいたり、買い物に便利な繁華街があったり、またどの場所にいても歩いて10分以内に地下鉄やJR、その他の交通機関の停留所などがあったりする点が、郊外と比較して立地が良いと言われる要因です。

そのため、特に駅にこだわりがなければ、どこに住んでも近くに駅や停留所があるため、賃借人が付きやすく、マンション投資には都合が良い場所ということになります。そのような点で、マンション投資においても、都心は場所にこだわらず立地が良いとされます(ただしエリアごとに人気度は異なります)。

2-3.空室リスクが抑えられる

マンション投資には空室リスクや金利上昇リスク、災害のリスクなどがあります。その中でも一度発生すると金額的に大きな損害が出るのは、空室リスクと災害リスクです。

マンションが空室になった際にはその部屋からの賃料が入らないため、ローンの支払いを今までの貯蓄などから支払わなければいけません。空室が長引けば持ち出しも大きくなるので、そうした点がリスクになります。また、災害が起きた場合には、被害によっては大きな修繕費用が発生する点でリスクになります。

幸い、区分マンションは災害により専有部が被害を受ける可能性は比較的低く、特に街区がよく整備されている都心部での被害は近年あまり発生していません。

また賃貸ニーズが高い都心三区では空室率を低く抑えられる可能性が高いため、郊外などのエリアと比較すると空室リスクが低く、安定した運用ができる期待があると言えるでしょう。

2-4.融資条件が良い可能性が高い

利便性が高く人気があり、賃貸ニーズが高いことが想定される立地に建つマンションであれば、金融機関の融資条件も良くなる可能性が高くなります。

金融機関は万が一契約者が残債の支払いをできなくなった場合に、マンションを競売にかけて資金を回収します。そういった場合を想定しても、都心のマンションは賃貸ニーズが高く、一定の金額で売れることが期待できるため、金融機関が損失を被る可能性は低くなると言えます。

そういったことから、都心三区では中古マンションでも低い金利で融資を受けられたり、満額の融資を受けやすかったりする可能性が高くなります。そのような点で、他のエリアと比較しても融資条件が良くなりやすいことが考えられます。

2-5.家賃が高い

都心三区は家賃が高いため、まとまった収入を得ることができます。都心には多少家賃が高くても住みたいという人が多いため、将来的に見ても長期的な家賃収入が期待できます。

参考に25㎡~30㎡のマンションで、エリアと築年数によってどれくらい家賃相場が異なるのかを見てみましょう。以下の表は不動産・住宅情報サイトライフルホームズの検索結果(2019年8月調査)を筆者がまとめたものです。

地域 新築 築10年~15年 築20年~30年
港区 14.76万円 13.29万円 11.89万円
千代田区 13.71万円 12.89万円 12.07万円
渋谷区 13.44万円 12.20万円 11.00万円
中央区 13.04万円 11.97万円 10.93万円
新宿区 12.14万円 11.05万円 9.99万円
目黒区 11.92万円 11.05万円 10.20万円
足立区 8.03万円 7.46万円 6.89万円
江戸川区 7.91万円 7.34万円 6.78万円

ライフルホームズ検索結果をもとに筆者作成

こちらの表から、都心三区の平均家賃は新築時から他の区より少し高い上に、築20年が過ぎても10万円以上の家賃収入があることが確認できます。また、家賃が低い足立区や江戸川区と比較した場合、2倍くらいの違いがあることが確認できます。これくらいの家賃があれば、ローンの完済後にまとまった収入を得られるメリットが大きいと言えるでしょう。

マンション投資は物件個別の取引になりますので、全ての物件でこの家賃通りになるわけではありませんが、区によってこのような違いがあることを知っておきましょう。

3.都心三区でマンション投資をした場合のシミュレーション

では、実際に現在売りに出ている物件をもとに、都心三区でマンション投資をしたらどのような運用になるのかをシミュレーションしてみましょう。

ライフルホームズで収益物件を検索してシミュレーションします。検索条件は①区分マンション、②価格2,500万円以下、③築15年以下、の条件とします(2019年8月調査)。

シミュレーションする際の融資条件は①頭金を200万円入れる、②固定金利2%、③返済期間35年、とします。また、毎月発生するローンの返済と管理費・修繕積立金を引いた手残り額をそのまま貯蓄した場合に、10年後と20年後の累計額がいくらになっているかも見てみましょう。

3-1.港区のマンション投資シミュレーション

ライフルホームズで上記の条件で収益物件を検索したところ、以下の物件が表示されました。こちらの物件をもとに試算してみましょう。

  • 価格:1,800万円
  • 築年数:13年
  • 広さ:22.61㎡
  • 家賃収入:7.82万円
  • 最寄駅からの徒歩時間:3分
  • 管理費・修繕積立金:9,600円

こちらの物件に融資を受けて投資をした場合、以下のようになります。

  • 毎月の返済額:5万3,002円
  • 毎月の手残り額(家賃収入-返済額-管理費・修繕積立金):1万5,598円
  • 10年後の累計:187万1,760円
  • 20年後の累計:374万3,520円
  • *ローン条件:金利2%、返済期間35年、頭金200万円。金利上昇、家賃下落、その他経費は考慮していません

物件価格は高いものの、頭金を準備したり、一定の条件でローンを組んだりすることで、極端に収支が悪くなるわけではないことが想定できます。

3-2.中央区のマンション投資シミュレーション

同じように中央区の物件でシミュレーションしてみましょう。以下の物件で収支を見てみます。

  • 価格:2,450万円
  • 築年数:8年
  • 広さ:25.34㎡
  • 家賃収入:11.98万円
  • 最寄駅からの徒歩時間:6分
  • 管理費・修繕積立金:26,020円

こちらの物件に上記の条件で投資をした場合、以下のようになります。
    

  • 毎月の返済額:7万4,534円
  • 毎月の手残り額:1万9,246円
  • 10年後の累計:230万9,520円
  • 20年後の累計:461万9,040円
  • *ローン条件:金利2%、返済期間35年、頭金200万円。金利上昇、家賃下落、経費は考慮していません

この試算から、利回りが低い傾向にある都心三区でもキャッシュフローをストックできることが想定できます。なお、累計の手残りからは毎年の固定資産税や所得税なども差し引かれることになりますので、その点は注意が必要です。

3-3.千代田区のマンション投資シミュレーション

最後に千代田区の物件でシミュレーションしてみましょう。

  • 価格:2,350万円
  • 築年数:15年
  • 広さ:23.12㎡
  • 家賃収入:9.08万円
  • 最寄駅からの徒歩時間:6分
  • 管理費・修繕積立金:11,150円

こちらの物件を同じようにローンを組んで購入した場合の収支は以下のようになります。

  • 毎月の返済額:7万1,221円
  • 毎月の手残り額:8,429円
  • 10年後の累計:101万1,480円
  • 20年後の累計:202万2,960円
  • *ローン条件:金利2%、返済期間35年、頭金200万円。金利上昇、家賃下落、経費は考慮していません

ここまでのシミュレーションから、都心三区のマンションに投資するイメージが少し掴めたのではないでしょうか。

まとめ

港区、千代田区、中央区のマンションと言うと、価格が高くなかなか手が出ない気もします。しかし、きちんと調べてみれば、マンション投資の対象となる物件は新築でも3,000万円台、中古なら2,500万円以下でも購入することができます。

都心は立地がとても良く、将来的にも高い賃貸ニーズを期待できるエリアです。また、築年数の経過した都心三区の物件の価格帯が高いのは、資産価値が高いということでもあり、決して悪いことではありません。

都心三区の投資用マンションは将来的にも賃貸ニーズが高く、家賃の下落幅も比較的小さくなる可能性が高いので、都心三区でのマンション投資は長期運用に向いた投資だと言えるでしょう。

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西宮光夏

不動産会社での勤務や、所有している不動産運用の経験をもとにHEDGE GUIDEでは不動産関連記事を執筆しています。現在は主にふるさと納税の記事を担当しています。ふるさと納税記事では、地域の人たちが心を込めて提供する返礼品の素晴らしさを、少しでも多くの人にお伝えできればと思っています。