土地の価格や資産性を自分で手軽に調査・査定する方法は?5つの方法を解説

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正式な鑑定を依頼するほどではないが、土地の大まかな価格や資産性を手軽に知りたいということがあります。そのような際に、自分で手軽に土地の価格や資産性を調べるにはどのようにすればよいか悩む方も多いのではないでしょうか。

インターネットや役所で取得できる情報から、おおよその土地の価格や資産性を把握することが可能です。本記事では、土地の価格や資産性を自分で手軽に調べる5つの方法と注意点について解説していきます。

目次

  1. 土地の価格や資産性を手軽に調査・査定する方法
    1-1.「土地総合情報システム」の成約事例から調べる
    1-2.公示地価・基準地価から、価格目安を算出する
    1-3.固定資産税評価額から価格目安を算出する
    1-4.路線価から価格目安を算出する
    1-5.シミュレーションサイトを利用する
  2. 土地の価格や資産性は個別要因に左右される
  3. まとめ

1.土地の価格や資産性を手軽に調査・査定する方法

土地の価格や資産性を手軽に調査する方法として、次のような方法が挙げられます。

  • 「土地総合情報システム」の成約事例から調べる
  • 公示地価・基準地価から、価格目安を算出する
  • 固定資産税評価額から価格目安を算出する
  • 路線価から価格目安を算出する
  • シミュレーションサイトを利用する

「土地総合情報システム」は、成約事例から調べることができ、実際の土地の価格を知るには適しているといえるでしょう。その他、路線価や固定資産税評価額から調べる方法は、金融機関の担保評価など、土地の資産性を知るのに適しています。それぞれの手順について詳しく解説していきます。

1-1.「土地総合情報システム」の成約事例から調べる

国土交通省が運営する「土地総合情報システム」は、取引時期、不動産の種類、地域の3ステップで、成約事例情報を検索できるようになっています。地域は、町名や最寄り駅でも検索対象を絞ることが可能です。

成約事例の土地の一覧情報としては、土地の面積や形状、建ぺい率・容積率、前面道路の情報なども掲載されています。

調べたい土地と類似する成約取引事例を細かい条件まで絞って調べ、平米単価の目安の見当をつけます。それに平米数を乗じることで、その土地価格の目安を算出してみましょう。それぞれの成約事例情報を地図上でみることもできるので、取引事例の比較を直感的におこなうこともできます。

1-2.公示地価・基準地価から、価格目安を算出する

公示地価 ・基準地価は、公的機関が毎年公表する全国の土地の正常な価格です。不動産取引において、適正な価格の指標になる価格でもあります。公示地価は国土交通省が公表し、基準地価は、各都道府県が公表しています。

公示地価・基準地価は、国土交通省が運営する「標準地・基準値検索システム」によって調べることができます。公示地価・基準地価は、対象となる地価の住所の他、地積や形状なども公開されています。

調べたい土地の近隣の公示地価・基準地価で、条件の類似した土地の地価を調べ、平米単価の見当をつけるようにしましょう。それに平米数を乗じることで、その土地価格の目安を算出することができます。

1-3.固定資産税評価額から価格目安を算出する

固定資産税評価額は、3年ごとに、市区町村や都が、国の定めた固定資産評価基準に基づいて、固定資産税の税額を算出するために個別の土地の評価をおこない、決定するものです。

個々の土地の形状等に応じた補正をおこなって、その土地の評価額を決定しているため、個別具体的な価格の目安を知ることができるといえます。

調べたい土地の固定資産税課税明細書あるいは、その固定資産の所有者であれば所在する市区町村や都で固定資産税評価証明書を取得することで、固定資産税評価額が分かります。

土地の固定資産税評価額は、時価の約7割を目安に評定されています。したがって、土地価格を固定資産税評価額から推計するのであれば、下記算式のように、土地の固定資産税評価額を0.7で割り戻すことによって価格の目安を算出することができます。

土地の価格=土地の固定資産税評価額÷0.7

1-4.路線価から価格目安を算出する

路線価は、相続税や贈与税の課税価格を算定するために、毎年国税庁が公表している価格基準です。公示地価の8割を目安に、全国の道路に価格を設定します。道路に接する標準的な宅地の平米単価(千円単位)になります。

路線価は、国税庁ホームページ「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」から、住所検索をすることによって調べることができます。調べたい土地の住所を検索して、その土地に接する道路の路線価を調べてみましょう。

通常、路線価に土地の平米数を乗じることで路線価を算出することができますが、路線価は標準的な大きさや形状の土地価格が基準となっています。

路線価の評価額は、地価の8割を目安に設定されています。そのため、価格を推計する際は上述で求めた評価額を0.8で割り戻すことになります。

土地の査定価格=路線価×土地面積÷0.8

ただし、相続税の法令では、土地の評価額を求める際、奥行きや形状の不整形さ、間口の狭小さを補正する割合を乗じることで、修正計算をおこないます。調べたい土地の状況によって適宜補正計算をおこない、路線価を求めることが必要となるため、やや難易度の高い方法となります。

1-5.シミュレーションサイトを利用する

価格を調べたい土地の住所や土地面積、建物面積、築年数などの基本的な情報を登録すると、AIが最寄り駅や最寄り駅からの距離を割り出し、周辺地域の類似取引データを自動で収集して、相場価格を算出してくれるHowmaなどのシミュレーションサイトがあります。

自動で数分のうちに相場価格を割り出してくれるため、大まかな価格目安をすぐに知りたいという場合には役立てることができるでしょう。

2.土地の価格や資産性は個別要因に左右される

国土交通省の「不動産鑑定評価基準」によると、土地の価格は、個別的要因によって異なるとされています。その個別的要因には、土地の形状や高低、接道との関係性、接道の幅員・連続性などの他、日照・通風、交通施設との距離、商業施設・公共施設との近接性、周辺環境など多岐にわたる要因が含まれます。

土地の市場価格は、売出した時期における市場の需給状態によっても変わってくるため、上記で取り上げた手段では、土地の価格を正確に把握することは難しいということを念頭においておきましょう。

なお、土地の価格や資産性を大きく損なう個別要因には注意が必要です。たとえば、接道が建築基準法の道路でない場合、建物の再建築ができず、相場の半分以下の価格になることもあります。その他、軟弱地盤、土壌汚染、地中埋設物なども土地の瑕疵とみなされ、価格を押し下げる要因となります。

手間を省きながら出来るだけ正確に土地価格の知りたい場合や、土地の瑕疵について調査を行いたい場合は、複数の不動産会社の査定価格を比較できる不動産一括査定サイトが便利です。不動産一括査定サイトは無料で複数社に同時依頼することができ、おおよそ2~3営業日以内に各社の査定結果を比較することが可能となっています。

例えば、大手不動産会社6社に限定して依頼できる「すまいValue」や、NTTデータが運営する「HOME4U」などが代表的です。その他、主な不動産一括査定サイトを以下の表にまとめましたので、ご参考ください。

主な不動産一括査定サイト

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まとめ

土地の価格や資産性を自分で調査する際は、調べる目的によって方法を使い分けるとよいでしょう。

「土地総合情報システム」は、成約事例から調べることができるため、実際の土地売却価格を知りたいときには適しているといえるでしょう。路線価や固定資産税評価額から調べる方法は、金融機関から融資を受けるにあたり、担保評価などの資産性を知りたいときに適しています。

ただし、土地の価格や資産性は個別要因によって大きく下がる可能性があるため、自身で土地の価格調査を行う際は注意しましょう。建築基準法上の道路に接していない場合や、軟弱地盤、土壌汚染などがある場合には、大きく価格や資産性を損なうことがあります。より正確に土地価格を調査したい場合には、不動産会社など専門家への相談も検討してみましょう。

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佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。