インバウンド・観光に強い不動産クラウドファンディングは?4社紹介

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2023年3月時点、新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが5類への変更されることが決定するなど、コロナ禍は日本国内でも落ち着きを見せています。海外からの観光客も増えている昨今、再び観光業やインバウンド関係の産業へ注目されている方も多いでしょう。

しかし、インバウンド・観光に関連した事業はボラティリティが大きく、また全体の投資規模も大きくなりやすい特徴があります。まだ先行きが不透明な状況では、少額資金から投資ができるクラウドファンディングのような投資商品を選択するのも一つの方法と言えるでしょう。

今回は、観光やインバウンドに関するファンドを扱う不動産クラウドファンディング4サービスを紹介します。インバウンド・観光関連の投資先を探されている方、興味を持っている方はご参考ください。

目次

  1. インバウンド、観光型の不動産クラウドファンディングの特徴
    1-1.ホテルや観光関連の施設を運営するファンド
    1-2.景気や市況の影響を受けやすい
  2. インバウンド・観光に強い不動産クラウドファンディングサービス4社
    2-1.CREAL(クリアル)
    2-2.COZUCHI(コヅチ)
    2-3.Ownersbook(オーナーズブック)
    2-4.ジョイントアルファ
  3. まとめ

1.インバウンド、観光型の不動産クラウドファンディングの特徴

まず、インバウンド、観光型の不動産クラウドファンディングとはどのような特徴を持つのかを見ていきましょう。

1-1.ホテルや観光関連の施設を運営するファンド

インバウンド・観光に関連した不動産クラウドファンディングでは、主にホテルなど宿泊施設を運営するファンドが多く見られます。日本だけではなく海外からの観光客向けのホテルを運営することで、インバウンド需要を取り込み大きな利益の獲得を目指すことができます。

運用される全体の投資規模は数億円に上ることも多く、募集口数も比例して多くなることから、投資機会を得やすいのも特徴です。一方、都心部や観光地にある大型のホテルだけではなく、郊外や地方にある宿泊施設を改装し、小規模な宿泊施設を運営する小型のファンドも見られます。

1-2.景気や市況の影響を受けやすい

一方で観光型やインバウンド型のファンドの特徴として、景気や市況といった社会的な情勢の影響を受けやすい点が挙げられます。

好景気になれば観光客が増え、ホテルの売上が大幅にアップすることも見込めます。また需要が増えることで空室が減り、宿泊費の値上げも可能になることで資金効率がさらに改善され、大きな利益が出ることもあるのです。

また、2023年3月時点では米ドル高・円安の状況が継続しており、海外からの観光客の増加も見込めます。このような市況感では、インバウンド・観光業に関連した投資先の収益性については大きく期待されると言えるでしょう。

しかし一方で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きくなった2020年には人流が抑制され観光客は減り、宿泊施設の売上も大幅に減少してしまいました。2019年と2020年の日本国内の観光客数を比較すると、2020年は海外からの観光客数が87.1パーセント減少と、大きく下落しています。(※参照:国土交通省「令和2年 観光の動向

その他、感染拡大という側面だけでなく、インバウンド・観光業は賃貸不動産と比較して経済動向の影響を受けやすいセクターと言えます。全体経済の動向が悪化すると、国内外の人々がレジャーに掛けられる資金が減り、観光業は打撃を受けることも珍しくありません。

マンションなど居住施設や倉庫といった物流施設は賃貸契約によって毎月定額の賃料を見込みやすいスキームになっています。一方、観光業やインバウンド産業関連は、外的な要因で売上が大きく変化しやすいと言えるのです。

このような特徴・傾向を持つことから、やや高リスクの投資対象であることを踏まえ、まずは少額資金や余裕資金から分散投資していくことが良いでしょう。

2.インバウンド・観光に強い不動産クラウドファンディングサービス4社

インバウンド・観光関連のファンドを扱う不動産クラウドファンディングについて、代表的なサービス4つをご紹介します。

2-1.CREAL(クリアル)

ESG不動産投資クラウドファンディング「CREAL」CREAL(クリアル)は、東証グロース市場に上場している不動産会社、クリアル株式会社が運営する不動産クラウドファンディングです。2023年3月時点で、267億円以上の募集実績があり、国内の不動産クラウドファンディングでも上位の募集金額となります。

CREALでは主に大型のホテルを運営するファンドを扱っています。これまでの募集実績をみると、上野や沖繩などインバウンド需要の豊富な立地のホテルファンドを扱っています。また地域の小学校を再生する地域活性化の宿泊施設ファンドもあります。

ファンド数、募集金額ともにボリュームが有り、比較的投資しやすい不動産クラウドファンディングサービスです。


2-2.COZUCHI(コヅチ)

不動産投資型クラウドファンディング「COZUCHI(コヅチ)」COZUCHI(コヅチ)は、LAETOLI株式会社が運営する数十億円を超える大規模なファンドを提供している不動産クラウドファンディングです。

COZUCHIの募集実績をみると、例えば神奈川県の稲村ヶ崎や静岡県伊東市といったリゾート地の開発に関するファンドの取扱実績があります。

ホテルの運用ではなく土地の開発プロジェクトという長期的な視野に立ったファンドを扱っているのはCOZUCHIならではの特徴と言えるでしょう。募集金額も数億円規模のものが多く、個人で1,000万円以上投資できるファンドもあります。

また、品川駅周辺の開発プロジェクトのように、都心部の開発プロジェクトも募集実績があります。またCOZUCHIではインカムゲイン以外にもキャピタルゲインの分配を主な目的としたファンドもあり、想定利回りを大きく超える分配利回りを出した実績のあるファンドも存在します。


2-3.Ownersbook(オーナーズブック)

オーナーズブックオーナーズブックは、不動産専門の融資型クラウドファンディングの案件を提供しており、ホテルなど観光関連のファンドを扱っています。オーナーズブックの運営は、東証プライム上場企業のロードスターキャピタル株式会社です。

都心や観光地にある商業ビル関連のファンドの募集も多く、インバウンド・観光に関連したファンドへの投資を検討している場合に利用しやすいサービスです。

ただし一方で、オーナーズブックでコロナ以前(2019年9月にファンド募集)に運用されていた「大阪市中央区ホテル素地」というファンドは唯一分配遅延の発生しているファンドとなっています。

今後はインバウンド需要の回復も見込まれるところですが、ホテルファンドならではのリスクもしっかり把握しておく必要があります。


【関連記事】オーナーズブック「大阪ホテル案件」返済遅延の状況と原因は?気を付けたいリスク対策も

2-4.ジョイントアルファ

ジョイントアルファジョイントアルファは、東証スタンダード上場企業である穴吹興産株式会社が運営する不動産クラウドファンディングです。創業から60年近い歴史がある不動産会社が運営するサービスだけに、全国各地のマンション、商業施設、宿泊施設を運営するファンドを取り扱っています。

これまでの募集実績では、観光客も多い北海道小樽駅前のホテルを扱うファンドがありました。募集金額も1億円程度と大きいファンドです。

募集頻度自体はそれほど高くはありませんが、ホテル関連のファンドに興味があるのであれば情報をチェックしておきたい不動産クラウドファンディングサービスの一つです。

まとめ

今回は観光・インバウンドに強い不動産クラウドファンディングサービス4社をご紹介しました。2023年3時点、徐々に海外からの観光客も増えており、インバウンド・観光業の状況も回復傾向にあります。

一方で元々ボラティリティが大きく、経済動向の影響を受けやすいセクターであるということにも注意が必要です。利回りだけに注視して一つのファンドに集中投資をするのではなく、いろいろな種類の不動産を扱うファンドに分散投資して、リスクの軽減を図っていきましょう。

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