株主を重視している米国企業には、連続増配している企業が多くあります。その中でも長期で連続増配している企業を「配当貴族」といいます。増配のためには好業績が必要であるため、長期目線での投資にも値する企業群といえます。
この記事では配当貴族の中から、10銘柄をピックアップして紹介します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2023年3月10日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
- 増配とは
- 配当貴族銘柄とは
- 増配が続く米国企業10社
3-1.エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ(APD)
3-2.キャタピラー(CAT)
3-3.エクスペディターズ・インターナショナル・オブ・ワシントン(EXPD)
3-4.リンデ(LIN)
3-5.AOスミス(AOS)
3-6.フェデラル・リアルティ・インベストメント・トラスト(FRT)
3-7.ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)
3-8.PPGインダストリーズ(PPG)
3-9.アトモス・エナジー(ATO)
3-10.VFコーポレーション(VFC) - まとめ
1.増配とは
増配とは、企業が株主還元として株主への配当額を増やすことです。配当金は、通常、企業が1年間に稼いだ利益を使って支払われます。つまり、企業の業績が向上し、利益が増えれば、配当額を増やすことができるのです。
一般に、増配を発表する企業は、「業績が良い」「株主還元に力を入れている」と見られ、有望な企業と判断できるのです。米国では、増配に積極的な企業が多く、長年にわたり安定的に増配を続けている企業も少なくありません。
とくに長期にわたり増配をしている企業を「配当貴族銘柄」といいます。
2.配当貴族銘柄とは
配当貴族とは、長期にわたり安定的に増配を続けている企業群を指す言葉です。米国では、S&P500に採用されている老舗大企業で25年以上連続増配を続けている企業を対象とした株式市場のインデックス「S&P500配当貴族指数」があります。
配当貴族は、継続的な配当の増加により、財務の安定や業績の好調さを示すと考えられており、信頼性を認める投資家も多い投資先となっているのです。
3.増配が続く米国企業10社
それでは、S&P500配当貴族指数の組入上位銘柄を紹介します(株価・配当利回りは執筆時点)。
3-1.エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ(APD)
- 株価 284.08ドル
- 連続増配年数 39年
- 配当利回り 2.35%
エアープロダクツ&ケミカルズは、大気圧ガス、特殊ガス、機能性材料、ガス処理装置などの世界的な大手メーカーです。商業ガス部門では、酸素、窒素、アルゴン、医療用ガス、特殊ガスなどを販売しています。
3-2.キャタピラー(CAT)
- 株価 240.96ドル
- 連続増配年数 28年
- 配当利回り 1.98%
キャタピラーは、米国を代表する建設機械・大型エンジンメーカーです。建設機械部門は、バックホーローダー、スキッドステアローダー、ホイールローダー、トラックショベルなどの建設機械を製造しています。
3-3.エクスペディターズ・インターナショナル・オブ・ワシントン(EXPD)
- 株価 110.31ドル
- 連続増配年数 27年
- 配当利回り 1.14%
エクスペディターズ・インターナショナル・オブ・ワシントンは、米国内外でロジスティクス(物流)サービスを提供しています。小売業者、卸売業者、製造業者を主な顧客として、航空・海上貨物混載輸送サービス、通関、物流管理、貨物保険、カスタマイズされた物流情報システム、その他付帯する物流サービスを提供しています。
3-4.リンデ(LIN)
- 株価 345.92ドル
- 連続増配年数 29年
- 配当利回り 1.43%
リンデは、米国の産業用ガスメーカーです。大気ガス(酸素、窒素、アルゴン、希ガス)、加工ガス(二酸化炭素、ヘリウム、水素など)を扱い、医療、石油精製、航空宇宙、化学、水処理業界などに提供しています。
3-5.AOスミス(AOS)
- 株価 67.43ドル
- 連続増配年数 29年
- 配当利回り 2.49%
AOスミスは、北米、中国などの住宅・商業・産業市場向けに、住宅用ガス・電気温水器、レストラン、ホテル、洗車場などの商業用標準・特殊温水器を含む温水機器と電動モーターを製造・販売しています。また、高効率銅管ボイラー、貯水タンクなども製造しています。
3-6. フェデラル・リアルティ・インベストメント・トラスト(FRT)
- 株価 102.41ドル
- 連続増配年数 49年
- 配当利回り 4.16%
フェデラル・リアルティ・インテリム・リアル・エステート・インベストメント・トラストは米国の不動産投資信託会社で、小売店や複合施設の所有、管理、開発に携わっています。主に米国北東部、中部太平洋地域、カリフォルニア州の近隣型ショッピングセンターに投資しており、複合施設やショッピングセンターを所有しています。
3-7.ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)
- 株価 33.29ドル
- 連続増配年数 46年
- 配当利回り 5.71%
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは薬局チェーン持株会社です。子会社を通じて、米国、英国、タイ、アイルランド、オランダ、メキシコなどで調剤薬局事業を展開。処方箋調剤、一般用医薬品、医薬品の通信販売なども手掛けています。
3-8.PPGインダストリーズ(PPG)
- 株価 127.40ドル
- 連続増配年数 50年
- 配当利回り 1.91%
PPGインダストリーズは、アメリカの化学およびガラスメーカーです。塗料、光学・特殊材料、ガラス製品などを製造・販売しています。同社の主な製品は、アルミニウム押出材、アルミニウムコイル、粉体塗料、水性塗料などの各種塗料、紫外線反応型レンズ「トランジションズ」、光学材料「サンレンズ」、クロールアルカリ製品、加工ガラスなどです。
3-9.アトモス・エナジー(ATO)
- 株価 110.53ドル
- 連続増配年数 34年
- 配当利回り 2.55%
アトモス・エナジーは、天然ガス事業と規制対象外のガス産業に従事しています。また、同社はテキサス、コロラド、ケンタッキー、ルイジアナなど12州で住宅、商業、産業、公共施設に天然ガスを供給しています。
3-10.VFコーポレーション(VFC)
- 株価 23.01ドル
- 連続増配年数 49年
- 配当利回り 7.16%
VF コーポレーションは、ブランドのアパレルおよび関連製品の製造・販売に従事しています。同社はジーンズ、ジャケット、靴、旅行用バッグ、スポーツウェアなど様々なブランドを提供し、製品は専門店、百貨店、ディスカウントストアを通じて販売。主なブランドには、「ザ・ノース・フェイス」「ティンバーランド」「リー」「ノーティカ」などがあります。
まとめ
増配を続けている企業は業績もよく、株主を大切にしているので、有望な投資先と判断できます。ただ、必ず利益がでる訳ではないので、複数の銘柄に分散投資するなど、リスク管理をきちんとするようにしてください。
- 外国株(米国株など)が買えるネット証券会社
- IPO投資に強い証券会社、少額からIPOに参加できるサービス
- 25歳以下の現物株式の取引手数料が実質0円の証券会社
- 大手証券会社が提供している株式投資サービス
- 少額で株式投資ができるサービス
山下耕太郎
最新記事 by 山下耕太郎 (全て見る)
- 投資のプロがサステナブル投資をするなら?おすすめの日本株や投資信託も解説 - 2024年7月23日
- グリーンウォッシングとは?サステナブル投資でチェックすべきポイントを解説 - 2024年6月28日
- 長期投資には株・ETF・投資信託どれが良い?メリット・デメリットを比較 - 2024年6月25日
- トライオートCFDのメリットは?投資のプロがリスクも解説 - 2024年6月21日
- moomoo証券(ムームー証券)の評判・口コミは?メリット・デメリットや始め方も - 2024年6月21日