不動産投資と相性の良いクレジットカードの使い方は?連携できるサービスや注意点も

※ このページには広告・PRが含まれています
Women,Use,To,Register,Online,Purchases,Using,Credit

一枚あると日常のあらゆるシーンで活躍するクレジットカードですが、不動産投資とも相性が良いのはご存じでしょうか。不動産投資でクレジットカードを利用することで、オーナーの経営を支えることもあります。

そこで今回のコラムでは、不動産投資におけるクレジットカードの使い方について4つ解説するほか、注意点も紹介していきます。

目次

  1. 不動産投資とクレジットカードの相性が良い理由
    1-1.キャッシュフローに余裕を持たせられる
    1-2.いつでもどこでも支払いができる
    1-3.ポイント還元により支出を抑制できる
  2. 不動産投資におけるクレジットカードの使い方
    2-1.納税をする
    2-2.仲介手数料を支払う
    2-3.会計ソフトと連動させて手軽に経費計上できる
  3. 不動産投資でクレジットカードを利用する際の注意点
  4. 不動産投資と相性の良いクレジットカードは?
  5. まとめ

1 不動産投資とクレジットカードの相性が良い理由

不動産投資とクレジットカードの相性が良い理由について、以下3つのポイントを紹介します。

1-1 キャッシュフローに余裕を持たせられる

不動産投資では、手元に潤沢なキャッシュを残しておくことも重要なポイントになります。次の一手に活用したり、問題があったときにもすぐに対応策が打てるからです。

例えば、所有するアパートで修繕が必要な際に、手元に資金があればすぐに工事を依頼することができますし、設備投資として設備・仕様のグレードを上げることもできます。一方、手元に資金がない場合、急を要する工事でなければ後回しになることもあるのです。

クレジットカードは、翌月あるいは翌々月に利用金額が指定口座から引き落とされる仕組みです。つまり、クレジットカードを利用することで支払いのタイミングを遅らせることができます。

また、不動産投資では決まった日に家賃収入を見込むことができるため、クレジットカードの引き落とし日との間で調整することもできます。つまり収入と支出のタイミングをある程度コントロールすることが可能です。

1-2 いつでもどこでも支払いができる

最近では、国税の支払いのほか、自治体によっては地方税の支払いもクレジットカードやスマホ決済などが利用できるようになっています。つまりクレジットカードで支払うことができれば、金融機関などに出かけなくてもいつでも、どこからでも支払いをすることができるのです。

不動産投資はサラリーマンや医師、公務員などの副業としても取り組まれることが少なくないため、不動産投資以外に本業を持っている方も少なくないでしょう。日々の忙しい合間に支払いができるため、クレジットカードが利用できれば時間の有効活用にもなるのです。

1-3 ポイント還元により支出を抑制できる

クレジットカードを利用する際に受けられる特典として、ポイントの還元があります。多くのクレジットカードでは、利用金額の0.5%〜1.0%程度をポイント還元率として設定しています。

ポイントですので利用範囲は限られますが、決済から差し引けたり、クレジットカードの発行元のサービスを受けられたりなど、様々なメリットがあります。所有する物件に必要なものやサービスにポイントを活用することもできます。クレジットカードで支払うことでポイントが還元されるため、割安感も感じることができます。

ただし、ポイントで購入した金額分は原則として経費に計上できません。どのようにポイントを利用するのか、税法上の知識も身につけるようにしましょう。

2 不動産投資におけるクレジットカードの使い方

不動産投資とクレジットカードの相性の良さを把握したところで、どのようなシーンでクレジットカードが利用できるのか、見ていきましょう。

2-1 納税をする

不動産投資では、不動産を所有したときにかかる不動産取得税、所有していることで毎年かかる固定資産税(+都市計画税)、不動産の所有権を移転する際などに必要な登録免許税などの税金を納めることになります。これらの税目は、納税先の自治体によってクレジットカードで支払うことができるため、手元の資金が減るのを遅らせることができます。ただし自治体によって対応していないケースもありますので、事前に確認しておきましょう。

また「国税クレジットカードお支払いサイト」では、毎年の所得に応じて支払う所得税などもクレジットカードで納税することができます。「国税クレジットカードお支払いサイト」では、2022年6月時点、29の税目に対応していますが、不動産投資に関わる税目としては下記が挙げられます。

  • 申告所得税
  • 消費税
  • 相続税
  • 贈与税
  • 登録免許税(告知分)
  • 印紙税、など

2-2 仲介手数料を支払う

不動産を売買する際に、仲介してくれた不動産会社に支払うのが仲介手数料です。この仲介手数料は、不動産の成約価格に応じて上限額が決定されます。下記がその計算式です。

  • 成約価格が200万円以下の場合:成約価格×5.5%
  • 成約価格が200万円超400万円以下の場合:成約価格×4.4%+2.2万円
  • 成約価格が400万円超の場合:成約価格×3.3%+6.6万円

※引用:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額

ただし、簡易的に求められる下記の速算法を用いてるのが通例です。

仲介手数料=成約価格×3.3%+6.6万円(税込)

通常、不動産は高額なため、仲介手数料も高額になります。例えば、物件価格が5,000万円であれば仲介手数料の上限は1,716,000円、物件価格が1億円であれば仲介手数料の上限は3,366,000円となります。

このように高額な仲介手数料の支払いがクレジットカードでできれば、キャッシュフローへの影響を遅らせることができます。ただし、すべての不動産会社で仲介手数料の支払いをクレジットカードでできるわけではありませんので、事前に確認しておくようにしましょう。また不動産会社によっては仲介手数料だけではなく、手付金などもクレジットカードによる決済が可能なケースもあります。

2-3 会計ソフトと連動させて手軽に経費計上できる

不動産投資では様々な経費が発生しますが、これらの経費の支払いを一つのカードで行いつつ、会計ソフトと連動させることで経費計上の手間を大きく削減させることができます。

クレジットカードと連携できる会計ソフトには「freee」や「やよいの青色申告」などがあります。これらのサービスは、帳簿作成をおこない、確定申告書の作成までを自動でおこなうことができるクラウド会計ソフトです。

これらのサービスでは年会費が発生しますが、事業に必要な経費であるため経費計上が可能です。連携予定のクレジットカードで支払い設定を行うことで、会計ソフトの利用金額についても経費として自動で計上されていきます。

【関連記事】不動産投資に役立つおすすめの会計ソフト・税務サービスは?6つ紹介

3 不動産投資でクレジットカードを利用する際の注意点

クレジットカードは利用者の信用に基づいて利用できるため、原則として担保や保証人は必要ありません。しかし利用金額の返済を怠ると、利用者自身の信用に傷をつけてしまうことになります。

このようなクレジットカードの利用履歴や滞納履歴などは個人の信用情報として登録され、融資やクレジットカードの審査の際に用いられます。そのためクレジットカードに頼りすぎて利用してしまった結果、滞納してしまうと、後々融資が得られないという状況になることも考えられます。そのため、利用額を適切に判断しながら、利用するようにしましょう。

その他、利用していないクレジットカードにも注意が必要です。金融機関の融資審査では、クレジットカードの保有枚数が多いというだけで借入の可能性があると見なされるケースがあり、融資条件に悪影響を及ぼす可能性があります。

使用予定の無いクレジットカードは解約しておくなどして、プライベート用と不動産投資用などのように用途に分けた必要枚数での利用を検討されてみると良いでしょう。

4.不動産投資と相性の良いクレジットカードは?

不動産投資と相性の良いクレジットカードの特徴としては、利用予定の会計ソフトと連動しているかどうか、という点が重要なポイントとなってきます。例えば、先ほど取り上げた会計ソフト「freee」では以下のようなクレジットカードと連携しています。

クレジットカードの種類によって、年会費や特典の有無が異なってきます。例えば、「楽天カード」は、一般会員であれば年会費無料で利用することができ、高い還元率で楽天ポイントを貯めることができます。

一方、アメックスではグリーンカードから1,100円の月会費がかかりますが、空港のラウンジを無料で利用できたり、専用の宿泊、旅行予約代行が出来たりなどサービスも豊富です。カードのグレードを上げることにより、さらに手厚いサービスを受けることが出来ます。

また、「三井住友カード」は年会費が税込1,375円となりますが、ナンバーレスのデザインによるセキュリティの高さ、不正利用されてしまった際は60日間の損害保証など、信頼性の高いサービスが特徴です。

なお、これらのクレジットカードを事業用の決済にのみ利用することで、年会費は不動産事業の経費として計上することも可能です。ただし、クレジットカードを個人利用と事業の兼用とするのであれば、利用の割合に応じて「家事按分」する必要があるということに注意が必要です。(※参照:国税庁「No.2210 やさしい必要経費の知識」)

会計ソフトとの連動や年会費、ポイントの還元率、付帯されるサービスなどに着目し、自身の利用目的に適したカードを準備しておきましょう。

まとめ

クレジットカードを利用すると、支払い時期を遅らせてキャッシュフローに余裕を持たせることができます。また、ネットの決済を利用できる場合にはいつでもどこでも支払いができます。物件購入時や納税の際など、不動産投資でもクレジットカードを利用できるシーンは多々ありますので、有効に活用したいものです。

しかし、クレジットカードを利用しても利用金額自体が減ることはありません。そのため利用の仕方を誤ってしまうと、返済が滞り経営に影響が及ぶことも考えられます。また、不必要なカードの契約が増えると後のローン審査に影響してしまうこともあるため、必要なカードを厳選して整理することも大切です。

クレジットカードはこのような特徴もありますので、注意しながら活用するようにして行きましょう。

The following two tabs change content below.

倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。