2022年6月現在、世界でインフレ懸念の高まりから物価上昇が止まらず、世界の中央銀行はこぞって政策金利を引き上げようとしています。リーマンショック以降なかなか政策金利が上昇せず、通貨金利も低かった状況が継続していたものの、少しずつ政策金利が高くなる雰囲気が出てきています。
一方で、政策金利を引き上げる気配のない日本は円安となっています。円安相場で儲けたい考えている投資家も増えてきているのではないでしょうか。
ここでは円安となっている理由と、円安で儲かるためのトレード方法を初心者でもできるように解説します。
※本記事は6月6日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 円安相場と背景
1-1.円安とは日本円が他の通貨と比較して相対的に価値が低下していること
1-2.円安の背景は日銀の政策スタンス - 円安相場で儲ける方法
- 円安相場の注意点
3-1.日銀の政策変更を見逃さない
3-2.反対の通貨の利上げ動向を確認する
3-3.物価上昇が鈍化しないかチェックする - GMOクリック証券でトレードするには
- まとめ
1.円安相場と背景
1-1.円安とは日本円が他の通貨と比較して相対的に価値が低下していること
円安とは日本円が他の通貨と比較して相対的に価値が低下していることを意味しています。
1ドル100円から1ドル120円になった場合を例として、具体的に考えてみましょう。
元々「1ドルを購入するために日本円は100円必要」だったのに、「1ドル購入するために120円必要になった」ということになりました。日本円の必要な量が増加したことから、日本円の価値が低下していると言えます。
為替レートの数字が大きくなったら円安と覚え方もあります。
1-2.円安の背景は日銀の政策スタンス
2022年6月現在、ドル円は130円を超えてくる場面も出てきており、円安トレンドが継続しています。
※図はTradingViewより筆者作成
上記はドル円、ユーロ円、豪ドル円、イギリスポンド円の4通貨の年初からの上昇幅を示しています。ご覧の通り、日本円の価値だけが低下していることわかるでしょう。
円安の背景を理解するうえで大きなポイントは日銀の政策スタンスです。
世界的にはインフレが進行し「悪い物価上昇」が懸念されていることから、各国中央銀行は政策金利を引き上げて、物価上昇の対応を行おうとしています。アメリカのFRBも今年既に利上げを行っており、6月、7月ともに0.5%という大きな引き上げを2度連続で行う可能性が指摘されています。
欧州のECBも利上げの実施が予想されています。オーストラリアのRBAも利上げを行っており、イギリスのBOEも利上げを行っているという状態の中、日本は緩和スタンスを維持しているのです。この明確な金融政策の方向性の違いが、足元の円安の背景となっています。
日銀は日本国債の10年金利が0.25%以上になった場合に、無制限で介入を行うという「指値オペ」を行っています。長期金利の上昇を容認しないという姿勢を示しており、指値オペによってマーケットは安心して円安方向でトレードを行っているのです。
2.円安相場で儲ける方法
円安環境の中、FX初心者がトレードで儲ける方法を解説します。
2022年6月現在の相場では、日本円は売られる地合いが継続する可能性が高いと言えます。投資初心者は逆張りせず、順張りでは円安トレンドに乗るトレード方法をまず検討してください。
2022年6月現在の相場であれば、米国も利上げ方向、ヨーロッパも利上げ方向、オーストラリアもイギリスも利上げ方向に向かっています。どの通貨ペアでも下落したタイミングで淡々と購入していくというトレードスタイルがフィットしやすい相場と言えます。
各国の政策金利が引き上げられていくと、FXにおけるスワップ金利も高くなります。日本円を売って海外通貨を購入するようなポジションを取っておくことで日々スワップポイントを得て、金利収入を積み上げることが可能です。
スワップポイント狙いの投資は、長期的なスパンでトレードすることが望ましいと言えます。FX初心者の方であれば移動平均線といったチャートを利用しながら、淡々とトレンドに沿ってトレードを行いましょう。
例としてドル円のチャートをご覧ください。
※図はTradingViewより筆者作成
ドル円は上昇方向で推移しています。このグラフからも、ドル円をショートでエントリーすることは避けるのが無難であることが分かるでしょう。
方向性が予想と合致していても高値掴みをしてしまっては利益が出せません。エントリーのタイミングが肝心です。
エントリーポイントが分からない場合は、まずは赤色の62日指数平滑移動平均線あたりまで相場が戻ってくる位置に着目してみてください。
エントリーポイントに達していない場合は、焦らず予定している水準まで引きつけましょう。
エントリーする前に、ドル円のチャートと同様に豪ドル円やユーロ円、ポンド円等クロス円を中心にチャートを一つ一つ見て、研究すると、より自信をもってトレードできるでしょう。
3.円安相場の注意点
3-1.日銀の政策変更を見逃さない
2022年6月現在は円安圧力が強く、円安トレンドが形成されています。しかし同じ相場はいつまでも継続しません。
どこかでトレンドが反転するタイミングが訪れます。今回のように円安バイアスが急なピッチで進んでいる場合、反転した場合の反応も大きいと予想されます。
日銀の政策が変更しないか、もしくは変更する気配が出てくるかどうかはチェックしておきましょう。
3-2.反対の通貨の利上げ動向を確認する
FXは2つの通貨の強弱がレートなって反映されます。日本円の要因だけではなく、取引する反対の通貨の材料もチェックしておきましょう。
米ドルであれば利上げ方向から利下げ方向に転じた場合はドルが売られる材料となり、ドル円は下落する可能性があります。
ユーロもECBが利上げ方向で動いているため、マーケットは先んじてユーロ高に切り替えてトレードされているものの、ECBが利上げ見通しを弱めるようなスタンスを取り始めるとユーロ高は止まる可能性があります。
3-3.物価上昇が鈍化しないかチェックする
全ての先進国に現在は共通して考えるべき材料があります。足元の物価上昇は「悪い物価上昇である」ということです。
通常政策金利は景気がよくなった場合における物価の上昇を抑制するために引き上げられます。しかし今回はサプライチェーンの混乱やロシアがウクライナに侵攻したことによるコモディティ高の影響を受け、仕方がなく政策金利を引き上げているという状況です。
そのため物価上昇が鈍化し始めたら政策金利の引き上げが止まる可能性があります。物価上昇のニュースはチェックしておきましょう。
4.GMOクリック証券でトレードするには
GMOクリック証券・FXネオのスプレッドは業界最小水準です。スワップポイントも高いという評判があります。
取引ツールはパソコン用の「はっちゅう君FX+」が提供されています。一つの画面で注文からチャート分析、ポジション状況やニュースチェックまで確認できます。
出典 GMOクリック証券
注意点としてはMACには対応していないということです。windowsユーザーのみとなっています。
プラチナチャートというテクニカル分析ツールが提供されています。トレンド系とオキシレーター系のテクニカル指標が搭載されています。最高値や最安値等が自動で表示されるため、初心者にとっても使いやすいでしょう。
※取引画面より筆者作成
プラチナチャートでは、フィボナッチ・ファンのような、マニアックなテクニカル指標を利用することができます。他社ではなかなか提供されていないものもあるため、すでにFX口座を持っている方にとってもメリットがあります。
※取引画面より筆者作成
GMOクリック証券のプラチナチャートに移動平均線を表示させ、レイアウトで保存させておくことで、いつでも簡単にドル円のエントリーポイントをチェックできるようになります。
5.まとめ
ここでは2022年6月現在の円安相場の状況と、円安相場をどのようにトレードに活かしていくべきか、今後どのような点に注意しながらトレードを行わないといけないか解説しました。
GMOクリック証券のプラチナチャートはシンプルで初心者であっても操作しやすいというメリットがあります。口座開設の検討を進めてみてください。
中島 翔
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