投資用マンションの売り時を判断するために考えるべき8つのポイント

投資用マンションを売却しようと考えた時、今が売り時かどうか判断に迷う人もいるでしょう。今売却すれば利益が得られるとしても、「もう少し所有していればまだ上がる可能性があるのでは」という考えで売却をためらったり、逆に利益が出ないのに売り急いだりすることもあります。果たしてどのような点をもとに判断すればうまく売却できるのでしょうか。

この記事ではマンションを売却する際に、売り時を判断するために考えると良い8つのポイントについてご紹介します。

目次

  1. マンションの相場価格が上昇した時
    1-1.経費を引いても利益が出ているかどうかを見る
    1-2.価格が上がる要因が継続してあるかどうかを見る
  2. マンションの空室が続いた時
  3. 大規模修繕が行われる前後
    3-1.大規模修繕の費用が不足している場合がある
    3-2.追加徴収がなければ修繕後の方が売却には有利
  4. 貸付金利が上昇した時
    4-1.金利は半年に一度は見直しされている
    4-2.5年後に返済額がいくらになるかで売却を検討する
  5. 築20年くらいまでが売却益を得るチャンス?
  6. キャッシュフローが十分ストックできた時
  7. 大きなイベントが行われる前後
    7-1.価格が上昇し売却しても十分な利益が見込める場合
    7-2.売却しても利益があまり多くない場合
  8. マンションの周辺環境が変わった時
    8-1.周辺にあった施設や企業がなくなった場合
    8-2.周辺に新しい施設ができた場合
    8-3.街が再開発されたり新しい道路が開通したりした場合
  9. まとめ

1.マンションの価格が上昇した時

マンションの相場価格が上昇した場合、ここでマンションを売った方がいいのか、もう少し待った方が良いのか、迷う状況となるのではないでしょうか。そんな時、どのような点に注意すれば良いのかを見てみましょう。

1-1.経費を引いても利益が出ているかどうかを見る

マンションの売却には仲介手数料や司法書士報酬、その他にも諸費用がかかりますので、そういった経費を引いても利益が出るかどうかをもとに判断すると良いでしょう。また、もし利益が出ている場合でも、売却した後に所得税や住民税もかかってきますので、細かく試算して判断することが重要になります。

1-2.価格が上がる要因が継続してあるかどうかを見る

売却をしない選択肢を考える場合は、今後も価格が上がる要因があるかどうかがポイントになってきます。価格の予測は難しいとは思いますが、例えば東京オリンピックに伴う開発でマンション価格が上昇したエリアがあるように、大阪万博が直接影響しそうなエリアではまだ上がる可能性がある、といった判断もできるでしょう。

マンション価格が上がる場合、市況だけではなく、大きなイベントが行われたり、道路や電車の路線などが整備されたり、街が再開発されたりといったことがきっかけになることもあります。しかし、それらが起きたからと言って必ず価格が上がるというわけではありませんので、その都度、色々な情報をもとに判断することが大切です。

2.マンションの空室が続いた時

マンションが空室の状態が続いた場合、そのマンション自体や周辺の賃貸ニーズが落ちている可能性があります。その場合は、一旦入居者が付いても退去後にはまた空室期間が長くなる可能性もあり、今後にわたって収支が悪化する可能性がありますので注意が必要です。

賃貸ニーズが落ちているかどうかの調査をするには周辺の空室率を調べたり、周辺の賃料が下落していないかどうかを確認したりする必要があります。自分のマンションの競争力が落ちている場合は家賃を下げざるを得ない状況にもなりかねません。家賃が下がれば売却価格にも悪影響を及ぼすため、状況を慎重に見て判断する必要があります。

3.大規模修繕が行われる前後

大規模修繕が行われる前後はマンションの売却を考える一つのタイミングと言えます。売却するかどうかを判断するには何を見て考えれば良いか見てみましょう。

3-1.大規模修繕の費用が不足している場合がある

大規模修繕の費用は修繕積立金で賄います。しかし、中には修繕積立金が不足している管理組合もありますので、注意が必要です。もし不足している場合は追加で不足金を一括で徴収されたり、その後の修繕積立金が引き上げられたりすることがあります。

値上げ後の支払額によっては月々の収支が赤字になる可能性もあります。マンション投資をしている人にとって、修繕積立金が不足しているかどうかは運用に関わる重要な問題だということが言えます。

管理組合に聞けば積み立て状況はわかりますので、確認をした上で積立金が不足している場合はあらかじめ売却や資金繰りの対策を練ることが大切です。追加徴収によって資金繰りが悪化したり、今後の収支が厳しくなったりする場合は、売却のタイミングであると言えるでしょう。

3-2.追加徴収がなければ修繕後の方が売却には有利

修繕積立金が不足しておらず、追加の支払いもなく大規模修繕が行われる場合は、逆に大規模修繕が終わってから売却した方がメリットは大きくなります。大規模修繕をしたばかりということで、価格が下がる要因が一つなくなりますし、逆に相場より少し高めで売却できる可能性もあります。

このように、大規模修繕の前後は売却を検討する一つのタイミングですが、いずれも売却に踏み切るには損をしないことが前提になりますので、慎重にシミュレーションして検討するようにしましょう。
    

4.貸付金利が上昇した時

貸付金利が上昇した場合、現在借りているローンの返済総額と毎月の返済額が増えてしまいますので、収支が悪くならないうちに売却を検討するタイミングであると言えます。どのような点に注意すれば良いかを見てみましょう。

4-1.金利は半年に一度は見直しされている

2019年現在の日本では低金利の状態が続いていますので、貸付金利が上がった状況に直面したことがない方も多いのではないでしょうか。しかし、金利の見直しは半年に一度は行われているため、今後も見直しに伴う金利上昇のリスクがあることを認識しておきましょう。

4-2.5年後に返済額がいくらになるかで売却を検討する

仮に貸付金利が上がったとしても、月々の返済額がすぐに増えるわけではありません。多くの金融機関の取り決めでは、ローンの返済額は5年後までは増加しません。しかし、5年間返済に何も影響がないわけではありません。

返済額が上がるまでの5年間は、返済額自体は変わらないものの、返済金のうち金利の部分が引き上げられ、元金の返済額は減らされた状態になります。仮に、半年ごとに毎回金利が上がったり、大幅に金利が引き上げられたりした場合は、返済金のうちの金利部分が大きくなり、元金の返済が完済までに追いつかない可能性が出てきます。その場合、最終返済時に一括で残債を支払わなければいけません。

5年後の返済金がいくらになるかは、金融機関に確認すればわかりますので、もし収支が極端に悪くなるようであれば、今のうちに売却することを検討するタイミングだと言えるでしょう。

5.築20年くらいまでが売却益を得るチャンス?

以下のグラフは中古マンションの築年帯別平均㎡単価と、2017年と2018年時点の築年数別の中古マンション平均価格を表したものです。

中古マンションの築年帯別平均㎡単価

中古マンションの築年帯別平均価格グラフ

中古マンションの築年帯別平均価格


*公益財団法人東日本不動産流通機構作成「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」から引用

築年帯別平均㎡単価のグラフから、築年数が経過するにつれ徐々に価格は下落していますが、成約物件ベースで見ると、築16年~築20年の価格から築21年~築25年の間の下落幅がそれまでの下落幅より大きくなっていることが確認できます。中古マンションの築年帯別平均価格のグラフでは、その傾向がさらにはっきりと確認できます。

この2種類のグラフから、築20年位までのマンションであれば経年による下落の影響はさほど大きくなく、売却をするには良いタイミングだということが考えられます。

しかし、これはあくまで傾向を表したものですので、マンションによって築年数が売却価格に及ぼす影響は異なります。マンションを売却する際は、築年数の経過による価格下落の傾向を掴んだ上で、総合的に検討するようにしましょう。

6.キャッシュフローが十分ストックできた時

マンション投資でストックしてきたキャッシュフローが目標額に達するなど十分に利益が確保できた場合は、売却を検討しても良い時期が来たと言えます。

マンション投資の収益は総収入と総支出の差で見ますので、普段の運用で十分な利益を確保できていて、不動産会社に提示された査定価格で売却をしてもトータルで満足できる利益が残るようであれば、売却しても良いでしょう。

7.大きなイベントが行われる前後

オリンピックなどの大きなイベントが行われる際には、事前に再開発などが起きる可能性があり、その場合は対象エリアの不動産価格が上がる傾向にあります。その場合の売り時はどのように判断すればいいのでしょうか。

7-1.価格が上昇し売却しても十分な利益が見込める場合

大きなイベントの開催に伴いマンションの価格が上昇して、査定価格で売却しても利益が十分見込める場合は、売却の良いタイミングだと言えるでしょう。価格が上昇した時点で売却時のシミュレーションをして、最終的に十分な利益が出るようであれば、売却しても良いことが考えられます。

7-2.売却しても利益があまり多くない場合

イベントに伴いマンションの価格が上昇したにもかかわらず、売却しても利益があまり多くないという場合には、もともと現在の相場に比べて高値で購入してしまっている可能性もあります。そのため、今後価格が下がった場合の損失をできるだけ少なくするために、早いうちに売却をした方が良い場合もあります。

今後、イベント以外にもマンションの価格が上がる可能性が考えられない場合には、売却の検討に入るタイミングだと言えるでしょう。

8.マンションの周辺環境が変わった時

マンションの価格には立地が大きく影響します。立地の影響は駅からの距離や、周辺環境が要因となって決まります。ここでは周辺環境の変化でどのような影響があるのかを見てみましょう。

8-1.周辺にあった施設や企業がなくなった場合

マンションの周辺に今まであった企業が移転して無くなったり、ショッピングモールが閉鎖したりした場合は、そこに住みたいという人が減る可能性があり、賃貸ニーズが低くなることが考えられます。賃貸ニーズが低くなると、空室が多くなったり、家賃を下げないと賃借人が付かなかったりする可能性が出てきます。

周辺にあった施設などが無くなった場合は、条件が悪くなる可能性がありますので、空室率や賃料をシミュレーションして、収益が大きく減るようであれば売却の検討もした方が良いと考えられます。

8-2.新しい施設ができた場合

逆にマンション周辺に新しい施設や、学校、ショッピングモールなどができた場合は、人が転入してくることが考えられ、賃貸ニーズが高くなる可能性があります。その場合は、家賃相場が上がり、下落もしにくくなることが考えられます。そのため、売却価格にもプラスの影響が出るほか、賃貸を続けても収支が良くなる可能性があります。

今後マンションの運用を続けるにあたって、売却と賃貸どちらのメリットが大きいかをシミュレーションし、必要であれば売却という判断をしても良いでしょう。

8-3.街が再開発されたり新しい道路が開通したりした場合

マンションの周辺が再開発されたり、近くに新しい道路が開通したりした場合、利便性が向上し人が転入してくることが考えられます。そのため、賃貸ニーズが高くなり家賃が上がったり、マンション価格が上がったりする可能性が高くなります。この場合も賃貸と売却どちらが有利かを考え、今後の動き方を決めるタイミングだと言えます。

まとめ

相場価格が全体的に上昇していたとしても、置かれている環境は投資家や物件によって違いますので、マンションを売却すべきかどうかは個別にシミュレーションして判断することが求められます。その際に、判断のもとになるかもしれない注目すべき点をご紹介しました。

マンション購入時の価格よりも売却する時の価格のほうが高いに越したことはありません。しかし、不動産価格は一般的に築年数が経過すると、徐々に価格は下がる傾向にあります。それでも利益を残すには、築年数や周辺環境の変化、金利の変動などを考慮しながら、適切な売却のタイミングを考えることが重要になってきます。

あの時売却しておけば良かった、ということにならないように、マンション価格が変動する要因になりそうな事柄には、普段から注意しておくようにしましょう。

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西宮光夏

西宮光夏

国内、海外の不動産投資の情報を中心に、投資全般とスポーツ関連メディアのライティングを手掛けています。HEDGE GUIDEでは国内外の不動産投資に関する記事を担当しています。初心者の方にもわかりやすい形で情報提供していければと思っています。只今、国内においては東京オリンピック前後の不動産状況に注目です。