融資型クラウドファンディングCOMMOSUS(コモサス)では、不動産クラウドファンディングCOZUCHI(コヅチ)と協働した「COZUCHI FUND」という特徴あるファンドを提供しています。
本記事では、コモサスのCOZUCHI FUNDの特徴やその仕組み、投資する際に注意しておきたいリスクなどをお伝えしていきます。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- COMMOSUS(コモサス)の「COZUCHI FUND」の特徴とは
1-1.不動産クラウドファンディング「COZUCHI」との協働ファンド
1-2.あらかじめ売却先が決定されているEXITファンド
1-3.利回りは7%以上で運用期間は短期 - コモサスの「COZUCHI FUND」の仕組み
2-1.COZUCHIの運営会社がファンドのアドバイスを行う
2-2.不特法のルール上、融資型クラウドファンディングが適しているときに運用される - コモサスの「COZUCHI FUND」のリスク
3-1.EXITファンドでも必ず予定通りに売却されるとは限らない
3-2.融資型クラウドファンディングなので債務不履行リスクがある - まとめ
1.COMMOSUS(コモサス)の「COZUCHI FUND」の特徴とは
COMMOSUS(コモサス)は、少額資金からはじめられる資産運用で事業を応援できる融資型クラウドファンディングサービスです。1万円から投資が可能で、予定分配率は3.0%~7.0%(年率・税引前)となっており、株式、投資信託、FXのように運用期間中に値動きを気にする必要がなく、投資初心者の方でも気軽に検討しやすいサービスとなっています。
募集金額5億円の物流用地プロジェクトファンドなどの大規模ファンドや、不動産クラウドファンディング「COZUCHI」との協働ファンド、外貨両替事業ファンドなど積極的にファンド組成を行っており、募集実績も豊富です。以下では、COZUCHI FUNDの特徴について詳しく解説していきます。
1-1.不動産クラウドファンディング「COZUCHI」との協働ファンド
コモサスの「COZUCHI FUND」は不動産クラウドファンディングサービスを提供する「COZUCHI(コヅチ)」が協働して運営しているファンドです。
COZUCHIは不動産を運用して家賃収入や売却益を分配する不動産クラウドファンディングサービスを運営しています。
一方、コモサスは事業者会社に融資を行う、融資型クラウドファンディングサービスを展開しています。2社では、「不動産の購入資金を集める」と「不動産を購入する会社へ融資する資金を集める」という形で資金調達のスキームが異なっています。
【関連記事】COZUCHI(コヅチ)で不動産投資、メリット・デメリットは?他社比較も
1-2.あらかじめ売却先が決定されているEXITファンド
COZUCHI FUNDの大きな特徴として、あらかじめ売却先がファンド募集開始時に決定されているEXITファンドである点が挙げられます。
EXITファンドはCOZUCHIが自サービスでも積極的に展開しており、売却先があらかじめ決定されていることからキャピタルロスのリスクが低く、人気を集めています。コモサスのCOZUCHI FUNDにおいても、売却先が決定しているため先の見通しが立てやすく、想定されたスケジュールでの運用がスムーズに進んでいます。
【関連記事】COZUCHI(コヅチ)のEXITファンドの仕組みは?メリット・デメリット、募集事例も
1-3.利回りは7%以上で運用期間は短期
COZUCHI FUNDの分配利回りは7%~8%以上と、他の融資型クラウドファンディングと比べても高い水準となっています。また、運用期間は4ヶ月から11ヶ月と比較的短期のファンドが多く見られます。
また、当初の予定よりも早期の償還が発生した場合に、投資家に対する分配利回りを高めることで一定の収入を確保しやすくなっているファンドもあるという点が特徴的です。
例えば、「首都圏近郊物流用地プロジェクトII(COZUCHI FUND4号)」では、2023年8月7日以前に期限前返済が行われた場合は早期返済の特約として13%とする条項が定められており、早期償還が起きても一定のリターンを獲得できるように配慮されています。
2.コモサスの「COZUCHI FUND」の仕組み
COZUCHI FUNDの仕組みについて確認していきましょう。
2-1.COZUCHIの運営会社がファンドのアドバイスを行う
COZUCHI FUNDでは、コモサスの運営会社が集めた資金を融資し、融資先が不動産を購入、不動産を運営したあとに最終的に不動産を売却して投資家に資金を返済します。
COZUCHI FUND3号のスキーム図
COZUCHI FUND3号を事例に見てみましょう。COZUCHIの運営会社であるLAETOLI株式会社は主にコモサスのファンド組成に係る助言やマーケティング支援を行う、といったポジションになっています。
実際に不動産を保有するのは、借入人(コモサスの融資先)である株式会社TRIADです。コモサスは不動産を取得する資金調達の手段として活用されており、COZUCHI(LAETOLI株式会社)は資金の流用経路には関わっていません。
コモサスは融資した資金の元本と貸付金利分の資金を受け取り、投資家に分配金を支払います。COZUCHIが直接自社のシステムを使って投資家から資金を集めるのか、COMMOSUS(コモサス)を通じて投資家から資金を集めるのかという点で運用スキームが異なっています。
COZUCHIを運営するLAETOLI株式会社はファンド組成にかかる助言やマーケティング支援を担当し、LAETOLI株式会社の協働先である株式会社TRIADはファンド審査に係る助言を行っています。3社の視点が入ることで不動産取引の正当性や事業性を判断します。
2-2.不特法のルール上、融資型クラウドファンディングが適しているときに運用される
不動産クラウドファンディングのCOZUCHIでは、自社サービスを介して資金調達を行い、不動産を取得することも可能です。なぜコモサスを通じての資金募集を行うのか、これについてはCOZUCHIの代表である武藤氏が、不特法のルール上、融資型クラウドファンディングのスキームを活用せざるを得ないケースに適用していると述べられています。
案件が良いと言う前提で本来なら持ち込んでくれた不動産業者さんのファンドとしてCOZUCHIを使って商品化するのが、普通の流れみたいに思えますがそこは不特法の免許の兼ね合いから出来ない訳です。それはルールですので仕方ないとしてそのルールにより良い案件なんだけれどもCOZUCHIではファンド化出来なかったものというのも実はあります。
それはどういうケースなのかというと持ち込んでくれた不動産事業者が所有者じゃないと成り立たない、うまく進まないなどのプロジェクトです。
※引用:COZUCHI「CAMPFIRE Ownersとの取り組みについて」
不動産クラウドファンディングでは、不特法のルール上、COZUCHIが実際に不動産を所有したり、運用したりする必要があります。所有者を他社へ設定しながら資金調達、資金提供を行うには、融資型クラウドファンディングのスキームが必要になるのです。
コモサスとCOZUCHIでは、不動産投資型クラウドファンディングと融資型クラウドファンディングの2つのスキームを状況によって使い分けることで、柔軟にファンドの組成を行い、その結果投資家に対して投資機会を積極的に提供している、という背景があります。
3.コモサスの「COZUCHI FUND」のリスク
COZUCHI FUNDのリスクについて確認しておきましょう。
3-1.EXITファンドでも必ず予定通りに売却されるとは限らない
COZUCHI FUNDはEXITファンドとして展開されますが、確実にファンド募集時の予定通りの期日や価格で不動産が売却できるという保証はありません。あくまでも事前交渉の上での見込みであり、仮に不動産を購入する会社が売却までに倒産してしまったり、業績が悪くなった場合には予定通りの価格やスケジュールで不動産を購入する資金がなくなってしまうこともあります。
これまでCOZUCHI FUNDでは現金決済を事前に行っていたり、早期償還の場合には利回りアップなどの対応をすることで、キャピタルロスのリスク対策を行っています。しかし、これらの対策はリスクを0にするものではなく、投資元本は保証されていないという点に注意が必要です。
3-2.融資型クラウドファンディングなので債務不履行リスクがある
コモサスは融資型クラウドファンディングのシステムを利用して投資家に対してファンドを提供しています。コモサスからCOZUCHIの運営会社について融資を行いますが、この融資の際には抵当権の仮登記が行われているファンドもあります。
仮にCOZUCHIの運営会社であるLAETOLI株式会社の業績が悪化し投資家に対して返済能力を失ってしまうと、担保不動産を売却しても投資した投資家が損失を追う可能性があります。
運用される不動産の所在や面積などの条件は明らかにされているので、不動産について資料などで確認し、その不動産がどれくらいの価値があるのか、また想定されるスケジュールで売れるような需要があるのかなどの点を自分で確認してから投資先として検討していくと良いでしょう。
まとめ
COZUCHI FUNDは、コモサスとCOZUCHIの協働ファンドです。不動産の購入に際し、あらかじめ売却先を決定したEXITファンドとして展開し、年利7%以上の高い利回りを投資家に対して提供することで、人気を獲得しています。
ファンドの運用に関しては、COZUCHIの運営会社であるLAETOLI株式会社や株式会社TRIADが助言を行っており、3社の視点やチェックが入ることで、ファンド組成・運用の確度を高めているという背景があります。
一方で融資型クラウドファンディングには、債務不履行による返済遅延リスクや貸し倒れリスクがあります。元本が保証されていないことに十分に注意し、運用不動産の価値や需要などを見極めて、慎重に投資検討をされていくと良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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