新潟県は、都道府県別で5番目に広い12,584.10㎢の面積を持つ南北に長い県です。日本海に面し、県境が高い山に囲まれている地形から全国有数の豪雪地域としても知られています。県内には30の市町村があり、2023年8月1日時点の人口は2,129,722人(917,086世帯)となっています(出典:新潟県ホームページ)。
今回のコラムでは、このような特徴を持つ新潟県で不動産を売却する際に活用できる不動産一括査定サイト4社を比較しながら紹介していきます。また不動産市場の傾向、売却時の注意点も合わせて解説していきます。
※2023年9月時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
- 新潟県の不動産売却で活用できる不動産一括査定サイト
1-1.SUUMO不動産売却
1-2.LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス
1-3.HOME4U
1-4.RE-Guide - 新潟県の不動産売却の傾向
2-1.新潟県の中古マンション売買の傾向
2-2.新潟県の中古一戸建て売買の傾向 - 新潟県で不動産売却をする際の注意点
3-1.購入予定者は利便性や安全性を重視している
3-2.中古一戸建ての販売価格が下落している - まとめ
1 新潟県の不動産売却で活用できる不動産一括査定サイト
不動産を売却するには不動産会社に査定をしてもらい、販売価格を設定します。その際、複数の不動産会社に査定をしてもらうことで「物件価格の相場が分かりやすくなる」「不動産会社を選ぶ際の参考になる」といったメリットがあります。
複数の不動産会社に査定を依頼するのは手間と時間がかかります。そこで便利なのが、一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できる不動産一括査定サイトです。
下記の表は、新潟県の不動産を売却する際に活用できる代表的な4つの不動産一括査定サイトについて、2023年9月時点の情報をもとに作成したものです。
サイト名 | 参加企業数 | 同時依頼可能数 | 運営会社 |
---|---|---|---|
SUUMO不動産売却 | 約2,000店舗 | 10社 | 株式会社リクルート |
LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス | 4,102社 | 6社 | 株式会社LIFULL |
HOME4U | 2,100社 | 6社 | 株式会社NTTデータ・スマートソーシング |
RE-Guide | 900社以上 | 10社 | 株式会社ウェイブダッシュ |
次の項目から、新潟県内の不動産を売却する際に活用できるそれぞれのサイトについて特徴を解説していきます。
1-1 SUUMO不動産売却
- 株式会社リクルートが運営する不動産ポータルサイトSUUMOのサービスの一つ
- 提携数は約2,000店舗
- 同時に依頼できる不動産会社の数は最大10社
- 新潟県で不動産査定を依頼できる不動産会社は5社(店)
SUUMO不動産売却は、株式会社リクルートが運営する不動産ポータルサイトSUUMO(スーモ)の不動産一括査定サービスです。提携している企業は、大手不動産会社から地元で展開している中小不動産会社までと幅広く、提携企業数は全国で約2,000店舗となっています。このうち新潟県の物件の場合、査定を依頼できる不動産会社は5社(店)となっています。
物件や依頼者の情報を入力した後に依頼できる不動産会社が表示される仕組みで、同時に依頼できる最大不動産会社は10社です。「開店10年以上」「買い取り制度あり」といった項目で検索をすることも可能なので、ご自身の意向に沿った不動産会社の絞り込みができます。
不動産会社の詳細ページには店舗所在地や営業時間などのほか、「店舗の特徴」「売却実績」「スタッフ紹介」「購入希望者」「売却Q&A」といったコーナーも用意されています。特徴を把握したり、他社と比較する際に役立ちます。
1-2 LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス
- 株式会社LIFULLが提供する不動産ポータルサイトLIFULL HOME’Sのサービスの一つ
- 2023年9月時点で4,102社が参加
- サービスを利用した方は2023年9月時点で1,000万人
- 不動産会社の情報が見やすいサイトデザイン
- 新潟県で不動産査定を依頼できる不動産会社は20社(店)
LIFULL HOME’Sは、不動産ポータルサイトLIFULL HOME’S(ホームズ)が提供する不動産売却査定サービスです。2023年9月時点で4,102社が参加しており、サービスを利用した方は累計で1,000万人を数えています。
サイトデザインが見やすく、査定を依頼できる不動産会社の情報が細かく掲載されているのが特徴的です。「ひとことアドバイス」や「ココが強み」というコーナーのほか、取り扱いプランもわかるトピックなど特色がわかりやすくなっており、幅広い情報から不動産選びをすることができます。
なお、新潟県の物件の場合、査定を依頼できる不動産会社は20社(店)となっています。
1-3 HOME4U
- NTTデータグループの株式会社NTTデータ・スマートソーシングが運営
- 累計売却査定数は2022年11月時点で50万件
- 2,100社の優良企業を掲載
- 年間1,400万人が利用
- 情報の入力はチャット形式でできる
HOME4Uは、情報サービス業界最大手NTTデータグループの株式会社NTTデータ・スマートソーシングが運営する不動産一括査定サイトです。2001年に日本で初めてサービスを開始した不動産一括査定サイトで、2022年11月時点で50万件の査定実績を築いています。
物件や依頼者に関する情報の入力を、チャット形式で行うのが特徴的です。オペレーターの質問に回答していく形で入力していくことができ、不安なく作業をすることができます。
NTTグループならではの独自の基準を設けているのが特徴で、掲載企業は厳格な審査をパスした大手不動産会社から地域に精通した中小不動産会社までの2,100社となっています。
1-4 RE-Guide
- 大手不動産会社から中小不動産会社の900社以上が参加
- 同時に査定を依頼できるのは最大10社
- 独自の審査で掲載企業を厳選
- 日々、プロの目でサービスをチェック
- 新潟県で不動産査定を依頼できる不動産会社は20社(店)
- 新潟県の不動産査定依頼実績:一戸建て73.20%、マンション5.33%、土地17.35%
リガイド(RE-Guide)は、2006年に「SBI不動産ガイド」としてスタートした不動産一括査定サイトです。査定を同時依頼できる企業の数は最大10社となっており、多くの不動産会社に査定をしてもらいたい場合は特に便利なサイトです。
独自審査によって掲載企業を厳選しており、現在は大手不動産会社から中小不動産会社の900社以上が参加しています。新潟県の物件の場合、査定を依頼できる不動産会社は20社(店)となっています。
情報を入力する際は、Yahoo!やFacebookのユーザー情報を自動入力することができるため、簡単に入力できるのも特徴です。
2 新潟県の不動産売却の傾向
スケジュールにある程度の余裕があれば、不動産事情がどういう状況なのかについても確認されておくと良いでしょう。
この項目では、新潟県ではどのような不動産が取引されているのか、東日本レインズ(公益社団法人東日本不動産流通機構)が公表している市況レポートから、傾向を解説していきます。情報を把握することで、不動産をスムーズに、また適切な価格で売却できる可能性が高くなります。
2-1 新潟県の中古マンション売買の傾向
新潟県での中古マンション売買の傾向を確認するために、東日本レインズ(公益社団法人東日本不動産流通機構)が公表している市況レポートを紹介します。下記の表は、「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」から、2022年の月別の成約動向を抜粋したものです。
年月 | 成約件数(前年同月比) | 成約価格(前年同月比) |
---|---|---|
2022年1月 | 10件(−33.3%) | 1,384万円(−13.7%) |
2022年2月 | 12件(−42.9%) | 1,129万円(−34.6%) |
2022年3月 | 10件(−52.4%) | 1,279万円(6.8%) |
2022年4月 | 6件(−53.8%) | 1,835万円(10.2%) |
2022年5月 | 9件(−55.0%) | 1,392万円(42.0%) |
2022年6月 | 11件(10.0%) | 1,701万円(−8.7%) |
2022年7月 | 13件(−13.3%) | 2,192万円(82.8%) |
2022年8月 | 10件(150.0%) | 1,885万円(16.7%) |
2022年9月 | 15件(50.0%) | 944万円(−16.5%) |
2022年10月 | 14件(27.3%) | 1,554万円(20.6%) |
2022年11月 | 12件(9.1%) | 1,582万円(−4.2%) |
2022年12月 | 13件(−27.8%) | 1,297万円(−15.2%) |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
2022年における新潟県の中古マンション売買は、成約件数が毎月6〜15件の間で変動しています。前年同月比は12月中7月でマイナスとなっており、成約件数が減っていることがわかります。総数でも、2021年の169件から135件となっており、34件の減少(前年比79.9%)となっています。
成約価格は、前年同月比がプラスとなっている月とマイナスになっている月が6月ずつとなっています。ただし月別中央値は、2021年の1,455万円から1,515万円になっており、60万円の上昇(前年比104.1%)となっています。
2-2 新潟県の中古一戸建て売買の傾向
次は中古一戸建ての売買について見ていきましょう。同じく、東日本レインズの「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」から、新潟県の中古一戸建ての成約件数と成約価格の平均値を抜粋したのが下記の表です。
年月 | 成約件数(前年同月比) | 成約価格(前年同月比) |
---|---|---|
2022年1月 | 16件(−38.5%) | 1,840万円(44.6%) |
2022年2月 | 19件(−9.5%) | 1,654万円(21.7%) |
2022年3月 | 17件(−34.6%) | 1,476万円(−9.5%) |
2022年4月 | 30件(7.1%) | 1,475万円(8.5%) |
2022年5月 | 16件(−55.6%) | 1,347万円(−15.7%) |
2022年6月 | 22件(22.2%) | 1,294万円(−12.1%) |
2022年7月 | 15件(−21.1%) | 1,636万円(18.2%) |
2022年8月 | 14件(−22.2%) | 1,471万円(−15.0%) |
2022年9月 | 24件(9.1%) | 1,685万円(8.0%) |
2022年10月 | 29件(7.4%) | 1,688万円(24.4%) |
2022年11月 | 24件(0.0%) | 1,531万円(14.1%) |
2022年12月 | 17件(−19.0%) | 1,132万円(−23.7%) |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
中古一戸建ての成約件数は、12月のうち7月で前年同月比減となっており、減少傾向が見られます。総数でも、2021年の286件から2022年は243件と、43件の減少(前年比85.0%)となっています。
一方、成約価格は、12月のうち7月で上昇しています。月別中央値を見てみると、2021年の1,459万円から2022年は1,519万円となっており、60万円上昇しています。前年比104.1%と成約価格は上昇傾向にあると言えます。
3 新潟県で不動産売却をする際の注意点
次に、新潟県での不動産売却における注意点についても見ていきましょう。
3-1 購入予定者は利便性や安全性を重視している
下記の表は、新潟県の「平成30年新潟県住生活総合調査結果の概要」から、住宅や居住環境に関して重要視している項目についてランキングにしたものです。
順位 | 項目 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 日常の買い物などの利便性 | 37.6% |
2位 | 治安、犯罪発生の防止 | 35.2% |
3位 | 地震時の住宅の安全性 | 32.9% |
4位 | 日当たり | 28.2% |
5位 | 医療・福祉・文化施設など | 26.7% |
6位 | 通勤・通学などの利便性 | 26.0% |
7位 | 住宅の防犯性 | 22.8% |
8位 | 住宅の広さや間取り | 22.7% |
9位 | 周辺からの延焼のしにくさ | 20.9% |
10位 | 収納の多さ、使い勝手 | 18.9% |
※出典:新潟県「平成30年新潟県住生活総合調査結果の概要」より抜粋
新潟県では、住宅を購入する際に重視しているのが「買い物などの利便性」が1位になっています。また2位に「治安や地域の安全性」、3位に「地震発生時の安全性」が入っており、住まいに関することよりも周辺の環境を重視している点が特徴と言えます。
また、地震や雪害、水害といった災害を経験している土地柄、住宅の安全性が重視されている傾向が見られます。3位の「地震発生時の安全性」、9位の「延焼のしにくさ」のほか、11位に「火災に対する安全性」、12位に「台風時の住宅の安全性」、14位に「水害・津波の受けにくさ」などが入っており、災害対策が施されている住宅が求められる傾向があります。
立地や周辺環境などは売却時点で対応が難しいポイントですが、耐震性能や災害への対策についてはホームインスペクションを行うなどである程度の対処も可能です。不動産会社とも相談しながら、売却活動を行うと良いでしょう。
3-2 中古一戸建ての販売価格が下落している
下記の表は、東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」から、2022年の中古一戸建ての在庫状況を抜粋したものです。
年月 | 件数 | 価格(前年同月比) |
---|---|---|
2022年1月 | 507件 | 1,562万円(−1.1%) |
2022年2月 | 498件 | 1,573万円(−2.1%) |
2022年3月 | 512件 | 1,599万円(−1.1%) |
2022年4月 | 492件 | 1,607万円(−3.4%) |
2022年5月 | 499件 | 1,601万円(−2.1%) |
2022年6月 | 487件 | 1,596万円(−2.4%) |
2022年7月 | 513件 | 1,566万円(−1.7%) |
2022年8月 | 550件 | 1,538万円(−4.1%) |
2022年9月 | 569件 | 1,552万円(−2.0%) |
2022年10月 | 599件 | 1,525万円(−2.2%) |
2022年11月 | 630件 | 1,546万円(1.0%) |
2022年12月 | 651件 | 1,535万円(−1.5%) |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
表を見て分かる通り、新潟県の中古一戸建ての在庫物件は2022年の1年間で144件の増加となっています。特徴的なのは、在庫物件の価格が前年同月比で12月のうち11月で下落している点です。このような状態にあるのは全国では富山県と滋賀県と新潟県の3県だけで、在庫物件の価格が下落傾向にあることがわかります。
不動産売却にとって難しい局面にあることから、新潟県で住宅を売却する際は、不動産市場の傾向を把握している不動産会社のサポートが不可欠です。
不動産会社を探す場合は、前述した不動産一括査定サイトを利用するなどして、効率的に不動産会社を比較されると良いでしょう。一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼することができるので、査定価格や不動産会社の対応力をしっかり調査する際に便利に活用することができます。
不動産会社を選ぶ際は下記の点がポイントになります。
- 物件のあるエリアに精通している
- スピーディーな対応をしている
- 売却する物件タイプを得意としている
- 豊富な実績がある
- 親身になって相談に乗ってくれる
- 知識に基づいたアドバイスをしてくれる、など
また宅地建物取引業免許を確認したり、行政処分歴がないかチェックすることで、より信頼のおける不動産会社を選ぶことができます。
まとめ
新潟県では、中古一戸建ての在庫物件が増え続けており、また物件価格も下落傾向にあります。このような事情を加味して売却活動を行うことが必要になるため、不動産会社を選ぶ際は慎重に行いましょう。
不動産一括査定サイトは複数の不動産会社に一度の入力で査定依頼ができ、さらに査定を通じて複数の不動産会社を比較することで、不動産会社選びに役立てることもできます。
今回ご紹介した不動産一括査定サイトは全て無料で利用することができるため、複数サービスを並行して利用することも可能です。使い方やサービス内容、提携している不動産会社などにも違いがあるため、比較しながら使いやすい不動産一括査定サイトを選びましょう。
倉岡 明広
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