秋田県は、2023年7月1日時点で916,509人(385,717世帯)が暮らしている日本海に面した東北地方の県です。都道府県別で6番目に大きい11,638㎢の面積に、13の市、9の町、3の村があります。警察庁「令和3年の刑法犯に関する統計資料」によると、人口10万人あたりの刑法犯認知件数が全国で2番目に少ない209.9件(2021年)となっており、犯罪件数の少ないエリアであるという特徴があります。
今回のコラムでは、このような特徴を持つ秋田県で不動産を売却する際に活用できる不動産一括査定サイト4社を比較しながら紹介していきます。また不動産市場の傾向、売却時の注意点も合わせて解説していきます。
目次
- 秋田県の不動産売却で活用できる不動産一括査定サイト
1-1.SUUMO不動産売却
1-2.LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス
1-3.HOME4U
1-4.RE-Guide - 秋田県の不動産売却の傾向
2-1.秋田県の中古マンション売買の傾向
2-2.秋田県の中古一戸建て売買の傾向 - 秋田県で不動産売却をする際の注意点
3-1.延べ面積100㎡超の住宅が6割以上を占めている
3-2.省エネルギー対策をした住宅の割合が高い - まとめ
1 秋田県の不動産売却で活用できる不動産一括査定サイト
不動産を売却するには不動産会社に査定をしてもらい、販売価格を設定します。その際、複数の不動産会社に査定をしてもらうことで、「物件価格の相場が分かりやすくなる」「不動産会社を選ぶ際の参考になる」といったメリットがあります。
そこで便利なのが、一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できる不動産一括査定サイトです。下記の表は、秋田県内の不動産を売却する際に活用できる代表的な4つの不動産一括査定サイトについて、2023年8月時点の情報をもとに作成したものです。
サイト名 | 参加企業数 | 同時依頼可能数 | 運営会社 |
---|---|---|---|
SUUMO不動産売却 | 約2,000店舗 | 10社 | 株式会社リクルート |
LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス | 4,045社 | 6社 | 株式会社LIFULL |
HOME4U | 2,100社 | 6社 | 株式会社NTTデータ・スマートソーシング |
RE-Guide | 900社以上 | 10社 | 株式会社ウェイブダッシュ |
次の項目から、それぞれのサイトについて特徴を解説していきます。
1-1 SUUMO不動産売却
SUUMO不動産売却は、株式会社リクルートが運営する不動産ポータルサイトSUUMO(スーモ)が提供している不動産一括査定サービスです。提携数は約2,000店舗となっており、大手不動産会社から地元で展開している中小不動産会社まで査定を依頼することができます。
主な特徴は下記になります。
- 株式会社リクルートが運営する不動産ポータルサイトSUUMOのサービスの一つ
- 提携数は約2,000店舗
- 同時に依頼できる不動産会社の数は最大10社
同時に依頼できる不動産会社の数は最大10社で、情報を入力した後に依頼できる不動産会社が表示される仕組みです。不動産会社を絞り込む際に、「開店10年以上」「買い取り制度あり」といった項目で検索をすることも可能です。
不動産会社の詳細ページには店舗所在地や営業時間などが記載されているほか、「店舗の特徴」「売却実績」「スタッフ紹介」「購入希望者」「売却Q&A」といった項目から特徴を把握することができます。
1-2 LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス
LIFULL HOME’Sは、不動産ポータルサイトLIFULL HOME’S(ホームズ)が提供する不動産売却査定サービスです。2023年8月時点で4,045社が参加しており、今回紹介する不動産一括査定サイトの中では最も多くなっています。
主な特徴は下記になります。
- 株式会社LIFULLが提供する不動産ポータルサイトLIFULL HOME’Sのサービスの一つ
- 2023年8月時点で4,045社が参加
- サービスを利用した方は2022年1月時点で838万人
- 不動産会社の情報が見やすいサイトデザイン
査定を依頼できる不動産会社の情報が細かく掲載されているため、特色がわかりやすくなっています。「ひとことアドバイス」や「ココが強み」という項目のほか、取り扱いプランもわかるトピックなど、他社との比較がしやすいデザインも特徴的です。
これまでサービスを利用した方は2022年1月時点で838万人となっており、豊富な実績を積み重ねています。
1-3 HOME4U
HOME4Uは、2001年に日本で初めてサービスを開始した不動産一括査定サイトです。運営しているのは、情報サービス業界最大手NTTデータグループの株式会社NTTデータ・スマートソーシングです。
主な特徴は下記になっています。
- NTTデータグループの株式会社NTTデータ・スマートソーシングが運営
- 累計売却査定数は2022年11月時点で50万件
- 2,100社の優良企業を掲載
- 年間1,400万人が利用
- 情報の入力はチャット形式でできる
大手不動産会社から地域に精通した中小不動産会社まで2,100社の優良企業が掲載されており、NTTグループならではの独自の基準を設けて提携先を審査しているのが特徴です。
情報を入力する際は、チャット形式で行われる仕組みになっています。オペレーターの質問に回答していく形式になっており、戸惑うことなく入力が完了します。
1-4 RE-Guide
リガイド(RE-Guide)は、2006年に「SBI不動産ガイド」としてスタートした不動産一括査定サイトです。独自審査によって掲載企業を厳選しているのが特徴で、現在は大手不動産会社から中小不動産会社の900社以上が参加しています。
主な特徴は下記になっています。
- 大手不動産会社から中小不動産会社の900社以上が参加
- 同時に査定を依頼できるのは最大10社
- 独自の審査で掲載企業を厳選
- 日々、プロの目でサービスをチェック
情報を入力する際は、Yahoo!やFacebookのユーザー情報を自動入力することが可能です。そのため面倒な入力も簡単に終わらせることができます。同時に査定を依頼できるのは最大10社となっており、多くの不動産会社に査定をしてもらいたいケースではメリットとなります。
2 秋田県の不動産売却の傾向
スケジュールにある程度の余裕があれば、不動産事情がどういう状況なのかについても確認されておくと良いでしょう。
この項目では、東日本レインズ(公益社団法人東日本不動産流通機構)が公表している市況レポートから、秋田県の不動産売却の傾向について解説していきます。傾向を把握することで、不動産をスムーズに、また適切な価格で売却できる可能性が高くなります。
2-1 秋田県の中古マンション売買の傾向
秋田県での中古マンション売買の傾向を把握するために、東日本レインズ(公益社団法人東日本不動産流通機構)が公表している「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」を確認しましょう。下記の表は、2022年の月別の成約動向を抜粋したものです。
年月 | 成約件数(前年同月比) | 成約価格(前年同月比) |
---|---|---|
2022年1月 | 4件(100.0%) | 1330万円(−11.6%) |
2022年2月 | 4件(0.0%) | 823万円(−22.9%) |
2022年3月 | 7件(133.3%) | 1,648万円(2.4%) |
2022年4月 | 3件(50.0%) | 983万円(26.1%) |
2022年5月 | 9件(200.0%) | 1,333万円(71.6%) |
2022年6月 | 9件(80.0%) | 1,347万円(45.6%) |
2022年7月 | 4件(―) | 1,203万円(―) |
2022年8月 | 5件(66.7%) | 852万円(−46.4%) |
2022年9月 | 6件(−25.0%) | 1,228万円(68.7%) |
2022年10月 | 6件(200.0%) | 887万円(−31.8%) |
2022年11月 | 3件(−40.0%) | 810万円(−37.3%) |
2022年12月 | 3件(50.0%) | 403万円(−79.8%) |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
2022年における秋田県の中古マンションは、成約件数が毎月3〜9件の間で変動しています。1年間の成約件数は63件となっており、2021年の39件に比べると24件の増加(前年比161.5%)となっています。
ただし、成約価格の月別中央値を見てみると、1,234万円の2021年に比べて2022年は1,070万円となっており、164万円の下落となっています。成約価格が下落傾向にあると言えます。
2-2 秋田県の中古一戸建て売買の傾向
次は中古一戸建ての売買について見ていきましょう。同じく、東日本レインズの「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」から、秋田県の中古一戸建ての成約件数と成約価格の平均値を抜粋したのが下記の表です。
年月 | 成約件数(前年同月比) | 成約価格(前年同月比) |
---|---|---|
2022年1月 | 17件(−10.5%) | 1,711万円(21.3%) |
2022年2月 | 17件(70.0%) | 1,521万円(−3.3%) |
2022年3月 | 21件(−30.0%) | 1,419万円(15.9%) |
2022年4月 | 19件(−36.7%) | 1,310万円(7.1%) |
2022年5月 | 8件(−55.6%) | 1,021万円(−3.5%) |
2022年6月 | 27件(17.4%) | 1,431万円(−1.2%) |
2022年7月 | 13件(−51.9%) | 1,436万円(9.8%) |
2022年8月 | 22件(46.7%) | 1,624万円(18.1%) |
2022年9月 | 23件(21.1%) | 1,273万円(2.4%) |
2022年10月 | 17件(−37.0%) | 1,428万円(−1.3%) |
2022年11月 | 17件(6.3%) | 1,265万円(−10.6%) |
2022年12月 | 20件(−4.8%) | 1,307万円(9.9%) |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
中古一戸建ての成約件数は、12月のうち7月で前年同月比減となっており、減少傾向が見られます。総数でも、2021年の255件に対して2022年は198件となっており、57件の減少(前年比77.6%)となっています。
ただし、成約価格の月別中央値を見てみると、1,326万円の2021年に比べて2022年は1,395万円となっており、69万円の上昇となっています。成約価格は上昇傾向にあると言えます。
3 秋田県で不動産売却をする際の注意点
次に、秋田県での不動産売却における注意点についても見ていきましょう。
3-1 延べ面積100㎡超の住宅が6割以上を占めている
秋田県の住宅の特徴として挙げられるのが、住宅の規模が大きいことです。下記は、住宅の延べ面積における都道府県別上位5番目までを表したものです。
順位 | 都道府県 | 延べ面積 |
---|---|---|
1位 | 富山県 | 143.57㎡ |
2位 | 福井県 | 136.89㎡ |
3位 | 山形県 | 133.57㎡ |
4位 | 秋田県 | 130.41㎡ |
5位 | 新潟県 | 127.25㎡ |
― | 全国平均 | 92.06㎡ |
※出典:秋田県「秋田県住生活基本計画(令和4年3月改定)」より抜粋
表で分かる通り、秋田県の住宅の延べ面積は全国で4番目の広さとなっています。また、延べ面積別の割合を見てみると、下記のようになっています。
住宅の延べ面積 | 割合 |
---|---|
30㎡未満 | 5.1% |
30〜49㎡ | 8.1% |
50〜69㎡ | 8.8% |
70〜99㎡ | 13.9% |
100〜149㎡ | 29.6% |
150㎡以上 | 34.6% |
※出典:秋田県「秋田県住生活基本計画(令和4年3月改定)」より抜粋
最も割合が大きいのが34.6%を占めている「150㎡以上」で、その次に大きいのが29.6%の「100〜149㎡」となっています。2つを合わせると64.2%で、約65%が100㎡以上の住宅ということになります。
また1人あたりの居住室の畳数は17.73畳で、秋田県が都道府県別で1位になっています。つまり秋田県では、広い住宅に住み慣れている人が多く、面積の狭い住宅を求める人はそれほど多くない傾向があると考えられます。
3-2 省エネルギー対策をした住宅の割合が高い
秋田県の「秋田県住生活基本計画(令和4年3月改定)」によると、省エネルギー対策として二重サッシなどを導入している住宅の割合は全国で3番目に高くなっています。
下記の表は、二重サッシまたは複層ガラスの窓がある住宅の割合について、都道府県別の上位5番目までを表したものです。
順位 | 都道府県 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 北海道 | 79.6% |
2位 | 青森県 | 71.0% |
3位 | 秋田県 | 69.2% |
4位 | 岩手県 | 62.5% |
5位 | 長野県 | 55.7% |
― | 全国平均 | 29.0% |
※出典:秋田県「秋田県住生活基本計画(令和4年3月改定)」より抜粋
二重サッシや複層ガラスは、住宅の断熱性能を向上させるため、寒さの厳しい北国で導入割合が高くなっています。秋田県では、約7割の住宅で導入されており、不可欠な設備とも言えます。
そのため、省エネ対策が取られていない住宅を売却する際は、リフォームなどで二重サッシや複層ガラスを取り付けるなどの工夫が必要になると考えられます。
このような住宅事情を持つ秋田県で不動産を売却する際には、地域の特性に精通している不動産会社のサポートが重要になります。
不動産会社を探す場合は、前述した不動産一括査定サイトを利用するなどして、効率的に不動産会社を比較されると良いでしょう。一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼することができるので、査定価格や不動産会社の対応力をしっかり調査する際に便利に活用することができます。
不動産会社を選ぶ際は下記の点がポイントになります。
- 物件のあるエリアに精通している
- スピーディーな対応をしている
- 売却する物件タイプを得意としている
- 豊富な実績がある
- 親身になって相談に乗ってくれる
- 知識に基づいたアドバイスをしてくれる、など
また宅地建物取引業免許を確認したり、行政処分歴がないかチェックすることで、より信頼のおける不動産会社を選ぶことができます。
まとめ
不動産を売却する際に便利なのが不動産一括査定サイトです。複数の不動産会社に一度の入力で査定依頼ができる上に、査定を通じて複数の不動産会社と接することで、不動産会社選びに役立てることもできます。
特に秋田県では、住宅の面積が広く、省エネ対策をしている住宅が売却しやすいと考えられます。そのため、こうした秋田県の不動産事情に精通している不動産会社を選ぶようにしましょう。
今回ご紹介した不動産一括査定サイトは全て無料で利用することができるため、複数サービスを並行して利用することも可能です。使い方やサービス内容、提携している不動産会社などにも違いがあるため、比較しながら使いやすい不動産一括査定サイトを選びましょう。
倉岡 明広
最新記事 by 倉岡 明広 (全て見る)
- 不動産売却はどこがいい?大手不動産会社5つの比較や不動産査定サイトの使い方も - 2024年11月11日
- 不動産売却の実績が多い大手不動産会社は?10社の実績ランキングを比較 - 2024年11月11日
- 不動産売却で「東急リバブル」と「住友不動産販売」の違いは?評判・実績を比較 - 2024年11月11日
- 住友不動産販売の不動産売却査定の評判・口コミは?申込み手順も - 2024年10月3日
- 地価上昇が続くエリアはどこ?好立地の用地仕入れに強いアパート経営会社も - 2024年9月30日