青森県は、2023年7月1日時点で1,188,044人(510,966世帯)が暮らす本州最北端の県です。9,645.64㎢(2020年10月1日時点)という全国で8番目に広い面積に、10の市と22の町、8の村の計40市町村があります(出典:青森県庁「私たちの青森県」)。
年間平均気温は11.0度前後で、冷涼で過ごしやすいのが気象上の特徴となっています。ただし三方を海に囲まれ、県中央には奥羽山脈が通っているため、日本海側は降雪が多く太平洋側は少ないといったように地域によって気候が異なるのも特徴です。
今回のコラムでは、このような特徴を持つ青森県で不動産を売却する際に活用できる不動産一括査定サイト4社を比較しながら紹介していきます。また不動産市場の傾向、売却時の注意点も合わせて解説していきます。
目次
- 青森県の不動産売却で活用できる不動産一括査定サイト
1-1.SUUMO不動産売却
1-2.LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス
1-3.HOME4U
1-4.RE-Guide - 青森県の不動産売却の傾向
2-1.青森県の中古マンション売買の傾向
2-2.青森県の中古一戸建て売買の傾向 - 青森県で不動産売却をする際の注意点
3-1.中古物件を購入する層が少ない
3-2.30年以上の中古一戸建ては売れにくい状況にある - まとめ
1 青森県の不動産売却で活用できる不動産一括査定サイト
不動産を売却するには不動産会社に査定をしてもらい、販売価格を設定します。その際、複数の不動産会社に査定をしてもらうことで、「物件価格の相場が分かりやすくなる」「不動産会社を選ぶ際の参考になる」といったメリットがあります。
そこで便利なのが、一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できる不動産一括査定サイトです。下記の表は、青森県内の不動産を売却する際に活用できる代表的な4つの不動産一括査定サイトについて、2023年8月時点の情報をもとに作成したものです。
サイト名 | 参加企業数 | 同時依頼可能数 | 運営会社 |
---|---|---|---|
SUUMO不動産売却 | 約2,000店舗 | 10社 | 株式会社リクルート |
LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス | 4,045社 | 6社 | 株式会社LIFULL |
HOME4U | 2,100社 | 6社 | 株式会社NTTデータ・スマートソーシング |
RE-Guide | 900社以上 | 10社 | 株式会社ウェイブダッシュ |
次の項目から、それぞれのサイトについて特徴を解説していきます。
1-1 SUUMO不動産売却
SUUMO不動産売却は、株式会社リクルートが運営する不動産ポータルサイトSUUMO(スーモ)が提供している不動産一括査定サービスです。提携数は約2,000店舗となっており、大手不動産会社から地元で展開している中小不動産会社まで査定を依頼することができます。
主な特徴は下記になります。
- 株式会社リクルートが運営する不動産ポータルサイトSUUMOのサービスの一つ
- 提携数は約2,000店舗
- 同時に依頼できる不動産会社の数は最大10社
同時に依頼できる不動産会社の数は最大10社で、情報を入力した後に依頼できる不動産会社が表示される仕組みです。不動産会社を絞り込む際に、「開店10年以上」「買い取り制度あり」といった項目で検索をすることも可能です。
不動産会社の詳細ページには店舗所在地や営業時間などが記載されているほか、「店舗の特徴」「売却実績」「スタッフ紹介」「購入希望者」「売却Q&A」などの項目があり、不動産会社選びの参考とすることができます。
1-2 LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス
LIFULL HOME’Sは、不動産ポータルサイトLIFULL HOME’S(ホームズ)が提供する不動産売却査定サービスです。2023年8月時点で4,045社が参加しており、今回紹介する不動産一括査定サイトの中では最も多くなっています。
主な特徴は下記になります。
- 株式会社LIFULLが提供する不動産ポータルサイトLIFULL HOME’Sのサービスの一つ
- 2023年8月時点で4,045社が参加
- サービスを利用した方は2022年1月時点で838万人
- 不動産会社の情報が見やすいサイトデザイン
査定を依頼できる不動産会社の情報が細かく掲載されているため、特色がわかりやすくなっています。「ひとことアドバイス」や「ココが強み」というコーナーのほか、取り扱いプランもわかるトピックなど、他社との比較がしやすいデザインも特徴的です。
これまでサービスを利用した方は2022年1月時点で838万人となっており、豊富な実績を積み重ねています。
1-3 HOME4U
HOME4Uは、2001年に日本で初めてサービスを開始した不動産一括査定サイトです。運営しているのは、情報サービス業界最大手NTTデータグループの株式会社NTTデータ・スマートソーシングです。
主な特徴は下記になっています。
- NTTデータグループの株式会社NTTデータ・スマートソーシングが運営
- 累計売却査定数は2022年11月時点で50万件
- 2,100社の優良企業を掲載
- 年間1,400万人が利用
- 情報の入力はチャット形式でできる
大手不動産会社から地域に精通した中小不動産会社まで2,100社の優良企業が掲載されており、NTTグループならではの独自の基準を設けて提携先を審査しているのが特徴です。
情報を入力する際は、チャット形式で行われる仕組みになっています。オペレーターの質問に回答していく形式になっており、戸惑うことなく入力が完了します。
1-4 RE-Guide
リガイド(RE-Guide)は、2006年に「SBI不動産ガイド」としてスタートした不動産一括査定サイトです。独自審査によって掲載企業を厳選しているのが特徴で、現在は大手不動産会社から中小不動産会社の900社以上が参加しています。
主な特徴は下記になっています。
- 大手不動産会社から中小不動産会社の900社以上が参加
- 同時に査定を依頼できるのは最大10社
- 独自の審査で掲載企業を厳選
- 日々、プロの目でサービスをチェック
情報を入力する際は、Yahoo!やFacebookのユーザー情報を自動入力することが可能です。そのため面倒な入力も簡単に終わらせることができます。同時に査定を依頼できるのは最大10社となっており、多くの不動産会社に査定をしてもらいたいケースではメリットとなります。
2 青森県の不動産売却の傾向
スケジュールにある程度の余裕があれば、不動産事情がどういう状況なのかについても確認されておくと良いでしょう。
この項目では、青森県ではどのような不動産が取引されているのか、東日本レインズ(公益社団法人東日本不動産流通機構)が公表している市況レポートから、傾向を解説していきます。情報を把握することで、不動産をスムーズに、また適切な価格で売却できる可能性が高くなります。
2-1 青森県の中古マンション売買の傾向
下記の表は、東日本レインズの「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」から、青森県における2022年の月別中古マンション成約動向を抜粋したものです。
年月 | 成約件数(前年同月比) | 成約価格(前年同月比) |
---|---|---|
2022年1月 | 4件(100.0%) | 648万円(−66.6%) |
2022年2月 | 1件(−50.0%) | ―(―) |
2022年3月 | 5件(150.0%) | 1,964万円(67.1%) |
2022年4月 | 4件(0.0%) | 2,178万円(189.7%) |
2022年5月 | 3件(−25.0%) | 2,150万円(60.7%) |
2022年6月 | 3件(0.0%) | 1,553万円(39.5%) |
2022年7月 | 1件(−66.7%) | ―(―) |
2022年8月 | 9件(200.0%) | 1,242万円(41.6%) |
2022年9月 | 4件(100.0%) | 1,783万円(3.6%) |
2022年10月 | 3件(−25.0%) | 2,477万円(29.8%) |
2022年11月 | 4件(0.0%) | 1,373万円(3.0%) |
2022年12月 | 5件(―) | 1,486万円(―) |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
2022年における青森県の中古マンションは、成約件数が毎月1〜9件の間で変動しています。1年間の合計では46件となっており、2021年の33件に比べると13件の増加(前年比139.4%)となっています。
全体の成約件数は少ないため変動が大きいものの4月には2倍近くの上昇を見せ、成約価格についても前年同月よりも上昇している月が多くを占めています。
2-2 青森県の中古一戸建て売買の傾向
次は中古一戸建ての売買について見ていきましょう。同じく、東日本レインズの「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」から、青森県の中古一戸建ての成約件数と成約価格の平均値を抜粋したのが下記の表です。
年月 | 成約件数(前年同月比) | 成約価格(前年同月比) |
---|---|---|
2022年1月 | 5件(−66.7%) | 826万円(−37.1%) |
2022年2月 | 10件(−28.6%) | 1,174万円(−3.7%) |
2022年3月 | 14件(7.7%) | 1,384万円(−8.1%) |
2022年4月 | 11件(−8.3%) | 889万円(−42.9%) |
2022年5月 | 9件(−30.8%) | 1,445万円(34.3%) |
2022年6月 | 10件(−33.3%) | 1,580万円(50.7%) |
2022年7月 | 9件(−10.0%) | 1,140万円(−5.7%) |
2022年8月 | 7件(−41.7%) | 766万円(−38.4%) |
2022年9月 | 13件(0.0%) | 1,408万円(1.5%) |
2022年10月 | 8件(−27.3%) | 1,358万円(26.9%) |
2022年11月 | 8件(−46.7%) | 1,544万円(6.9%) |
2022年12月 | 13件(18.2%) | 2,079万円(41.2%) |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
中古一戸建ての成約件数は、12月のうち9月で前年同月比減となっており、減少傾向が見られます。成約件数の合計でも2022年は117件となっており、2021年の154件に比べると37件の減少(前年比76.0%)となっています。
成約価格は、12月のうち上昇と下落が半分ずつを占めています。ただし、9月以降は4カ月連続で前年同月より上昇しています。
3 青森県で不動産売却をする際の注意点
次に、青森県での不動産売却における注意点についても見ていきましょう。
3-1 中古物件を購入する層が少ない
下記の表は、2018年の青森県における持ち家21,000戸の取得方法の状況を「青森県住生活基本計画」から抜粋したものです。
取得方法 | 戸数 | 割合 |
---|---|---|
新築(建て替えを除く) | 10,700戸 | 49% |
建て替え | 6,000戸 | 28% |
新築購入 | 2,600戸 | 12% |
中古を購入 | 1,100戸 | 5% |
相続 | 600戸 | 3% |
その他 | 900戸 | 4% |
※出典:青森県「青森県住生活基本計画」より抜粋
持ち家の取得方法で最も多いのは約半数を占めた「新築(建て替えを除く)」で、中古物件を購入したのは全体の5%となっています。
家を建てたり、建て替えるなどで持ち家とする事例が多く、反対に中古不動産を購入して持ち家とするのは少数派です。つまり青森県では、中古不動産を購入するという意向を持つ方がそれほど多くなく、売却活動のターゲットも限定されていると想定できます。
3-2 30年以上の中古一戸建ては売れにくい状況にある
前述したように青森県では中古物件を購入する派は元々少ないと考えられますが、その中でも30年以上の中古一戸建ては売れにくい状況にあると考えられます。
下記の表は、2022年における青森県内の中古一戸建ての成約物件、新規登録物件、在庫物件の平均築年数をまとめたものです。
年月 | 成約物件 | 新規登録物件 | 在庫物件 |
---|---|---|---|
2022年1月 | 37.83年 | 30.20年 | 34.13年 |
2022年2月 | 26.22年 | 23.50年 | 33.73年 |
2022年3月 | 27.49年 | 31.49年 | 33.06年 |
2022年4月 | 28.38年 | 27.80年 | 33.02年 |
2022年5月 | 26.68年 | 27.43年 | 33.14年 |
2022年6月 | 22.57年 | 31.31年 | 33.39年 |
2022年7月 | 26.57年 | 30.88年 | 33.29年 |
2022年8月 | 41.63年 | 29.58年 | 34.03年 |
2022年9月 | 26.41年 | 31.58年 | 33.42年 |
2022年10月 | 31.73年 | 29.25年 | 34.49年 |
2022年11月 | 21.88年 | 26.88年 | 34.09年 |
2022年12月 | 17.28年 | 27.28年 | 34.36年 |
※出典:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ全国版2023年1月度」より抜粋
中古一戸建てを売却する際の築年数は20年から30年未満が目安となりますが、青森県では築年数が浅い物件の成約が多くなっています。例えば、成約物件の平均築年数は6月が22.57年、11月が21.88年となっており、12月はさらに浅い17.28年となっています。反対に、成約物件の平均築年数が30年以上となっているのは1月と8月と10月の3月のみです。
一方、新規登録物件の平均築年数は12月のうち7月が30年未満、在庫物件の平均築年数は12月すべてが33年以上となっており、築年数が30年以上の中古一戸建ては売却しにくい状況にあると考えられるのです。
そのため、青森県で不動産を売却する際には、こうした傾向を理解している不動産会社のサポートが重要になると言えるでしょう。
不動産会社を探す場合は、前述した不動産一括査定サイトを利用するなどして、効率的に不動産会社を比較されると良いでしょう。一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼することができるので、査定価格や不動産会社の対応力をしっかり調査する際に便利に活用することができます。
不動産会社を選ぶ際は下記の点がポイントになります。
- 物件のあるエリアに精通している
- スピーディーな対応をしている
- 売却する物件タイプを得意としている
- 豊富な実績がある
- 親身になって相談に乗ってくれる
- 知識に基づいたアドバイスをしてくれる、など
また宅地建物取引業免許を確認したり、行政処分歴がないかチェックすることで、より信頼のおける不動産会社を選ぶことができます。
まとめ
不動産を売却する際に便利なのが不動産一括査定サイトです。複数の不動産会社に一度の入力で査定依頼ができる上に、査定を通じて複数の不動産会社と接することで、不動産会社選びに役立てることもできます。
青森県でも不動産一括査定サイトが役立ちます。特に、中古不動産を購入したいという意向を持つ方がそれほど多くないため、ターゲットに合わせた売却活動をピンポイントでしてくれる不動産会社を選ぶようにしましょう。
今回ご紹介した不動産一括査定サイトは全て無料で利用することができるため、複数サービスを並行して利用することも可能です。使い方やサービス内容、提携している不動産会社などにも違いがあるため、比較しながら使いやすい不動産一括査定サイトを選びましょう。
倉岡 明広
最新記事 by 倉岡 明広 (全て見る)
- 不動産売却はどこがいい?大手不動産会社5つの比較や不動産査定サイトの使い方も - 2024年11月11日
- 不動産売却の実績が多い大手不動産会社は?10社の実績ランキングを比較 - 2024年11月11日
- 不動産売却で「東急リバブル」と「住友不動産販売」の違いは?評判・実績を比較 - 2024年11月11日
- 住友不動産販売の不動産売却査定の評判・口コミは?申込み手順も - 2024年10月3日
- 地価上昇が続くエリアはどこ?好立地の用地仕入れに強いアパート経営会社も - 2024年9月30日