【米国株ESG】鉄道大手ユニオン・パシフィックのサステナブルな取り組みは?組み入れファンドも紹介

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ユニオン・パシフィック(ティッカーシンボル:UNP)は、米国西部を拠点とする大手鉄道会社です。鉄道は他の輸送手段と比較して安全性や環境性に優れているとのデータが出ています。

そこで今回は、ユニオン・パシフィックの概要をおさらいした上で、サステナブルな取り組みやESG(環境・社会・ガバナンス)評価、業績・株価動向、組み入れファンドを紹介します。

目次

  1. 米国西部地盤の大手鉄道会社
  2. ユニオン・パシフィックのサステナブルな取り組み
    2-1 健康、安全、ウェルビーイング
    2-2 気候変動
  3. ユニオン・パシフィックのESG評価
  4. ユニオン・パシフィックの業績、株価動向
  5. ユニオン・パシフィック株を組み入れるファンド2選
    5-1 フランクリン・テンプルトン・アメリカ高配当株(毎月決算)
    5-2 インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)
  6. まとめ

1 米国西部地盤の大手鉄道会社

ユニオン・パシフィックは米国西部を地盤とする2大鉄道会社の一つです。米国西部3分の2の23州を鉄道で結び、カナダやメキシコにも接続しています。

総延長距離は3万2,452マイル(約4.8万キロ)と、地球一周の約1.3倍に及ぶ広大な鉄道ネットワークを構築しています。

ユニオン・パシフィックの鉄道ネットワーク

※画像引用:ユニオン・パシフィック「Union Pacific State by State Guides

創業は1862年(南北戦争の時代)まで遡ります。リンカーン大統領の施政下で設立されて以来、160年超にわたり米国の輸送インフラの構築に貢献してきました。

米国の鉄道会社は貨物輸送を主な業務としています。ユニオン・パシフィックの主な輸送品は、農産物、自動車、化学品などです。

ユニオン・パシフィックの鉄道ネットワークは、経済成長の期待が高いアジアと接する太平洋岸を網羅しています。また、メキシコ鉄道会社フェロメックスの株式26%を保有しており、メキシコ間の貨物輸送量が会社全体の約10%を占めるという特色を持ちます。

鉄道ビジネスは巨額の資本を必要とし、それが高い参入障壁となっています。そのため、米国西部の鉄道市場は寡占状態であり、主な競合はウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ傘下のバーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)です。

※参考:ユニオン・パシフィック「2021 Investor Factbook

2 ユニオン・パシフィックのサステナブルな取り組み

ここからはユニオン・パシフィックのサステナブルな取り組みを見ていきましょう。鉄道が他の輸送手段として比較して安全面や環境面で優れていることが分かります。

2-1 健康、安全、ウェルビーイング

2021年のマテリアリティ(SDGsやESGを考慮して企業が優先して取り組む重要課題)評価を通じ、ユニオン・パシフィックは健康、安全、ウェルビーイングを最優先事項に位置づけています。

中でも安全面については、ゼロ・インシデント(重大な事故にならなかった、もしくは事故の影響が小さかった出来事)および事故ゼロという究極の安全目標を掲げています。

特に高い安全性が求められるのが危険物輸送です。米国で使用される危険物の40%は鉄道で輸送されています。そのような中、以下の図表に示すように、鉄道の危険物輸送のインシデント件数はトラックの約50分の1の少なさであり、他の輸送手段と比較して安全性が高いと言えます。

危険物輸送業者によるインシデント件数(2018年~2022年の年平均)

※ユニオン・パシフィック「2022 Building America Report」より筆者作成

ユニオン・パシフィックは日々、危険物を輸送していますが、年間約5,000回にも及ぶ危険物を輸送するためのタンク車の点検を実施しています。また、約3万3,000人の全社員を対象に危険物を安全に取り扱うための研修を行うなど、危険物輸送の安全性を高める取り組みを徹底しています。

2022年12月には、2023年から2025年の期間を対象として、米国化学工業協会(ACC)のレスポンシブル・ケア・マネジメント・システム(RCMS)の一員として認定されました。ACCは業界最高水準の安全性を確保した化学品の輸送にコミットしています。ユニオン・パシフィックがRCMS認定を受けたことは、安全性向上に向けた全ての取り組みが評価された証しになります。(※参照:Union Pacific「Responsible Care」)

さらに、脱線防止に向けた取り組みも、安全な鉄道輸送を営んでいく上で重要なポイントです。

ユニオン・パシフィックは、貨車や機関車の状態をリアルタイムにモニタリングする7,000個超の検知デバイスネットワークを構築したり、レールの交換が必要な箇所を特定するためのアルゴリズムを活用したりしています。

これらテクノロジーの導入や多額の更新投資を行ってきたことにより、脱線件数は2019年比21%減となりました。

2-2 気候変動

次はユニオン・パシフィックの気候変動への取り組みです。ユニオン・パシフィックでは、鉄道は環境面において他の輸送手段と比較して以下のような優位性があるとしています。

  • 列車1台でトラック数百台分の貨物を輸送し、幹線道路の渋滞解消に繋げられる
  • 鉄道輸送はトラックと比較して平均で3~4倍燃料効率に優れている
  • トラックから鉄道輸送に切り替えることで温室効果ガス(GHG)を最大75%削減
  • 鉄道輸送は長距離輸送の40%を占めているが、米国の運輸関連におけるGHG排出の僅か2%を占めるのみ

※参考:ユニオン・パシフィック「2022 Building America Report

国際エネルギー機関(IEA)も、鉄道を「最もエネルギー効率の高い輸送手段」であると指摘しています。これらのことから、運輸業界の中で鉄道がよりサステナブルな輸送手段になり得ると考えられます。

ユニオン・パシフィックは2021年、スコープ1とスコープ2(*)のGHGの排出削減に向けた科学に基づく目標(SBT)を設定しました。さらに、現在はスコープ3(*)の排出データを精査しており、バリューチェーン全体で排出削減を進める方針です。

(*)スコープ1…事業者自らによるCO2の直接排出。
スコープ2…他社から供給された電気や熱などを使用して発生する間接排出。
スコープ3…事業者の活動に関連する取引先や製品使用に伴う排出。

同社最大の排出源となる機関車については、2030年までにWell to Wheel(油田からタイヤを駆動するまで)で、2018年比26%削減を目指します。機関車事業の排出削減を進めるべく、業務効率の改善、バイオ燃料、バッテリー式の電気機関車などへの投資を進めています。

また、インターモーダル(一契約で、複数の輸送手段を組み合わせ、途中積み替えることのないドア・ツー・ドアの輸送)ヤードで、バッテリーとディーゼルで駆動するハイブリッド・クレーン4基を導入することを決定しました(2024年末までに全4基を稼働予定)。

3 ユニオン・パシフィックのESG評価

ここからはユニオン・パシフィックのESG評価を見ていきます。

例えば、フォーブス誌の「ネットゼロリーダーズ」に選出されました。「ネットゼロリーダーズ」は、2050年ネットゼロ達成に向けて最も有利な立場に位置する米国企業トップ100社をランキング化したものです。

また、ESG指数として最も歴史があり、サステナビリティ分野における世界初のグローバルベンチマークとなる「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)」で、「DJSIノースアメリカ」の構成銘柄に選定されました。

世界の投資家が参考にする指数に組み入れられてることで、グリーンマネーを呼び込むことが期待できます。

※参考:ユニオン・パシフィック「Awards and Accolades

4 ユニオン・パシフィックの業績、株価動向

ここからはユニオン・パシフィックの業績や株価動向を確認します。過去5年間(2018会計年度と2022会計年度)の業績を比較すると、特に利益が大きく伸びています。

  • 売上高は9%増(228億ドルから249億ドルへ)
  • 希薄化後一株当たり利益(EPS)は42%増(7.91ドルから11.21ドルへ)

収益性(5年平均)を示す各指標はいずれも高い水準を維持しています。

  • 営業利益率は40%
  • 株主資本利益率(ROE)は41%
  • 総資産利益率(ROA)は11%
  • 投下資本利益率(ROIC)は17%
  • EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)マージンは51%

※参考:Morningstar「UNP

鉄道ビジネスは巨額の資本を必要とするため、そのことが高い参入障壁となっています。ユニオン・パシフィックは既に広大な鉄道ネットワークを構築し、競争優位性を有していることが、高い収益性の確保に繋がっていると考えられます。

株価に目を転じると、5年間(2017年末から2022年末まで)の累積トータルリターンは、S&P500およびダウ輸送株指数を上回りました。

※参考:Union Pacific「UPC 10-K Filed 02/10/2023

アナリストの目標株価を確認しましょう。23名のアナリストによるコンセンサス・レーティングは「Strong Buy(強い買い推奨)」です(2023年6月20日から遡って過去3ヵ月間の評価)。

目標株価の平均値(12ヵ月後)は218.88ドルと、6月16日終値と比較して約7%の上値余地があります。アナリスト予想の最高値は247ドル、最安値は171ドルです。

株価

価格
目標株価の平均値(12ヶ月後) 218.88ドル
2023年6月16日終値 204.67ドル

アナリスト予想

価格
最高値 247ドル
最安値 171ドル

※参照:Nasdaq 「UNP Analyst Research
Yahoo Finace 「Union Pacific

5 ユニオン・パシフィック株を組み入れるファンド2選

ここからはユニオン・パシフィックが組み入れられているファンドを紹介します。

  1. フランクリン・テンプルトン・アメリカ高配当株(毎月決算)
  2. インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)

5-1 フランクリン・テンプルトン・アメリカ高配当株(毎月決算)

まずは、フランクリン・テンプルトン・ジャパンの「フランクリン・テンプルトン・アメリカ高配当株(毎月決算)」です。

同ファンドは、米国の3つの高配当資産(株式等・REIT(不動産投資信託)・MLP(主にエネルギー事業を収益源とする共同投資事業形態))に投資する ファンドです。

ユニオン・パシフィックに加え、世界最大級のテクノロジー企業アップル、IT大手オラクル、米最大級のMLPの一つであるエナジー・トランスファー、米最大級の石油パイプラインを有するマゼラン・ミッドストリーム・パートナーズなどが組み入れ上位銘柄に挙げられます。

※参考:フランクリン・テンプルトン

3、5年のトータルリターンは、同一カテゴリー(国際株式・北米)を上回る運用成績を上げていますが、10年間ではアンダーパフォームしています(2023年5月31日時点)。設定来の運用パフォーマンスは+231%です。信託報酬率はフィーレベル・カテゴリー(先進国株式・アクティブ)において平均より高い水準になります。

販売会社はSBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などです。

※参考:ウェルスアドバイザー「フランクリン・テンプルトン・アメリカ高配当株(毎月)

なお、「フランクリン・テンプルトン・アメリカ高配当株(毎月決算)」は、R&Iファンド大賞2023で投資信託/北米株式高配当部門にて最優秀ファンド賞を受賞しました。

5-2 インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)

続いては、インベスコ・アセット・マネジメントの「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」です。

同ファンドは、成長・配当・割安という3つの視点から厳選した世界のベストと考える銘柄に投資を行います。

ユニオン・パシフィックに加え、英国の投資会社3iグループ、米半導体大手ブロードコム、仏容器メーカーのべラリア、100年の歴史を誇る香港保険会社の友邦保険控股(AIAグループ)、仏容器メーカー大手べラリアなどが組み入れ上位銘柄に挙げられます。

※参考:インベスコ・アセット・マネジメント

1、3年のトータルリターンは、同一カテゴリー(国際株式・グローバル・含む日本)を上回る運用成績を上げていますが、10年間では若干アンダーパフォームしています(2023年5月31日時点)。設定来の運用パフォーマンスは+231%です。信託報酬率はフィーレベル・カテゴリー(先進国株式・アクティブ)において平均より高い水準になります。

販売会社はSBI証券、楽天証券、auカブコム証券、三菱UFJ信託銀行などです。

※参考:ウェルスアドバイザー「インベスコ 世界厳選株式<H無>(毎月決算型)

「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」は、R&Iファンド大賞2023で投資信託20年/外国株式バリュー部門にて優秀ファンド賞を受賞しました。

まとめ

ユニオン・パシフィックは安定成長と高い収益性を実現しています。また、鉄道は他の輸送手段と比較して安全性や環境性に優れています。

同社が経済面および環境面でポジティブインパクトをもたらすことを今後も期待したいです。

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フォルトゥナ

フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
業務窓口
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