東南アジアの海外不動産投資はどの国がおすすめ?人口やGDPを徹底比較

アジアの海外不動産は手頃な値段で買えるものも多いため、海外不動産投資の投資先として検討しやすい地域です。

現在はアジア全体が大きな発展を見せており、投資先を選ぶのに迷ってしまう方もいるでしょう。

この記事では、人口やGDPなどの要素にスポットを当てて、アジアの中からタイ・マレーシア・ベトナム・フィリピン・カンボジアの5ヶ国を比較します。

データを紐解いていくと、同じアジアの中でも国ごとの違った特徴が見えてきますので、投資先を選ぶ参考にしてみてください。

目次

  1. アジア各国の人口推移を比較
  2. アジア各国のGDP成長率を比較
  3. アジア各国の表面利回りを比較
  4. アジア各国の不動産価格を比較
  5. アジア各国の詳細について
    5-1.タイ
    5-2.マレーシア
    5-3.ベトナム
    5-4.フィリピン
    5-5.カンボジア
  6. まとめ

1.アジア各国の人口推移を比較

*国際連合「Department of Economic and Social Affairs」を参照して編集部作成

どの国も人口は増加傾向にありますが、増え方には差がついています。

例えばタイは増えているものの、伸び幅は非常に小さくなっています。

一方、フィリピンについては明確に人口増加を続けている様子が伺えます。また、現時点で最も人口が多いのもフィリピンです。

では、人口増加率の推移も確認してみましょう。

*国際連合「Department of Economic and Social Affairs」を参照して編集部作成

全体的に下がり気味であるものの、カンボジア・フィリピン・マレーシアがベトナムとタイに差をつけています。直近で最も増加率が高いのはカンボジアです。逆に、タイは年々増加率を下げており、2013年頃からは0.5%を下回っています。

2.アジア各国のGDP成長率を比較

続いて、GDP成長率を比較します。

*The World Bank Data「GDP growth」を参照して編集部作成

直近ではカンボジア・ベトナム・フィリピン・マレーシア・タイの順番になっています。また、カンボジア・ベトナム・タイは成長率を上げていますが、フィリピンとマレーシアは成長率を下げています。

今後は米中貿易摩擦や新型コロナによる影響が次第にGDP成長率にも現れる可能性もあり、以降の推移には注意が必要です。

また、2009年にベトナムを除く各国が大幅に成長率を下げているのは、リーマンショックに端を発した世界的な経済不振の影響が考えられます。特に、経済を欧米に対する輸出に依存している国ほど、GDPの下がり幅が大きくなる傾向がありました。

3.アジア各国の表面利回りを比較

次は、アジア各国の表面利回りを比較します。

*Global Property Guide「Country Analysis-Asia-」を参照して編集部作成

最も表面利回りが高いのはフィリピンで、カンボジア・タイ・ベトナム・マレーシアと続きます。統計で日本の表面利回りは2.66%となっているので、各国とも日本より表面利回りは高いことがわかります。

ベトナムは人口増加率・GDP成長率共に高い水準となっていますが、表面利回りは5%を切っています。そのほか、基軸通貨を鑑みるとカンボジアが優秀です。カンボジアではUSドルが流通していて、国内でも利用可能となっているほか、カンボジアから国外への送金に関して規制が比較的緩やかといえます。

4.アジア各国の不動産価格を比較

最後に、アジア各国の不動産価格を比較します。

*finder「Cost of a city centre flat around the world」を参照して編集部作成(*カンボジアはデータなし)

カンボジアはデータがありませんが、日本から投資しやすいカンボジア不動産の値段は、おおよそ1,000万円台後半〜2,000万円台となっています。

マレーシア・フィリピン・ベトナムの3ヶ国は、ほぼ同程度の価格になっており、このグラフの中ではタイが各国よりも$10,000程度高いです。また、マレーシアは$124,097となっていますが、外国人はRM100万(=約$238,000)以下の物件を買えない規制があります。

ただし、マレーシアの規制に関しては、今年度から外国人の最低購入価格がRM60万(=約$143,000)まで引き下げられる見通しです。今後については、最低購入価格が相場価格にかなり近づくことになります。

5.アジア各国の詳細について

ここからは、アジア各国のエリア情報など詳細について紹介していきます。

5-1.タイ

タイでの不動産投資先は、ほぼ首都のバンコク一択です。過去には、日系の自動車工場が集積していて、日本人街も形成されているシラチャでの投資物件も販売されていました。しかし、現在では工場での働き手が減っているため、必ずしも日本人駐在員の入居を見込めない状況となっています。

タイは日本との時差が少ないうえ、バンコクには日本人が経営する不動産会社も複数存在しています。バンコクでの物件選びがうまくいけば、賃貸運営のストレスが比較的少なくなる可能性があります。

ただし、バンコクの中心部は物件価格が上昇傾向にあるため、物件選びは慎重に行う必要があります。投資を検討する場合には、日本人不動産会社からしっかり情報を集めるようにしましょう。

5-2.マレーシア

今からマレーシアで不動産投資をするのならば、首都のクアラルンプールが良いでしょう。

マレーシアでは、過去「イスカンダル計画」による都市開発区域として、シンガポールとの国境にあたるジョホールバルのコンドミニアムが盛んに販売されていました。しかし、現在のジョホールバルは当初計画されていたほどの発展を見せていません。

マレーシアでは、現在政府が対策に乗り出すほど不動産の供給過剰が起こっています。このため、慎重に物件を選ばないと、購入後すぐに入居者が入るかはわからない状況です。

一方、供給過剰によってコンドミニアムが値崩れを起こしているうえ、外国人に対する購入価格の規制も緩やかになるため、以前と比較して投資するハードルは下がっているとも考えられます。

マレーシアの経済成長率は上下を繰り返していますが、プラスの水準で推移しています。今後もクアラルンプールを中心として経済状況にも注目しておきましょう。

5-3.ベトナム

ベトナムは日系企業の進出も相次ぎ、首都ハノイのほか、日本人が多く集まるホーチミンなどは投資先として検討しやすい地域と言えるでしょう。

一方、ベトナムで投資する場合に気をつけるべきポイントは通貨です。まず、ベトナム国内で流通しているベトナムドンは、ドルや円と比較して信用度の高い通貨ではありません。また、ベトナムでは通貨の海外持ち出しに関する規制が定められており、海外送金の難易度が他国よりも高いです。

ベトナムは日本人の居住者も多く、海外不動産投資の投資先として検討しやすいと言えますが、為替リスクや海外送金の難易度に注意し、どのように進めていくか事前に確認をしておきましょう。

5-4.フィリピン

フィリピンは、今回ご紹介した5ヶ国の中で最も人口が多く期待利回りが高い国です。一方で不動産価格はその他のアジアの国と比較して安くなっており、利回りと物件の値上がりを期待する投資に向いています。

一方、フィリピンでの要注意ポイントの一つに竣工リスクが挙げられます。竣工リスクとは、未完成の物件に投資したものの、何らかの理由によって完成前に工事が中断されてしまうリスクのことです。

日本でも投資用のコンドミニアムが販売されていますが、未完成のまま工事が止まってしまった物件も数多くあります。無事竣工を迎えたとしても、粗悪な施工で賃貸に出せないというケースもあります。

フィリピンで投資を検討するならば、必ず現地に足を運んでエージェントとのコミュニケーションを頻繁に取るようにしましょう。また、物件完成後に賃貸管理を任せる不動産会社も慎重に選ぶことが重要です。

5-5.カンボジア

カンボジアは、ご紹介した5ヶ国の中で最も人口増加率とGDP成長率が高い国です(2020年3月調査時点)。国の発展とともに物件の価格が値上がりしていく可能性があります。

日本から購入できるカンボジアの物件は、大半が首都のプノンペンに立地しているコンドミニアムです。しかし、プノンペンでも、マレーシア同様にコンドミニアムの供給過剰が懸念点として挙げられます。また、日本から購入可能なコンドミニアムは、家賃設定が高く富裕層向けとなるものが多くなっています。

投資を検討するのならば、入居者ターゲットはどのような人になるのか、ターゲットとなる人が周辺にはどのくらいいるのかなど、綿密な事前調査をするのがよいでしょう。

まとめ

今回ご紹介した5ヶ国の中では、国の将来性・表面利回り・物件価格の面ではフィリピンが投資先として魅力があるものの、フィリピンは、例えばタイなどと比較すると不動産に関する規制も未整備な部分が多く、投資には相応のリスクが伴います。

少しでもリスクを軽減するためには、現地に足を運び、街を目で見て確認することと、売主や賃貸づけをするエージェントとのコミュニケーションを密にすることが重要です。

このように、それぞれのデータを切り取ってみても国ごとに異なる特徴が見られます。まずは何を目的として投資するのかを定め、目的にあった国で投資することを心がけましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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