マンション売却の注意点は?初めてでも失敗しない売却の手順・相場の調べ方も

※ このページには広告・PRが含まれています

高額な取引になりやすいマンション売却ですが、売却の経験が無く「初めての売却で損しないだろうか」「マンションの相場はどうやって調べたらいいのだろう」などのような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

マンション売却を検討する際は不動産会社に任せっきりになるのではなく、売主側でも手順や相場についてしっかり把握しておくことが大切です。初めての売却でも失敗しないように、あらかじめ注意するポイントを押さえておきましょう。

今回のコラムでは、マンション売却の注意点に加え、失敗しないための売却の手順や相場の調べ方についても紹介します。

目次

  1. マンションを売却する際の注意点
    1-1.競合に負けないようアピールポイントを整理しておく
    1-2.同じマンションの別の部屋が売り出されていないか確認する
    1-3.内覧時には部屋以外も綺麗か確認する
    1-4.住み替えの場合は資金計画やスケジュール管理を徹底する
    1-5.マンションの管理組合に届け出を提出する
  2. 初めてでも失敗しない売却の手順
    2-1.複数の不動産会社から査定を受ける
    2-2.相場価格を把握しておく
  3. マンションの相場価格の調べ方
    3-1.成約事例情報サイトで調べる
    3-2.不動産ポータルサイトで調べる
  4. まとめ

1 マンションを売却する際の注意点

集合住宅という特徴を持つマンションを売却する際には、他の不動産とは違う注意点があります。詳しく見ていきましょう。

1-1 競合に負けないようアピールポイントを整理しておく

マンションの場合、一戸建てなどに比べて似たような間取りが多くなります。そのため競合物件と比較検討されやすいのですが、住んでいる人にしか分からない情報を明確にしておくことで、他の物件との差別化を図ることができます。

マンションごとに特徴は異なるものの、例えば、下記のようなことが考えられます。

  • バルコニーから花火大会が見える
  • 程よく風が吹き抜けるので洗濯物がよく乾く
  • 上階はご年配の方が住んでいるので静か
  • 給湯器を最新機種に交換したばかり
  • 収納スペースに棚をつけたので効率よく収納できる
  • 管理組合がしっかりしていて修繕工事も適切
  • 清掃が丁寧で廊下などにはゴミが落ちていない、など

日当たりも季節によって日差しの入り方が違うので、住んでいる人しか分かりません。このような情報は売却する際にプラスとなりますので、積極的に不動産仲介会社を通して買主に伝えるようにしましょう。

1-2 同じマンションの別の部屋が売り出されていないか確認する

マンションの売却で気をつけたいのは、同じマンション内で同じような物件が売りに出されることです。同じような条件の物件があると、価格競争になりやすく売買価格が下落してしまうこともあります。そうなるとご自身の売却計画も崩れてしまい、価格を含めて理想通りの売却にはならなくなってしまうのです。

特に気をつけたいのが、自身の物件よりも条件が良いにも関わらず販売価格が安いケースです。この場合、比較検討されるともう1軒の方に決まってしまう可能性が高いと言えます。

そのため、市場の状況をよく見て、販売価格や情報公開日などを決める必要があります。また前述したように、価格以外の差別化できる要素なども明確にしておくようにしましょう。それによって売却がスムーズにいく場合もあります。

1-3 内覧時には部屋以外も綺麗か確認する

マンションを売却する際は、多くの買主候補が内覧を希望します。その際、部屋の中を綺麗に清掃することで、買主候補の印象をよくすることができます。

反対に、部屋の中にものが散らかっていると部屋が狭く見え、窓際に高い棚などを置いておくと部屋が暗く見えたりします。内覧の際にはこうしたポイントを抑えて、買主候補を迎え入れることが重要です。

ただし、マンションの場合は買主候補がチェックするのは部屋の中だけではありません。特にマンションの玄関やエントランス、エレベーター、さらにはエレベーターを降りてから部屋にたどり着くまでの廊下なども生活に関わりますのでチェックする傾向にあります。そのためご自身でも、買主候補が訪れる前に確認しておきましょう。

例えば、下記の点に注意しましょう。

  • エレベーターの中にゴミが落ちていないか
  • 玄関の側溝に落ち葉が溜まっていないか
  • 隣家の玄関の前に荷物が散乱していないか
  • 隣や上階から騒々しい物音がしないか
  • 郵便受けに不要なチラシがはさまっていないか、など

買主候補にしてみると新しく暮らす場所であるため、こうした問題があると部屋を気に入っても購入に至らない可能性があります。管理組合に交渉して清掃を丁寧にしてもらうほか、ご自身でも落ちているゴミを拾うなど、内覧前にはいつもよりも気をつけることが大切です。

ただし、必要以上に物件を良く見せるような対策はしないように注意しましょう。特に重大な欠陥を伝え漏れてしまうと契約不適合責任に該当してしまい、売却後に費用請求される可能性もあるためです。

1-4 住み替えの場合は資金計画やスケジュール管理を徹底する

次の住居の購入予定がある場合、住み替えの資金計画や引っ越しのスケジュール調整を適切に行いましょう。

資金計画がうまくいかない場合、購入した物件と売却する物件の2つのローンを抱えることも考えられます。また引っ越しのタイミングが合わないために、賃貸住宅を借りた、荷物置き場としてレンタルボックスを借りたといった失敗談も少なくありません。マンションを住み替える場合には計画外の事態に陥らないよう、スケジュールを確認しておきましょう。

1-5 マンションの管理組合に届け出を提出する

マンションに入居している間は管理組合に加入するのが原則で、売却して退居する際は管理組合に資格喪失の届け出を提出することになります。国土交通省では「マンション標準管理規約」を提供しており、そこには次のように記されています。

(組合員の資格)
第32条 組合員の資格は、団地建物所有者となったときに取得し、団地建物所有者でなくなったときに喪失する。
(届出義務)
第33条 新たに組合員の資格を取得し又は喪失した者は、直ちにその旨を書面により管理組合に届け出なければならない。

※引用:国土交通省「マンション標準管理規約(団地型)

通常は所有権が移転する際に組合員としての資格を失うため、その旨を速やかに管理組合に報告しなければいけません。こうしたルールはマンションによって違うこともあるため、管理組合に退去予定があることを伝え、退居する際の手順を確認しておきましょう。

また適切な時期に書類を提出しない場合は、入居時と同様に管理費や修繕積立金が引き落とされることもあります。一方、管理費や修繕積立金を滞納しているケースもあり、その場合はトラブルにならないように適切に対応しましょう。

2 初めてでも失敗しない売却の手順

マンションを売却するときな概ね次のような流れになります。

  1. マンションの査定を依頼する
  2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 売却活動を始める
  4. 買主が決まったら売買契約を結ぶ
  5. 物件を引き渡す

マンションの売却を失敗しないためには、不動産会社にしてもらう査定が重要です。そのポイントを挙げました。

2-1 複数の不動産会社から査定を受ける

マンションの査定価格は、立地や間取り、築年数などの物件の状態に加えて、類似物件の取引事例などを加味して各不動産会社で算出します。

例えば、壁紙クロスの劣化具合やフローリングの傷、エアコンなどの経年劣化は物件を見る人の感覚で大きく違い、抽出する取引事例が各社でそれぞれ違います。

1社の査定価格だけでなく、複数の不動産会社に査定価格を算出してもらうと価格にバラツキが出るため、相場が分かりやすく、売り出し価格の見極めもしやすくなるのです。複数の不動産会社から査定を受けるには、不動産一括査定サイトを利用するとスムーズに進められます。下記に代表的な不動産一括サイトをまとめていますので、参考にしてください。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
SUUMO(スーモ)不動産売却[PR] 株式会社リクルート 大手から中小企業まで約2,000の店舗と提携。独自の審査基準で悪質な不動産会社を排除。60秒で入力が終了し、無料査定がスタートできる。
すまいValue[PR] 不動産仲介大手6社による共同運営 査定は業界をリードする6社のみ。全国841店舗。利用者の95.5%が「安心感がある」と回答
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス[PR] 株式会社LIFULL 全国3826社以上の不動産会社に依頼できる。匿名での依頼も可能
リガイド(RE-Guide)[PR] 株式会社ウェイブダッシュ 17年目の老舗サイト。登録会社数900社、最大10社から査定を受け取れる。収益物件情報を掲載する姉妹サイトも運営、他サイトと比べて投資用マンションや投資用アパートの売却に強みあり
HOME4U[PR] 株式会社NTTデータ スマートソーシング 全国2100社から6社まで依頼可能。独自審査で悪徳会社を排除

【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

2-2 相場価格を把握しておく

各不動産会社が算出した査定価格は、あくまでも「これくらいなら売れるかもしれない」という想定価格です。そのため、自身のマンションがどれくらいで売却できるのか、自身でも相場を把握しておくことが重要です。

例えば、複数の不動産会社に査定を依頼した場合に、1社だけ飛び抜けて高い査定価格を提示することもあります。このとき、自身でも相場価格を把握していないとその価格で売れると思い、売却のタイミングを逃してしまったり、後に価格を下げることになることもあります。

相場を確認することで適切な販売価格をつけて売り出すことに繋がり、価格交渉の際も値引きしすぎることを避けることになります。次の項目で、相場価格の調べ方について見て行きましょう。

3 マンションの相場価格の調べ方

マンションの相場価格を調べるには、主に「成約事例情報サイトで調べる」「不動産ポータルサイトで調べる」の2つの方法があります。それぞれ見てみましょう。

3-1 成約事例情報サイトで調べる

成約事例情報サイトとは、不動産の取引事例をもとにさまざまな情報を発信しているサイトです。日本国内で代表的なのは国土交通省から依頼を受けて運営している不動産流通機構の「レインズマーケットインフォメーション」です。直近1年間の不動産売買の成約事例について、販売価格や成約価格が掲載されています。

相場を調べるには下記のような手順になります。

  1. トップページの「マンション」の項目で、「都道府県」「地域」を選択する
  2. ご自身の物件に近い、沿線、最寄り駅、専有面積、築年数などを選択する
  3. 検索ボタンを押す
  4. 個別の取引情報が閲覧できるので、類似物件の取引事例を抽出する

これらの平均を出すことで、売買価格の目安を知ることができます。

ただし、レインズマーケットインフォメーションで一般の方が見れる物件情報には限りがあり、マンションの詳細な売却実績を確認することができません。あくまでも参考値として、おおよその価格相場を知るために活用してみましょう。

3-2 不動産ポータルサイトで調べる

不動産ポータルサイトとは、不動産の売買情報が掲載されているサイトです。代表的なのは「LIFUL HOME’S(ホームズ)」「suumo」「athome」などです。

これらの不動産ポータルサイトでは、現在販売されているマンションが掲載されています。つまりご自身が売却を予定しているマンションと同じような物件を探すことで、相場価格を知ることができるのです。相場を調べるには、各サイトで下記のように進めるといいでしょう。

  1. 「物件種別」を「マンション」にする
  2. 「築年数」「専有面積」「間取り」「地域or最寄り駅」などをご自身の物件に近いように選択する
  3. 検索ボタンを押す
  4. 現在販売されている物件が一覧になって掲載される

このようにご自身の物件に近いマンションがいくらで販売されているのかを知ることで、おおよその相場が分かります。

利用時の注意点としては、ポータルサイトに掲載されている価格は売出価格であり成約価格ではないという点です。早期売却に至っていない価格であるという点に留意しながら、参考価格としてとらえておきましょう。

まとめ

マンションを売却する際には、マンションならではの注意点があります。不動産仲介会社に任せきりになるのではなく、できるだけ売主が売却の主体となって売却活動を進められるように準備を進めて行きましょう。

特に、マンションの相場をあらかじめ知っておく事は、マンション売却で後悔しないためにも重要なポイントとなります。複数の不動産会社へ査定を依頼したり、マンションの売出前にマンションの相場や競合の売却状況なども確認しておくと良いでしょう。

【関連記事】はじめてのマンション売却で後悔してしまう事例と原因は?注意点と対策
【関連記事】マンション売却のタイミングはいつ?7つの判断ポイントを解説

The following two tabs change content below.

倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。