一棟マンション投資で失敗しないための7つのポイント

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不動産投資の1つとしてマンションへの投資がありますが、マンション投資には1室を購入して運用する方法と、一棟まるごと購入して運用する方法の2種類が存在します。一棟購入する場合は、初期投資が大きくなるので失敗のダメージも大きくなりますが、ではどうすれば失敗せずに済むのでしょうか?

そこで今回は、一棟マンション投資がどのようなものなのか、また投資を失敗しないための7つのポイントについて解説します。

目次

  1. 一棟マンション投資とは
  2. 失敗しないための7つのポイント
    2-1.キャッシュフローに注意する
    2-2.自然災害リスクに備えておく
    2-3.出口戦略を意識しておく
    2-4.修繕が適宜行われているか確認する
    2-5.図面だけでなく現地確認を怠らない
    2-6.テナントのあるマンションには注意する
    2-7.駐車場併設のマンションには注意する
  3. まとめ

1 一棟マンション投資とは

一棟マンション投資とは、1部屋ではなく一棟全てを購入して家賃収入を得る不動産投資の1つです。不動産投資において最も大きなリスクの1つとして空室リスクが挙げられます。1部屋だけの運用の場合は、空室が生じると家賃収入が全く得られないため、空室リスクの影響を大きく受けてしまいます。

しかし、一棟全ての運用の場合は、一つ空室が生じても他の部屋は家賃収入が生じているため、空室リスクの影響を抑えながら安定した不動産投資を行えるのが特徴です。また、得られる家賃収入の額が数百万円~数千万円と大きいため、サラリーマン大家さんとしてではなく専業大家さんとして不動産投資を行うこともできるでしょう。

2 失敗しないための7つのポイント

一棟マンション投資では空室リスクを抑えながら大きな利益が期待できる一方、初期投資が大きくなるので失敗した時の影響が大きいと言えます。そのため、不動産投資として一棟マンション投資を選択するのであれば、失敗しないようにポイントを押さえておくことが重要です。失敗しないためのポイントは以下の7つです。

  1. キャッシュフローに注意する
  2. 自然災害のリスクに備えておく
  3. 出口戦略を意識しておく
  4. 修繕が適宜行われているか確認する
  5. 図面だけでなく現地確認を怠らない
  6. テナントのあるマンションには注意する
  7. 駐車場併設のマンションには注意する

それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。

2-1 キャッシュフローに注意する

不動産投資は金融機関の融資を受けながら資産運用ができるという強みを活用できますが、一棟全てを購入すると借入総額はかなり大きくなります。借入総額が大きくなるということは、利息もそれだけ大きくなるので注意が必要です。

金融機関からの融資を受ける際には、支払う利息を少しでも減らすために借入期間を短めにして1ヶ月あたりの返済額を増やす、変動金利を適用して低金利で融資を受けるなどの手段が考えられます。

しかし、1ヶ月あたりの返済額を増やすとキャッシュフローの悪化につながり、空室リスクの影響を受けやすくなるので注意が必要です。また、変動金利を適用すると金利上昇で返済総額が大きくなるリスクもあります。

キャッシュフローが悪化しないようにするには、無理のない返済計画を立てることが重要です。例えば、返済総額は大きくなるものの、1ヶ月あたりの返済額を減らして返済期間を長くする、金利が上昇した場合は借り換えを検討する、または最初から固定金利を適用するなどです。

また、できる限り自己資金を拠出して借入総額を減らすようにすれば、運用中のキャッシュフローの悪化を防いで安定した一棟マンション投資を行えるでしょう。

2-2 自然災害リスクに備えておく

不動産投資では、購入した物件が生み出す家賃収入がほぼ唯一の収入源です。そのため、地震や火災といった自然災害で物件が焼失した場合には、家賃収入が得られないにもかかわらず、返済義務だけが残ってしまうことになるので注意が必要です。

火災リスクに備える方法として、火災保険に加入するということがあります。火災保険には火災に対する補償しか範囲に含まれないと思っている方もいるかもしれませんが、落雷や水災、風災、漏水などで生じた損害にも幅広く対応しています。地震は補償外ですが、火災保険に地震保険を付与すれば地震リスクにも備えることが可能です。

また、保険に加入するだけでなく、新耐震基準に適合しているマンションを購入する方法も災害リスクに備えるための一つの手段です。新耐震基準とは、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた物件に適用されている耐震基準です。それよりも前に建築確認を受けた物件は、旧耐震基準が適用されているため、耐震性が劣っている可能性があります。

「自然災害はいつ発生するか予想できないので対策できない」と思っている方もいるかもしれませんが、上記の対策を練っておけば自然災害のリスクを抑えることが可能です。

2-3 出口戦略を意識しておく

マンションの1部屋を購入して運用する場合は、投資用マンションとして売却するという選択のほか、居住用マンションとして売却するという選択もあります。不動産の中では比較的流動性が高いため、売却時でもスムーズに買い手が見つかる可能性が高いと言えます。

一方で、マンションを一棟購入して運用する場合は、居住用マンションという選択はなく、投資用マンションとして売却するという選択しかありません。1部屋を運用する場合よりも流動性が低いため、売却時でもスムーズに買い手が見つからない可能性が高いと言えます。

そのため、一棟マンション投資を行う際は、常に出口戦略を意識しておくことが重要です。例えば、運用を行っている最中に購入希望者が現れた場合には、条件が悪くないのであれば、その時に売却を考えていなくても視野に入れるなどです。またどうしても買い手が見つからない場合には、建物を解体して更地として売却するなど、いくつか出口戦略を想定しておきましょう。

2-4 修繕が適宜行われているか確認する

一棟マンション投資を行う際は、新築マンションを購入すると初期投資が大きくなるため、少しでも初期投資を抑えるために中古マンションを購入するのが一般的です。しかし、初期投資を抑える目的で中古マンションを購入したにもかかわらず、部屋の修繕や建物全体の修繕で追加費用が多くかかってしまうこともあるので注意が必要です。

そのため、中古マンションを購入する際は、修繕が適宜行われているか確認しておくことが重要です。以前に運用していた大家さんによっては、修繕費といった経費を少しでも抑えるために、室内の設備や建物の防水塗装などの修繕を行っていない可能性があります。

物件の書類に修繕履歴などが記載されていない場合は、後でトラブルを防ぐために修繕を行っているか確認することが重要です。また、実際に建物を見て修繕が必要な個所がないかあらかじめ確認しておくことも重要と言えるでしょう。

2-5 図面だけでなく現地確認を怠らない

マンションの1部屋を購入して運用する際は比較的物件が見つかりやすく、実際に物件を確認することが可能です。しかし、一棟マンションとなると、物件数や地域が限られるため、実際に物件を確認することが困難な場合があります。

そのため、不動産会社が提供する一棟マンションの図面などで物件を確認するのが一般的です。不動産会社が提供する図面には、基本的な構造や仕様・利回り・最寄駅・最寄駅への所要時間などが記載されています。

それらの情報を見て需要が期待できるマンションか判断しますが、最寄駅から徒歩数分と記載されていても、傾斜地などで駅からのアクセスが困難な可能性もあるので注意が必要です。また、図面と一緒に掲載されている写真が古いなど、実際はもっと物件が傷んでいる可能性もあります。

一棟マンション投資は初期投資が大きくなることでリスクも大きくなるため、いくら物件が遠くにある場合でも現地確認を怠らないことが重要と言えるでしょう。

2-6 テナントのあるマンションには注意する

一棟マンションの中には、1階部分がテナント仕様になっているものもあります。テナント併設物件は部屋だけの物件よりもテナントの家賃設定が高いため、利回りも高くなるのが一般的です。そのため、全てがマンションの区画であるよりも、テナントが入っているマンションに魅力を感じるという方も多いのではないでしょうか?

しかし、テナントのあるマンションは、テナントが退去してテナント収入が無くなれば、そのぶん利回りが低下するので注意が必要です。また、店舗や事務所といったテナントは住居に比べると空室リスクが高かったり、家賃や修繕に関する交渉の難易度が上がったりというデメリットもあります。

そのため、テナントのあるマンションを購入する際は、空いた時の対策を練っておく必要があります。例えば、退去時にスケルトンにするのではなく居抜きとして置いておく、または室内型のトランクルームとして稼働させるなどです。万が一の事態に備えることがリスク軽減につながるでしょう。

2-7 駐車場併設のマンションには注意する

敷地に余裕のある一棟マンションの場合には、広々とした駐車場が併設されている場合があります。駐車場併設のマンションでは、家賃収入に駐車場の利用料が上乗せされることとなります。

しかし、駐車場併設マンションでも必ず駐車場収入が発生するとは限らないので注意が必要です。例えば、駅からのアクセスが良い物件の場合は、車を所有する人がほとんどおらず駐車場収入があまり期待できない可能性があります。また、若者の車離れや車を所有せずに必要な時だけ借りるというカーシェアリングのようなサービスも増えているという背景もあります。

そのため、駐車場併設マンションを購入する際は、駐車場自体のニーズが確かにあるのかを確認することが必要です。また駐車場収入にこだわらずトランクルームを設置するなど、空き駐車場の有効活用も視野に入れる必要があるでしょう。

3 まとめ

一棟マンション投資は空室リスクを軽減できるだけでなく、得られる家賃収入が大きいため、脱サラして不動産投資に専念することも可能です。しかし、1室だけを購入する場合よりも初期投資が大きくなり失敗した時のリスクが大きいので注意が必要です。

そのため、一棟マンション投資を行う際は失敗しないためのポイントをしっかりと押さえておくことが重要です。自然災害リスクに備えるなどの一般的なポイントのほか、出口戦略をあらかじめ意識しておくなど、投資額が大きくなる一棟マンション投資で特に気を付けておきたいポイントもあります。

上記で触れた7つのポイントをしっかり押さえながら運用を行うことで、リスクを抑えながら一棟マンション投資ができるようにしましょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。