不動産売却で「東急リバブル」と「野村不動産」の違いは?実績・評判を比較

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大手不動産会社ではこれまでの実績を背景にしたノウハウや、豊富な顧客情報・物件情報を蓄積しており、不動産査定や売却を依頼する際にも検討されやすいと言えます。

一方で大手不動産会社の中でも得意とするエリアやサービスの内容は異なっています。査定・売却の依頼を検討する際は、大まかに各社の違いを確認されておくと良いでしょう。

今回のコラムでは、大手不動産会社のうち東急リバブルと野村不動産ソリューションズ(野村の仲介+)について、実績や特徴を比較して紹介していきます。

目次

  1. 東急リバブルと野村不動産ソリューションズの基本情報
  2. 東急リバブルと野村不動産ソリューションズの実績の比較
  3. 東急リバブルの主な特徴
    3-1.スムーズな売却に向けた保証制度を用意
    3-2.デジタル技術を駆使してスピード感ある売却をサポート
    3-3.仲介と買取を組み合わせた売却方法も提案
  4. 野村不動産ソリューションズの主な特徴
    4-1.信頼性と付加価値を向上させる幅広いサービスメニュー」
    4-2.不動産情報サイト「nomu.com(ノムコム)」を活用した集客
    4-3.豊富な販売チャネルで効率的にアプローチ
  5. まとめ

1 東急リバブルと野村不動産ソリューションズの基本情報

東急リバブルと野村不動産ソリューションズは、いずれも大手の不動産会社です。東急リバブルは東急不動産ホールディングスのグループ企業、野村不動産ソリューションズは野村不動産ホールディングスのグループ企業となっています。

なお野村不動産ソリューションズでは、「野村の仲介+(プラス)」という名称で仲介事業を行っています。

基本的な企業情報について確認しましょう。

項目 東急リバブル 野村不動産ソリューションズ
設立 1972年3月10日 2000年11月6日
資本金 13億9630万円 10億円
本社所在地 東京都渋谷区道玄坂1丁目9番5号 東京都新宿区西新宿1丁目26番2号
代表者 太田陽一 前田研一
従業員数 単体3,863名、連結3,977名(2023年9月30日時点) 1,866名(2023年4月1日時点)
売上高 165,455百万円(2022年度) 476億6600万円(2023年3月31日時点)

2 東急リバブルと野村不動産ソリューションズの実績の比較

不動産仲介業に関する実績について、公益社団法人不動産流通推進センターが2023年10月に発表した「2023不動産業統計集」をもとに比較してみましょう。

項目 東急リバブル 野村不動産ソリューションズ
取扱高 1,821,310百万円 1,060,313百万円
仲介件数 29,577件 9,985件
手数料収入 82,644 百万円 45,257百万円
店舗数 206店舗 98店舗

ランキングにすると、東急リバブルは仲介取扱高が2位、仲介件数が3位、手数料収入が2位、店舗数が3位になっており、野村不動産ソリューションズは仲介取扱高、仲介件数、手数料収入が4位、店舗数が7位です。

また、東急リバブルは北海道から九州まで200店舗以上を展開していますが、野村の仲介+は首都圏を中心に関西圏、名古屋で約98店舗を展開しています。この点も大きな違いです。

3 東急リバブルの主な特徴

東急リバブルの不動産査定

東急リバブルは、東急不動産ホールディングスの不動産流通事業を担う企業として1972年に設立された総合不動産流通企業です。売買仲介、賃貸仲介、新築販売受託、不動産販売業、不動産ソリューションの5事業を軸にし、損害保険代理業、屋内型トランクルーム事業、相続や空き家に関するコンサルティングサービスなども行っています。

従業員の質の高さにもこだわっており、入社後に資格取得研修を実施しているため、2017年の合格率は64.1%と全国平均の4倍、業界平均の2倍になっています。なお2023年3月1日時点で、売買仲介営業スタッフの約98%が宅地建物取引士の資格を保有しています。

3-1 スムーズな売却に向けた保証制度を用意

マンションや一戸建て、土地などの売却をサポートするため、物件を検査・保証するサービスが「リバブルあんしん仲介保証」です。建物や住宅設備、土地を検査した上で、所定の条件を満たした場合、建物の補修費用や土地の埋設物撤去費用、地盤改良工事などを引き渡しから一定期間保証しています。

主な保証内容は以下になっています。

  • 建物保証…最長2年間、最大500万円までの補修費用を保証
  • 住宅設備保証…建物本体に加え、最大30種類の住宅設備を保証
  • 埋設物撤去保証…埋設物撤去費用を200万円まで保証
  • 地盤調査保証…調査で工法・費用を見える化し、想定内費用での地盤改良工事施工を保証
  • 擁壁調査保証…擁壁の状態を調査した上、6カ月の利用を保証

3-2 デジタル技術を駆使してスピード感ある売却をサポート

東急リバブルはデジタル技術に強いことでも知られており、以下のような特徴があります。

  • 推定価格がすぐにわかる「スピードAI査定」(売却・賃貸のW査定が可能)
  • 「AIレコメンド」機能で物件紹介ページの閲覧数増加をサポート
  • AI解析による類似間取りの紹介で物件紹介ページの閲覧数増加をサポート
  • CGとバーチャル技術でリフォーム後のイメージを物件紹介ページに掲載、など

査定後は、売主専用の「売却サポートページ」を無料で提供しているのも特筆に値します。物件ごとに販売戦略を提案したり、周辺のマーケット情報がリアルタイムで届くため、売却を判断する際の参考にすることができます。

3-3 仲介と買取を組み合わせた売却方法も提案

不動産売却を仲介で行う場合、売主と買主の相対取引になるため、買主が現れないと売却までに時間がかかってしまうケースもあります。そこで東急リバブルでは物件の買取も行っていますが、ニーズに合わせられるように3つのプランを用意しています。

リバブル不動産買取

東急リバブルが買主となり、不動産を買い取る通常の仕組みです。対象物件は土地、一戸建て、マンションで、対象エリアは東京・神奈川・千葉・埼玉および札幌・仙台・名古屋・福岡・関西圏で日常的に営業・販売活動ができる物件に限られています。

リバブル売却保証

通常の仲介で売却活動を行い、一定期間内に売却できなかった場合に東急リバブルが事前に提示した価格で買い取る仕組みです。マンションの場合は、1982年1月以降の物件、専有面積は30㎡以上、同社査定価格90%以下かつ1億円以下(※首都圏エリアのみ「1億5,000万円以下」)などの利用基準があります。

リバブルアクティブ売却パッケージ

物件をリフォームした上で、インテリアコーディネーターがモデルルームのように家具を演出して売却活動をするプラン内容になっています。売却が決まった後に費用が発生するため、初期費用が不要なのも特徴です。

万が一、一定期間に売却できなかった場合は、査定価格+リフォーム費用の100%で同社が買い取る仕組みになっています。

このように買取で売却するケースでも多様なプランが用意されているため、売却までのスケジュールをあらかじめ決めておきたい場合にも便利に活用することが可能です。

4 野村不動産ソリューションズの主な特徴

野村不動産ソリューションズは、野村不動産ホールディングスで不動産流通ビジネスを手がけてきた野村不動産アーバンネットと、野村不動産法人営業本部が統合して2000年11月に設立された不動産会社です。不動産仲介事業(流通事業本部、パートナー営業本部、法人営業本部)を中心に、保険代理店事業、銀行代理業、不動産情報サイト運営事業を展開しています。

事業の中核と言えるのが、流通事業本部が運営する野村の仲介+です。首都圏、関西圏、東海圏で98店舗を展開しており、地域に密着した質の高い不動産サービスを提供しています。

4-1 信頼性と付加価値を向上させる幅広いサービスメニュー

野村の仲介+では、売却をサポートするサービスメニューを幅広く揃えています。メニューは、物件の信頼性を向上させる「あんしんPLUS」と付加価値を向上させる「すてきPLUS」の2つにわけており、以下が代表的なサービスです。

  • あんしん設備補修(あんしんPLUS)
  • あんしん土地診断(あんしんPLUS)
  • ホームステージング(すてきPLUS)
  • ホームクリーンアップ(すてきPLUS)
  • 荷物一時預かり(すてきPLUS)
  • リユース回収(すてきPLUS)、など

このほか、「買換サポート」「買取サポート」「相続サポート」「シニア住みかえサービス」に加えて、税務や引越しに関する相談など多彩に用意されたサービスで売却をサポートしています。

4-2 不動産情報サイト「nomu.com(ノムコム)」を活用した集客

不動産情報サイト運営事業が運営する「nomu.com(ノムコム)」は、7年連続で年間訪問者数が700万人超、年間ページビューが7,000万超を誇る不動産情報サイトです。インターネット経由の問い合わせから契約に至るケースが全体の50%を超えていることから、同社では注力して運営しています。

物件のアピール力を高めるために、AI(人工知能)やVRといった先進のWEB技術を導入しており、主な特徴は以下になっています。

  • 1物件あたり最大30枚の物件写真、最大12枚の周辺写真やパノラマ動画を掲載
  • 「売主様のお声」として、実際に住んでいるからこそ伝えられる魅力や特徴を掲載
  • 「3Dウォークスルー動画」で物件見学をWEB上で疑似体験
  • 暮らしがイメージできるようCG家具を駆使した「VRホームステージング」を導入
  • 営業担当者からの報告に加え、物件紹介ページのアクセス状況が確認できる「アクセスレポート」の提供、など

このほか、マンション相場価格などを表示する「マンションデータPlus」、投資用・事業用不動産情報サイト「nomu.com/pro(ノムコム・プロ)」、海外投資家のインバウンド投資ニーズ向けの「ノムコムEnglish」など多様な不動産情報の発信を通じて、不動産売買や住み替えなどをサポートしています。

4-3 豊富な販売チャネルで効率的にアプローチ

インターネットを活用した広域な広告展開・販売活動に加えて、物件の周辺エリアでは目に留まりやすいようさまざまな販売チャネルで効率的に集客を行っています。以下が代表的な例です。

  • 新聞折込チラシ
  • ポスティング
  • ダイレクトメール
  • 店舗への来客促進
  • オープンルーム&オープンハウス、など

このほか、早期の売却のために大きな武器になっているのが「顧客マッチングシステム」を活用した見込み顧客への物件紹介です。

同社では見込み顧客や紹介顧客情報の管理を徹底しているため、売却希望者と購入希望者を効果的にマッチングさせることができます。なお見込み顧客件数は、2023年9月時点で約47.5万件となっています。

まとめ

今回のコラムでは、東急リバブルと野村不動産ソリューションズ(野村の仲介+)について実績や特徴を比較して紹介しました。得意な売却方法や営業エリア、サービス内容などが異なっているため、検討する際は詳細に比較するようにしましょう。

特に担当者の接客スキルは、訪問査定などで実際に接することで直に感じることができます。両社とも無料査定を受けることができますので、検討されると良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。