不動産を売却する際に頼りになるのが、全国各地で不動産仲介事業を手掛ける大手不動産会社です。数ある不動産売却サービスの中でも、「三井のリハウス」や「住友不動産販売」は知名度が高く、依頼を検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回のコラムでは、大手不動産会社のうち三井のリハウスと住友不動産販売に焦点を当て、実績や特徴を比較して紹介していきます。
目次
- 三井のリハウスと住友不動産販売の基本情報
- 三井のリハウスと住友不動産販売の実績の比較
- 三井のリハウスの主な特徴
3-1.不動産売却をスムーズにする「360°サポート」
3-2.不動産売却に関わる多彩なサービスをワンストップで提供
3-3.高い接客スキルを持つ宅地建物取引士がノウハウを活用して提案 - 住友不動産販売の主な特徴
4-1.専属の営業担当体制で責任感のある売却活動
4-2.インターネット・実店舗の両面から売却活動を実施
4-3.3早期売却をしたい人は「ステップオークション」の利用も可能 - まとめ
1 三井のリハウスと住友不動産販売の企業情報
三井のリハウスと住友不動産販売の違いについて見ていきましょう。
三井のリハウスは三井不動産グループの三井不動産リアルティが展開している不動産コンサルティング事業の一つです。つまり、三井のリハウスはサービスの名称であり、社名としては三井不動産リアルティとなります。
一方、住友不動産販売は住友不動産グループのグループ企業です。この違いを把握してから、基本的な企業情報について確認しましょう。
項目 | 三井不動産リアルティ | 住友不動産販売 |
---|---|---|
設立 | 1969年7月15日 | 1949年12月1日 |
資本金 | 20,000百万円 | 122,805百万円(2023年3月31日時点) |
本社所在地 | 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 | 東京都新宿区西新宿2丁目4番1号 |
代表者 | 遠藤靖 | 仁島浩順 |
従業員数 | 4,516名(単体)、5,196名(連結)(2023年3月31日時点) | 12,957名(2023年3月31日時点、連結) |
売上高 | 182,980百万円(2022年度、連結) | 939,904百万円(2023年3月31日時点、連結) |
2 三井のリハウスと住友不動産販売の実績の比較
次に不動産仲介業に関する実績を比較してみましょう。不動産仲介業に関する実績について、公益社団法人不動産流通推進センターが2023年10月に発表した「2023不動産業統計集」をもとに比較します。
項目 | 三井不動産リアルティ | 住友不動産販売 |
---|---|---|
取扱高 | 1,918,415百万円 | 1,396,127百万円 |
仲介件数 | 39,106件 | 34,906 件 |
手数料収入 | 91,047 百万円 | 72,549百万円 |
店舗数 | 291 店舗 | 249店舗 |
三井不動産リアルティの不動産仲介の実績を見ると仲介取扱高、仲介件数、手数料収入、店舗数のすべてで業界1位になっています。また、住友不動産販売についても仲介取扱高が3位、仲介件数が2位、手数料収入が3位、店舗数が2位です。
両社とも業界トップクラスの実績があり、実績の単純な比較ではなかなか違いが分かりにくいと感じる方も多いと思います。両社の違いについてはサービス内容の比較という視点から依頼を検討されてみると良いでしょう。
3 三井のリハウスの主な特徴
三井のリハウスを展開する三井不動産リアルティは、1975年から不動産仲介事業を行っており、累計取扱件数は2020年度に100万件を突破しています。年間相談件数は31万組以上で、仲介取扱高ランキングでは1986年度から38年連続でトップとなっています。取扱開始から3カ月以内の売却成約率が75%となっているのも特徴です。
3-1 不動産売却をスムーズにする「360°サポート」
不動産売却に関わる代表的なサービスは、売主も買主も、取引前も取引後もサポートする「360°サポート」です。売却および購入検討物件の住宅設備や建物の状態を同社が独自の基準で調査する「建物チェック&サポートサービス」と「設備チェック&サポートサービス」が無料で利用できるため、物件がどのような状態にあるのか確認してから取引することができます。
調査時に不具合がなかった箇所に契約不適合が見つかった場合は、同社が補修などの費用を負担する内容になっています。さらにトラブルが発生した際には、買主のもとに専門スタッフが駆けつけてサポートを行う「緊急駆け付け」サービスも利用できます。
このように売却後のトラブル発生を防ぐことができるサポートサービスが充実していることで取引をスムーズに進められます。
3-2 不動産売却に関わる多彩なサービスをワンストップで提供
大手不動産会社ならではの総合力で、不動産売却に関わる様々なサービスがワンストップで利用できるのも三井のリハウスの大きな特徴です。
具体的なサービスは以下になります。
- 緊急駆け付け
- 買取サポートシステム
- 住まいクリーンアップサービス
- セミナー・無料税務相談会
- リフォーム
- インテリアサポート
- 引っ越し
- 住まいの保険
- 買替つなぎ融資、など
上記のほか、成約者には紹介特典や、三井不動産グループの物件を売却する際に仲介手数料が10%割引になる特典なども用意されています。
3-3 高い接客スキルを持つ宅地建物取引士がノウハウを活用して提案
不動産売却に対して責任ある対応ができるよう、三井のリハウスでは必ず宅地建物取引士の資格取得者が担当することになっています。また独自の社内研修を行い、常に会社全体のスキル向上を行っているのも同社ならではです。
そのため高い接客スキルを持つ担当者が、蓄積された知識・ノウハウと膨大な情報を活用した提案をしています。
4 住友不動産販売の主な特徴
住友不動産販売は、新築・中古マンション、一戸建て、土地、投資用不動産、事業用不動産の売却や購入、賃貸などの多面的な不動産仲介サービス「すみふの仲介 ステップ」を手がけている不動産会社です。
不動産を売却する際には、不動産売買のプロによる無料査定を依頼することが可能で、早期の売却を実現するためのさまざまなサービスを受けることが出来ます。
4-1 専属の営業担当体制で責任感のある売却活動
住友不動産販売のネットワークは15都道府県で200以上の営業センターとなっており、全国をカバーしているのも強みです。
直営店舗では、地域に精通した営業担当者が地域に密着した営業活動を行っています。また、問い合わせ時から買主募集の広告戦略、契約、引き渡しまで一人の担当者が一貫して担当する専属の営業担当体制を採用していることも特徴的です。
不動産を仲介で売却するには3ヶ月~6ヶ月ほどの時間を必要とします。物件所有者の要望を理解した担当者が最後まで責任を持って売却活動をするため、売却活動が長期化した時であっても信頼関係が生まれやすく、満足度の高い不動産売却にも繋がります。
4-2 インターネット・実店舗の両面から売却活動を実施
住友不動産販売では、不動産指定流通機構「レインズ」のような事業者専門のポータルサイトに加え、SUUMO、アットホームなどの大手不動産ポータルサイトへの物件掲載など民間のインターネット広告を行います。
また、住友不動産販売の自社のホームページにも物件情報の掲載を行いますが、こちらは月間平均訪問者が340万人以上(2022年度実績)と数多くの購入希望者がアクセスしており、高い広告効果が期待できます。
このようなインターネットを活用した広告活動だけでなく、全国に所在している住友不動産販売の店舗を活用した売却戦略も特徴的です。店頭には大型のパネル&デジタルサイネージを設置している店舗もあり、物件情報を表示して顧客獲得の機会を広げています。
その他、プレミアムマンションを専門的に扱う「マンションプラザ」を首都圏、関西圏、北海道、福岡の4エリアに開設しています。マンションプラザでは、マンションに注力した効率的な情報収集やマーケティング力で、スムーズな取引を提供しています。
4-3 早期売却をしたい人は「ステップオークション」の利用も可能
住友不動産販売では、「住み替えなので計画的に売却したい」「急いで不動産を現金化したい」「売却が思うようにいかない」といった場合に、ステップオークションというシステムを活用することも可能です。
個人の購入希望者だけではなく、取引先宅地建物取引業者に対して行う本社の専門部署による一括紹介サービスです。取引先の宅地建物取引業者に物件情報を幅広く紹介することで、早期の高値売却を目指すことが可能となります。
同社の基準を満たした紹介先となる宅地建物取引業者は全国に10,000社超(2024年3月31日現在)あり、1件につき平均1,100件超(2022年11月1日〜11月30日)の紹介を実施した実績があります。業者間で競争原理が働くため、公正な買主候補が現れる可能性が高まるシステムになっている点も特徴的と言えるでしょう。
まとめ
大手不動産会社のうち、三井のリハウスと住友不動産販売について実績や特徴を比較して紹介しました。
三井のリハウスは「360°サポート」により、取引前も取引後もサポートしてもらえるサービスが充実しています。住友不動産販売では、月間訪問者数340万以上の自社のホームページにて掲載されるなど、高い広告効果が特徴と言えるでしょう。
また、三井のリハウスは担当者が必ず宅地建物取引士であり、社内研修によって担当者のスキル向上を行っています。住友不動産販売では専属の営業担当体制により地域に精通した営業担当者が地域に密着した体制になっている点が特徴的です。
両社の担当者の違いについては、訪問査定を受け、実際に接することで直に感じられる点もあるでしょう。両社とも無料査定を受けることができるため、まずは情報収集の手段として検討されてみるのも良いでしょう。
倉岡 明広
最新記事 by 倉岡 明広 (全て見る)
- 住友不動産販売の不動産売却査定の評判・口コミは?申込み手順も - 2024年10月3日
- 地価上昇が続くエリアはどこ?好立地の用地仕入れに強いアパート経営会社も - 2024年9月30日
- インバウンド需要の高まりで国内の不動産投資市場はどう動く?投資戦略も - 2024年8月23日
- おすすめのリフォーム一括見積もりサイト・紹介サイトは?4社の評判・実績を比較 - 2024年7月6日
- 不動産の無料査定で注意したいトラブルは?回避する3つのポイントも - 2024年6月20日