株式会社リクルートが9月25日発表した「2021年度賃貸契約者動向調査(首都圏)」で、賃貸住宅に対して「魅力を感じるコンセプト」を質問したところ、「防災賃貸住宅」が1位となった。防災意識の高まりが賃貸住宅選びの大きなポイントになっているようだ。
調査は、同社の住まい領域の調査研究機関「SUUMOリサーチセンター」が、2021年度(21年4月~22年3月)に賃貸住宅へ入居した人を対象に実施した。調査会社マクロミルのモニターを対象に、スクリーニング調査で7万4191サンプル(首都圏)、本調査で1282サンプル(同)を集めた。
平均見学物件数の減少は底を打ち、19年度と20年度の2.7件を0.2件上回り、17年度調査と同水準の2.9件となった。オンライン内見は計27.5%で、前回調査から7.8ポイント増加した。内訳は「オンライン内見のみ実施者」が20.6%、「オンライン内見・対面での内見併用者」が6.8%。特に増加したのはオンライン内見のみ実施者で、前回調査より+7.1ポイントとなった。
SUUMO副編集長でSUUMOリサーチセンター研究員の江原亜弥氏は「オンライン内見・オンライン契約が着実に増加していく兆し。高性能なカメラによる丁寧な説明や、家具入りのお部屋を体感できるVRなど、オンライン内見時の工夫があるお部屋なら、入居後のイメージがつきやすいかも」とコメントしている。
設備満足度は「24時間出せるゴミ置き場」が6年連続1位。「宅配ボックス」「非接触キー」「遮音性能の高い窓」の順位がアップした。
「魅力を感じるコンセプト賃貸住宅」の1位は防災賃貸住宅(36.3%)で、2位の「デザイナーズ賃貸住宅」(29%)、3位の「子育て世帯向け」(22.4%)に差をつけた。賃貸契約者の3人に1人以上が防災備蓄倉庫や蓄電池などが整備された災害対応力のある賃貸住宅を魅力的に感じている。
結果について、江原氏は「人気の高いデザイナーズ賃貸住宅やペットオーナー向けを抑えての1位。一方、賃貸住宅市場では選択肢がまだ少なく、災害発生時は入居者の自助に頼るほかない状況。後付け可能な備蓄の設置、入居者への防災グッズや災害時のマニュアル配布など、既存の賃貸住宅でもできることがあるので、今後、防災賃貸住宅が少しずつでも増えていくことを期待している」としている。
地震のリスクに加え、夏季は必ず台風や記録的な豪雨に見舞われる日本。気候変動の影響を誰もが感じる今、賃貸住宅選びの条件に「防災、減災」が加わるのは必然といえるだろう。
【参照リリース】株式会社リクルート「2021年度 賃貸契約者動向調査(首都圏) オンライン内見実施者が3割近くに増加 魅力を感じるコンセプト1位は「防災賃貸住宅」」
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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