石油需要の低下、余剰ガスを利用するビットコインのマイニングオペレーターに影響するのか

北米では過去数か月間に原油の生産工程で発生するフレアガスを使い、ビットコインを採掘する動きが加速していた。4月20日、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う需要低下を受けて、ニューヨーク商業取引所で原油価格が市場初めてマイナスとなっている。今後、原油生産量が低下する場合、フレアガスを使ったビットコインの採掘領域にどのような影響を与えるだろう。

エネルギー集約型のビットコインの採掘プロセスにおいて、安価な電力確保は収益性の鍵となる。昨年12月にBloombergが報じたところによると、コロラド州のCrusoe Energy Systemsは北米で8つの油田にモジュール式のコンピューティングシステムを設置し、余剰ガスを電力源にビットコインを採掘していた。同社は今年さらに30拠点を追加する計画とされた。カナダのUpstream Dataも、この方法でビットコインを採掘している。こうした取り組みは、環境に悪影響を与えるフレアガスの排出量削減にもつながるため、エネルギー生産企業にとってもメリットがある。

原油生産業者が生産停止を判断した場合、フレアガスは回収できなくなるだろう。そうなれば、こうしたマイナーは採掘マシンの電源を切らざるをえない。しかし、4月20日にCoindeskが伝えたところによると、テキサス州のマイナーDJ Bitwreckは、マイナス価格にもかかわらず「5月の半減期までは戦略を変更する意味はない」との見方を示している。DJ Bitwreckはフレアガスを回収するために新しいハードウェアを5か月かけて構築しようとしており、1メガワットの電力を追加する計画の下、ジェネレーターの設置場所を探している。

昨年12月にフレアガスでビットコイン採掘を開始したGreat American Mining(ノースダコタ州)の共同創設者Marty Bent氏は「現在閉鎖している製油所は、余剰ガスを生まないためビットコインの採掘には影響しない」とツイッターで述べている。

例え2020年にビットコインの価格が上がらなくても、これらの新興企業は収益性を維持できる。しかし、石油とビットコイン価格を取り巻く状況が停滞し続ける場合、中小規模のビットコインマイナーは徐々に閉鎖する可能性がある。「海は大荒れになると予想できるが、実際のところわくわくしている」。DJ BitwreckはCoindeskにこう語った。「そのため、現時点で機材を購入していない。荒波で転覆する他の船の機材を引き取るのが理想的だ」

【参照記事】Negative Oil Prices Could Hurt Bitcoin Miners Who Use Flared Gas
【参照記事】Crusoe Energy Systems Announces $70 Million in Funding for Expansion of Digital Flare Mitigation Services

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高橋奈夕

高橋奈夕

国際基督教大学4年。NYに支社を置くブロックチェーン専門のベンチャーキャピタルで半年以上インターンとして勤める。バイリンガルを生かして海外の記事を翻訳し、よりよい情報を国内に広めることにコミットしている。