事業承継しやすい自治体は?ココホレジャパンが「継ぎやすいまちランキング2022」発表

ニホン継業バンク「継ぎやすいまちランキング2022」

後継者課題を解決する継業支援サービス「ニホン継業バンク」を運営するココホレジャパン株式会社は9月6日、事業承継に取り組む自治体を独自調査した結果を「継ぎやすいまちベスト20」として発表した。

調査期間は今年6月30日から7月21日。1741の基礎自治体(国の行政区画の中で最小の単位で、首長や地方議会などの自治制度があるもの)を対象に、目標設定、体制、取り組み、実績などをインターネット、FAX、メール、郵送で質問し、219自治体から回答が寄せられた。その中から、特に「継ぎやすいまちづくり」に取り組んでいる20自治体を選出した。

上位5位は、第1位が埼玉県入間市、第2位が三重県名張市、第3位が青森県八戸市、第4位が熊本県宇土市、第5位は大分県日田市。同社によると、1位の入間市は過去5年間の第三者承継の相談件数が200件、成約件数が95件。昨年からさらに実績を積み上げた圧倒的な実績で2位から1位へランクアップ。「今もっとも継業しやすいまち」として紹介している。

2位の名張市は過去5年間の親族内承継の相談が206件。社内・第三者を合わせると210件で、相談数全体は1位。第三者の承継の件数は少ないものの地域の声をしっかり拾えていると評価した。3位の八戸市は、親族内承継、社内承継、第三者承継、それぞれバランス良い実績を残し昨年と同順位。市内だけでなく周辺の町村も連携にも取り組んでいるという。4位の宇土市は承継相談が100件超。商工会と連携して毎年セミナーを実施するほか、承継の際に活用できる補助金を整備している。5位の日田市では、同県事業承継・引継ぎ支援センター、商工会、商工会議所と連携。事業承継を支援する関係者向けにセミナーや相談会を実施するなど積極的に活動中だ。

総評は「昨年の調査から大きく自治体が入れ替わる一方、入間市、八戸市、岐阜県郡上市は、昨年より相談(掘り起こし)件数、承継実績を伸ばし、上位をキープした。それらの自治体の特徴は、相談のあった(掘り起こした)事業者のその後(承継の有無)を把握していること」と共通項を指摘。一方で、相談がありながら承継実績について「わからない」とする自治体もあり、承継の相談に対して十分な対応ができていない、連携先に引き継いだ後のことを把握できていないというケースが見られたという。結果を踏まえ「継続的な取り組みが求められる事業承継で、実績や事例、情報の把握と検証は重要」としている。

昨年同様、自治体の取り組みとして最も「取り組んでいる」という回答の多かった補助金の利用率については、「補助金あり」と答えた自治体の65.9%の自治体が「利用実績あり」と回答したものの、承継実績については、79.3%の自治体が「なし」または「わからない」と回答。補助金が承継には結びついていない現状が浮き彫りになった。

要因として、ここでも「地域の実態把握」が挙げられている。セミナーの実施の有無については、74.9%の自治体が、地域内の調査は、62.1%の自治体が実施していなかった。補助金を設けている自治体のうち、調査を実施したと回答したのはわずか22.5%で、地域の現状を把握しないまま補助金を出している自治体が多いことがわかる。

一方で、移住定住の施策と連携し、地域外に継ぎ手を求める自治体もある。継業バンクでも活用されることもある「地域おこし協力隊制度」を「活用している」「活用を検討している」と回答した自治体は14.9%。まだまだ少数だが、同社は「仕事と住居が移住促進のハードルであることから、承継者不在の事業者を地域資源と捉え、移住希望者とマッチングする取り組みは増えていくだろう」と期待を繋ぐ。

同社は、調査で得られた情報から、地域での継業の取り組みを考察した概況レポートを作成。日本の中小事業者の約3割にあたる127万社が後継者不在により自然廃業する可能性が指摘される「大廃業時代」に向け、自治体の事業承継の取り組みの情報共有を図る目的。回答のあった自治体に提供する。

継業バンクは、地域ぐるみで継業に取り組むためのプラットフォーム。M&Aでは承継の機会が与えられない地域の小さな仕事、地場産業の本質的な価値を伝え、継ぎ手を探す「事業承継版・空き家バンク=継業バンク」を基礎自治体等と協働で運営し、地域ぐるみで継業機会を創出する継業支援サービスだ。「仲介手数料無料」「高齢者へのオフライン対応」「多様な承継の選択肢」を実装したプラットフォーム提供のほか、調査や研修など、地域の課題に寄り添ってノウハウ・リソース提供を行っている。

【関連サイト】ニホン継業バンク「継ぎやすいまちランキング2022特設サイト」

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HEDGE GUIDE編集部 ESG投資チーム

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