投資用不動産の株式会社グローバル・リンク・マネジメント(GLM)は6月5日、「不動産投資に対する意識調査」の結果を発表した。グローバル都市不動産研究所による調査・研究で全国の20代~60代の1万人以上を対象に投資や不動産投資に対する興味・関心を聞く内容と、投資用不動産所有者400人に対して投資目的・投資意向を聞いた。同様の調査は2021年から実施、今回が3回目。
投資に対する興味を尋ねたところ、「とても興味がある」(19.8%)、「やや興味がある」(27%)をあわせた46.8%が投資に「興味がある」と回答。興味がある人は3年前の41.4%から年々増えている。属性別に前年と比べると、30代~40代で「とても興味がある」が増加。子どもの進学費用や年金不安から、投資に興味が増している可能性がある。
不動産投資に対する行動や興味を尋ねたところ「現在不動産投資の収入メインで生活をしている」(0.8%)、「副業として不動産投資を運用している」(3.1%)、「興味があり、セミナーや説明会に足を運んだことがある」(4.3%)、「興味はあるが実際に行動したいことはない」(28.9%)で、少なからず興味を持っている層は37.1%(前年39.1%)。属性別に前年と比較すると、全体的に「不動産投資に対して悪いイメージを持っている」が増えている。
不動産投資に対して非積極的な層に絞って、不動産投資をしていない理由(最もあてはまるものをひとつ)を尋ねた。結果、「投資する費用が高い(投資にかける預貯金がない)」(48.4%)が前年同様に1位で、回答比率が増加。さらに「資産価値や家賃が下がるリスクがある」が30.1%で前回までの回答比率から大きく増えた。また「不動産の知識が無い、難しいと思っている」「地震などの災害」「少子高齢化」などが前年よりも増えており、価格面および中長期的な所有リスクを懸念していることがわかった。
属性別にみても、全体の回答比率と傾向は似ており、「投資する費用が高い(投資にかける預貯金がない)」「資産価値や家賃が下がるリスクがある」が高い結果となった。「不動産価格が高騰するなかで、投資にみあった運用ができるのか、リスクが大きくなっていると考えている傾向が確認できた」と同研究所は見る。
投資用不動産所有者に、不動産投資を始めた目的(最もあてはまるもの)を尋ねたところ、「資産運用」が62.3%を占めたが、一前年の67.3%から5ポイント減少。「老後の年金対策」が18.8%で続いた。属性別にみると、50代で前年から「資産運用」が減り、老後の年金対策が増えており、50代から老後の年金生活を意識する人が増加している傾向が確認できた。
不動産投資家の注目エリアは東京都内や横浜・川崎エリア、保有物件はワンルーム区分マンションが3年連続で増加していた。
同研究所の市川宏雄所長は、今回の調査結果から「不動産価格が高騰するなか、投資に見合った運用ができるのかと不安を抱いている」という意識を読み取る。「人々の不動産投資への意識は高まりながらも、ここ数年の不動産価格高騰が影響して、資金調達や投資リスクを懸念している。ただし、資産価値の高い都心5区の物件に興味を示すなど、投資意欲は低下していない」と総括した。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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