2020年東京オリンピック・パラリンピック大会まで7カ月、東京都の不動産価格はどうなるのか。投資用不動産を扱う株式会社グローバル・リンク・マネジメントは12月13日、「グローバル都市不動産研究所第三弾」としてオリンピック後の都の不動産価格を予測するレポートを発表した。
2012年のロンドンオリンピックの動向を分析、各国のオリンピック開催後の景気動向、不動産価格の動向を調査。調査主体は、明治大学名誉教授市川宏雄氏が所長を務める同社の調査・研究機関グローバル都市不動産研究所。近年、東京の不動産価格が堅調に推移していることを挙げ、オリンピック開催後に景気が減速するという予想については「米・英国ではGDP成長率の上昇がみられ、東京もロンドン五輪をモデルにコンパクトなオリンピック作りを目指しているため、オリンピック終了を主要因に景気が急速に減退する可能性は低い」と予測する。

※GLMのレポートより引用。以下同
都の現在の地価について、同研究所は、都区部の公示地価の対前年平均変動率は全国に先駆けてプラスに転じている点に注目。「推移をみると、区部都心部で力強い上昇が始まり、その後区部南西部、区部北東部に波及している。オリンピック開催が決定した2013年9月から東京の公示地価の上昇が始まっているが、アベノミクスによる金融緩和政策が反映されているといえる」と開催決定によるプラスの効果を指摘。

また、金融機関が不動産向け融資を大幅に増やしたことも影響しているとして「近年の区部北東部や臨海部の地価の上昇は、東京スカイツリータウン開業、大学移転などに伴う北千住エリアの都市開発やオリンピック関連施設の建設などで改めて注目された結果」とした。
各国のオリンピック開催後の景気動向は「過去30年の夏季オリンピック開催国で開催後にGDP成長率が低下したのはスペイン、オーストラリア、中国、ギリシャだが、いずれもITバブル崩壊やリーマンショックなど他の影響が大きい」として、特にロンドン五輪開催後の各区の不動産価格は「ばらつきがあるがロンドンの都心6区は上昇している」点を指摘する。

では、オリンピック後、都の不動産価格はどうなるのか。2013年以降、東京では都心を中心に住宅価格が上昇してきたが、オリンピック後の不動産価格を予想する上でのプラス要因・マイナス要因をそれぞれ挙げる。

同研究所は、プラス要因として「都心区では2040~2045年ごろまで人口増加が続くと予想され、住宅需要は今後とも旺盛」と予測。

海外からの訪日外客数はオリンピック以降も堅調に増加すると政府は予測している。さらに、リニア中央新幹線の開通(2027年予定)で、東名間の経済圏が近接し、東京の経済力の高まりを挙げる。

一方、マイナス要因として、米中摩擦やヨーロッパ諸国の成長鈍化によって今後の世界経済が減速に向かい、東京への投資の鈍化の可能性も指摘。また、ロンドンの不動産価格の動向と同様に「東京でも景気が減退する局面になるとエリアの差が顕著に表れるため十分に注視する必要がある」と呼びかけている。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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