シカゴを拠点とする仮想通貨取引所ErisXは、米国の規制下では初めてとなるイーサリアム先物の取引を5月11日にスタートした。1か月および四半期毎に期日を迎えるErisXのイーサリアム先物は、決済日に現物の引き渡しが行われる。米国のビジネスニュースメディアDecryptが5月12日、伝えている。
ErisXは米ネット証券2位のTDアメリトレードのほか、マネックスグループやナスダックベンチャーズ、フィデリティ・インベストメンツなどが出資を行う仮想通貨取引所だ。ErisXは仮想通貨の現物市場と先物市場を単一のプラットフォーム上で提供している。同社は今月初めにニューヨーク州でのオペレーションのために金融サービス局(NYDFS)からビットライセンスを取得した。
商品先物取引委員会(CFTC)の承認を得た仮想通貨先物は、時価総額2位のイーサリアムで2つ目となる。2017年にCBOEとCMEが現金決済型のビットコイン先物を発売しており、2019年にはインターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)の子会社Bakktが現物引渡型のビットコイン先物をローンチした。ErisXは昨年12月に現渡しのビットコイン先物の取り扱いを始めた。
現物決済の先物契約は満了時に実際のトークンを受け渡すため、機関投資家の仮想通貨所有を促すと期待されている。11日付の公式ブログによると、ErisXの先物取引は同社の現物市場と取引することで仮想通貨市場の課題である価格透明性と担保効率を実現するという。現在のところ、ErisXのビットコイン先物の取引量はほとんどないが、今後の拡大に期待したい。
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