2017年度国内クラウドファンディング市場規模は前年度比127.5%増の1700億円

株式会社矢野経済研究所は3日、2017年度の国内クラウドファンディング市場の規模を新規プロジェクト支援額ベースで前年度比127.5%増の1700億円と推計する調査結果を発表した。

支援者数は前年度比で倍増、年度内で延べ137万人となり、1万5321プロジェクトを支援した。中でも、購入型が大きく寄与しており、支援者数全体の58%(79万人)を占めた。拡大の背景として、貸付型の拡大のほか、一つには、2015年に金融商品取引法が改正され、非上場株式の発行を通じた資金調達を行なうための制度として創設された「株式型」が、17年4月からサービス提供が始まったことを挙げる。

調査は市場規模、新規支援プロジェクト件数、支援者数、類型別の動向、参入企業動向、将来展望をレポートしている。

類型別に新規プロジェクト支援額をみると、購入型が約100億円(構成比5.9%)、寄付型は約7億円(同0.4%)、ファンド型約50億円(同3.0%)、貸付型(ソーシャルレンディング)約1534億円(同90.2%)、株式型が約9億円(同0.5%)となった。

貸付型クラウドファンディング市場比率

構成比が最も高い類型は貸付型で、全体の9割を占め、依然として市場拡大に大きく寄与している。購入型はサービス参入企業数が最も多いが構成比では5.9%にとどまった。

新規支援プロジェクト件数をみると、16年度の購入型の件数シェアは約6割程度を占めていたが、17年度は貸付型(ソーシャルレンディング)の件数が増加したことで、プロジェクト件数は購入型と貸付型に二分。貸付型については「依然として利回り競争が過熱しており、投資期間が比較的短期で支援者の投資意欲が旺盛なことから、組成本数の増加に拍車をかけている」状況。

一方、購入型では、16年度に続き「地方活性化・創生」プロジェクトやものづくりなどの「プロダクト系」が件数増加を後押しし、堅調に推移した。プロジェクトの傾向として、購入型は1プロジェクト当たり10万円未満の小規模なものから、1億円以上の大規模プロジェクトまで幅広い成立実績があった。

18年度の市場は、いずれの類型も支援額は増加見込なことから、新規プロジェクト支援額ベースで前年度比20.3%増の2044億円を見込む。

国内クラウドファンディング市場規模

特にファンド型は「事業性ファンド等に加え、17年に不動産特定共同事業法が改正され、小規模不動産に限ってインターネットで投資ができるクラウドファンディングを活用した投資環境が整う」点と「国土交通省の強い推進で不動産事業者が使いやすく、かつ投資家の保護を図る環境が整う」ことから不動産ファンドが拡大をけん引すると予測する。

ほか、地方自治体でのクラウドファンディング活用の広がりに加え、大手メディアや運輸業、製造業、物販業などからの新規参入、サイト運営事業者と金融機関との事業連携の進捗から「資金調達の新たな門戸として定着しつつある」として、さらなる拡大を展望している。

【参考記事】株式会社矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2018年)

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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