不動産サービスのCBREは7月23日、2019年第2四半期の全国13都市オフィスビル市場動向を発表した。東京のオールグレード空室率は対前期比+0.1ポイントの0.7%で2年ぶりに上昇、グレードA空室率も対前期比+0.2ポイントの0.8%と5期ぶりに上昇した。2018年竣工のビルにテナントが移転した後の二次空室がまとまって発生したことが主因。
また、新築ビル1棟が空室を残して竣工したため、グレードAの空室率も5期ぶりに上昇した。一方、大手メーカー等の拡張移転の他、分室や、建て替えのための立ち退き移転などにより既存の空室が消化されるケースもみられた。「即入居可能なスペースの選択肢は依然として限定的であり、今期発生した二次空室についても、拡張移転を計画している複数の企業が検討している」とみる。
大阪はグレードA空室率が同-0.3ポイントの0.2%、ほか全グレードで空室率は過去最低値を更新した。新規開設や拡張ニーズは依然として旺盛で、立地やグレードを問わず、スペースを確保しようとするテナントが多い。「新規供給が本格化する2022年まで需給の緩和は考えにくく、空室の希少性は期を追うごとに高まっている」という。
名古屋は今期オールグレードの空室率は対前期比-0.1ポイントの0.9%と、初の1%割れ。手狭となったオフィスをすぐにでも拡張したい企業が、まとまった空室のある「名古屋東」 エリアのビルへ移転した事例が複数みられた。この結果、同エリアの空室率は対前期比1.9ポイント低下。中心部では新規開設や、館内増床などの拡張ニーズは依然強く、募集前にテナントが決定する事例が散見された。
グレードAの坪当たり賃料は、東京3万7950円で対前期比0.9%上昇。大阪2万5200円で対前期比3.5%上昇。名古屋は2万6900円で対前期比0.9%上昇した。
通期の賃料見通しは、東京グレードA賃料は向こう1年間で1.7%下落すると予想。一方、大阪グレードA賃料は、向こう1年間で3.5%の上昇を予想。名古屋グレードA賃料でも、向こう1年間で2.7%の上昇を見込む。

地方都市の空室率は10都市中6都市で前期比低下、3都市で上昇、1都市で横ばい。主な動向では、札幌の賃料は調査開始以来初の1万4000円台となった。横浜の空室率は12年ぶりに最低値を更新。福岡では賃料の上昇率が高い状況が続く。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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