不動産サービス大手のCBRE(日本本社:東京都千代田区)が5月10日発表した「日本のインバウンド&アウトバウンド投資2018年」で、18年の日本へのインバウンド不動産投資額は前年比61%減の48.8億USドル、日本発アウトバウンド不動産投資額は前年比29%減の19.3億USドルだった。
日本への不動産投資額の減少は、前年に散見された大型取引の減少が主因。これに対して日本からの投資額が減じた主因は、日米金利差の拡大により、為替ヘッジコストが上昇したこと、さらに、米中貿易摩擦により世界経済に対する懸念が高まったことも要因として挙げられる。
一方で、海外投資家による地方都市の不動産への投資額は前年比109%増加。特に大阪での投資額が前年比131%増加となり、インバウンド投資額全体に占める地方都市の比率は、前年の8%から41%に大幅に上昇。投資対象としての地方都市が脚光を浴びている。
アセットタイプ別では、オフィスへの投資額が前年比32%減少したものの、全体の58%を占めている。一方、物流施設への投資額は、同比145%増加、全投資額に占める割合は前年の2%から13%に拡大した。
地域別でも変動が見られる。投資先地域別の投資額を見ると、北米への投資額(11.5億ドル)は全体の6割を占めたが投資額は前年比51%減。一方、アジア太平洋地域への投資額は5.3億ドルで、2005年以降では最大となった。
投資主体別の投資額割合は、「不動産会社・商社」が53%で、引き続きアウトバウンド投資の過半を占めていた。ただし、その割合は前年に比べて20ポイント低下。一方で「事業会社」「ファンド」が上昇しており、アウトバウンド不動産投資において、投資家の裾野が拡大しつつあることがうかがえる。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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