空き家の売却で利用できる不動産一括査定サイトは?厳選3社を比較して紹介

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日本国内では空き家が社会問題になっており、2015年5月には「空家等対策の推進に関する特別対策措置法」(空き家対策法)が全面施行されました。親から相続した住宅がそのまま老朽化していることもあり景観を乱すなどの問題があるため、「特定空き家」等に指定された場合、行政から改善、解体の指導、勧告がなされることになります。

全国各地で同法に基づく条例が制定され、「特定空き家」の指定がなされています。特に活用予定の無い空き家を所有していると上記の法的なリスクに加えて、固定資産税やメンテナンス費がかかるという点もなどもデメリットと言えるでしょう。

空き家を売却するには、専門的な知識を持った不動産会社の協力が重要なポイントになってきます。そこで今回のコラムでは、空き家の売却で利用したい3つの不動産一括査定サイトを比較して紹介します。

目次

  1. 空き家を売却する際のポイント
    1-1.空き家を所有し続けることの問題点
    1-2.空き家を売却する方法を選ぶ
    1-3.複数の不動産会社に査定を依頼する
  2. SUUMO不動産売却査定
    2-1.SUUMO不動産売却査定の特徴
    2-2.SUUMO不動産売却査定で空き家の査定をしてもらう流れ
  3. RE-Guide(リガイド)不動産一括査定
    3-1.RE-Guide不動産一括査定の特徴
    3-2.RE-Guide不動産一括査定で空き家の査定をしてもらう流れ
  4. HOME4U(ホームフォー・ユー)
    4-1.HOME4Uの特徴
    4-2.HOME4Uで空き家の査定をしてもらう流れ
  5. まとめ

1 空き家を売却する際のポイント

空き家が社会問題となっているのは、景観の問題だけではなく、犯罪の場所になるなどのリスクもあるからです。そのほかの問題点も含め、この項目では空き家をどのように売却するのがいいのか、見ていきましょう。

1-1 空き家を所有し続けることの問題点

2019年4月に発表された「土地統計調査」(国土交通省)によると、2018年時点で全国には約8,489,000戸の空き家があることが分かっています。これは5年前の前回調査に比べて、約30万戸増えており、過去最高を記録しています。

空き家問題の起因となっているのは、核家族化が進んだことや少子高齢化による人口減少、都市部への転出超過などが背景としてあり、これらの現状が変化しない限りは今後も空き家は増え続けることが予想されます。

空き家が増え続けることの代表的な問題点は下記のようなことです。

  • 空き家で犯罪が起きる可能性がある
  • 景観が悪化してしまう
  • 資産価値が下がり、より売れにくくなる
  • 所有者は固定資産税や都市計画税を支払い続ける、など

空き家があると景観が悪化するだけではなく、地域全体の荒廃感を進めてしまいます。また使用していないのに所有者は税金を支払い続けるほか、適切にメンテナンスが行えてないと売却しようとしてもより売却が難しくなってしまうケースもあります。

思い入れのある住宅ということで手放せない方もおり、なかなか判断が難しいケースもあるでしょう。そのような場合は適切に空き家のメンテナンスが行えるか、今後も活用できる方法があるのか慎重に検証したり、不動産査定を受けて具体的にいくらで売れるのか、売却にかかる費用はいくらになるのか確認して、どのような方法が良いのか比較してみることが大切です。

1-2 空き家を売却する方法を選ぶ

空き家を売却する代表的な方法は4つあります。下記の表で、メリット・デメリットをそれぞれ確認してみましょう。

空き家を売却する方法 メリット デメリット
中古住宅として売却 売却にかかる費用を抑えられる
すぐに売却をスタートできる
買主が現れにくい
売却期間中も劣化してしまう
古屋付き土地として売却 売却にかかる費用を抑えられる
すぐに売却をスタートできる
買主が現れにくい
売却期間中も劣化してしまう
解体して更地にしてから売却 古屋付きよりも高く売却できる可能性がある
購入後の選択肢が広がるため買主が見つかりやすい
解体費用がかかる
建物がないと固定資産税や都市計画税が高くなる
不動産会社に買い取ってもらう 価格に合意できればすぐに売却できる
どのような状態でも買い取ってもらえる可能性がある
買取価格は仲介時の相場価格よりも低くなる

「費用がかかっても早く売却したい」「できるだけ費用をかけたくない」といった所有者の意向や空き家の状態によって、どの方法かを選ぶことになります。複数の不動産会社にアドバイスを受けるのもいいでしょう。

1-3 複数の不動産会社に査定を依頼する

不動産売却のスタートは、不動産会社に査定をしてもらうことです。査定してもらうことで相場価格を確認することができ、さらに売買価格の目安がつきやすくなるからです。

査定価格を算出する際は、不動産会社によって異なるため、複数の不動産会社に査定価格を算出してもらうことでより適切な相場価格を把握することができます。

また、売却活動がうまくいかず、不動産会社に買取をしてもらうケースもあるため、買取にも対応している不動産会社を選ぶのもポイントです。不動産会社の情報を幅広く集めてから、査定を依頼するといいでしょう。

複数の不動産会社に依頼すると手間がかかってしまいますが、このような場合に役立つのが不動産査定一括サイトです。次の項目からは、空き家を売却する際に適した3つの不動産査定一括サイトについて紹介します。

2 SUUMO不動産売却査定

SUUMO不動産売却SUUMO不動産売却は、株式会社リクルートが運営する不動産一括査定サイトです。全国の約2,000店舗が参加しており、全国組織の大手企業、地域に強い中小企業のどちらにも査定してもらえるのが大きな特徴です。

独自の審査基準を設けて不動産会社を審査しているため、査定に参加している不動産会社はリクルートの厳しい審査基準をクリアした業者と判断できます。

2-1 SUUMO不動産売却査定の特徴

SUUMO不動産売却査定では、地域ごとの不動産会社の情報を確認できるのもポイントです。特に比較検討する際に便利なのが、地域での売却実績です。地域内でどれくらいの実績があるのか表記されているため、不動産会社の実力が分かりやすくなっています。

スタッフごとに売却実績が表示されている例もあり、不動産会社を絞り込みする際に役立ちます。

2-2  SUUMO不動産売却査定で空き家の査定をしてもらう流れ

SUUMO不動産売却査定での査定依頼は、かんたん60秒入力が特徴です。下記でその流れを見ていきましょう。

  1. トップページで都道府県や市町村などを選ぶ(「物件の種別」は「一戸建て」を選ぶ)
  2. 画面が切り替わるので、査定不動産の情報を入力する
  3. 「お客様の情報」を入力する
  4. 「査定依頼をする会社を探す」ボタンを押す
  5. 査定依頼をする不動産会社にチェックを入れる
  6. 「その他ご要望など」に「空き家の売却希望」と入力する
  7. 「確認画面に進む」ボタンを押す

空き家を売却するには地域の事情を把握していることに加え、空き家売却の実績が豊富な不動産会社が適しています。SUUMO不動産売却査定では幅広い不動産会社が参加しているため、相性の良い不動産会社に査定を依頼できる可能性があります。

3 RE-Guide(リガイド)不動産一括査定

リガイド(RE-Guide)RE-Guide(リガイド)は、2006年からサービスを提供している老舗の不動産査定一括サイトです。独自審査を通過した800社以上の不動産会社と提携しており、マンションや一戸建て、土地などさまざまな不動産の一括査定に対応しています。

3-1 RE-Guide不動産一括査定の特徴

RE-Guide不動産一括査定の特徴は、一度の入力でたくさんの不動産会社に査定を依頼できることです。最大10社までとなっており、同様のサービスを行っているサイトの中ではトップクラスの多さです。

情報の入力は、ボタン式になっている部分が多く手間がかからないのがサイトの特徴です。次の項目で、操作の仕方を詳しく見ていきましょう。

3-2 RE-Guide不動産一括査定で空き家の査定をしてもらう流れ

RE-Guide不動産一括査定で空き家の査定をしてもらう代表的な流れとともに、ポイントも紹介します。参考にしてください。

  1. トップページで都道府県や市町村などを選ぶ(「物件種別」は「一戸建て」または「土地」を選ぶ)
  2. 画面が切り替わるので、より詳しい物件の情報を入力する(一戸建ての場合は「現況」で「空室」を選択する、土地の場合は「現況」で「更地」か「古屋あり」を選ぶ)
  3. 申込者の情報を入力する
  4. 査定可能な会社が表示されるのでチェックを入れる
  5. 「査定依頼する」ボタンを押す

「土地」として売却するのか、「空き家」として売却するのかによって操作の仕方が異なります。依頼先の不動産会社に事情を相談し、両方で試してみて手応えのある方を選択するのもいいでしょう。

4 HOME4U(ホームフォー・ユー)

HOME4UHOME4U(ホームフォー・ユー)は、2001年に日本国内で初めてサービスを開始した不動産査定一括サイトです。開設当初は東証プライム上場企業のNTTデータ、2016年度から現在までは子会社のNTTデータスマートソーシングが運営会社となっています。

47都道府県約1,800社の不動産会社と提携しており、その中から厳選した最大6社に査定をしてもらうことができるサービスです。

4-1 HOME4Uの特徴

HOME4Uと提携している不動産会社は47都道府県の約1,800社ありますが、運営するNTTデータグループが厳しい審査を行っています。この審査によって、悪質な取引をする不動産会社は事前に排除されていると推測できます。

また提携した後も不動産会社の取引方法などをチェックするために、常にパトロールをしている点も特徴です。

4-2 HOME4Uで空き家の査定をしてもらう流れ

HOME4Uで空き家の査定をしてもらうには、下記のように操作するといいでしょう。

  1. トップページで都道府県や市町村などを選ぶ
  2. 画面が切り替わるので、より詳しい物件の情報を入力する(「物件の種類」は「一戸建て」か「土地」を選択する)
  3. さらに情報を入力する(「一戸建て」を選んだ場合も「土地」を選んだ場合も「現在の状況」欄で「空き」を選ぶ)
  4. 申込者の情報を入力する
  5. 「不動産会社の選択にすすむ」ボタンを押す

査定依頼が可能な不動産会社を選択できるのは、最大で6社となっています。表示された中から気になる不動産会社を選んでチェックすることで、空き家と所有者の情報が不動産会社に届くことになります。

まとめ

各地で増え続けている空き家は所有し続けているとデメリットも多く、売却しづらくなる可能性もあります。売却を決めたら、できるだけ早く不動産会社に相談されてみることも大切です。

空き家の売却実績がある不動産会社では、買取を含めて適切な売却方法を提案してくれます。アドバイスに耳を傾けながら、売却方法を考えていきましょう。

空き家の売却実績が豊富な不動産会社を見つけるには、不動産一括査定サイトが役に立ちます。実際に売るかどうかは査定価格を見た後で決められるため、「まずは価格を知りたい」という方も利用を検討されてみると良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。