資産を築くアパート経営、破産を招くアパート経営の3つの違いとは?

アパート経営をしている方のお話を伺っていると、「アパート収入が本業の収入を超えました」「資産が3億円になりました」「今も1棟買い増しを検討しています」などの景気が良い声が聞こえてくる一方で、「思い切ってアパートを購入したものの3000万円の損失が…」「1億円で建てたけど、場所が悪いのか空き室がまったく埋まりません」「賃料を大きく下げる必要があるが、利回りも下がってしまうため躊躇しています」「物件に融資評価がつかない」といった声も聞こえます。

同時期にアパート経営を始めて、資産を築くことができた方と、破産を考えなくてはならないほどの損失を出してしまった方は、何が違うのでしょうか?この記事では、アパート経営における物件選びから売却までのプロセスにおいて、知っておきたい成功の秘訣と気をつけるべき失敗のリスクをご紹介していきたいと思います。

エリア選定

アパート経営において、最も差がつくのが物件の「立地」です。アパートの立地を検討する際に、「郊外・地方のアパート」「都内・地方都市のアパート」「都心の狭小地のアパート」の3つの選択肢があった場合に、どれを選ぶべきでしょうか?アパート経営の初心者の方が選びがちなのは、利回りが最も高い「郊外・地方のアパート」です。しかし、「郊外・地方のアパート」は、この選択肢のなかで最も破産を招くアパートになりやすいのです。

郊外・地方のアパート経営は初心者には難しい

その主な理由としては、日本全体が少子高齢化の流れで人口減少が避けられないなかで、郊外・地方エリアの人口減少スピードが非常に速いためです。エリア全体の人口が減少すれば、賃貸需要も落ち込み、アパート経営は年を重ねるごとに苦しくなっていきます。また、空室率を下げるためには、賃料の引き下げを行わなければならないという点も、毎月の収支を悪化させてしまいます。

そして、埋まらない空室と賃料の引き下げにより、毎月の赤字が常態化してしまい、毎年大きな損失を生み出す赤字アパートが出来上がってしまうのです。赤字を垂れ流しているアパートは買い手もつきづらくなるため、手放すことも難しくなり、にっちもさっちもいかないという状況になってしまいます。

アパート経営の経験が豊富で、郊外・地方でも確実に収益を生み出せるノウハウがあるというセミプロのような方でなければ、最初から郊外・地方でのアパート経営を行うことは避けたほうが無難でしょう。

立地別アパートの利回りとリスクの関係

都内・地方都市のアパートは、エリアの将来性と地盤をチェック

「都内・地方都市のアパート」は、東京都の足立区や横浜市、福岡市といった都心以外の主要都市周辺に建てられるアパートとなります。都心部にほど近いエリアとなるため、ある程度の入居実需を見込むことができ、都心と比べて土地の価格なども割安ということで、アパートのメインエリアとなります。

都内・地方都市のアパートを検討する際にチェックをしたいのは、人口の動向と地盤の安全性の2点です。まず、1点目の人口の動向については、郊外・地方エリアでも触れたように、人口が急減するエリアではアパート経営自体の難易度が高くなってしまうため、10年後・20年後にも人口が維持・増加するエリアを選ぶことが重要です。人口の動向を予測するには、市区町村が発表している人口予測データや都市開発計画などを確認すると良いでしょう。

また、2点目のチェックポイントとしては、都内・地方都市の周辺エリアは、都心部に比べると地盤が弱いエリアが多く、たとえば荒川区や足立区は、地震の際の建物倒壊・火災危険度・災害時活動困難度などの危険度が高いエリアとなっています。(参考「地震発生時の都内の地域危険度マップ」)もちろん、地震保険などで多少のリスクヘッジをすることはできますが、すべての地盤リスクをカバーできるわけではありません。

地盤調査を個人が行うことは難しいため、専門家に依頼をする必要があります。土地購入前に地盤調査会社を探して依頼するということも可能ですが、アパート建築前に地盤調査を行ってくれる会社をパートナーとすることで、少ない手間で地盤リスクを軽減することができます。たとえば、アパート大手のシノケンプロデュースでは建築前に地盤調査を必ず行い、地盤が悪ければ適切な改良を施し、引き渡し後も20年間の地盤保証制度があります。都内・地方都市エリアでのアパート経営を考えている方は、地盤についても念頭に入れたうえで土地や会社選びを進めていくと良いでしょう。

都心の狭小地のアパートは、競合物件との差別化が課題

「都心の狭小地のアパート」は、エリア全体で長期的に人口増加が見込めるため、入居の実需自体は高いのですが、マンションなども競合物件となってくるため、入居者から選ばれるために物件の品質が重要となってきます。

また、狭小地にアパートを建てるには、高度な建築技術や豊富な建築経験が必要となりますので、信頼できる建築会社をパートナーにつける必要もあります。

物件の品質

エリアの次に考えなければいけないのが、物件の品質です。物件の品質によって大きく異なってくるのが、融資評価と入居率(空室率)の2点となります。物件の品質が高ければ、入居者を集めやすい上に入居後の満足度も高くなり、安定的に家賃収益を生み出すことができるため、高い融資評価を得られるようになります。

逆に物件の品質が低ければ、空室が埋まらずに賃料の引き下げを繰り返す羽目になる、融資評価がつかずに購入時や買い増しの際などの資金繰りに苦労する、ということになりますので、アパート経営の成否を分ける非常に重要なポイントの一つです。

この「物件の品質」を構成する要素は、利便性の高さ、建物のデザイン性、建物の構造、室内の構造などとなります。以下では、一つ一つ詳しく見ていきましょう。

利便性の高さ

利便性の高さは、物件へのアクセスのしやすさ(10分以内、複数路線利用可など)や周辺の商業施設、公共施設、病院、金融機関などがどれくらい充実しているかなどによって決まります。

最近の物件選びのキーワードは「職住近接」だと言われますが、入居者が物件を選ぶ際には、職場と物件の近さを重要視するようになってきています。たとえば職場が都心にある場合は、職場から電車で20分~30分程度で、駅徒歩10分以内の物件などが好まれます。アクセスの良い駅と駅からの近さの両方を満たせる物件を物色すると良いでしょう。

建物のデザイン性

建物のデザイン性も重要です。物件選びの際に最もチェックが厳しいと言われる社会人女性にも選ばれるような物件を目指すことで、周辺の競合物件と差別化を図ることができ、入居を安定させることができます。社会人女性からも支持されるデザイナーズアパートを手がけている会社は「デザイナーズアパートを手がけている会社3選」を参考にしてみて下さい。

建物の構造

アパートはマンションと比べて、高さが低いため防犯性がより重要となります。防犯カメラなどの設備面や、侵入されにくいように1階床を底上げするなど、防犯対策がしっかりと施されているかをチェックしたほうが良いでしょう。

また、木造であるアパートは、隣室の騒音がよく問題となります。隣の部屋に音が聞こえにくい作りになっているか、下の階に音が響かない構造が採用されているかなどもチェックをしたいポイントです。

室内の構造

アパートはマンションに比べると、空間の設計の自由度が高いため、室内のデザインによって実際の平米数以上に広さを実感してもらうことが可能です。図面や写真だけではわからないことも多いので、モデルルームなどの内見ができるのであれば、実際に足を運んでみることをおすすめします。

内見の際には、天井の高さや収納の多さ、水回りの充実なども併せてチェックすることで入居者の満足度を推し量ることが可能です。

融資条件

エリアや物件の品質が良くても、アパート経営が赤字になってしまうケースがあります。その主な原因の一つが融資条件です。破産を招くアパートとなっているケースの多くでは、アパートオーナーにとって融資条件が非常に不利となっているケースが多いのです。

たとえば、新築アパートの利回りは5%~7%程度となりますが、この利回りには経費や税金は含まれません。毎月の賃貸管理費用、毎年の固定資産税・都市計画税、火災保険・地震保険などの保険料、建物の修繕費などがかかり、その残りからローンの支払いをすることになります。

アパートローンの金利が4.5%という銀行もありますが、アパート経営の利回り5%~7%の中から経費や税金を支払い、金利の分で4.5%分を支払わなければいけないということになると、手元にほとんどキャッシュは残りません。フルローンなど借入額が大きい場合は、金利の支払いによって赤字になるケースも想定されます。

オーナ側で改善余地のある空室率などと異なり、融資は一旦契約を結んでしまうとその後に金利条件を変更することは簡単ではなく慢性的な赤字を招きやすいため、慎重に判断をしたいポイントです。

アパート会社選びの際には、立地や物件の品質はもちろん、融資に強いという判断軸を追加して、提携している金融機関数やこれまでの融資実績などを厳しくチェックすることをおすすめします。

まとめ

アパート経営は、成功すれば本業を超える収入源や数億円の資産を築くことができる投資手法ですが、一方で毎月数十万円の赤字や投資全体で数千万円の損失を生み出すことにもなりかねないリスクもあります。今回ご紹介をしたように、エリア選定、物件の品質、融資条件の3点をどこまでこだわることができるかで成否が大きく別れますので、ぜひ今回の記事内容を頭に入れて会社選びを進めてみて下さい。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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