2017年は、海外不動産への投資規模の拡大がニュースでも何度も取り上げられ、世間の注目を集めました。ただ、国内不動産と比べると海外不動産にはリスクも多く、海外投資が加速していると聞いても、なかなか一歩が踏み出せなかったという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、海外不動産への投資をご検討中の方に向けて、2018年に想定される動向や投資を今検討するべき理由をご紹介していきたいと思います。
目次
1. 世界経済全体が堅調に推移
アメリカでは年初からダウインデックスが最高値を更新し、GDP成長率も2010年以降2%前後で推移するなど堅調な動きが続いています。また、欧州でも一連の経済危機やイギリスのEU離脱の動きなどが落ち着き、ユーロ圏も比較的安定した動きを見せています。中国経済も一時期の不動産バブルやシャドーバンキングなどの問題を乗り越えて現在も6%台の高いGDP成長を継続しています。
また、新興国の経済も堅調で、東南アジア諸国などでは大きな経済危機などを起こさずに5%~7%のGDP成長率を維持することができているなど、世界経済全体が上昇基調にあり、大きな危機などが起こらない限りは2018年もこの動きが継続するものと考えられます。
このように、世界経済が今後も底堅く成長するのであれば、各国で賃金上昇や物価高などが見込まれるため、海外不動産の価格も上昇していくことになります。
2. 現在の不動産価格は実勢を反映
不動産は株でいう空売りのようなシステムがないため、株などと比べると高値の際にバブルを抑制する機能が働きづらく、バブルが形成されやすいと言われます。そのため、不動産がバブルでないかどうかは、色々な機関や有識者などが特に警戒感をもって注視しています。
国内でも「不動産価格はすでにバブルではないのか」という指摘が上がることも多いのですが、2008年のリーマンショック(世界金融危機)以降、経済の成長とともにGDP・賃料・家賃なども上昇し続けており、世界全体を見渡してみても現在の不動産価格は経済の実勢を反映したもの、という見方が強くなってきています。
不動産価格が実勢を反映したものであれば、世界経済の伸長に伴って不動産も上昇することが想定されることになります。また、その場合、現時点において世界経済自体がバブルの状態でなければ、不動産バブルを過度に恐れる必要もないと考えることが可能です。
3. 経済危機や世界金融危機のリスクが少ない
では、世界経済自体がバブルの可能性や、世界金融危機のリスクはどれほど存在するのでしょうか? ここでは、経済・金融・政治などの側面から世界経済の失速などの要因を検証してみたいと思います。
バブルというのは実体価値と現在価値の間に大きな乖離が見られる時の状態を指しますが、たとえばアメリカの現在の経済成長や株価は企業の増益などファンダメンタルズによって裏付けられたものと考えられますので、こういった状況下ではバブルは形成されにくく、経済面からすぐに大きく崩れるということは考えにくい状況です。
また、リーマンショックのような金融面からの危機はどうでしょうか? こちらも、直近の金融危機を乗り越えたばかりですので、アメリカを始めとした世界全体の金融機関において自己資本比率の強化やレバレッジ比率規制、格付け会社への規制など世界金融危機を想定した規制強化の流れが進んでおり、金融発の世界危機は以前より起こりづらくなっています。なお、アメリカの利上げペースが早すぎれば、アメリカで景気後退が起こるというリスクもありますが、米FRBも利上げには慎重な姿勢を示し続けているため、現時点では世界レベルでの危機というほどのリスクにはつながらないのではないかと考えられます。
むしろ、直近のリスクとして考えられるのは、北朝鮮や中東などでの軍事衝突の可能性です。大きな戦争などが起これば、リスクを恐れて投資意欲の減退や買い控えなどが起こるため、現在の好景気の波が一気に引いて潮目が変わる可能性があり得ます。
ただ、このリスクは海外不動産投資だけのリスクというよりは、投資環境全体に影響が及ぶものとなりますので、国内不動産や国内株式などであっても余波を受けることが考えられます。世界の経済危機に対するリスクヘッジは、ボラティリティの大きい資産を持たないこと、すなわちドルや円通貨、金などで資産を保有しておくこととなりますので、このリスクが気になるという方は、円預金や外貨預金・金資産の保有比率などを高めておき、残りを投資に充てるというスタンスで臨めばよいでしょう。
4. 成長率の高い国がたくさんある
世界経済が堅調で、目に見えるリスクもそれほど多くないという環境下だとして、なぜ日本国内ではなく海外での不動産投資が注目されるのでしょうか?
それは、世界各国の経済成長率が日本の経済成長率を上回っているためです。先ほども少し触れたとおり、中国や東南アジアなどは毎年5%~7%の高い成長を続けており、アメリカやドイツの経済成長も年2%前後を維持できているのに対して、日本の直近数年のGDP成長率は1%前後となっており、相対的に投資妙味が薄いという状況です。
もちろん、経済成長自体は継続していますので、5年~10年スパンの中期的な視点では日本国内での不動産投資もプラスが見込める状況ではあります。しかし、数十年単位での長期投資を考えた場合は人口減少リスクや経済規模の縮小リスクなども考慮に入れる必要があり、大きな経済成長や不動産からのキャピタルゲインなどを期待することは難しいでしょう。そういった国内事情を背景に、海外不動産投資に期待が集まっているのです。
5. 海外資産への分散投資ができる
GPIFという機関をご存知でしょうか?何度か大きなニュースになったこともあるので目にした方もいるかと思いますが、GPIFは日本の年金積立金を運用する機関で、運用資産150兆円超という世界最大の機関投資家でもあります。
そのGPIFが運用しているポートフォリオ(資産構成割合)の中身を見てみると、2014年10月までは国内債券60%、国内株式12%、海外債券11%、海外株式12%、短期資産5%だった資産構成が、現在は、国内債券35%、国内株式25%、海外債券15%、海外株式25%という内訳に大きく変化しています。
国内債券というローリスク資産を、株式というハイリスク資産に大きく振り分けたことも注目に値しますが、より注視したいポイントは海外資産の保有比率が倍近くまで引き上られげた(23%→40%)という点です。日本の年金積立金の4割が、今や円資産ではなく海外資産によって保有されているということは、それだけ海外に分散して投資をしておくことが重要だという何よりの示唆でもあります。
これまで円資産しか保有をしていなかったという方は、海外不動産に投資することで、外貨建ての実物資産を保有することができるようになります。投資は大きな流れにうまく乗ることが大切ですので、現在の海外投資への流れをしっかりと視野に入れて投資を展開していくと良いでしょう。
6. まとめ
海外不動産への投資は2018年も大きく伸びていくことが予想されます。「海外不動産に興味があるが、何から始めればいいかが分からない」といった方は、まずは海外不動産の無料相談や無料セミナーなどを実施している会社に足を運んでみると良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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