社会貢献と収益性の両立へ。アパート経営でできるSDGs・サステナビリティの取り組みは?

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アパート経営は金融機関のアパートローン(融資)を活用でき、自己資金の少ない個人でも参入しやすい点や、長期的な家賃収入が期待できる資産形成・投資方法です。

一方、アパート経営は入居者の生活面・安全面に大きな影響を有することになります。また住宅建築には多くの資材を必要するという観点では調達元の森林環境や気候などにも影響を与えたり、「まちづくり」という観点からは地域の住みやすさや治安などにも影響を及ぼしたりするなど、事業経営者としてアパート経営に関わる様々な人や環境に対して影響力を持つことになります。

これからのアパート経営を検討するうえでは、自身が獲得したい収益性の観点だけではなく、経営を通じて社会にどのような良い影響を与えることができるのかという観点も大切になってきています。

今回のコラムでは、アパート経営では具体的にどのようなSDGs・サステナビリティの取り組みができるのかについて、実際のアパート経営会社の取り組みを参考にしながら考えてみたいと思います。

目次

  1. 誰にでも住みやすいまちづくり・住まい
    1-1.高齢者や外国人も賃貸住宅を利用しやすく
    1-2.防犯の取り組みで、女性や高齢者もより安心して住める
  2. 気候変動問題への取り組み・脱炭素社会の実現
    2-1.木造住宅はRC造・鉄骨造と比べてCO2排出量が少ない
    2-2.建物を長持ちさせることでCO2削減
    2-3.木材のトレーサビリティで持続可能性に配慮した調達もできる
  3. 災害に強いレジリエンスなまちづくり・住まい
    3-1.耐震性を高めて、震度7でも倒壊しない建物をつくる
    3-2.実は火災にも強い木造住宅
  4. まとめ

1.誰にでも住みやすいまちづくり・住まい

不動産経営では、家賃の滞納や近隣住民とのトラブルのリスクの対策として、入居者の審査を行います。家賃滞納や住民トラブルは大きな経営負担がかかってしまうため、入居審査を慎重に行っていきたいアパートオーナーの方も多いでしょう。

しかしながら、オーナー判断で入居審査を行う場合には様々な問題があります。そのうちの一つが高齢者の方や外国人の方など、賃貸住宅の利用ハードルの高い方への住宅供給が不足してしまうということです。

また、防犯対策という観点においても、低階層のアパートは侵入しやすい構造になっており、一人暮らしの女性や高齢者の方の生活の安全を守る対策が必要になります。

適切なリスク対策を講じながら、アパート経営を通じて誰にでも住みやすいまちづくりに参画していくにはどのような工夫ができるのか、以下では実際にアパート経営会社のシノケンプロデュースの取り組み事例を参考に見て行きましょう。

シノケンプロデュース

シノケンの不動産投資セミナーシノケンプロデュースは、大手不動産投資会社「シノケングループ」の100%子会社です。東京都港区の本社ほか、福岡市、名古屋市、大阪市、仙台市にオフィスを展開しており、7,000名を超える全国のオーナーと契約しています。

アパート供給棟数は自社施工で6,000棟以上を数え、年間での自社開発棟数では8年連続No.1の実績があります(全国賃貸住宅新聞「賃貸住宅に強い建築会社ランキング」2015〜2021年度)。デザイン性の高い物件を供給しており、主力商品「New Standard」などは2016年度のグッドデザイン賞をダブル受賞しています。47,000戸以上(2023年12月末時点)の入居率は、98.56% (2023年年間平均入居率)となっています。

1-1.高齢者や外国人も賃貸住宅を利用しやすく

高齢者や外国人の方の入居審査の際に、「他の入居者と比べるとトラブルが起きやすそう」という漠然としたリスク意識で入居可否が判断されているケースも少なくありません。

例えば、高齢者の孤独死を含む自然死や不慮の死などの場合における次回契約時の告知義務は不要となりますが、「事故物件になるのではないか?」という不安から高齢者の入居を断ってしまう、という対応をされているケースも考えられます。

入居者のトラブルリスクを回避しながら入居審査を行う際は、具体的に起こりうるリスクを把握した上で、それぞれ対策を講じることが重要です。

例えば、シノケンプロデュースでは入居者向けコールセンター(24時間365日8カ国語対応)で、外国人や高齢者など敬遠されがちな方にも手厚い対応を行っています。このような入居者向けサービスは、高齢者の継続的な安否確認、外国人の言語の壁によるコミュニケーションや生活マナーの改善などが期待できます。

その他、高齢者の賃貸契約に向けたサポートを行っている自治体もあります。東京都中野区では、継続的な安否確認と死亡後の残存家財の片づけや原状回復などの費用補償がセットになった「あんしんすまいパック」という取り組みを始めています。(※参照:中野区あんしんすまいパックのご案内

賃貸住宅の利用ハードルが高い高齢者の方や外国人の方に向けたアパート経営を行うことは、住居に困っている方に向けた住宅供給という社会貢献につながります。また、20年・30年とアパート経営を長く続けていく上で入居者の高齢化も避けては通れないテーマです。早い段階から高齢者にも住みやすい物件にしていくことは、長期的な入居率の維持や収益性の面でもとても重要なのです。

1-2.防犯の取り組みで、女性や高齢者もより安心して住める

適切に防犯対策がされたアパートは、女性や高齢者の方の安全な暮らしを提供することに繋がります。また、防犯対策をしっかりと行っていることは入居者の安心感につながるだけでなく、犯罪を未然に防ぎ、地域の治安維持効果も期待できるでしょう。

警察庁「手口で見る侵入犯罪の脅威(令和2年)」を参考に見てみましょう。3階以下の共同住宅では、無締り、ガラス破り、合いかぎなどが主な侵入経路となっていることが指摘されています。

※画像引用:警察庁「手口で見る侵入犯罪の脅威(令和2年)

実際のアパート経営での防犯の取り組みも見ていきましょう。シノケンプロデュースは、防犯対策として、アパートメントブランド 「Akatsuki Terrace」において下記のセキュリティ設備を導入しています。

シノケン「Akatsuki Terrace」内観イメージ

  • スマート防犯カメラ:エントランスのセキュリティ強化(管理会社と連携)
  • ウィンドウセキュリティ:窓やドアからの振動や異常を検知し、スマホへ通知
  • セキュリティ人感センサー:外出中の居室内での異常をキャッチ
  • 警戒アラート:外出中にキャッチした異常時に、大音量でアラートを発信。侵入者を威嚇

エントランスや窓、外出時の室内センサーなど、アパートの防犯対策として優先順位の高いものについて適切に対応されていることが分かります。

防犯対策は住民のためのサービスという観点に加えて、オーナーにとっても突然の費用発生や対応を迫られるリスクの軽減につながります。まずは可能な範囲から取り組むことも検討してみましょう。

2.気候変動問題への取り組み・脱炭素社会の実現

世界のCO2排出量のうち建築に係る排出量は全体の約37%(UNEP「GLOBAL STATUS REPORT FOR BUILDINGS AND CONSTRUCTION」)と大きな割合を占めており、建築分野のカーボンニュートラルは脱炭素社会の実現において重要な役割を担っていると言えます。

このうち、木造住宅に使用される木材は、脱炭素社会に向けた建築資材としての有効性が期待されています。気候変動問題への取り組みについて、詳しく見て行きましょう。

2-1.木造住宅はRC造・鉄骨造と比べてCO2排出量が少ない

木造建築と鉄筋鉄骨コンクリート造や鉄骨造建築に必要なCO2排出量について比較してみましょう。下記、森林総合研究所が平成21年に公表した「2050 年までの木材利用による CO2 削減効果シミュレーション」における住宅構造別の建築物建設に必要な資材生産エネルギーの表です。

木造 SRC造(鉄筋鉄骨コンクリート) RC造(鉄筋コンクリート) S造(鉄骨造) 非木造
0.059 0.156 0.133 0.085 0.095

※炭素トン/㎡

木造はSRC・RCの半分以下のCO2排出量に抑えられており、アパート経営を通じた木造住宅の供給はCO2排出量の削減につながるということが言えるでしょう。

2-2.建物を長持ちさせることでCO2削減

木造住宅に使用される木材には樹木として吸収したCO2が多く含まれているため、住宅資材として利用することで炭素貯蔵効果があります。建物を長持ちさせると多くのCO2を排出しないまま貯蔵することができ、生産量が廃棄量を上回る分、大気中のCO2を削減させることが出来るのです。

また、木造住宅に利用した木材を大事に使った後、バイオマス燃料(動植物などから生まれた生物資源)として利用し、その分の化石エネルギー由来の炭素排出を減らすことも期待されています。どの程度削減が可能なのか、前述した森林総合研究所のCO2 削減効果シミュレーションを参考に見てみましょう。

削減シナリオ(右図)では炭素貯蔵効果がマイナスからプラスに推移し、省エネ効果と化石燃料代替効果と合わせて大きくCO2の削減効果が指摘されています。

一方で、アパートのような木造住宅の長期的な運用で懸念されるリスクの一つに、木材の経年劣化によってアパートの資産性が陳腐化してしまう点が挙げられます。木造アパートで減価償却ができる法定耐用年数は22年であるのに対し、SRC・RC造の住宅の法定耐用年数は47年と倍以上に設定されていることからも、長期運用が可能であるかどうか気になる方も多いでしょう。

近年のアパートの中には、SRC・RC造よりも長期の耐久性能を有する物件が出てきています。実際、シノケンプロデュースのアパートの場合は50~60年の長期耐久性能(※住宅性能評価 劣化対策等級2準拠)を持つため、建物の長寿命化により廃棄物などの総量を削減することが可能です。建物の構造躯体の部分に用いられる木材のシロアリ対策や鉄筋の錆び対策など、住宅を長持ちさせるための対策が適切に講じられています。(※参照:国土交通省「評価方法基準案(劣化対策)の各等級に要求される水準の考え方」)

アパートは、建築時の設計や使用する資材、リフォームによる適切なメンテナンスにより、長期的に保つことが可能です。アパートのメンテナンスはCO2削減効果につながり、良好な経営状態を保つという収益の観点からも重要性を増していると言えるでしょう。

2-3.木材のトレーサビリティで持続可能性に配慮した調達もできる

木材のトレーサビリティとは、どこで住宅用木材が作られ、どのようにして仕入れられたものなのかという情報を保管し、いつでも情報の閲覧を可能にしておくことです。

アパートの入居者に安心して暮らしてもらうためには、住宅資材である木材の安全性についても考慮することが大切です。木材のトレーサビリティは、アパートに欠陥木材が使用されていないか、また問題が起きた時にどのような要因があったのかを確認するためにも大切な情報となり得えます。

また、木材のトレーサビリティは調達元の森林環境の保護や、輸入木材伐採地の人権尊重という側面でも大切なポイントです。持続可能性に配慮した認証材・国産材を使用することで、過度な環境への負荷を軽減し、経済的に弱い途上国の生産者の労働環境の改善につながると考えられています。木材のトレーサビリティに関しては、建築前の段階でアパートの建築会社に確認してみると良いでしょう。

3.災害に強いレジリエンスなまちづくり・住まい

アパート経営における災害リスク対策は、入居者の生活の安全性を高めるためにも大切なポイントです。特にアパートのような集合住宅は地震の倒壊・半壊、火災などの影響が多数の入居者に関係してしまうため、適切な対策を講じる必要があるのです。

木造アパートは防災という観点から脆弱であるイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、過去の災害から日々の技術革新や建築基準の見直しが行われ、建築の防災対策は過去と比較して高い水準になってきています。2022年時点における、アパートの防災対策について見てみましょう。

3-1.耐震性を高めて、震度7でも倒壊しない建物をつくる

シノケンプロデュースのアパートは、1990年の創立から30年以上経った2022年時点まで、震度7クラスの地震を経験しても倒壊半壊・液状化による被害が0棟という実績を持っています。このような高い耐震性の背景には、地盤調査、対策工事、基礎構造の3つのポイントがあります。

シノケンプロデュースのアパート ベタ構造

シノケンプロデュースでは全ての土地に対して地盤調査を必ず実施。 第三者の地盤調査会社の調査内容に基づき、必要に応じて、 その地盤の性質にあった適切な対策工事を行います。さらに、強固な土地の底面全体に鉄筋コンクリートを打ち込む「ベタ基礎」構造により、高い耐震性を保ちます(※引用:シノケンの品質・技術安心の耐震設計)

また耐久性についても、木材は重量比強度が鉄やコンクリートなどの材料よりも高く、地震の揺れに対して強い優れた建築材料です。建物に作用する地震の力は建物の重量に比例し、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造りの床単位面積当たりの重量比は、1:2:4になります。(※参照:林野庁「木造建築物の一般的特性」)

つまり、木造は他の構造と比較して1/2~1/4程度の重量を支えることが可能であればよく、耐震性能を効率よく上げることができるということです。

3-2.実は火災にも強い木造住宅

ある程度の暑さや太さがある木材は、燃えると表面に炭化層ができるため、それ以上は燃えにくい性質を持っています。内部まで完全に燃えないため、火事になったときも強度が低下しにくく、耐熱性が高いという特徴があります。

また、断熱性能についても木造は注目されています。熱の伝わりやすさを測る指標に熱伝導率がありますが、鉄は83.5、ガラスは 0.55~0.75、木材0.12~0.25と、鉄は非常に熱が伝わりやすい材質であり、防災の観点だけでなく生活温度を適切に保ちやすいという面でも木材のメリットがあります。

まとめ

アパート経営は個人も参入しやすい資産形成の手段として人気の高い不動産投資の方法です。一方で、人々の生活に根付いた住居を提供すること、大規模な建築を必要とすることから、SDGsの取り組み余地が大きい領域であるということが言えるでしょう。

今回のコラムではアパート建築会社シノケンプロデュースの事例を参考に、アパート経営でできるSDGsの取り組みについて解説しました。アパート経営を行う事業経営者として、これからのアパート経営のサステナビリティにも注目されてみると良いでしょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」