マンション投資を検討しているものの、新築と中古のどちらが自分に合っているのかわからないという人は多いのではないでしょうか。
新築の方が建物もきれいで入居者を募りやすい印象もありますが、中古マンション投資には新築と違ったメリットがあります。中古マンション投資を成功させるためには立地にこだわって物件を選ぶことが重要です。
中古マンション投資が持つメリットやデメリット、投資を成功させやすいエリアの特徴について解説します。
目次
- 中古マンション投資のメリット
1-1.割安な価格で物件を購入できる
1-2.高利回りを狙いやすい - 中古マンション投資のデメリット
2-1.入居率が低下している可能性がある
2-2.不動産投資ローンの融資審査が厳しくなる - 中古マンション投資の初心者が検討しやすいエリア4つの特徴
3-1.賃貸入居者の多い都心部
3-2.オフィス街から30分圏内を狙う
3-3.学生の入居を狙うのなら大学・専門学校の近くのエリア
3-4.築古物件では外国人の入居者をターゲットにできることも - まとめ
1.中古マンション投資のメリット
同じマンション投資でも、新築と中古なら新築の方が入居者を見つけやすいのではと考える人も多いのではないでしょうか。入居者獲得競争などで一見不利にも思える中古マンション投資ですが、中古ならではのメリットもあります。
1-1.割安な価格で物件を購入できる
中古マンションに投資する大きなメリットは、家賃収入に対して物件価格が安いことです。
公益財団法人東日本流通機構が発表している「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」によると、築5年以下のマンションと築6年~10年のマンションとでは価格が14.6%違います。また、築11年~15年のマンションになると、築浅物件との価格差は約29%まで広がります。
投資用マンションは実需用のマンションと価格の算出方法が違うことや、実際のマンション価格が市場傾向と同じように価格が下がっていくわけではありません。しかし、新築マンションと中古マンションとで大きな価格差がつきやすいということが、傾向として見て取れます。
1-2.高利回りを狙いやすい
マンションは新築と中古とで価格差が付きやすい一方で、家賃はそれほど大きく下がりません。例えば、不動産ポータルサイトのLIFULL HOME’Sの「東京都の家賃相場情報(2022年1月時点)」を参照すると、東京都の渋谷区では築5年目以降20年目まで、平均して年間約0.8%家賃が下落していきます。なお、新築から5年目まではほとんど家賃が変わらず、年間の平均下落率は約0.26%です。
マンション価格の下落率が平均年間2%以上であるのに対して、家賃の下落率は0.26%~0.8%と小さくなっています。新築マンションと中古マンションとの比較では、家賃の下落率に対して中古マンションの方が安価な分、高利回りを狙いやすいと言えるでしょう。
2.中古マンション投資のデメリット
一方、中古マンション投資には新築にはないデメリットもあります。それぞれ確認しておきましょう。
2-1.入居率が低下している可能性がある
中古マンション投資で注意しておきたいのが、入居率の低下です。新築時には満室経営できていた物件でも、築年数の経過によって入居率が下がっていき、想定した収入を得られなくなっている可能性があります。
その他、新築マンションの建設が行われて競合の物件が周辺にできてしまうと、購入時には見込めていた賃貸需要を削がれてしまうリスクもあります。
2-2.不動産投資ローンの融資審査が厳しくなる
不動産投資ローンの審査では、投資家の年収や年齢などの属性に加えて、物件の担保評価も行われます。金融機関の評価基準の中には、建物の築年数(残法定耐用年数)があり、築年数が経過するほど担保評価が下がっていきます。
金融機関の中には、残法定耐用年数内でしか融資年数を設定しないケースもあります。融資年数が短く設定されることで、月々のキャッシュフローにも影響を与えるため、注意が必要なポイントです。
3.中古マンション投資の初心者が検討しやすいエリア4つの特徴
価格が安価で高利回りを狙いやすい中古マンション投資ですが、注目しておきたいエリアの特徴について具体的に解説します。
3-1.賃貸入居者の多い都心部
中古マンションは建物や設備が古くなっている影響で入居率が低下している可能性があります。実際に、家の賃貸を検討する人の多くはできる限り新築や築浅物件に住みたいと考えているものです。
中古マンションの投資で入居者を見つけるためには、賃貸入居者の多い都心など、長期的に賃貸需要が見込めるエリアが選択肢になります。家を探している人の母数が少ない地方エリアでは家賃も高くないために、新築マンションの競争力が特に高いことも背景としてあります。また、家を探している人が多い都心であれば、新築と中古とでそれほどこだわりのない人も増え、中古マンションでも立地条件が良ければ入居者が見つかる可能性が高くなると考えられます。
例えば、東京都内の投資用中古マンションの販売を手掛ける「エイマックス」では毎月3,000件以上の表に出ない物件情報の中から、立地条件・建物管理の状況・賃料相場・駅ごとの人口増加率・物件の資産価値など、厳格な基準を満たす中古のみを数十件だけに絞って厳選して仕入れています。適正な家賃設定・賃貸管理により管理戸数711戸・入居率99.1%(2023年7月時点)という実績があり、中古マンションであっても、エリア選びによって高い入居率を獲得できるということが分かります。
3-2.オフィス街から30分圏内を狙う
マンション経営をするうえで入居者のターゲットとなるのは、大学生や専門学生などに加えて、現役で働いている単身者またはファミリー世帯などです。
特に社会人の入居を狙う場合は、オフィス街から電車で30分圏内のエリアが候補として挙がります。日々会社に出勤している単身者をターゲットとするのであれば、閑静な住宅街よりも通勤利便性や生活利便性が高いエリアの方が、賃貸需要が見込めるためです。
勤務地から電車で30分以内を目安とすれば、通勤利便性の高いエリアを見極めやすくなります。例えば東京都内であれば、東京駅・新宿駅・品川駅など企業のオフィスが集中しているエリアから電車で30分以内を目安としてエリアを絞り込むのが有効です。
地方の場合は都市がコンパクトになるため、中心地からの距離が短くなります。また、地方では車で通勤する人も増えるため、都市ごとの特徴に合わせてエリアを選ぶことが必要です。
3-3.学生の入居を狙うのなら大学・専門学校の近くのエリア
大学生や専門学生を入居者のターゲットとする場合は、駅からの距離よりも学校からの距離を優先して物件を選ぶことが重要になります。社会人と違って、学生は駅からの距離よりも学校からの距離を優先して物件を選ぶことがあるためです。
ただし、その一方で、学生を入居者ターゲットとするマンション投資は、学校が移転してしまったり、入学希望者が減少したりすると、賃貸需要が大きく減少する可能性があります。学校は必ずしも駅の近くに立地しているとは限らず、駅から遠いエリアの物件を選んだ場合は、学校が移転した場合に入居者を見つけにくくなるため要注意です。
大学の経営状況など、特定要因のみに賃貸需要が依存しているエリアでは、状況の変化によってリスクが大きく異なってきます。他の学校にも近い、立地が良く社会人の需要も狙えるなど、複数の視点から精査してみましょう。
3-4.築古物件では外国人の入居者をターゲットにできることも
築30年以上となると、新築時よりも設定家賃が下がり、入居率が低下していきます。そのため、立地が良くない限り入居者を見つけることが困難になります。
しかし、予算的に妥協点を見出す必要がある場合は、外国人の入居を狙うのも有効です。例えば、外国には日本国内で3点ユニットと呼ばれるユニットバスも多く、シャワーを浴びられれば問題ないと考える人も多いため、日本人入居者には敬遠される3点ユニットの物件でも、外国人であれば入居を狙えます。(※参照:国土交通省「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」)
そのほか、例えば東南アジアの新興国では日本ほど公共交通の整備が進んでいないため、駅から歩くことに抵抗の少ない外国人は多いものです。多少駅から遠くても家賃が見合っていれば、比較的容易に入居者を見つけられます。
ただし、ゴミ出しの方法や入居者のマナーなどについて入居者の母国語で説明しておくことや、外国人専用の保証会社を利用するなど、外国人入居者向けの対策を取ることがトラブル防止策として重要です。外国人向けの賃貸経営は初心者にとって少々ハードルが高くハイリスクな投資手法と言えるため慎重に検討しましょう。
まとめ
マンションは築年数の経過によって値下がりしていくものの、家賃の値下がり幅はそれほど大きくありません。価格と家賃とで値下がり幅にギャップがあるため、中古マンション投資では高利回りを狙えます。
一方、新築時よりも入居率が低下している可能性があるため、慎重にエリア選びを進めていくことが重要なポイントとなってきます。
中古マンション投資を検討する場合は、都心でオフィス街から電車で30分以内のエリアが有効となるほか、学生の入居を狙うのであればキャンパスの近くが候補として挙がります。この記事を参考に、中古マンション投資のエリア選びについて検討してみましょう。
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