投資用マンションの賃貸需要を見極めるポイントは?エリアの家賃相場を調べる方法も

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不動産投資を継続的に行うためには、物件の賃貸需要が将来的に維持できるのか見極めることが重要となります。

そこで今回のコラムでは、賃貸需要を見極めるポイントについて解説していきます。またエリアの家賃相場を調べる方法も紹介します。

目次

  1. 投資用マンションの賃貸需要とは
  2. 投資用マンションのエリアの賃貸需要を見極めるポイント
    2-1.単身者向け投資用ワンルームマンションの賃貸需要
    2-2.ファミリー向け投資用マンションの賃貸需要
  3. 投資用マンションの物件における賃貸需要を見極めるポイント
    3-1.築年数
    3-2.設備・仕様
    3-3.賃貸契約の条件
  4. 投資用マンションのエリアの家賃相場を調べる方法
    4-1.不動産情報ポータルサイトの活用
    4-2.仲介会社への聞き込み
  5. まとめ

1 投資用マンションの賃貸需要とは

賃貸需要とは、所有するマンションに住みたいと思ってもらえる入居者からのニーズのことを指しています。不動産投資は入居者からの家賃収入を得ることで事業として成り立つため、賃貸需要が見込める物件・エリアで運用するのが望ましいと言えます。

賃貸物件に対する需要を見極めるには、エリアに対する需要と、物件そのものに対する需要の2つについて考えることが重要です。賃貸需要のあるエリアでも物件に魅力がなければ入居者の確保ができず、魅力のある物件でも賃貸需要のないエリアであれば入居者は確保しにくいためです。

なお、賃貸需要の多いエリアでは新築マンションの建築が為されるなど物件の供給数も多く、競合が生まれやすい環境にあります。賃貸需要を見極める際は、競合の動向を踏まえた家賃相場の推移なども確認することが大切です。

投資用マンションを選ぶ際には、エリアと物件自体に需要があるのか、見極めるようにしましょう。次からこの2つのポイントについて解説していきます。

2 投資用マンションのエリアの賃貸需要を見極めるポイント

設備や内装などは投資用マンションを購入した後でも変更することができますが、物件のエリアを変更することはできません。購入する前にエリアにおける賃貸需要を確認しておきましょう。

賃貸需要の見込みやすいエリアは、入居者にとって住みやすい環境が整っているということです。代表的なポイントは下記になります。

  • 交通アクセスが良い
  • 治安が良い
  • スーパーやコンビニなどの商業施設が充実している
  • 銀行や病院などの利便施設が整っている

より詳しく賃貸需要を確認したい場合は、各市町村が発表している人口統計で調べる方法もあります。単純に、転出する人口よりも転入する人口が多い転入超過になっていれば、賃貸物件に対する需要が見込みやすいと仮定することができます。

ただし、正確には貸家や持ち家の比率、自然増減や社会増減なども確認する必要があります。人口の増加減で単純比較する段階は、あくまでも仮定として捉えるようにしましょう。

2-1 単身者向け投資用ワンルームマンションの賃貸需要

単身者向け投資用マンションでメインターゲットとなるのが、サラリーマンやOL、学生などです。対象は結婚前の比較的若い層が占め、最寄駅から近い、コンビニなどが近い、といった利便性を求める傾向がより強くなります。

その点を注意して賃貸需要を見極めるようにしましょう。主なポイントは下記になります。

  • 最寄駅から近い
  • コンビニが近くにある
  • 遅くまで営業している店がある
  • 美容室やカフェなどが多い
  • 人通りが多い
  • 街並みが明るい

個人的な嗜好はありますが、概ね上記のようなエリアが好まれる傾向があります。

2-2 ファミリー向け投資用マンションの賃貸需要

一方、ファミリーを対象にした投資用マンションであれば、最寄駅からは少々遠くても住みやすさを求める傾向があります。下記の点を参考にしてください。

  • 公園など子どもの遊び場が近い
  • 保育園や幼稚園などが近い
  • 学校や図書館、美術館などの教育施設が充実している
  • 病院やクリニックなどの医療機関が近い
  • 自然がある
  • 敷地内に駐車場がある
  • バスなどの公共交通機関が利用できる

単身者とファミリーでは平日や休日の行動が異なります。そのため、周辺環境の違いにも着目することで賃貸需要を的確に見極めていきましょう。

3 投資用マンションの物件における賃貸需要を見極めるポイント

賃貸需要を見極めるには立地だけではなく、物件そのもののも確認しましょう。その際にポイントとなるのが、「築年数」「設備」「賃貸契約の条件」の3つです。

3-1 築年数

古い物件よりも新しい物件の方が賃貸需要が見込みやすい傾向があり、間取りや動線、マンションの外観や仕様なども、現代の住み方にマッチしている可能性もあります。高い入居率を保ちたい場合には、新築マンションの方が比較的容易に入居付けを行えると言えます。

一方、家賃が適切に設定されている物件であれば、ある程度古い投資用マンションでも問題はありません。逆に、新築マンションであっても家賃が高すぎる場合には入居付けに苦戦してしまうケースもあります。

設定家賃が周辺の競合物件と比較して適切であるかどうか、築年数別に比較して検証することが大切です。

3-2 設備・仕様

入居者にとって必須というわけではありませんが、必要な設備が備えてあると入居の決定要因になる可能性があります。特に競合している物件がある場合には、必要な設備があることで差別化になることもあります。人気の設備や仕様の事例としては、以下のようなものがあります。

  • ウォークインクローゼット
  • 洗浄機能付き便座
  • 浴室換気乾燥機
  • 独立洗面台
  • システムキッチン
  • TVモニター付きインターフォン
  • 防犯カメラ
  • ホームセキュリティ
  • 24時間利用可能ゴミ置き場
  • 駐車場
  • インターネット無料
  • IoT機器

単身者向けやファミリー向けで必要な設備・仕様が異なりますので、ターゲットに合わせて導入するようにしましょう。

3-3 賃貸契約の条件

マンションの管理規約にもよりますが、「ペット可」「楽器可」「外国人可」などの賃貸契約の条件によって付加価値を設けることで他の物件と差別化を図ることもできます。

例えば、音楽大学の近くのマンションであれば、「楽器可」にすることで学生からの賃貸需要が見込めます。また、子供の習い事のためにピアノが置ける部屋を探している家族もいます。そうしたファミリーが多い地域では、楽器が演奏できるファミリー向けの投資用マンションの需要を見込みやすくなります。

また、室内をバリアフリー化することで、シニア世代からの需要が多くなることも考えられます。こうした物件独自の付加価値を設けることによって、特定のターゲットから賃貸需要を増やすことができます。

4 投資用マンションのエリアの家賃相場を調べる方法

賃貸需要のある場所で賃貸需要のある物件でも、家賃がそれに見合っていなければ入居者を確保することはできません。そこでこの項目では、適切な家賃を設定するために、エリアごとに家賃相場を調べる方法を紹介します。

4-1 不動産情報ポータルサイトの活用

不動産情報を提供しているsuumoやLIFULL HOME’S 、athomeなどのポータルサイトを活用することで、ある程度家賃の相場を確認することができます。所有している(あるいは所有する予定の)マンションと同じ地区で、同じ大きさの部屋といった競合物件になりそうな部屋の家賃を確認することです。

手順は下記のようになります。

  1. 不動産情報ポータルサイトを開く
  2. 賃貸部門で同じ地域を選ぶ
  3. 検索条件に、部屋の大きさや間取りなどを選んで検索する
  4. 表示された部屋の家賃を確認する

築年数や部屋のデザイン、動線などを確認して、競合物件になりそうな部屋の家賃を確認することでおおよその家賃相場を知ることができます。また、ポータルサイトによっては、家賃相場を地域ごとにまとめて提供しているページを設けていることもあります。

4-2 仲介店舗への聞き込み

より詳細な家賃相場を知りたい場合は、地域の仲介店舗に直接聞くといいでしょう。地元で数多くの物件を仲介しているため、家賃相場を詳しく把握しています。

その場合、曖昧な聞き方をするのではなく、「今度、この辺りの投資用マンションを購入しようと思っている」というようにこちらの情報を正しく伝えることが肝心です。実際に投資用マンションを購入した際の入居者募集を依頼することになるときのためにも、丁寧にお願いするようにしましょう。

まとめ

入居者を確保することで事業として成り立つ不動産投資では、賃貸に対する需要があるエリアで行うことが重要です。その見極めのポイントとして、エリアの他に、物件の設備や付加価値についても解説しました。

また適切な家賃を設定できるように、家賃相場を調べる手順も紹介しました。賃貸需要を維持するには、適切な家賃設定が欠かせません。オーナー自身が把握することで、より的確な判断ができるようになりますので、ぜひ参考にしてください。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。