親族間で不動産を売買するメリット・デメリットは?手順や注意点も

不動産の売却を検討している人の中には、購入希望者を探すのではなく、親族間で不動産を売買することを検討している人もいると思います。

親族間での不動産売買は一般的な不動産売買とは異なる部分が多いため、どんなメリット・デメリットを伴うのか気になっている人も多いのではないでしょうか?

この記事では、親族間不動産売買のメリット・デメリット、大まかな手順や注意点について解説します。

目次

  1. 親族間不動産売買のメリット・デメリット
    1-1.親族間不動産売買のメリット
    1-2.親族間不動産売買のデメリット
  2. 親族間不動産売買の手順
    2-1.登記簿謄本を取得
    2-2.売買価格を検討
    2-3.不動産売買契約書を作成
    2-4.名義変更手続きと引渡し
  3. まとめ

1.親族間不動産売買のメリット・デメリット

親族への売却は一般的な第三者への売却とは異なる部分が多いため、どのようなメリット・デメリットを伴うのかを事前に理解した上で売買に臨むことが重要です。

親族間不動産売買のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

1-1.親族間不動産売買のメリット

親族間不動産売買のメリットとして、以下の2つが挙げられます。

  • 愛着のある家を完全に手放すわけではない
  • 仲介手数料を削減できる

通常の不動産売買では、見ず知らずの第三者と売買することになるため、愛着のある家を完全に手放すことになります。

しかし、親族間での不動産売買では、家が継承されるので完全に手放すわけではありません。遊びに行った時に思い出の残る家を間接的に残せるメリットがあります。

また、不動産会社を介さずに直接親族間で売買するケースでは、仲介手数料がかかりません。買主だけでなく売主も数十万円~数百万円の費用を抑えられることから、双方に金銭的メリットのある不動産取引と言えます。

1-2.親族間不動産売買のデメリット

親族間不動産売買のデメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 贈与税がかかる可能性がある
  • 住宅ローン審査が通りにくい
  • 3000万円の特別控除を利用できない

親族間で不動産を売買する際は、少しでも安く売ってあげたいと思う人も多いのではないでしょうか?

しかし、相場より安く売った場合にはみなし贈与と判断され、最大55%の贈与税を課される可能性があります。また、住宅ローンを利用する場合、親族間売買は審査に通りにくい傾向があります。

売主は不動産の売却によって利益が生じた場合、利益に対して譲渡所得税が課されますが、通常の売買であれば3000万円の特別控除を利用して3000万円までの利益を非課税にできる可能性があります。しかし、親族間売買では3000万円の特別控除を利用できません。

これらのメリット・デメリットから、親族間売買は比較的小ぶりな物件の場合に検討しやすい不動産取引と言えるでしょう。

2.親族間不動産売買の手順

親族間不動産売買では不動産会社を介さずに直接売買契約を締結するケースも多いため、どのような手順で不動産売買を進めるのかを事前に把握しておくことが重要です。

親族間不動産売買の手順は以下の4つです。

  1. 登記簿謄本を取得
  2. 売買価格を検討
  3. 売買契約書を作成
  4. 名義変更手続きと引渡し

それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。

2-1.登記簿謄本を取得

まずは親族間売買を予定している不動産の登記簿謄本を取得します。その理由は、不動産の売買契約締結後のトラブルを未然に防ぐためです。

登記簿謄本で確認するのは、名義権者、抵当権の有無などです。売主の名義になっていない不動産は勝手に売却できないため、名義が売主になっているか確認する必要があります。

2-2.売買価格を検討

登記簿謄本を取得して名義権者や抵当権の有無などを確認後、売買価格の検討に移ります。適正な価格で売買を行わなかった場合にはみなし贈与として扱われる可能性があるため、周辺相場に近い売買価格に設定しなくてはなりません。

適正価格を調査する際は、複数の不動産会社へ一括で査定依頼ができる「不動産一括査定サイト」の利用を検討してみましょう。不動産一括査定サイトでは物件情報を一度登録するだけで複数の不動産会社から無料査定が受けられ、査定結果を比較することが可能です。

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2-3.不動産売買契約書を作成

親族間と言っても、売却後に何かしらのトラブルに発展する可能性があります。そのため、単に売買契約を交わすだけでなく重要事項説明書や売買契約書を作成してから売買契約を交わすことが重要です。

しかし、重要事項説明書や売買契約書に漏れが生じていた場合は、後でトラブルに発展する可能性があります。また、売買契約書に盛り込んでいない情報があった場合は、後に契約不適合責任という形で売主へ責任追及が為されるケースもあります。

売買契約上での不安がある場合には、不動産会社へ仲介や書類作成を依頼することも検討してみましょう。

2-4.名義変更手続きと引渡し

売買契約書を作成して売買契約を交わした後は、引渡しと名義変更手続きへと移行します。決済と同時に名義変更手続きを行うため、住宅ローンを利用する場合は金融機関と事前に日程調整を行う必要があります。

また、名義変更手続きは手間と時間がかかるため、通常取引では買主・売主が行うのではなく司法書士が行うケースがほとんどです。司法書士に依頼する場合、司法書士と事前に日程調整を行う必要があります。

金融機関や司法書士との日程調整に不備があると、その後のスケジュールに支障が生じる可能性があります。不動産仲介業者へ依頼すると、銀行や司法書士との調整も委託できるため、手続きに不安がある場合は不動産会社の仲介依頼を検討しましょう。

重要事項説明書や売買契約書の作成、決済と名義変更手続きなどの部分的な仲介であれば仲介手数料を下げてもらえる可能性が高いと言えます。親族間の不動産売買のトラブルを未然に防ぎたい人は、不動産会社への相談も選択肢に入れておきましょう。

まとめ

親族間の不動産売買には、家を完全に手放さなくて済む、仲介手数料がかからないといったメリットがありました。

しかし、売却価格次第では贈与税がかかる、3000万円の特別控除を利用できないといったデメリットも伴うことから、メリットとデメリットの双方を踏まえた上で親族間の不動産売買について検討する必要があります。

また、いくら気の知れた親族間であっても、売却後にトラブルが生じる可能性があります。トラブルを未然に防ぎたい、スムーズに売買を進めたい人は、不動産会社に相談することも選択肢の1つと言えるでしょう。

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矢野翔一

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。