不動産投資と株式投資の両方を始めるのに必要な資金は?リスク回避の注意点も

資産運用の方法は様々ですが、中でも不動産投資と株式投資はポピュラーな投資方法です。いくらあれば投資できるのか、現在の自分の貯金は投資するのに十分なのかと考える方も多いのではないでしょうか。

本記事では、不動産投資と株式投資について、目安となる必要資金とリスクヘッジのために知っておきたい注意点を解説します。

目次

  1. 不動産投資を始めるために必要な資金
    1-1.購入する物件価格の1~3割が目安
    1-2.不動産投資ローンの融資額に注意する
  2. 株式投資を始めるために必要な資金
    2-1.国内株式は100株単位で取引されている
    2-2.信用取引のメリット・デメリット、注意点
  3. 不動産投資と株式投資のリスクを回避する方法
    3-1.分散投資する
    3-2.余剰資金で投資する
  4. まとめ

1.不動産投資を始めるために必要な資金

他の投資と比較した時の不動産投資のメリット1つに、運用不動産を担保に入れた不動産投資ローンを利用できるという点があります。不動産投資ローンを利用すれば大幅に自己資金を抑制でき、資金効率の良い投資が可能になります。

一方、不動産投資の初期費用でこれだけ用意しておけば間違いないというような金額はありません。投資用物件は規模も価格も物件によって様々だからです。あくまでも物件価格に対する割合という尺度で必要な自己資金について解説します。

1-1.購入する物件価格の1~3割が目安

不動産投資と収益物件の情報サイト健美家の「第17回不動産投資に関する意識調査」で不動産投資家向けに実施したアンケートによると、下記のような調査結果となりました。

物件購入時の融資環境について

  • 融資を活用した:54.4%
  • 現金で購入:45.6%

※引用:不動産投資と収益物件の情報サイト健美家「第17回不動産投資に関する意識調査

回答者のうち半数近くの人が物件購入にあたってローンを利用したと回答しています。

なお、初めて投資用物件を購入するということであれば、収入が高い・他の資産があるなどの条件に当てはまらない限り、ローン審査を通過出来ても自己資金の投下を求められる場合が多いと言えるでしょう。

同じく、不動産投資と収益物件の情報サイト健美家のアンケートでは、ローンを活用した投資家に対して自己資金がいくら必要だったかも確認しています。

物件購入に必要な自己資金の割合

  • 必要無し(フルローン以上):35.4%
  • 1割:25.8%
  • 2割:25.3%
  • 3割:8.7%
  • 4割以上:4.8%

※引用:同上

上記のアンケート結果で1割や2割と表記されているのは、物件の購入価格に対して何割の自己資金が必要だったかを表しています。なお、フルローンとは物件価格と同額の資金を借り受けるローンのことです。

アンケート結果では自己資金は必要なかったという回答が全体で最も多い35.4%となり、多いようにも感じられますが、回答者のうち約64.6%の人は自己資金が必要であったということになり、フルローンを組めた方は少数派であるということが分かります。

物件購入価格の1割~3割自己資金を投下した人の割合は回答者全体の約60%に上っています。このため、不動産投資を始めるために必要な自己資金は物件購入価格の1割から3割を目安に考えておくと良いでしょう。

例えば、1,500万円の物件を購入するならば150万円~450万円、2,000万円の物件を購入するならば200万円~600万円が必要な自己資金ということになります。

1-2.不動産投資ローンの融資額に注意する

投資用物件の購入にあたって必要なのは物件価格だけではありません。物件購入後に所有権登記をするため費用がかかるほか、不動産会社の仲介を受けて物件を購入するのであれば仲介手数料がかかるなど、物件価格以外にも諸経費の支払が発生します。

諸経費は物件価格の1割前後が目安です。このため、例えばローン審査を通過して物件購入価格の1割自己資金を投下するよう求められた場合は、諸経費と合わせて2割の自己資金が必要ということになります。

なお、融資条件は非常に厳しくなりますが、諸経費も併せて金融機関から借り入れられるケースもあります。このような諸経費も併せて借り入れるローンのことを「オーバーローン」と呼びます。

オーバーローンを利用できるのであれば、自己資金を投下しなくても投資用物件を購入可能です。ただし、オーバーローンは借入額が増え、毎月の返済と金利支払いが不動産投資の収益を圧迫してしまうこともあります。

返済比率が非常に高くなることから、その時々の金融機関の融資態度によって変化しますが、オーバーローンの融資を行っていない金融機関も少なくありません。結果的に効率の悪い投資になってしまうこともあるので、リスクヘッジのためには可能な限り自己資金を投下することも検討されてみると良いでしょう。

2.株式投資を始めるために必要な資金

不動産投資と比較すると株式投資に必要な資金は少額です。また、不動産投資のローンと同じく株式投資にも自己資金を抑えながら投資する方法があります。

2-1.国内株式は100株単位で取引されている

国内株式市場では基本的に100株単位で取引が行われています。このため、例えば2,000円の株を100株購入すれば20万円の費用と取引手数料がかかります。

なお、株価は企業によってさまざまです。大企業であっても株式分割によって株価を数百円単位にしているところもあれば、1株当たり数万円する企業もあります。

その他、100株の単元株制度を受けない投資方法として「ミニ株・単元未満株」などの少額資金で株式投資ができるサービスも増えています。証券会社によって「ワン株」「S株」などサービス名がそれぞれ異なりますが、1/10の売買単位で購入出来たり、100円から株を購入できるサービスがあります。

ミニ株・単元未満株を購入できる株式投資サービス

証券会社 サービス名 特徴、対象銘柄
マネックス証券 ワン株 売買単位は1株から注文可能。対象銘柄は、東証(マザーズ、JASDAQ含む)、名証(セントレックス含む)、福証、札証上場株式
SMBC日興証券 株式ミニ投資 東証1部・2部、JASDAQ、名証1部・2部のうち、SMBC日興証券が選定する約2,100の豊富な銘柄が対象
SBI証券 S株 対象銘柄は、東証(マザーズ、JASDAQ含む)、名証(セントレックス含む)、福証、札証上場株式

【関連記事】ミニ株・単元未満株のメリット・デメリットは?購入できる証券会社も5社紹介

米国株など海外株式は単元株制度を受けずに投資が可能

米国株など海外の株式であれば単元株制度がないため1株から購入することが可能です。日本の経済圏とは異なる投資が可能になるメリットがありますが、現地通貨で購入する必要があるため為替リスクがあり、現地と日本の両方の課税を受ける(二重課税)があることに注意が必要です。

【関連記事】米国株投資の始め方は?証券会社選びや銘柄選びなど手順に沿って解説

2-2.信用取引のメリット・デメリット、注意点

株式投資は不動産投資と比較すると少額からでも始められますが、不動産投資のローンのようにレバレッジをかけた投資方法もあります。これは信用取引という仕組みで、少ない自己資金で大きな株取引を行える投資方法です。

信用取引は、現金や保有している株式などを担保として証券会社に預けることで、証券会社から資金を借りて行います。信用取引を利用すれば、最大で担保評価額の約3.3倍まで株取引が可能となります。

しかし、株式投資で信用取引を利用する場合は、一定以上の損失が出た場合に担保を利用しての返済が行われるほか、担保で損失額をまかないきれなかった場合は一括返済を求められます。

一方、信用取引の担保評価額3.3倍というレバレッジと比較して、不動産投資は自己資金の3~10倍程度、場合によってはフルローンでレバレッジをかけることが出来ます。

この点だけ見ると不動産投資の方がハイリスクに見えますが、株式は市場が開いている限り常に値動きするので、損失が発生するリスクは株式投資の方が大きいと言えるでしょう。実際には担保となる株式の値動きが大きいため、比較して信用取引のリスクコントロールは非常に難しいという点に注意する必要があります。

3.不動産投資と株式投資のリスクを回避する方法

不動産投資と株式投資のどちらもリスクを完全に排除することはできないため、それぞれのリスクを回避する対策が必要になります。それぞれリスク回避の手順を見て行きましょう。

3-1.分散投資する

不動産投資と株式投資との比較では、株式投資の方が損失発生のリスクは大きいと解説しましたが、不動産投資でも損失が発生しないわけではありません。不動産投資でも空室状態が長引けば損失が拡大するほか、投資した不動産が大きく値下がりしてしまうこともあります。

投資のリスクを回避するためには、不動産投資・株式投資のどちらにおいても分散投資を進めることが重要です。資金を複数の投資対象に回し、同時に運用することを分散投資と言います。

例えば、株式投資で損失が発生した場合は、不動産投資の利益で穴埋めする、ということも可能です。しかし、一方の投資対象に資金を多く投入してしまうと、損失が大きくなりすぎてしまい、一方の利益で補完できなくなる可能性があります。

分散投資をする際はそれぞれの投資対象のリスクを勘案し、適切に資金を分散させていくことが重要になります。まずは、株式:不動産(自己資金額):現金の割合が等分になることを目安に、資産を分散させていくと良いでしょう。

【関連記事】将来の資産形成に役立つ「資産三分法」の配分比率は?株・不動産の選び方も

3-2.余剰資金で投資する

不動産投資・株式投資ともに金銭的なリスクを回避するために有効なもう1つの方法は、生活費まで投資に充当しないことです。あくまでも余剰資金を運用して増やすという目的のもと投資することで、投資が失敗した時や突発的なトラブルにも対処しやすくなります。

特に、不動産はいざ売却を考えたとしても1~3ヶ月ほどの期間を必要とします。売り急いでしまうと売却価格の目減りにもつながってしまうため、売却を検討する際はスケジュールに余裕をもって取り組むことが重要になってきます。

いざという時の生活資金として、現金資産を一定程度は保有しておくと良いでしょう。

まとめ

不動産投資と株式投資の両方を始めるために必要な資金は、投資する物件や銘柄によって異なります。少なく見積もって、数十万円~100万円以上の資金が必要になるでしょう。

不動産投資と株式投資にはそれぞれ自己資金を抑制しながら投資できるレバレッジの仕組みがあるものの、リスクの拡大につながるため、バランスを取ることが必要です。

その他、一つの投資対象に資金を投入しすぎてしまうと、ハイリスクな運用になってしまうことがあります。リスクヘッジのためには生活費を除いた余剰資金で投資することと、資金を分けて複数の資産に投資する分散投資が有効です。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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