不動産投資型クラウドファンディングは、手元の資金が少ない方でも少額資金で気軽に始めることができる新しい不動産投資の方法です。
不動産投資型クラウドファンディングのサービスを提供するプラットフォームは数多くあり、かつそれぞれが提供するファンドも多数あることから、どのプラットフォームやファンドを選択すればいいのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は不動産投資型クラウドファンディングにおけるプラットフォーム・ファンドごとの選び方のポイントについて解説します。
目次
- 不動産投資型クラウドファンディングとは
- 不動産投資型クラウドファンディングのプラットフォームの選び方
2-1.募集案件・ファンドが豊富であるか
2-2.募集の頻度
2-3.運用不動産の種類・エリア
2-4.不動産情報の開示量の多さ
2-5.期待利回りと実績
2-6.運営会社の信頼性 - 不動産投資型クラウドファンディングのファンドの選び方
3-1.優先劣後方式の出資割合
3-2.案件の規模の大きさ
3-3.運用期間
3-4.収益の種類 - まとめ
1.不動産投資型クラウドファンディングとは
不動産投資型クラウドファンディングとは投資家から募った資金を使って事業者が不動産投資を行い、家賃収入や売却益を投資家に還元する投資方法や投資サービスのことです。
不動産投資型クラウドファンディングでは実際に物件を所有する不動産投資とは違い、1口1万円~数万円程度などの少額資金での投資が可能です。
また投資した不動産の運営が管理は事業者が行うため、投資家は出資する以外に運営・管理を行う必要がありません。
投資できる不動産はマンションやアパートがメインですが、中には学校やホテル、物流施設、保育園など、個人では投資ハードルの高い物件へ投資できるプラットフォームもあります。
2.不動産投資型クラウドファンディングのプラットフォームの選び方
不動産投資型クラウドファンディングのプラットフォームを選ぶ場合のポイントをいくつか紹介します。
2-1.募集案件・ファンドが豊富であるか
不動産投資型クラウドファンディングのプラットフォームを選ぶ際は、募集している案件の数が多いかどうかを確認しましょう。募集案件が多いほど投資する際の選択肢の幅が広がり、ファンドを比較することが容易となるためです。
募集案件が少ないプラットフォームでは、投資機会が得にくいことに加え、自分が投資したいと思える案件に巡り合えない可能性もあります。プラットフォームへの登録前に募集案件が豊富かどうか、という点にも注目してみましょう。
2-2.募集の頻度
募集頻度の高さも、不動産投資型クラウドファンディングのプラットフォームを選ぶ際のポイントとなります。募集頻度が多いサービスほど、投資機会を得られる可能性が高くなるからです。
案件数が少なく募集頻度も少ないプラットフォームでは、投資機会を得ることが出来ない可能性があります。プラットフォームのファンド一覧や過去の募集実績を見て、どれくらいの頻度で募集案件が公開されているか確認しましょう。
【関連記事】募集頻度が高い不動産投資型クラウドファンディングは?3社を厳選
2-3.運用不動産の種類・エリア
不動産投資型クラウドファンディングのプラットフォームを選ぶ場合は、投資対象となる不動産の種類が豊富かどうかにも注目してみましょう。プラッドフォームによっては、自分が投資したい不動産を投資対象にしていない場合があるからです。
例えば、マンションなどの居住用物件は中長期的なリターンを見込みやすいという特徴がありますが、家賃が一定となるため、高い利回りは期待しにくい面があります。
一方、ホテルや商業施設、キャピタルゲインを見込んだ売却案件などは大きなリターンを見込みやすいメリットの反面、景気の影響を受けやすく、ややハイリスクな点がデメリットです。
このように、自身の投資目的によって投資対象の物件タイプが異なってきます。様々な物件を扱うプラットフォームであれば、投資物件の仕分けも容易となるうえ、投資する不動産の種類を分けることでリスクを分散できる点もメリットです。
ただし、不動産投資型クラウドファンディングを提供するプラットフォームは特定のエリアや物件タイプに特化し、高い専門性によって運用を行っているケースも少なくありません。様々な物件タイプへの投資を検討する際は、複数のプラットフォームを使い分けてみることも検討されると良いでしょう。
【関連記事】不動産投資型CF、投資エリア別のおすすめサービスは?投資額や想定利回りも
2-4.不動産情報の開示量の多さ
投資不動産に関する情報量が多いかどうかも、不動産投資型クラウドファンディングのプラットフォームを選択する際の重要なポイントです。
不動産情報とは、投資する不動産の概要や特徴、周辺施設の状況、期待される収益性などを示したものです。詳細な不動産情報が豊富に得られるプラットフォームであれば、投資の是非について判断しやすくなります。
2-5.期待利回りと実績
不動産投資型クラウドファンディングのプラットフォームを選ぶ場合は、期待利回りや運用実績を確認しましょう。
また、プラットフォームによってはこれまでに集めた資金の総額やデフォルトの件数、全体的な利回りなどの情報を公開している場合があります。自分が想像する投資活動ができそうか、プラットフォームを信頼できるかどうか事前に確認することが重要です。
2-6.運営会社の信頼性
不動産投資型クラウドファンディングのプラットフォームを運営する企業の信頼性についても確認しましょう。
例えば、上場一部企業が運営している場合は決算情報で業績などを確認できます。また不動産に関する事業を長く運営している運営会社であれば、クラウドファンディング以外の運用実績を確認してみるのも良いでしょう。
3.不動産投資型クラウドファンディングのファンドの選び方
次に、不動産クラウドファンディングで提供されるファンドの選び方のポイントをいくつか紹介します。
- 優先劣後方式の出資割合
- 案件の規模の大きさ
- 運用期間
- 収益の種類
3-1.優先劣後方式の出資割合
不動産投資型クラウドファンディングのファンドを選ぶ場合は、優先劣後方式の出資割合を確認しましょう。
優先劣後方式とは投資家からの出資分を優先出資、運営会社の出資分を劣後出資として、万が一ファンドで損失が発生した場合、劣後出資分から損失に充てる仕組みのことで、投資家の出資金を守るための対策の1つです。
優先劣後方式の出資割合はプラットフォームによって異なるほか、同じプラットフォームでもファンドによって異なることがあります。
劣後出資の割合が高いほど損失を被る可能性が低くなるため、投資リスクを軽減できます。ただし、運営会社のリスクが高くなるため投資家へのリターンは低く設定される傾向がある点に注意が必要です。
3-2.案件の規模の大きさ
募集されている案件の規模(=募集金額)の大きさも、ファンドを選ぶ際のポイントとなります。案件の規模が大きいほど、投資に参加しやすくなるためです。
人気の高いファンドは募集が開始されてから数分で完売となってしまうケースもあります。募集案件の規模が小さいと投資の意思があっても参加できない可能性が高いため、募集金額についてもチェックしておくと良いでしょう。
【関連記事】募集金額の大きい不動産投資型クラウドファンディングは?厳選2社を紹介
3-3.運用期間
運用期間もファンドを選ぶための重要なポイントです。理由は2つあり、1つは運用期間の長さによって投資のリスクをリターンが変動するため、もう1つは基本的に運用期間が終わるまで解約できないためです。
運用期間が短い場合、資金回収がしやすく投資リスクは低くなりますが、運用期間が短いことで1回の投資に対するリターンが小さくなります。一方、運用期間が長いほど1回の投資で得られるリターンは大きくなりますが、資金回収までに時間が掛かり投資リスクは高まります。
また分配金が支払われるタイミングには月ごとや週ごと、満期時に一括支払のような違いがあり、ファンドによって異なるため運用期間を合わせて確認する必要があります。自分の投資スタイルや経済事情などに適した運用期間のファンドを選択するようにしましょう。
なお、多くの不動産投資型クラウドファンディングは運用期間途中に解約することができませんが、「COZUCHI(コヅチ)」や「大家どっとこむ」などの一部のサービスでは、条件付きで解約することが可能です。
【関連記事】途中解約(キャンセル)ができる不動産投資型クラウドファンディング2社
3-4.収益の種類
不動産投資型クラウドファンディングで得られる収益には、大きく分けてキャピタルゲイン型とインカムゲイン型の2種類があります。キャピタルゲインは不動産の売却益、インカムゲインは運用期間中の家賃収益に当たります。
キャピタルゲインを重視する場合は、不動産の立地や規模、価値などが投資の判断材料となります。一方、インカムゲインを重視するなら、運用期間の長さや期待利回り、賃貸需要などを見て投資判断を下すことになります。
なお、キャピタルゲイン型は売却スケジュールがあらかじめ決まっていることが多く、運用期間も短く設定されている傾向があります。その他、キャピタルゲイン型とインカムゲイン型の両方を見込んだファンドもあり、運用方法はプラットフォームによって様々です。
【関連記事】不動産投資型CF、キャピタルゲインを狙えるサービスは?注意点も
4.まとめ
今回は不動産投資型クラウドファンディングにおけるプラットフォームとファンドのそれぞれの選び方について解説しました。
不動産投資型クラウドファンディングに参加できるプラットフォームは増加傾向にあり、それぞれのサービスで提供するファンドも合わせれば選択肢の幅はかなり広いといえます。
本記事を参考に、自身の投資目的に沿っており、かつ投資しやすいプラットフォームやファンドを検討されてみると良いでしょう。
山本 将弘
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