不動産売却、簡易査定と訪問査定の違いは?メリット・デメリットも解説

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不動産の資産価値を把握する方法として不動産会社に査定を依頼するという方法が挙げられます。

不動産会社の査定方法には簡易査定と訪問査定の2つがあり、各査定方法は特徴が大きく異なるため、査定を依頼する際は事前にその違いを理解した上で依頼する必要があります。

この記事では、簡易査定と訪問査定の違い、使い分けたいパターンについて解説します。

目次

  1. 不動産の査定方法は大きく2つに分類
    1-1.簡易査定(机上査定)とは
    1-2.訪問査定(実査定)とは
  2. 簡易査定のメリット・デメリット
  3. 訪問査定のメリット・デメリット
  4. 各査定方法に向いているケースとは
    4-1.簡易査定を依頼するケース
    4-2.訪問査定を依頼するケース
  5. 複数の不動産会社に査定を依頼する
  6. まとめ

1.不動産の査定方法は大きく2つに分類

不動産を買い替える場合には、売却代金を購入資金に充当するため、買い替えをスムーズに行うためにいくらで売れるのかを把握する必要があります。また、不動産を売り出す際は、設定した売出価格によって売却結果に差が生じるため、適正な売出価格を設定することが重要となります。

適正な売出価格を設定するために不動産会社に査定を依頼する場合、査定方法には簡易査定と訪問査定の2つがあります。各査定方法によって特徴が大きく異なるため、違いを理解した上で査定を依頼することが重要です。

簡易査定と訪問査定の違いについて詳しく見ていきましょう。

1-1.簡易査定(机上査定)とは

簡易査定とは、実際に対象の不動産を確認せず、過去の取引結果や周辺相場からおおよその査定額を算出する査定方法です。不動産会社の事務所で査定を行うことから机上査定とも呼ばれています。

簡易査定では、不動産のエリアや土地の広さ、建物の大きさ、築年数、間取りといった物件情報、類似物件の売出価格、成約価格、市況などに基づきながら査定を行います。

簡易査定ではこのような過去のデータに基づきながら査定を行っているため、「おおよその価格を知りたい」「どの不動産会社に依頼するか比較したい」という時に役立てることが可能です。

1-2.訪問査定(実査定)とは

訪問査定とは、簡易査定で得られた査定結果に現地確認で得られた情報を反映させながら査定額を算出する査定方法です。現地に足を運んで細かく査定を行うことから実査定とも呼ばれています。

訪問査定では、地図や写真だけでは判断できない立地条件や日照条件、風通し、経年劣化の程度、設備の状態などの確認しながら査定を行います。

簡易査定とは異なり、訪問査定は不動産の現状をより正確に査定額に反映させることから査定精度が高いのが特徴です。

2.簡易査定のメリット・デメリット

簡易査定のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
簡単に査定結果を得られる 査定精度がやや低い

簡易査定は現地確認を行わないため、現地確認を行うための日程の調整を行う必要がなく、部屋を片付ける必要もありません。そのため、簡易査定は手間をかけずに、短期間で査定結果を得られるのがメリットと言えます。

しかし、簡易査定は現地確認を行っていないため、築年数よりも劣化が進行している場合には査定結果よりも実際の売却価格は低くなる可能性があります。

このように査定結果と実際の価値に大きな乖離が生じる可能性があることがデメリットと言えるでしょう。

3.訪問査定のメリット・デメリット

訪問査定のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
正確な査定結果を得られる 手間と時間がかかる
不動産会社の良否をチェックできる

訪問査定は現地確認を行うため、簡易査定の査定結果よりも精度が高くなります。そのため、査定結果と実際の価値の乖離を小さく抑えることが可能です。

また、仲介を依頼する不動産会社によって売却結果に差が生じるため、しっかり不動産会社を選ぶ必要がありますが、訪問査定は簡易査定よりも不動産会社と関わる時間が長く、その間に不動産会社の良否をチェックできることもメリットと言えます。

しかし、訪問査定は現地確認を行う日に立ち会わなければなりません。また、公図や測量図、登記済権利証、全部事項証明書といった書類を事前に準備する必要があります。このように手間と時間がかかることがデメリットと言えるでしょう。

4.各査定方法に向いている人とは

不動産会社に査定を依頼する際は、自分の目的に合った査定方法なのかどうかをよく考えてから選ぶことが重要です。どのように簡易査定と訪問査定を使い分けていくと良いのか、詳しく見ていきましょう。

4-1.簡易査定を依頼するケース

簡易査定は訪問査定と比較して査定結果の精度が高くない一方で、手軽に査定価格を知ることができるメリットがあります。そのため、簡易査定は売却に向けてこれから準備を進める場合や、まだ売却をするか決めていない検討段階などに利用すると良いでしょう。

また、簡易査定はインターネットで査定依頼することで、不動産会社の査定担当者と顔を合わせることはありません。査定依頼後のしつこい営業活動を避けたい場合にも、適した査定方法と言えるでしょう。

4-2.訪問査定を依頼するケース

訪問査定は手間と時間がかかる一方で、査定結果の精度が高いという特徴があります。不動産の売却を進める場合には、物件ごとに異なる個別要因をしっかり売出価格に反映しなければならないため、本格的に売却を検討している場合に向いている査定方法です。

これから不動産の売却を検討する場合、まずは複数社の不動産会社に簡易査定を依頼し、査定結果や査定の根拠を比較してみましょう。その後、2~3社をピックアップし、訪問査定でより正確な査定を受けると良いでしょう。

訪問査定では、担当者が不動産の痛み具合やアピールポイントを探すことになります。水回りの清掃や、家具の整理等を事前に行い、査定に備えた準備をしておきましょう。

5.複数の不動産会社に査定を依頼する

不動産会社に査定を依頼する際は手間と時間がかかるため、1社だけに依頼すれば十分だと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、不動産会社によって査定を行う際に重視するポイントが大きく異なるため、複数の不動産会社の査定結果を比較し、より正確な査定結果を知ることが大切です。また、複数の不動産会社に査定を依頼し、不動産会社の良否も比較してみましょう。

複数の不動産会社に1社ずつ依頼をするのは時間がかかってしまうため、複数の不動産会社に一括で査定依頼できる、不動産一括査定サイトの利用を検討しましょう。下記は主な不動産一括サイトの一覧です。

主な不動産一括査定サイト

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それぞれの不動産一括査定サイトによって、登録されている不動産会社は異なります。登録や査定依頼は無料で行えるため、より多くの不動産会社に依頼したい場合は、複数のサイトに登録すると良いでしょう。

6.まとめ

不動産を売却する際は、いくらで売れるのか相場を知り、売出価格をいくらに設定するのか決める必要があります。不動産売却を進めるにあたり、必要な情報を補ってくれるのが不動産会社の査定です。

不動産会社の査定方法には、簡易査定と訪問査定の2種類あり、査定方法によって特徴が大きく異なります。自分の目的に合った査定結果を得るためにも、双方の違いをしっかりと把握しておくことが重要です。

この記事では、簡易査定と訪問査定の違い、使い分けたいパターンについてまとめています。今回ご紹介した二つの査定方法の選び方が、不動産売却で迷われていた方の参考になれば幸いです。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。