自宅を売りたい人が知っておくべき不動産売却の流れと注意点

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自宅を売りたい場合、不動産会社に相談をしてもすぐに売却ができるわけではありません。自宅の価格査定に始まり、いくつかのステップを踏んでから売却まで至ることとなります。

売却までのそれぞれの段階で注意しなければいけない点があり、もし知らずに間違いがあると、後で「あの時こうしておけばよかった」ということになる場合もあります。

今回は、査定から売却までの流れを確認した上で、売却の際に知っておくべき注意点についてご紹介いたします。

目次

  1. 自宅売却までの流れ
  2. 査定は複数の不動産会社に依頼する
  3. 高く査定した不動産会社だけに絞り込まない
  4. 良い不動産会社と巡り合うには
    4-1.正しく査定をしてくれている会社を探す
    4-2.自分で相場を調べて不動産会社を見極める
  5. 仲介と買取はどちらが合っているかを検討する
  6. 売却をした後に発生する瑕疵担保責任
  7. まとめ

1.自宅売却までの流れ

自宅を売却する際は、まず大まかな売買価格を出します。これを査定と言います。査定は2回行われ、それをもとに売り出し価格を決定します。売却に当たっては、不動産会社に買い取ってもらうか、仲介を依頼して購入希望者を探すかのいずれかを選択することとなります。

買取は不動産会社が直接物件を買い取るもので、仲介の場合は広告を出すことで買主を募集して問い合わせを待ち、問い合わせが来た買主と交渉して条件が合えば売買契約を行います。また、売却が完了しても、仲介の場合には瑕疵担保責任を問われる可能性があります。以下ではこの流れに沿って注意点をご紹介したいと思います。

2.査定は複数の不動産会社に依頼する

自宅を売却する際は、まず自宅の価格がいくらくらいになるのか査定を行います。査定は机上で試算する簡易査定と実際に物件を見て行う訪問査定とあります。査定は不動産会社に依頼することとなりますが、1社だけへの依頼だと査定価格が物件の本来の適正価格かどうかが判断しにくいので、複数の不動産会社に依頼することが大切です。

その際は、自分で1社1社直接査定を依頼するのではなく、『すまいValue』などの不動産一括査定サービスを使うと便利です。不動産一括査定サイトでは、一度物件の情報を登録すると複数の不動産会社による査定を受けることができます。その価格を見て、希望の価格に近い不動産会社と話を進めていきます。

3.高く査定した不動産会社だけに絞り込まない

不動産会社から提示された価格を見ると、最も高く査定した不動産会社1社に絞り話をすすめたくなるところですが、最初の段階で1社に絞り込むにはリスクがあります。

必ずしも査定価格=売却価格になるわけではありません。高い価格で募集しても買い手が付かないために価格を下げたり、買主との交渉で価格が下がったり、逆に問い合わせが多い場合は価格を上げるケースもあります。

また、実際に売却となると買主との交渉もあり、査定価格よりも不動産会社の担当者のやる気や積極性などで交渉の結果が変わってきます。このような点から査定の段階では1社に絞らず、複数の不動産会社と話を進めながら、徐々に絞っていくようにしましょう。

4.良い不動産会社と巡り合うには

では、良い不動産会社と巡り合うにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。ここでは良い不動産会社を見分ける方法について見てみましょう。

4-1.正しく査定をしてくれている会社を探す

査定の際に高く価格を付けてくれる会社は、積極的に物件を取り扱いたい、という意思の表れでもある可能性がありますので、高く査定している会社と連携を取ることは大切です。

しかし、高く査定している会社以外にも、適正価格で査定してくれる会社かどうか、という点で会社を見ることも大切です。高い査定価格でも、売り出し後にすぐ下げてしまう会社もあるため、もともと下げた後の価格帯を提示している会社でも良かったということになります。

最初に適正価格に近い価格を付ける会社は、きちんとリサーチをしていると考えられるため、誠実に売却のサポートをしてくれる可能性が比較的高いと言えます。そういった会社とも同時に話を進めて比較検討することが、売却までスムーズに進めていくコツになります。

4-2.自分で相場を調べて不動産会社を見極める

不動産会社が適正な価格で査定ができているかを見極めるには、自分で相場を調べて相場価格を把握しておく必要があります。相場を調べる方法はいくつかありますが、1つは一括査定サービスで調べるという方法です。一括査定サービスで複数の不動産会社が査定価格を出してくれるので、その価格からおおよその相場を把握することができます。

2つ目の方法として、ネットで同じような不動産の売り出し情報を調べる方法があります。大手不動産情報サイトのHOME’Sやスーモでエリアや築年数、部屋の広さ、間取りで検索をして似た条件の物件と比較する方法です。

ただ、この場合は今売り出し中の価格であり、成約された価格ではありませんので、念のために成約事例も調べておきましょう。成約事例はREINS Market Informationというサイトで、スーモなどと同様の方法で調べることができます。

このようにあらかじめ相場価格を知った上で不動産会社と接することで、その会社が相場価格に近い価格を提示してくれているかどうかがわかります。

もし自分が調べた相場価格と不動産会社が出した価格とに差がある場合は、そこで話を終わらせるのではなく、その価格になった理由を確認することも大切です。理由を確認することで、自分では発見できなかった建物の損壊やマイナスポイントなどがわかることもあるからです。

5.仲介と買取はどちらが合っているかを検討する

売却の方法には仲介と買取の2種類の方法があります。どちらが自分の状況に合っているかを検討することがスムーズに売却する上では大切です。それぞれの特徴を下記表にまとめました。

項目 仲介 買取
売却までの期間 長期になる場合がある すぐに売却可能
仲介手数料 有り 無し
リフォーム 状況次第 しなくても良い
瑕疵担保責任 原則有り 無し
売却価格 需給関係や交渉による 仲介の価格より20%~30%は安くなる

仲介の場合は募集広告を出して買主からの問い合わせを待たなければいけませんので、売却までに時間がかかることがありますし、問い合わせが無い場合は価格を下げたり、あるいは引き合いが多ければ価格を上げたりすることもあります。このように売却するまでに手間暇がかかる可能性がありますが、状況によっては高い価格で売却できることもあります。

買取の場合は不動産会社が買い取ってくれますので、すぐに売却が完了します。そのためすぐに現金化したい、という方にはメリットがあります。しかし、買取の場合は仲介の価格の20%から30%くらいは安くなりますので、価格を下げたくない人には向いていません。現金化が優先で価格は安くても良い、という方には合っている方法です。

このように仲介と買取のメリット、デメリットをしっかり確認して自分の状況にあった方法で売却することが、無駄なく売却を完了させるコツになります。

6.売却をした後に発生する瑕疵担保責任

仲介で売却をした場合、瑕疵担保責任がありますので注意が必要です。瑕疵とは目視では確認しにくい欠損や損壊のことを言います。売却時にはそのような瑕疵に気付かずに売却して、その後に瑕疵が発見された場合は、民法では一定期間内は売主が責任を負わなければならないとなっています(契約で期間を短くしたり、免責にしたりすることは可能)。

仲介で売却をした場合は、売却が完了しても原則として瑕疵担保責任があるということを忘れないようにしましょう。

なお、不動産仲介大手の東急リバブルは、この瑕疵担保責任について売却後の補修費用を最長2年間・最大500万円までサポートする「リバブルあんしん仲介保証(建物保証)」を提供しています。このような売却時の保証が充実している会社も選択肢の一つとして検討してみると良いでしょう。

まとめ

自宅を売る場合の流れと注意点についてご紹介しました。自分一人ではスムーズに売却できませんし、だからといって不動産会社任せも良くありません。自分でも積極的に相場を調べたり、売却の方法を検討したりして、不動産会社と協力しながら話を進めることが大切です。

自宅を売却する際は、できるだけ早めに良い不動産会社を見つけて話を進めるようにしましょう。

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西宮光夏

不動産会社での勤務や、所有している不動産運用の経験をもとにHEDGE GUIDEでは不動産関連記事を執筆しています。現在は主にふるさと納税の記事を担当しています。ふるさと納税記事では、地域の人たちが心を込めて提供する返礼品の素晴らしさを、少しでも多くの人にお伝えできればと思っています。